北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成20年第2回定例会(3月13日_日程第1_一般質問5)

○議長(田中勝男) 日程第1、一般質問を行います。
 順番に発言を許します。
 2番、橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) 2番、橋本晃明です。昨日に引き続きまして、さわやかな青空が広がっておりまして、土がだんだん見えてくるようになりますと、なんとなく落ち着かなくそわそわしてくるのが農家の性だと思います。今年一年どんなふうにやっていこうかという、なんとなく、わくわくどきどきというのもこの時期の特有な感情かと思います。町も財政は厳しいけれども、やがて春が来てどんなふうにまちづくりをしていこうかというときにまだ雪が解けない時期のそわそわ感といいますか、そういうものをもって明日のまちづくりというものを考えて準備をすると、そういうことが備えとして大事なのではないかと思います。ひとつ、さわやかな青空のような、さわやかな前向きな議論をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 まず、といいますか、今回は1点だけなんですけれども、農業の方向性を示して、経済の活性化を図りましょうというのが、今回のテーマなんですが、昨日の一般質問のなかでも触れられておりましたけれども、品目横断的経営安定対策というのが、どうも農家のやる気をなくす制度だという批判が出ております。なかには、品目横断の交付金といいますか、これが畑ではなくて、作目に付いているということから、つくらないで権利だけ人に売ってしまって、自分でそこに違うものをつくって、交付金を受けているというような事例も他所の町で会話したときに出てまいりまして、何か本質とまったく違う方向に進んでいる気がしているのも事実です。ただ、この品目横断的経営安定対策というのが狙っているところは、そこを理解しないとこれはいけないんだろうと思います。
 ひとつには、世界的な流れで農業に対する補助金を出せる緑の政策について、環境に配慮した農業のありかたというものを守っていくために、補助金が出せるんだというのがひとつの方向性だと思います。日本でいえば日本がWTOで主張している多面的機能というものを守っていくということにつながっていくと思いますが、その結果として、生産を刺激しない生産、どんどん投入をしてがばがば生産を上げていくような農業のありかたに対して、農業の補助金を出すというのはだめですよというのが世界的な流れだと思います。それを生産を刺激しない政策というものが、作っても作らなくてもお金があたるというような解釈をされてしまうと、これは農家のやる気もなくなってきますし、まちづくりとしてもおかしな方向にいくのではないかと、この制度のねらいの本当のところは何かを理解して、町の活性化につなげていくということが、町として取り組むべき課題ではないかというふうに思います。
 この品目横断的経営安定対策のなかでも、実際につくられた商品が、農産物が高く売れた場合は本人の手取りになってくるわけですから、この部分を重点的にもっていくということは、これから大事になってくるだろうし、それから実際に売れるものを作りなさいという方向性が示されていると理解することもできるのでないかというふうに思います。
 今朝の日本農業新聞の一面が2月の直売所の売り上げが2割アップになったというものであります。これは中国の例の餃子事件を境に全国のJAの22のファーマーズマーケットで19%売上げが伸びているというようなことが、これは一時的と理解するべきか、この傾向がずっと続いていくとみてもいいのかという問題もあるかもしれませんが、それだけ食の安全・安心に対する関心が高まっているということを表しておりまして、やはりこの方向性を抜きにして、今後の農業の振興といいますか、それはないのではないかというふうに思います。したがって、町としては、クリーン農業に向かっていくと、全町的な取組みとしてクリーン農業を推進して、それを町の経済の活性化につなげていくという方向が考えられるのではないかと思います。
 1番目には、その先端的な取組みとしての有機農業の支援というものを考えてみてはいいのではないかと思います。化学肥料や農薬をまったく使わないで生産する有機農業というのは、非常に大きな技術的な壁といいますか、経費や手間とかがかかるわりには今のところは売り先が確保できないなどのことで取組みが十分になっていないということがありますし、また、認証を取るということになりますと、単にいいものをつくるだけではなくて、普段からの機械の管理であるとか、圃場の出入りだとか、そして製品化して売るときの課題、書類上の問題もありますし、非常に多くの手間や手続きが煩雑になってくるということがありまして、なかなか普通に農業生産をするだけでは解決といいますか、取り組むのが非常に大変な部分があります。
 こういったものについて、町としてもこれを支援していくという方向はあってもいいのではないかと、それはクリーン農業を推進する上で、有機農業で培われた技術なり、ノウハウなりが必ずいかされる、言ってみればクリーンな農業を推進していくうえで、有機農業に取組む、今は一部の取組みかもしれませんが、その農家の取組みというのは、水先案内人のような役目を果たしてくれるのではないかと考えます。
 そして、クリーンな農業の担い手として、今、北海道、全国ですけれども、エコファーマーという愛称で呼ばれている農家、これは認定農業者ですけれども、これがあります。これは持続性の高い農業生産方式の導入に関する法律に基づきまして、知事が認定した認定農業者の愛称でありまして、堆肥の施用技術、化学肥料の低減技術、化学農薬の低減技術、これらに取り組んで、5か年計画を出して、知事の認定を受けるというものでして、この認定を受けると、課税の部分で免除されるものがあったり、借りた資金の返済が2年ですけれども、ちょっと延びたりとか、そういうメリットもありますし、しかし、清水の経済の活性化につなげるとするならば、そこで生産された生産物にエコファーマークというマークを貼り付けることができる。こういうマークを付けることは清水の農産物のブランド力を高めていくことにつながるのではないか、現在もふるさとブランド清水というのがありまして、マークを付けておりますけれども、清水独自のマークと、全国で認められたマークがそこに付けられるのとでは、また、安全・安心に対する関心の高まりのなかで、価値が高まっていくのでないかというふうに考えます。
 そして、生産物にある意味準備が整ってくれば、自然と直売という話になってくるのではないかと考えます。町の人からは道の駅が清水にもあったらよいのではないかとか、直売所ぐらいほしいよねという話も出てきますが、どこにもでもあるような物を並べていても、なかなかわざわざ人を集めるということにはなってはいかないと、そうすると人口の多いところでは直売所はできるかもしれませんけれども、帯広から遠くになっていくにしたがって、直売所を開設してもお客さんがこないというような状況を想定して、手が出せないというふうになっておりますが、そこに売られている物に付加価値が付いたとすれば、わざわざそこに来るとか、帰りには必ずそこに立ち寄ってという形になってくる可能性があると、そういう素材といいますか、選択肢を広げるためも、そういう取組みというものを行っていってはよいのではないかと思います。
