北海道清水町議会

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平成20年第2回定例会(3月25日_日程第3)

○議長(田中勝男) 日程第3、議案第16号、清水町奨学金の貸与休止に関する条例の制定についてを議題とします。
 提出者より提案理由の説明を求めます。教育課長

○教育課長(石黒 勉) 私のほうから、議案第16号、清水町奨学金の貸与休止に関する条例の制定について、ご説明いたします。
 清水町奨学金条例の規定にかかわらず、当分の間、同条例に規定する奨学金の貸与を休止する。
 これの制定理由でございますが、清水町奨学金につきましては、行財政健全化プランによりまして、奨学金の新規貸付を平成17年度より廃止することになりました。そのため、平成17年度以後は、大学等に在籍している既存の奨学生に貸与をしてまいりました。それが平成19年度貸与が最後となります。こうした経緯から、奨学金貸与につきましては、平成20年度より停止するため、清水町奨学金条例による貸与が停止できるよう条例を制定するものであります。
 附則としまして、この条例は平成20年4月1日から施行するものであります。以上で、説明に代えさせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○議長(田中勝男) これより質疑を行います。質疑ありませんか。
 9番、妻鳥公一議員。

○9番(妻鳥公一) 奨学金の財政改革とこれはどういう関係があったんでしょうか。奨学金ですから、貸与するわけですから、返してもらうということが原則ですよね。それと、大変な状況にある家庭に奨学金を出すというのは、町財政に何か関係があるのかということを、今、理由がそれだったので、お聞きしたいんですけれどもどうですか。

○議長(田中勝男) 答弁を求めます。教育課長。

○教育課長(石黒 勉) 質問にお答えしたいというふうに思います。この制度につきましては、平成7年度から制定し、今日まで至っております。当初、制定した当時につきましては、希望者も相当数ございました。その後、平成16年度におきましては、高校生の貸与希望者がゼロという状況もございましたし、大学生につきましては、2名ほどの貸与者という状況が、16年度末の段階でそのような状況になってございました。ほかの奨学金の貸付制度等も充実されているということもあろうかと思いますが、さきほど説明をしましたとおり、希望者数が少なくなってきたという状況をみまして、17年度から新規の貸付を取りやめてきたという状況がございます。それとスタートした当初、平成7年になろうかと思いますが、そのときの財政状況と昨今の財政状況につきまして、大幅に状況が変化しているということもひとつの要因にあると思いますけれども、そういう状況でございます。

○議長(田中勝男) 妻鳥公一議員。

○9番(妻鳥公一) 貸与して返していただくという状況ですね、高校生の場合は非常に平成7年頃の状況から比べると、貸与する金額というのは非常に少なかったんですよね。月に1万円だと思ったんですが、そういう奨学金を出していたと思うんですが、ちょっと少ないから借りづらかったという部分もあったんです。私は、財政と絡めるというのはよくわからないんですね。例えば、返してもらえないとか、無料になるという場合がありますよね。そのことが原因なのか。無料というのはこういう職種に就いたり、清水町に帰ってきてこういう職に就いたりとかというのはありましたよね。そういう部分が問題なのかというふうに思うんですが、そういう点でだいぶ財政的に苦しくなったという状況があるんですか。

○議長(田中勝男) 教育課長。

○教育課長(石黒 勉) 今、償還免除の関係のご質問もございました。全体の貸付者の状況を見ますと、地元のほうに帰りまして、農業後継者または介護士等で医療に従事するという方につきましては、免除規定を適用しまして、償還の免除をしているところでございます。全体のなかからいくと免除する方につきましては、人数的には5名程度という状況でございます。

