平成18年第8回定例会(9月14日_一般質問4)
○議長(田中勝男) 一般質問を続けます。
11番、奥秋康子議員。
○11番(奥秋康子) 11番、奥秋康子。最後の質問者となりました。昨日から大変お疲れのことと思います。また、次の日程の都合もありますので、簡潔に質問をしてまいります。
最初に、災害弱者の対応につきまして、町長の考えをお伺いしたいと思います。9月1日は防災の日と位置付けております。この日は大正12年に関東地方に大きな地震災害を引き起こした関東大震災の記念日でもあります。清水町も人命の安全確保を最重点に消防力の強化、消火器の設置、避難場所の設置など、防災対策が進められております。また、万一に備えて、住民の命を守る防災訓練が毎年実施されているということは、安全安心のため、欠かすことのできない行事であろうかと思います。幸いにも、清水町では近年人命にかかわる大きな災害は起きておりませんが、当然のことながら、災害はいつどこで起こるかわからない。そして起こった時に混乱状態の現場の中で犠牲になるのは、自力で的確に迅速な行動ができない災害弱者と呼ばれている高齢者・障害者だと言われています。防災分野は自助・共助・公助が合言葉でありますが、日常準備をする対策としてお尋ねをいたします。
施設等に入所している人達は、職員による避難誘導が的確になされることを信じておりますので、さほど問題は少ないと思われますが、独居老人または障害者や高齢者など、避難援助活動を円滑に行うための援助が必要な人がどこでどのような生活をしているのか、一人ひとりの把握はできておりますか。もちろん個人のプライバシーの問題もございますが、災害本部を設置した時に、重要なのは援助対象者の名簿であると思いますが、その必要性の認識はおありでしょうか。実際に災害が起きた時に、自力で避難ができない人の対応はどのようにされるのでしょうか。防災は行政としての対策と住民との防災対応が一体として効果があるものだと思います。町長のお考えをお伺いいたします。
次に、業務の一括委託方式を採用することについて、町長のお考えを伺います。清水町の主要な財源である地方交付税も削減に続く削減で毎年予算編成に大変なご苦労をされていると思います。今定例議会におきましても、公共施設の各使用料等の改正が提案されていますが、私はいくら使用料の増を図っても、根本的な財源不足の解決は非常に難しいと思います。町は厳しい財政事情を背景に徹底したスリム化を図るために、職員の適正計画において、将来は120名に縮減を図るということであり、サービス業務の民間委託を取り入れていくということでもございます。これからの地方行政のあり方を考える時に、経費の節減を図るために、民間委託は避けて通れないと思います。
平成15年地方自治法が改正されて、公の施設の管理委託制度が拡大されました。分割をして委託するよりスケールメリットをいかせるように、正規職員が行う基幹業務以外のほぼすべての業務を全面的に一括して委託する方式を採用することを提言いたします。これは財政運営に苦労している自治体の中で、道内のある町で行政業務を広範囲にわたって一括して一企業に任せる民間委託を平成16年4月から開始したそうであります。職員の3分の1を占めている嘱託職員や臨時職員が担当していた分野で合計80名ほど転籍をし、20業務を一括委託したということであります。発注先は、受注先ともいいましょうか、これは官公庁の業務代行を全国的に展開している「大新東」であります。その町と同社は1年ごとに移籍社員の配置や給与の見直しを行い、経費削減を目指して、結果として委託料の軽減を図りたいとしているそうです。受託をした大新東は、業務コストの低減が図られることばかりでなく、長年培ってきたノウハウの導入によって、住民サービスの向上も図られることと期待されています。行政サービスの民間開放する先進地事例として、これは全国自治体からも非常に注目されているということでございます。現時点におきまして、清水町の将来像が全く描けない状況において、町民の不安と不満が非常に大きくなっております。地方分権が進められる中で、時代の流れに適切に対応し、自主性・自立性を高めるために歳出の削減が不可欠だと思います。本町におきましても、一括委託方式を採用すべきと考えますが、町長の所信をお伺いします。よろしくお願いします。
○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。
○町長(高薄 渡) ただいまのご質問にお答えしたいと思います。
9月1日には、防災の日に本町の防災訓練を実施したところでございます。数年ぶりで行ったところでございますが、関係者のご協力によりまして、事業を計画どおり実施できたことに感謝を申し上げたいと思います。
いわゆるこういった災害がいつ起きるかわからない、そういう中では避難について町防災計画におきましては、高齢者や幼児、それに類するお母さん方、あるいは障害者や傷病者、これらの方を優先的に避難させていくわけであります。また自力で避難できない方々については、病院等々でありますが、先般もそういった対応をさせていただいておりますが、適宜、車両その他類を使いまして避難させていかなければならないとなっているところでございます。
一人ひとりの把握がこういった中でできているのかということでございますが、施設に入っている方々については、その施設ごとに防災を含めて災害時の対応をするということで連絡等々を含めて、把握されているところであります。町で全部できるかとなりますと、今、個人情報保護の問題が必ずかかってくることになります。そういった中で、防災担当部局としては、それらの把握をできかねるという状況でございます。ただし、保健福祉に所属するそういった中では、それぞれ障害者や高齢者、要介護認定者の方々を把握しておりますので、それについて連係プレーで、防災の一員でありますので、災害時にそれらを活用させていただくということであります。