 そして2番目が酪農における環境対策の取組みについてですが、クリーン農業を支えるものとしては、昔から地力を高めるために家畜を導入したということにもありますが、酪農、畜産から出る糞尿を堆肥化して使うということが大事になってくるんですが、その酪農において、糞尿問題は一段落して、とりあえずまだまだ問題や課題はありますけれども、屋根つき堆肥盤もひととおり整備が終わっているところですが、新たに今度は牛乳処理室から出るパーラー排水、これの問題がクローズアップされてきております。かつては酪農家の規模が小さかったところは、この排水というのはさほどの問題にならなかった部分です。糞尿の部分と違うのは、新たに法律をつくってこれを規制しようということではないと思うんですが、従来からある水質汚濁防止法なりの法律に引っ掛かってくる部分で、かつては工場だとか、事業所が対象だったものが、酪農家が大規模化してくることによって、これに引っ掛かってくるというふうになってくるわけです。ところが、これの技術対策としては、まだまだ完成品といわれるものは出てきてはいますけれども、まだ出揃っていない段階に今日あるのではないかと思います。
 先日、北海道新聞に道東で人口湿地という、要するに軽石を敷き詰めたところに葦を生やして、そこを段階的にパーラーの排水を通していくうちにきれいにして放流をできるようにするというような、人口湿地ですから相当な面積を要するんですが、そういう仕掛けというのが出ておりましたけれども、経費的にはかからないのかなと思ったんですが、びっくりするような金額で、しかも広い面積を必要とすることなので、十勝にはどうも向かないのではないかという印象を持ったわけですが、さまざまなメーカーから出されているパーラー排水の処理装置、数十万円から1,200万円くらいまで幅がありまして、頭数規模も40頭から果ては300頭ぐらいまであるんですが、だいたい調査では600万円以上するような商品ではないと放流するレベルにはならないのではないかという調査があります。しかも月間の電気料が2万円から10万円くらいかかるということで、トータルにすると、1頭当たりで7万円から12万円のコストがこれにかかるというふうにこの資料では出ております。1頭当たり12万円もコストがかかってしまうと、これは大変なことで、とても現在の状況で酪農家が負担できるような金額ではありません。
 糞尿問題での屋根つき堆肥盤の反省を省みれば、あのときもできればそっとしておいたほうがよいのではないかというような雰囲気があって、しかし結局は最後にはみんな建てさせられたという形になってしまったと、実際には入りきらないで、どんどん出していかなければならないですから、生のまま圃場に還元するというような良くない実態になっている部分もありました。やはりこれは早急に町としても、実態がどうなっているのかということを町内の状況を調べて、そしてどのくらいまでだったら農家が負担できるのかということをきちんと出して、これは待っている姿勢ではなくて、先に働きかけていくというようなことも必要ではないかと思います。そして、そういう農業や畜産、酪農で環境に配慮した取組みを進めていくという姿勢を見せる、そして、町内の農業者の意識を改革していったうえで、そこから滲み出る私の町の農業や酪農の姿勢というものが、企業誘致や新規就農の受入れというものに対して、ひとつの方向性となってどのような企業、どのような人にこの町に来てもらいたいかということを改めて言うまでもなく個性として理解してもらえるような姿をつくっていけたらいいのではないかと考えます。そういう内面から滲み出るような農業の特徴、そういうものが必ず次の段階として観光や移住に結びついてくるのではないかと考えます。これらについて、町長としてのお考えを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) それでは橋本議員の質問にお答えします。
 まず、クリーン農業の取組みを推進せよというご意見でございます。4つほどのあるわけでありますが、本町におけるクリーン農業の取組みは平成11年に設立しました十勝クリーン大豆生産組合が中心となって、推進をして、当初は5戸でスタートをしましたけれども、現在は16戸1法人で70ヘクタールに拡大をしております。ご案内のように、この組合については第1回ホクレン夢大賞の特別賞を受賞されまして、全道的に広く認知をされておりますし、全国的にも浸透をしているところであります。おかげさまで、この大豆が豆腐や豆乳、納豆に加工されまして、首都圏でそれも高額な価格で販売をされているという状況です。私もこの品物を愛用したわけですが、本当に安全安心だということで、また味も極めてよい状況でございます。毎年、食の安全安心のイベントには社長が自ら来て販売をテントのなかでしているということですし、農協も食彩館の店舗のところにも置いていますが、毎日は入ってきてはいないという状況です。豆腐につきましては、一丁につき1,000円という形で売られているようですし、豆腐料理専門店、そこが清水のすべてが入っておりまして、生産者の自己紹介からどういう履歴を全部並べて店に展示しているようです。
 そういうことで非常に求められている有機栽培というのは大切だと思います。一時、本町でも小豆などで取組みをしましたが、当時は消費者の関心や認知度が低かったわけですが、今日では消費者にとっては重要と考えられておりまして、これを求めた農業を強く推進していかなければならないと思います。それにもまして結局は土の改良ということになります。そういうことから、地域に持っている資源、これをいかに有効に活用していくかということが求められておりまして、経済戦略会議のなかでもそういう話が出ておりまして、そういうことを受けて、かねてから環境問題も含めて、農協が思い切ってこの事業に取り組みたいということで、今年度良質堆肥を生産していくということで、施設の整備を予定しているわけであります。問題はこれを生産者がいかに活用していくかということになるわけですが、当然経費もかかるわけですので、事業の理解をしていただかなければこの良質堆肥もですね、はけていかないということでございます。ただ、これだけでは当然、農業の肥料としていきるわけではありませんけれども、有機栽培、清水の町が全体的にそういうことになっていくんだという理解を強めていくように推進していかなければならないと思います。
 次にエコファーマーの育成ですが、ご質問をいただいたとおりでありますが、本町ではまだ1戸ということで、管内では非常に低い状況であります。十勝管内全体で500戸という形になっておりまして、一番多いのが士幌町が250戸を超えているんですが、本町は1戸ということで、非常に少ないと、ゼロのところもありますが、これを認定していただくように町内の畑作農家のJAともども、あるいは改良普及センター含めて協議をしながら、この認定作業を進めていかなければならないのではないかとこのように思うわけです。
 次に、清水ブランド力の向上という題目ですが、ご案内のようにふるさとブランド十勝清水ということで、86品目を町の推奨品としているわけでして、この中身をもう少しクリーン農業の大豆づくりということで考えていかなければ、制度を設けたもののいわゆる消費者に受け入れられないということにはならない。やはり受け入れられるような状況を詰めていかなければならないと思います。
