平成20年第7回定例会(9月16日_日程第2_一般質問1)
○議長(田中勝男) 一般質問に入る前に、あらかじめ申し上げます。
最初の質問は、通告の全項目について、一括して質問していただき、再質問がある場合は、一問一答質疑になりますので、よろしくお願いいたします。
また、質問、答弁にあっては、わかりやすく、簡潔に行われるよう特にお願いいたします。
日程第2、「一般質問」を行います。
順番に発言を許します。
3番、西山輝和議員。
○3番(西山輝和) 3番、西山輝和。議長のお許しを得ましたので、これから一般質問をさせていただきます。
御影診療所についてお伺いします。
御影にとりまして、診療所は地域医療の拠点として、大変大きな役割を担っております。本町でもこの5年間に65歳以上の高齢化率が4ポイント弱も上昇し、来年度には30%台に乗ろうかという勢いのなかで、高齢者の地域医療を根底から支えている現状から、同診療所と地域住民との信頼関係は絶大なものと思います。それだけに御影地域の住民の多くは、診療所の将来について、あるいはその存亡について、常に気にとめ重大な関心を持っているところです。
この点については、これまで診療所の荒井医師からの診療所存続のための提案や、地域協議会からもこのことについての存続要望書を受けて町としても鋭意努力を重ねていただいていることは承知しております。平成17年9月及び平成18年3月の定例会でも町長から行政報告がされているところで、その取り組みに深く感謝しております。
そこで関連も含めて、大きく3点について伺います。
医療制度改正に伴い、療養病床再編成について、全国約38万床の療養病床を2012年までに23万床減らして、医療保険の15万床だけにする、医療病床13万床は全廃するというものです。医療の必要性の高い方は医療療養病床へ、医療よりも介護サービスが必要な方は介護施設、老健、特養、在宅などに変えていき、受け皿も決まらずに患者を追い出す政策で、介護保険制度との調整や地域医療計画の検討もなく、多くの医療難民、介護難民が出現し、社会的混乱を招くことが心配されます。介護福祉施設などの待機者は多数いるなか、一方的に厚生労働省が決めて、地方に押し付けるものであり、町として今後、御影診療所に対し、どのように支援、対応を考えているのか伺います。また、地域協議会に対してもしっかりした説明がなされるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
2点目、急性期の医療よりも慢性疾患に対する医療が重要であり、住み慣れた家や地域で適切な医療サービスを受けることができる体制が不可欠でこれが現状高齢者の一番の願いであると思います。したがって、かかりつけ医とともに、退院後でも在宅で安心して受けられる往診や訪問介護の体制が重要であり、更に、リハビリ、デイケア、デイサービスなどの福祉サービスの連携が必要であるかと考えます。町として医療保障に対する高齢者のニーズをどのように捉えて理解されているのか、お伺いします。
3点目、御影診療所はまさに高齢者医療の核としてその機能を担っていますが、今後、一層の高齢化は避けられない状況にあるなか、高齢期を支える御影地域の保健医療システムを町長はどのように考えているのでしょうか。いかに医療制度が変わっても、町としては、こうした高齢者のニーズに即した医療体制を確保することが務めであり、義務であると思いますが、町長はどのようにお考えでしょうか。以上、よろしくお願いします。
○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。
○町長(高薄 渡) それでは西山議員のご質問にお答えしたいと思います。地域高齢者医療と御影診療所の今後についてということです。現在、御影診療所におきましては、地域住民の中核施設として、診療及び療養ということで多大なご貢献をいただいているところです。特に、御影診療所については、議員各位もご案内のように御影村立国保診療所として開設したところです。その後、清水町との合併によりまして、町立国保診療所ということでまいりました。その後、開設以来の医師が退職するということで、新たに現在の医師にその旨をゆだね、今日に至っているところです。