次に防災部局の名簿の重要性でありますが、十分これについては重要性を認識しているところであります。それによりまして、迅速な対応を即座にできるという状況になりますので、連携等を強力にしていかなければならないという考え方でございます。
次の自力で避難できない人の対応でございますが、今後の対応としましては、防災計画の見直しを進めております。本年、総務省消防庁より、その支援プランという要請がありますことから、本町としても要援護者の迅速且つ的確な避難構造の実施を図るために災害時に要援護者避難支援プランを作成してまいりたいとこういうふうに考えてございます。先程の防災の一人ひとりの把握の問題でありますが、これはまた町内会でも名簿ができない状況なんです。町内会長さんが一戸当たりの誰々だとこういうふうにできないのでありますが、町内会の皆さんの協力を得られれば、その町内会で独自でそういうものが準備されることになるのではないかということと、それから個々でも自助・共助といいますか、これをきちんと一番先に近くの人が対応できるような形づくりを支援プランの中でしていく必要があるだろうと考えているところであります。
次に業務の一括委託でありますが、北海道においても、全国的にも珍しいんですが、えりも町が行っているのは承知しているところであります。それまでは嘱託・臨時職員で対応してきたところばかりでございます。当町におきましては、それぞれ部門別に委託をしております。それは正職員が退職していくと、その補充は従来は臨時職員であったわけですが、それをやめまして、委託できる部分については委託ということでやっていますが、全面委託ということでありますが、今、早急には本町の場合は全面委託ができないというのが実態であります。
例えば、体育館、文化センター含めてその他ありますが、正職員を3ないし4名、あるいは5・6名配置しております。その人達が運営から管理、それから清掃・ボイラー等抜きにして、企画・運営・事業実施とこういう形でやっております。その職員が3人なり5人いなくなるのであれば、全面業務委託ができるかと思うんですが、いる間は今度本庁側に入ってきた時に、それに対応する職務ができないという、そうなった場合にはなかなか難しい。ですから今の時点では数年間はちょっと難しいかなと思うわけですが、いずれ職員数は減っていくわけですから、そういうことも想定して、やはり検討・研究していく必要があると考えておりまして、そのことについても十分に調査・研究をしていきたいと思っているところであります。
いずれにしても、こうなった場合に委託を全部していく場合には、当然、従来職員がやっていたのがやっていかなくなるわけですから、住民の協力と理解がないとうまくいかない。職員の時にはここまでやってくれたのに、委託になったらやってくれないというような面が出てくるかと思いますが、それも十分理解の上にやっていかなければならないとこのように思うわけであります。
いずれにしても、そういう方向に向かざるを得ないということでございます。その間、徹底的に行政経費の節減に向けていかなければならないと思っているところであります。将来的な部分も含めて、答弁をさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
○議長(田中勝男) 11番、奥秋康子議員。
○11番(奥秋康子) 再度質問させていただきたいと思います。今、ご答弁をいただきましたけれども、独居老人とか障害者の個人宅にいる人達の名簿というものがないということで、把握できておりませんけれども、保健福祉課と連携して協力をしてやっていくとおっしゃいました。しかし、これは1分1秒を争うもので、実際に地震などが起きた時に、警察とか消防とかそういう人達が到着するのは待っていられないと、そういう身近に助けてもらえる方がいないと逃げ遅れてしまうという、そういう住民の声も実際にお聞きしているわけでございます。そうした中で、例えその名簿が福祉課にあった場合はどのような形で、1分1秒迅速に役所の手元にあって救助することができるのかということをお伺いしたいと思います。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) 1分1秒争う場合には全然機能はしません。それは町内会にあったとしても、仮にあったとしても機能はしないと思うんです。とにかくそういう事態に入ってしまったら、もうどうするかとなってくるわけですから、これはちょっと申し訳ありませんけれども、そういうふうにはならないと思うんです。
名簿が必要だというのは、あくまでも身元確認をきちんとできるかできないかという状況で必要だと思うんです。ですから、施設の方々もみんな協力をする防災のメンバーになっていますので、即座にそれらは集約できますが、一番大事なのはやはり町内会やそれぞれの地域で把握できるものはするというのが一番のポイントではないかと思います。そこからスタートして災害対策本部などに入って、そこから迅速な形に入る、その前には当然先にやらなければならないことは、やらなければならないわけです。
地域ごとの支援プランというものを町が全体のものをつくりながら、地区に支援をそういうようなことで町内会で議論をしていただいて、素案みたいなのをつくりますけれども、把握していくように啓蒙・説明をしていく状況をつくらなければならないかなと思います。
○議長(田中勝男) 11番、奥秋康子議員。