 次に直売所の必然性であります。これはかねてからそういうようなことで、私どもも検討してまいりました。しかし、道の駅は現在のところ、町がやるのか、あるいは第3セクターでやるのかというそういう認定しか受けられません。したがいまして、今、町にはそれだけの財力的なものがないと、それは何かを利用すればいいのではないかということですが、問題はそこに直売していくなかにおける、物・人ということになります。特に物については、当然農業生産物であれば、通常のものであれば出品は可能であります。しかし、人をどうするかということ、直売所における人件費をどうするのかということについては、問題点があります。幾度か商工会やJAとも協議してきておりますが、問題は人の配置ということになります。そこらへんが一番ネックだと、それからもうひとつは町内でかなりの農産物はあるわけですが、加工の技術面力のアップ、あるいは見栄えだとか、包装していく、そういうものを含めて、これらをどう解決していくのかということをしていかなければならないのではないかと、指摘も受けているのも事実であります。町民の方ではないのですが、他の町村に贈り物したりするときに、もうちょっと包装紙を考えるだとか、包む状況を考えるとか、もうちょっと考えたほうがよいのではないかというアドバイスも受けているところです。
 そういう直売所そのものは必要だと思いますので、関係機関、特にJAの考え方が大きく左右されます。これは他所の町も行政主体でやっているところは、ほとんどが成功していない。やはりJAや商工会、住民そういう人たちが主体になったもの、一元集荷というものがありますので、そういう問題点が残されておりますので、関係機関と、今、道の駅的に、元の開発のところの情報館、そこにできないものかということで、開発と協議をさせていただいているんですが、あくまでも建物の中身は情報を提供するということでありまして、そのなかに固定的な商品展示ということは、目的外使用ということで、これは難しいと、したがってあそこの駐車場でテントで移動可能なものあれば問題はないと、恒常的に難しいとそういうことになりますと、土・日という形になろうかと、そういったことなども考えながら、他の場所でできないかということも考えたわけですが、今のところは実現に至っていないのが現状です。そういった点からもいろいろと調査を含めて協議を進めていきたいと、これは積極的にやっていかなければならないと思っております。
 なお、農業開発公社で昨年に直売所をテントでやりましたけれども、あまり宣伝をしなかったのですが、かなりの人が来ていただいたと、問題は商品が少ないと、限定されたと、結局それは人の問題になるわけです。幸いに農業公社は目の前でしたので、農業公社の職員がフォローして来れないときは職員がやったという経過があります。今年度も農業公社の理事会でもう少し拡充をしていきたいということで考えているところであります。
 次に、2の環境対策の取組みですが、待ったなしのパーラーの問題です。地球規模の環境重視、21世紀はそれに尽きるわけですが、これにかかわる今日までの負荷を与えすぎた、化学肥料の過剰施肥だとか、家畜糞尿の過剰散布などによりまして、地下水の汚染を引き起こしていると指摘されています。さきほど申し上げましたように、これからの農業振興は環境を重視したなかでやらなければならない。環境と調和していかなければならないとこのように思います。
 堆肥盤をやるときに、気がついたのですが、パイプのラインの水の処理はどうなっているんだろうかというお話をしたことがあります。それは今から10年前くらいですね、どうなっているんだろうなと、そのまま地下に入っているんだという話を聞いて、これは将来的にまずくなるんではないかと、環境委員会というのがありますので、その折に話したんですが、割合大規模なところは大規模だったんですが、小規模な状況もございまして、さほど念頭にあまりなかったということでございました。必ずくるんではないかと言っていたんですが、その現実味がやはりきているのではないかと思います。
 町内ではパーラー排水処理は浸透桝での処理が大半であります。機器を入れて処理しているところは町内で3戸という状況でございます。さきほどお話がありましたように、機器が非常に高価であると、乳価の問題から飼料の問題からいっても、とても負える状況ではないと伺っております。
 排水することによって、アルカリなど環境に負荷な状況にかかっているわけでして、これは喫緊の問題になっているのではないかと思うわけです。そういう高性能な機器が出ていますけれども、結局は需要者が少ないということから、高額だということであります。電気料はどう考えてみても高いということがネックになっているということでして、これをどうするかということになるわけでして、わが町としては生産を落とすわけにはいかないわけでして、それを考えていくためには改善策を求めなければならないと、今のこの状況では求めてもやっと堆肥盤をやるのにも大変だったので、すぐに対応ということにはならないだろうと思いますが、この現場の状況をぜひとも訴えていかなければならないと思っておりまして、先般の口田議員のお答えでも、生の声を国へぶつけていくようにしていきたいと思います。加えてそのためには、農業者が意識をこの問題について高めていかなければ、理解をしていかなければならないだろうと、いくら補助がついたとしても、仮についたとしても、取り組めないような状況ではどうしても改善できるわけではありません。やはりそういったことで、考え方を改めていただくような議論の場を重ねていかなければならないかなと思っております。
 そういったなかで、橋本議員もお話のように、美しい、そして農村景観を守り、環境にやさしい、有機農業の町として、クリーンな農業の町としてイメージアップがはかれるものではないかとこのように思っております。現在、交渉をしております農産物加工企業にはどうしてもそういうクリーンな生産をしてもらいたいという希望を持っております。そういう希望に添えるようにすることで、企業が本町に設置されるというふうになるのではないかということで、きれいな農村地区景観環境となれば、Uターンする人々も戻ってまいりますし、新たに清水町で農業をやってみたいという人も出てくるのではないかというふうに思います。
 次に、そういった状況から進んで観光面に進むわけであります。観光だけが先行して、後は先行していないということになるのではなくて、絡み合ったなかでいかなければならないと思います。現在、グリーンツーリズムの検討会議でもそういう意見も出ております。更には移住政策も進めておりますが、臭いがどうしても気になるということが出ております。当然、農産工業の町ですから、時期的に臭いがあるわけですが、それらも臭いの少ない、酪農、畜産における臭いがないようななかで、まったく無くすることはできませんが、やわらげていけるような状況をつくっていかなければ、移住もなかなか進まないのではないかと思います。今後、今のような新しい消費者、農業の方向性を示して関係機関と、特に農協と詰めていかなければならないとこのように考えております。
 以上で、ご答弁に代えさせていただきます。