○議長(田中勝男) ほかに質疑ありませんか。
 11番、荒木篤司議員。

○11番(荒木篤司) 何か、今の話を聞いていると、すごく内向きの考えかたというか、住民のために行政が何をするかということをまったく考えていなくて、簡単な話、財政が厳しくて、お金が、1円でも使えるお金を確保しようという考えだということが明らかになりましたね。例えば大学生ですか、2名しかいないというんですが、逆にいえば2名がいるんですよね。その人達が奨学金制度で大学にいけるということであれば、清水町の行政とすれば、いいことをやっているということになるのではないかと思うんですけれども、行財政改革のなかで、この条例を休止するんだというのは、今の厳しい経済状況といいますか、町民の置かれている立場というのを全然見ていないのではないのかなというふうに思うんですけれども、これは誰が決めたのかな、そういう町民の生活というか、そういうものをどう思って、例えば子供達の教育をどう考えて休止をしようと決めたのか教えてください。

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○議長(田中勝男) ここで休憩いたします。 (午前10時40分)

○議長(田中勝男) 休憩前に引続き会議を開きます。(午前10時43分)

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○議長(田中勝男) 答弁を求めます。副町長。

○副町長(五十嵐順一) 清水町の財政運営について大変だという状況のなかで、行財政実行プランをたてながら、財政運営をしているところでございます。そのなかで、平成16年にこのプランをたてた段階で、この奨学資金につきましては、平成17年から新規貸付については中止をしていこうということを方針のなかでたてたところでございます。その中身については、課長から話がありましたように、貸付数が減ってきたこと、更にはほかの奨学金制度が充実をされてきたという観点もありました。それと何よりも、当時は、清水町の財政が心配されていたとおり大変な状況にあったということが、まずは第一点にあったということから、こういう方向を取らさせていただいたところでございます。それを今回条例を制定しまして、今までは継続的な貸付がありましたけれども、それが19年度末をもってなくなるということから、当面はこの条例については施行停止をするという条例にさせていただいたところでございます。また、この条例の意味合いにつきましては、将来、こういうことがあるかどうかわかりませんが、財政が好転してそういう社会状況になったときには、この条例を廃止すれば、元の条例は生きるということになる条例のつくりになっているところでございます。

○議長(田中勝男) 荒木篤司議員。

○11番(荒木篤司) だから、内向きだというんですよ。町民のほうを向いていないというんです。この奨学金条例の目的がすごいですよ、向学心に燃える十分な能力がありながら、経済的に恵まれない子供達に奨学金を貸すんだという考えですよね。ずっと予算委員会のときにも話されていたように、今、住民が置かれている経済的事情といいますか、極めて厳しい状況にあるわけですよね。奨学金を貸すのをやめていたのをむしろ復活するぐらいの考えでなければ、私はおかしいんではないかなというふうに思いますし、たぶん教育委員会はそう考えなかったのではないかと思いますが、どうしてそういうふうなことまでに内向きになってしまうのか、不思議でならないんですが、考え直すつもりはないですか。

○議長(田中勝男) 副町長。

○副町長(五十嵐順一) さきほども触れましたけれども、当時、清水町の財政については、町民すべての方が心配された状況にあったと思います。なんとか克服をしていかなければならないという思いで、町民の方にはそういう意味では負担を強いたことになるかと思いますが、そういう観点から今回させていただいたところでございまして、けれども、冒頭申しましたように、財政状況が好転し、社会のなかで奨学資金制度の問題が、そのものがまた悪くなってきたという場合につきましては、そういう町独自のことも考えられることもあるかと思いますが、当面、この財政運営のなかではちょっと復活するのは難しいのかなと考えているところでございます。

○議長(田中勝男) ほかに質疑ありませんか。

(「なし」と呼ぶ者あり)

○議長(田中勝男) これで質疑を終わります。

○議長(田中勝男) これより討論を行います。
 討論はありますか。

(「なし」と呼ぶ者あり)

○議長(田中勝男) 討論なしと認めます。

○議長(田中勝男) これより、議案第16号、清水町奨学金の貸与休止に関する条例の制定についてを採決します。
 おはかりします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方は、起立願います。

(賛成者起立)

○議長(田中勝男) 起立少数です。
 よって、議案第16号は、否決されました。