○11番(奥秋康子) 非常に支援プランというのは、重要なもので、もちろんそうであると思います。そういう中で町内会の皆さんにご理解をいただかなければならない。それ以上に個人のプライバシーというものが、人命と同じほど重要だと思うんです。それで支援対象者の方にこういうことをお話しすると迷惑がるというのもありますけれども、やはり対象者の事前の了解をしっかり得るということも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) 全人口約10,400人ほどの中からそうなっていくわけですが、果たしてこれが全部理解が得られるのかどうか、これも未知数でありますけれども、防災計画でいう特定の高齢者といえば高齢者の方々、幼児なら幼児期、そういうふうになってくると思うんですが、果たしてこれが承諾してもらえるのかどうか、これが大きな課題です。結局は本人の承諾がなければ、私ども名簿の中身をきちんとできませんし、結局は個人のセキュリティーがきちんとしているところでなくて、関係者にきちんといかなかったら、それは活用ができないわけですから、結局は町内会に割り振りしてフィードバックしていくという考えです。そうなるとそこでどうなるのかということですから、やはり一番身近なのは、自助・相互扶助という中で町内で全部のがなくても戸数と町内会の会員名簿、世帯主の名簿はわかりますけれども、その中に付随している者は昔は良かったのですが、今は警察官といえども名簿はないんです。以前はあったんです。警察台帳に、どこどこに誰々がいて、生年月日まで全部あったんですが、それはもう出せなくなっていると思いますから、非常に難しいと思いますが、できる範囲の状況下は押さえておかなければならないかなと思います。
○議長(田中勝男) 11番、奥秋康子議員。
○11番(奥秋康子) 非常にプライベートな問題で難しいと思うんですけれども、いろいろと方法はあると思うんですが、そういう対象者というのか、対象者の中からモデル地区みたいのをつくって、対象者を選んで本人に申し出てもらうと、そういうことから徐々に始めるというのも事前として必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。モデル地区をつくってみるのはいかがでしょうか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) モデル地区をつくるだけではなくて、今考えているのは先般も言っているかもしれませんが、ブロックで、いわゆる見回り隊とか最近出ていますよね、安心安全のそういう中で、モデル的に福祉を中心とするとか、あるいは環境を中心とするとか、そういうことをしながら、そういうものも含めた中でやっていくのが好ましいかなと、ただこれだけのためのモデル地区をつくったとしても、それを常時訓練していかなければならないわけですから、年に何回かはそういうことをやっていかないとならないとなると、それは苦痛だとなれば機能が発揮しない。そうではなくて、全体生活を地域でやっていく時に相互扶助、助け合い運動を進めていく時にモデル的なものがあったらいいなということで、そういうブロック案を出してきているわけですが、町内会のそれぞれの議論、時間がかかると思いますが、やっていかなければならないと思っているところであります。
○議長(田中勝男) 11番、奥秋康子議員。
○11番(奥秋康子) それでは一括委託について、もう一度お伺いしたいと思います。今、非常に財政難ということでございます。そういうことで、将来、町長は財政計画の健全化プランの中でも示しておりましたけれども、事業の委託において経費削減の可能性があるかどうかという協議をしていくということをお話しておりますけれども、これらは万が一個別に委託をしたということにおきまして、逆に正職員の数は減って、職員の給料は少なくなったけれども、委託先で委託費がかさむというそういう心配はないでしょうか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) 現在の時点では委託費がかさむという、毎回毎回やっておりますね、ですから社会全体の人件費アップというか、今はもうないのでありますが、そういう状況が出た時にはアップしますけれども、委託していれば少ないアップでやれるのですが、そういう中では、職員と比較した場合にはむしろ委託したほうが安いかもしれませんが、直営で雇ってやる場合に安くなるというケースもあります。
質問の要旨では一括委託したほうがいいのではないかということでございますから、そうするには今は無理があると、ご理解いただけると思うんですが、職員が今施設におりますけれども、じゃあ委託していった場合にその職員はどうなるのか、そしたらむしろ歳出増になってしまうことになるんです。本庁側にその職員はいなければなりませんから。しかし臨時職員で全部やっていたというところは、そういうところはむしろ白紙に戻して委託すれば、その職員は会社側に入ってもらうという条件をつけてやっていけば、節減ができるかと思いますが、本町は職員を配置していますから、仮に温泉にしても2,500万円くらい人件費かかっていますから、その職員4人、委託したら全員こちらで受けなければなりません。その2,500万円は収入もあれして5,000万円くらいになっていますが、2,500万円はこちらでどうするかということになってくるわけで、それにしても文化センター・体育館・図書館・給食センターにしても、全部そういう施設ありますけれども、それが嘱託か臨時であればこういう形が取れるんですが、そういうことで今はできませんけれども、将来の計画としてはこれとこれは委託して、だんだん辞めていったらスライドしていかなければなりませんから、それをあてはめていってそういうふうに向けたほうがいいのではないかということについては、議員が質問している考え方と全く同じでございます。
○議長(田中勝男) 11番、奥秋康子議員。
○11番(奥秋康子) 私もここ数年で全面委託をというふうには申し上げておりませんし、将来120名に職員数が縮減になった時に、その時にどうするのかということではなくて、その将来のことも含めて、こういう一括委託方式というものを考えていただきたいということで、町長は将来はそういうふうな方式も考えていくということでございますので、私の質問を終らせていただきます。
○議長(田中勝男) これで一般質問を終わります。
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