○議長(田中勝男) 橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) ただいま答弁をいただきましたが、有機農業の支援に関する部分がなかったかなと思います。ひょっとすると、有機農業と北海道の推進するクリーン農業の違いというものがよく認識されていないのでないかと、ごっちゃになっているのではないかと思いますので、そこのところをまずお聞きしたいと思います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) ごっちゃになっているわけではなくて、ストーリーとして話をしているんですが、支援というのを、有機農業に対する支援とエコファーマーですか、その関わりでしょうか。お伺いしたいと思います。

○議長(田中勝男) 橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) さきほど質問をしましたのは、クリーン農業の取組みを全町的に進めて、クリーン農業のまち清水というイメージをつくりたいと、その先端的な技術的、手続きとかの先駆者として有機農業に取り組んでいるグループというものが存在して、そこを支援をしていくことが、誰でもがクリーン農業に取り組んでいくための普及の方法になっていくのではないかという観点から有機農業に取組むグループ、個人の農家というものを支援するということが必要ではないかと聞いたわけであります。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) グループが現状でやっているのは大豆生産組合が、助言的ないろんな協力体制を取っておりまして、財政面での支援を言われているんではないかと思いますが、それについては以前は立ち上げするときから技術的なことから財政面から支援してきた経過がございますが、今は確立してきているわけですが、そういったグループ等々が生産にかかわるのが多数生まれるような努力を、町だけではなくて、JA、そして改良普及センター、これらを合わせて支援対策をしていくということをさきほど申し上げたつもりなんですが、今後もそういうことを続けていこうと、ときにはそういうなかで、新たな開発が生まれるのであれば、それに対する補助制度の導入を含めたなかで協力支援体制を取れるような状況をつくりあげていかなければならないと思います。