国の医療制度改革でございますが、さきほど西山議員もお話のように、療養型病床、それらの医療報酬含めた制度の改革のなかで減にするということでございます。極めて私どもこの件につきましては、住民との会合を重ねて議論をしていくべきだろうということで申し上げているところでございます。本町におきましても、これらが削減されることになりますと、大変地域社会に及ぼす影響が大きくなるということから、その対策を考えていかなければならないのではないかと思っております。幸い、現院長におきましては、介護医療療養型施設から、2012年までの間に老人保健施設等を考えていきたい、転換をしていきたいというお話をいただいているところです。私どもも現在、介護にかかわる施設はそれぞれございますけれども、老人保健施設というのは今日まだないという状況です。そういうことから院長のお考えについては、これは望ましい状況ではないかということで協議を進めているところでございます。そういったなかで、実現が可能になるような協力体制をしていかなければならないだろうと考えているところでございます。また、方向性が医師との協議により生まれるならば、地域協議会に十分にその旨を説明をしなければならないという義務もございます。
次に、高齢者のニーズをどのように捉えているのかということですが、本町も年々高齢人口が増加しているところでございます。健康な高齢化になれば一番望ましいのですが、やはりなかにはやむを得なく病によりその旨のサービスを受けなければならないという状況にあるわけです。私どもとしましても、現在、民間でしていただいております特別養護老人ホームを町から民間に移設することによりまして、質の向上も図られておりますし、更にグループホームを2箇所設置していただいてきたところでございます。更に、昨年には小規模多機能型介護施設ということで行われ、デイサービス、社会福祉協議会ともども、更に旭山学園あさひ荘が今年からデイサービスを行っているということで、弱者に対する一定のサービス条件は整ってきつつあるだろうとこのように思っております。今後もそういうような増加の一途をたどるわけですが、官民一体になりまして、サービス状況をどう進めていくかということを考えていかなければならないと思っております。
更に、3点目につきましては、今日までさきほども申し上げましたように、並々ならぬ医師の献身的な診療努力によりまして、多くの地域住民が今日まで通院し、または入院し、療養の回復をさせていただいておりまして、誠に感謝に絶えず、敬意を表するところであります。特に御影に居住している高齢者にとりましては、町医者としてなくてはならない存在のところでございます。今後も、高齢化は上昇が続くわけでして、そのようななか老健施設だけではなくて、外来患者の診療及び緊急の入院等に対応ができる地域に根ざした医療施設として、更に住民の安全・安心、そして健康保持のために運営できるような体制づくりが必要であると、それが当施設だけではなくて、全町内医療機関がこぞって高齢者を支えていくために、どう医療機関があるべきなのかということを全町的な体制づくり、すなわち保健、医療、福祉のネットワークが必要ではないかとこのように考えております。今年度に策定する高齢者福祉計画並びに介護保険事業計画にその旨を明記をしていく必要があるのではないかというふうに考えているところですので、今後、十分にそれらを踏まえて協議を進めてまいりたいとこのように思っておりますので、ご理解願います。終わります。
○議長(田中勝男) 3番、西山輝和議員
○3番(西山輝和) それでは再質問させていただきます。
今の療養病床再編成なんですけれども、やはり2012年から入院している方が病院から出されたときに、清水町の今の機能では足りないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) 現在の状況のなかでは、老健施設が可能であるということの結論が出たならば、院長の方針は29床ということでお考えのようです。そのほか、外来宿泊等ができる部門も残して、外来の診療も行いたいとこういうようなことですが、いかんせんさきほど申し上げましたけれども、町内の医療機関との調整も必要ですし、できるだけそれに沿うようななかできればいいかなと思いますが、その条件下のなかで、それが可能であれば十分とはいいませんが、ある一定のそういう入居というのが可能ではないかと思います。
○議長(田中勝男) 西山議員。
○3番(西山輝和) 今もですね、診療所、朴澤病院もありますけれども、どこも高齢者で満員という状態でなかなか入院する人もどこの病院へ行こうか困っている状態ですので、さきほどの答弁を聞いていましたら、福祉計画書も作成をされるということですので、そのへんも考慮をしながら、これからどうしていくか、検討をしていただきたいと思います。