○議長(田中勝男) 橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) 産業振興課長に聞けば一発で答えが返ってくるのかわかりませんけれども、ここはちょっと大事なところですので、町長に理解をしていただかなければならない。有機農業というのは化学肥料も、化学農薬も一切使わない農業です。北海道のクリーン農業というのは、ガイドラインがありますし、エコファーマーの認定を受けるための法律というのは全国的なものですけれども、そこでも基準がありまして、化学肥料50%削減を目安にするとか、化学農薬にしても同じだとか、堆肥の有効利用を図っていくというものが具体的な方法で盛られているというのが条件で、ここでは化学農薬や化学肥料というものを使うことは一定程度は許されているわけですが、したがって、これはただの無農薬、減農薬、これは似ていますけれども、非常に大変さが違います。しかも、有機農業の取組みをするには、当然、農薬を使った散布したトラクターで有機農法を行っている圃場に入ることが許されませんから、トラクターを洗浄してから入るとか、生産物の積み込みを混ざらないような手間とか、圃場に泥が入らないようにとか、人の出入りもできないとか、細かな点で難しい規制が厳密にいえばあるわけです。そういった部分について、一人だけでできるものではありませんし、技術関連についても研修等に出掛けていく必要があると、一番私が感じたのはこれを行政なりの担当者がしっかりと制度や仕組みについて理解する必要があると、そのためには勉強会や実際の有機農業を行っているところに視察に行くということもこれは必須になってくるのではないかと思います。有機農家に補助金を出せという話ではなくて、担当者の理解を高めていく、町長もこのことについてはしっかりと理解をしていただくと、有機農業を取り組む農家がいる場合には、町全体で、その妨げ、有機農業でないよというふうにならないように協力をしていくと、そういうことがこの場合の町の支援と私は考えております。そういうものが必要ではないかなという質問であります。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 今のお話は以前から営農対策協議会とか、そういうなかで、更に蔬菜振興組合とかいろいろあります。そこで話し合われてきているんです。高まりは徐々に出てきていると、したがって、視察にも出掛けておりますから、今後もより一層関係者に理解していただき、有機農業に取り組む姿勢を示していくようにしなければならないと思うわけですので、よろしくお願いいたします。

○議長(田中勝男) 橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) 有機農業というのは、有機JASの認証を受ければ、正真正銘の有機ですから、非常に価値が高いものです。昔の有機まがいとか有機もどきみたいな自己申告の有機とは違うわけで、ここはしっかりとどれだけすごいものかということを理解してもらわないといけない。清水町全体でも無理だと思いますが、どこか1箇所、清水町内に有機の郷というものができたときに、それは観光とのリンクのしかたかもわかりませんが、ものすごい人がやってくるということにもつながってくるのではないかと思います。それは認識していただかなければならない部分かなと思います。
 それで、その次のエコファーマーの部分ですが、現在町内に1戸しかないということですが、さきほどの町長のお話ではこれは増やしていきたいというお話でしたけれども、なぜ1戸しかないのか、何がエコファーマーの認証を受けることの障りになっているのか、お伺いをしたいと思います。

○議長(田中勝男) 産業振興課長。

○産業振興課長(阿部一男) 私からお答えさせていただきます。エコファーマー自体、特に北海道のなかではイエスクリーンという制度が、エコファーマーのいろんな規定だとかそういう条件をみますと、むしろイエスクリーンのほうが相当条件的に厳しいというようなことを私は判断していますけれども、むしろ北海道全体がこちらのほうを推進するような形のなかで動いてきたという経過がございます。十勝クリーン大豆はじめ、馬鈴薯の生産の一部の10戸程度の人達がその認証制度のなかに則って、強く減農薬だとか減肥料の栽培に力に入れてきてやっているという現状があって、意識がそちらのほうに強く表れたという、清水町においてはそういう状況があります。ただ、全国的に進んでいますけれども、北海道ではそういう状況があり、清水町ではこのようなことがあると、今後、認証をしていくにあたり、厳しい状況があって、このエコファーマーというのは、議員が言われたように、3種の技術の20項目ぐらいのうちの各項目のうちの1つずつ合わせて3つ以上をやれば取り組めばそれはいいという制度なんですけれども、今、盛んの減農薬とか、クリーン大豆栽培とかそういった馬鈴薯の農家の人達が限界まで減農薬や減肥料をやっている人が、更に新しくやりなさいといってもなかなか認定されない状況があるということも、制度上の国と北海道とのギャップだとかそういうこともありまして、これらの人達をどうやってやっていくかだとか、そういった問題もあります。ただ、例として、士幌町などでさきほど258戸の小麦生産農家が全部こぞってエコファーマーの認証を受けたという状況がありますので、うちらについてもこちらに目を向けながら、全国的な制度なので、そちらにも目を向けながらやっていかなければならないかなと、さきほど言ったような問題をクリアしなければならないという大きな問題もありますけれども、そういった点についてもこれから力を入れていきたいと考えているところでございます。