小規模老人施設などの清水町では次から次へとできて、安心をしているんですが、やはり近場で施設に入っていると、家族も安心して見にいけるということで、他所の町村に行ってしまうと、おばあちゃん1人、おじいちゃん1人で見にも行ってやれないような状態になってしまいますので、なるべく早くそういう問題を解決して12年までにはいろいろな手段を講じてやっていただきたいと思います。
次に、3項目目に移ります。昨年の10月から脳卒中で入院をしても、3か月で病院から出されてしまうということで、行き場がなくて困るという切実な訴えがありましたけれども、国の政策で変わってしまっても、本当にいいのかなという疑問がたくさんあるんですが、高齢者が願っているのは、本当にそういう安心して預けられて、退院しても在宅にいても、きちんと往診して先生に見てもらえるような充実した医療が一番必要だと思います。私も先月ちょっと来てもらえますかと言われて行ったんですが、なんだかちょっと様子が変だということで、隣の家から電話をいただいて、見に行ったら、この真夏の暑いときに煙突から真っ黒い煙がどんどん出ていてちょっとおかしいんですと言われて行ったんですけれども、体調が悪くて痴呆症にちょっとなりかけみたいな感じで、今日はちょっと寒いから火を焚いたんだということで、中に入ったら家の温度が40度近くありましてびっくりしたんですけれども、ご飯食べたのかいと聞いたら、ご飯は炊いていないから今日は何も食べていないと言われまして、びっくりして、身内の方で帯広に住んでいる方で知っていたので、電話してすぐに来てもらったんですが、私も町民課に電話してこういう状態だから、ちょっと見に行っていただけますかということで、行っていただいたんですけれども、こういう現実が、1か月の間に1人・2人という切実な現状の高齢者が多くなってきたと私も感じているんですが、これからどうやって見守ってきちんとケアをしてあげるべきかということが大事だと思いますので、そういうことも検討されてお願いをしたいと思いますが、どうでしょうか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) ただいま、西山議員の地域の切実な現場の状況を伺ったわけですが、まさにそういう状況の方もいらっしゃるわけです。地域社会でどう支えるかというところでございます。以前にも申し上げましたが、地域福祉ということで、社会福祉協議会をはじめ、行政の医療福祉チームを含めて、町内会における体制づくり、このことが一番必要だと思います。現在までボランティアでやっております。それから近しい人達が見ているわけです。消防の女性団員が火災予防を含めて見回りをしていますけれども、日々の生活ですから、やはりそこまで手が回らないという状況ですが、そういう方達は毎日必要とするわけですね。したがって、それらに対応をすべく構築しなければならないと、さきほど申し上げましたように、医療もそうですし、保健という食事も含めた問題から、火災の問題、すべてがそこに携わるようなネットワークの構築を目指さなければならないだろうと思いますので検討してまいります。
○議長(田中勝男) 西山議員。
○3番(西山輝和) 荒井医師も御影の高齢者のために一生懸命尽くしてあげるといううれしい言葉もいただいておりますので、御影地域は恵まれた地域でして、病院も歯医者もあり、小さな地域ですが、すばらしい環境が整っていまして、24時間いつでも病院に行っても、先生がいつでもいるわけですけれども、恵まれすぎて地域住民がマンネリ化して、たいして感謝の気持ちが薄れてきているんじゃないかと思いますが、そういうなかで荒井先生も新しい計画を何か練っているみたいですので、これからも行政としていろいろな面で、側面的にバックアップしていただきたいと思います。それについて、いかがでしょうか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) 院長とも十分にお話をさせていただいておりまして、院長もあまり町には負担をかけないように、迷惑かけないようにという気持ちが根底にあります。そういうなかで、いかに地域の高齢者をきちんとした体制のなかでみてあげたいんだというお話がございますので、これからもずっと協議を続けていきたいとこのように思っております。
○議長(田中勝男) 西山議員。
○3番(西山輝和) これから我々町民も一緒になってバックアップしてやっていかなければならないと思いますので、その点でも、町長から答弁がありましたように、前向きにやっていただけるようですので、地域の高齢者のために、これからも努力をしていただきたいと思います。
以上で終わります。