○議長(田中勝男) 橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) 今、課長から答弁がありましたように、このエコファーマーの認定、1回受ければ5年間ですけれども、この3つ、すでに取り組んでいるとすれば、そのほかに更にもうひとつぐらい新しいものを追加しないと、認定にならないという難しさがあります。話が変わりますけれども、国保で3年連続で収納率が上がれば、調整交付金でご褒美がもらえるというようなのと一緒で、限りなく100%近く集めていても、それが下がっちゃうとだめで、60%とか70%ぐらいの収納率のところでも、3年連続で上がればもらえるというような、そんな変なところと似ているところがあります。欧米型のシステム認証のひとつだと思うんですが、必ずやれば何でも取り組んで少しずつ前進をしていくという、全員が入らないとだめだというのがこの仕組みだと思うんです。
 さきほどの課長のお話にもありましたけれども、すでに取り組んでいる人が更に取り組むのは難しいと、逆にいえば早く入ったほうが得だと思うんですね。まだ取組みが不十分だといううちにこの認定を取ってしまわないと、逆にエコファーマーになるというのはだんだん後にいくほど難しくなると、そのときに今回の士幌の小麦、秋蒔き小麦も基準がありまして、そこが全員で取ったというような話のように、芽室でも一部の農家で盛んに取るとか取らないとかになったかいという会話が交わされておりますけれども、周りがぽつぽつと取り出したときに、あぁいかんと思って取り組もうとしたら、もううちは手一杯やってきたので取り組めないというのが一番困るというか、大変になってくるわけで、早くに取り組むほうがもし取り組むのであれば早くに取り組まないとだめだと、一日でも早く取り組んだほうが楽に取り組めるというふうに考えているんですが、その点についてはいかがお考えか、お伺いします。

○議長(田中勝男) 産業振興課長。

○産業振興課長(阿部一男) もちろんそういう考えも確かにあるという部分ですが、さきほど言いましたように、うちはもっと厳しいイエスクリーンのほうに、十勝全体が流れとしてはそうだったんですが、そんなところに目がいってという部分もありました。このエコファーマー制度というのは、イエスクリーンは北海道、エコファーマーは全国的な部分ですが、さきほど世界的な部分もあるというようなお話がされましたけれども、この部分が本当に全国的にこの程度のそういったなかで、ポピュラーな部分になっていくのかなということも、私の判断が鈍いということであれば別ですが、私は北海道型の部分のなかで、イエスクリーンの部分のなかで進んだほうがいいかなというちょっと迷いもあったりして、遅れたような場面もあります。そういったことをもう一度検討しなおしながら、しなおしたなかで、議員が言われたようなご意見も十分に参考にさせてもらいながら、取組みなど、そういったことも研究していきたいと考えてございます。

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○議長(田中勝男) ここで休憩いたします。   (午前10時55分)

○議長(田中勝男) 休憩前に引続き会議を開きます。(午前11時10分)

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○議長(田中勝男) 橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) イエスクリーンのほうが内容が厳しくて、北海道としてもむしろそっちのほうを推奨しているということであるんであれば、それはイエスクリーンで私はいいと思います。しかし、20戸に満たない戸数ということで、これを拡大していかなければ、どっちみちエコファーマーだろうとイエスクリーンだろうと、結局は一部の人が取り組んでいるという話になってしまうのではないかと思います。個人の農家の経営に対して、町が助成するということはあり得ないことですけれども、こういう取組みを進めるということが、農家にとっては事務手続き上でいろんな煩雑であるものを乗り越えて取り組んでいかなければならないものであるにもかかわらず、それをやっていくと、それが町の生産物のブランド力を高めたり、ほかの工業や商業にもその影響を波及して、観光にもプラスになっていくということを考えれば、ここに取り組む価値はあるのではないかということでありまして、単なる農家の経営がどうのこうのと話ではないと、それであれば別に農協にまかせて、町として取り組む必要はまったくないと思います。この部分については、考え方は町長と同じだろうと思いますが、農業のことは農薬を使わないで減らして済むような農業というのは、やはり土づくりがしっかりして、病気が出ないと、だから農薬を減らせると、それが本当であって、農薬を先に減らしてしまって、それで病気がひどくなるような農業では町には広がっていかないと、そういう面でもしっかりとまず担当者がこの問題を理解して、町長もですが、そうして俺そんなのやりたくないよという農家に行って、そういう人もいるかもしれないけれども、その大事さを自分の言葉として、こういう方向でやりたいんだと言えるような体制をつくらないと、このことは意識改革を伴わないとできないことですので、単純にメリットがあるのかないのかだけの話じゃないと思います。ここはやはり意識改革、そのためには研修なり視察なりで理解を深めるということも必要だと思います。このことについて、取り組むつもりがあるかどうか、お聞きしたいと思います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) さきほども申し上げましたように、今後の農業の新しい取組みかたというなかで、消費者が求めている、国民が求めている、生産物をつくっていかなくてはならない、この使命は、命の源をつくっていると自負しているわけですから、しっかりとこの協議を重ねて、イエスクリーン、あるいはエコファーマー、有機農業についての取組みを研究をしていくように体制をつくりたいと思います。

○議長(田中勝男) 橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) それでは、次の酪農の環境対策についてのパーラー排水について質問したいと思います。このパーラー排水処理について、町としてなんらかの調査というものを行ったことがあるのかないのかお尋ねしたいと思います。

○議長(田中勝男) 産業振興課長。

○産業振興課長(阿部一男) パーラー排水処理、例えばさきほど町長が答弁したように3戸あるだとか、そういうこと以外の部分については、詳しくは調査をした状況はございません。

○議長(田中勝男) 橋本晃明議員。

○2番(橋本晃明) 現場の条件といいますか、それを細かく調べることが必要ではないかと思います。それはどんなふうになっているかといいますか、環境にどんな負荷を与えているかとかいうようなことではなくて、酪農家個々によって、排水の中身が違います。牛乳がどのぐらい入っているのか、糞尿の混入があるのかないのか、洗剤と水の濃度とか、水自体の量とか、そういったものによって処理にかかる経費だとか、施設の規模だとかいうものが違ってきますし、そういうものをきちんと調べたうえでないと、どのような程度のものが必要になってくるかというのがわからないのではないか。今、メーカーで出しているものというのは高額でありまして、最低でも600万円くらい、高いものは1,000万円超えるというものが、そこまでやらないと放流できるようなレベルにならないというようなそうなっていますが、鳥取県において、東部総合事務所農林局、農水省の関連団体か何かと思いますが、パーラー排水処理の低コストモデル施設の設置というのをやっております。内容についてはデイリージャパンという雑誌にも連載がされておりますので、これは見ることができますが、これでは1頭当たりのコストを20,000円ぐらいまで、15,000円ぐらいの計画でやって結局は20,000円ぐらいになったと書いてありますけれども、それで放流してもいい基準までに水質を下げています。月々の電気量も11,000円ぐらいですね。頭数の規模は搾乳牛で60頭です。こういう実験といいますか、実証みたいのがありますが、これなんかはFRPサイロを流用して、手づくりに近いような形でつくってあります。一度こういうものを鳥取ですからちょっと遠いですから、資料を取り寄せるなり見るなりして、調べて、本州と北海道は違いますけれども、清水町でもほかのもっと安く済むような資材だとか何かを見つけてできるものであれば、地元の業者を活用しながらとか、仲間内で共同作業で設置したりとか、手づくりでもいいですから、何か低コストでこういうものを持っていくということを考えるべきではないかと、その際には手づくりのものであれば、そこに流せる牛乳の量だとか、そういうものに制約も出てくるかもしれませんし、そういった部分というのをきちんと調査をするなり、検証するなりして取り組んでいく必要があるのではないか。具体的なものをこちらからどんどん考えていかないと、ただ国の方針でこうなりましたと、何年かリースで何百万か何千万円するものを導入しなさいといわれたら、導入できない農家はやめてしまおうかということになる可能性がありますから、それは先に先に考えていく必要があるのではないかと思うのですが、いかがお考えでしょうか。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) これもよく研究してみたいと思います。

○2番(橋本晃明) 終わります。