北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成20年第7回定例会(9月16日_日程第2_一般質問2)

○議長(田中勝男) 次に、4番、口田邦男議員。

○4番(口田邦男) 4番、口田邦男です。2件について質問させていただきます。
 1点目、原油、生産資材高騰に対する対策はということでお伺いします。本件につきましては、国内外に問わず世界的にも共通する問題かも知れませんが、原油、諸物価の高騰によりまして、住民生活に深刻な影響を与えていることはまぎれもない事実です。町長の行政報告にもあったとおり、町村会、あるいは議長会、各関係機関等々によりまして、悲痛の叫びとして盛り上がっておりますが、我々農業者においても生産資材の高騰によりまして、今年度の収支バランスも大変な結果が生ずることは間違いのない現実です。また来年の営農につきましては、肥料の値上がりが60%から70%以上、それと同時に他の生産資材も値上がりになるようです。もはや営農は成り立ちません。8月18日の十勝での3,000人集会、8月21日は札幌で全道5,000人決起大会、9月11日には札幌で10,000人の集会が行われました。私も参加しましたが、切実な思いを国や政府に向かって訴えてまいりました。しかし、景気浮揚を早急に実施をしなければならない大事なときに、総理大臣の辞職で政局は混沌としております。こうした現実のなかではございますが、些細なことでも町として何らかの対応策を講じる必要があると思いますが、町長はどういうお考えでいるのか、お伺いいたします。
 次に2点目、高薄町政2期8年の思いと今後についてということで、お伺いします。平成13年町長就任以来、2期8年の任期も残すところ数か月、終盤となってまいりました。町政スタート時、276億円の借金も行財政改革の取り組みによりまして、多くのことを行い、理事者・職員の給与、議員や委員の報酬削減、複式校6校、へき地保育所5箇所の統合、使用料の値上げ、温泉売却、職員不補充等々によりまして、100億円余りを返済、また平成20年度においては、財政健全化計画によりまして、基金対応の2,000万円余りまでこぎつけた、これらを振り返りますと、町長の手腕に評価をする一人です。ぜひ、町長の8年の思いと今後の町政の取り組みの決意をぜひお聞かせ願いたいと思います。
 以上、2点についてお伺いします。よろしくお願いします。

○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) それでは、口田議員のご質問にお答えしたいと思います。議員もご指摘のとおり、現在の原油高騰によります様々な悪条件のなかで、特に第一次産業基幹とする本町にとりましては、誠に残念な状況で推移しているのは事実です。昨年から導入されました品目横断政策をはじめとしまして、輸入飼料の高騰やさきほど申し上げました原油高による生産資材の高騰、これもかつてない高騰でございますので、異常と言われる状況です。それに対する対応というのも非常に困難を極めているのではないかとこのように思うわけです。来年度も化学肥料が値上げというのが見えておりまして、本町の基幹産業であります酪農畜産・畑作すべての農業形態に大きな打撃を受けまして、経営を圧迫しているという状況で現在もそうですし、今後もそういう予測がされるのではないかと大変憂慮しているところです。
 北海道農政部が推計をしております。これは精細な推計から少し違うかもしれませんが、19年度と来年度の対比で出しているんですが、畑作経営では肥料費が307万円上がると、光熱水費が22万円ということで、342万円が1戸当たりの経費増になってくるんだと、酪農では161万円が肥料費で合計で207万円、酪農では207万円が、畑作では342万円ということで、畑作のほうが多いのですが、畑作経費の12%増、酪農経費の5%増と、こういう状況であるということが推計されているデータでございます。購入飼料費は、酪農畜産経費に占める割合が30%以上という比率を占めておりますが、本町は増大額が前年度比で1戸当たり400万円程度という状況です。現在まで、畜産安定基金、国による補填がありますけれども、値上がりが長期になりますと、補填の割合が一段と減少していくということになります。国がこれらの対策をしていかなければならないと思いますが、本年度の補正予算で今は組む予定になっておりますが、政局波乱含みでございまして、果たしてこれが遅れることによって、結果として対策が遅れることによって、増加分が減ることはなく増えるということになるのではないかということになります。
 本町ではそういう支援策として、農業関係機関と協議を進めて、これからも十分にしていかなければならないわけですが、特に営農技術のなかで、国がいう土壌分析診断に係る経費、これらを支援してまいりたいと思っております。これにつきましては、今年度内の補正予算で対応してまいりたいと思います。飼料高騰の対策としては、自給飼料の増産対策、国が打ち出しておりますが、本年度からデントコーンの増反や草地調整、5年間で10アール当たり12,000円国庫補助を行っておりますが、本町はそのなかでも105ヘクタールが該当になっております。平成21年度には更に50から100の目標増反をしたいと、町や農業関係機関で支援を検討してまいりたいとこのように考えているところです。本町は気象条件がここ数年恵まれておりまして、栄養価の高いデントコーンの作付けが適地であるということですので、増反に向けていかなければならないと思います。しかしながら、増反のなかに被害に遭われることもありますので、これも含めた対策をしなければならない状況にあるかと思います。
 次に、町政2期目と今後についてですが、ただいま口田議員から、これまでの町政執行に対しまして、大変高い評価を賜りまして、心より謝意を申し上げます。町政執行にあたっては最善の注意を払いながら進めてきたところですが、町民等しく皆が万全だということにはならないわけですが、その思いでひたすら町民の幸せ感を維持していくということで、日夜努力してまいりました。早いもので、町政を担当させていただきまして、はや2期目を残り数か月という状況になりました。この間、町財政の悪化、インフラ整備を早くに進めたなかで、生活環境は非常に恵まれた条件下で、更に基幹産業である土地基盤整備にかけた費用というのは多大ですが、すべて町民福祉のために行ってきたことであります。国の財政悪化とともに町政の悪化も著しく、特に公債費並びに債務負担というものが大きく支払い時期にかかってきたというのが平成13年でした。ちょうど就任した早々でして、全道に先駆けて構想を練り計画に着手し、平成14年からこれに取り組んできました。国の構造改革がその折にありまして、バブル経済の後の反省評価がないまま、その改革に踏み切ったわけです。地方六団体が税源移譲を含めた地方財政の基盤を揺るがすような状況になりまして、私どもが望んでいたものとは程遠い結果になったわけです。この間、そういった状況のなかで町政運営をしなければならないという状況は非常に苦悩の日々でございました。
 そういったなかから、平成14年から16年を1期とした行財政改革並びに平成16年からの10か年にわたる行財政改革、そのうちの健全化プラン、また本年度から始まります緊急3か年と、3期にわたる計画変更、見直しをしながら、どうやら今日まできたしだいです。
 地方分権、市町村合併問題、本当に悔しい思いで過ごさなければならない日々がございました。涙の出る思いでした。歯をくいしばって、それらの協議に入れなかった反省点を踏まえて、今後はそれらが持ち上がったときには、我々からではなくて、清水町と協議をおきたいというぐらいまでの体力をつけていかなければならないという考えがございました。
 平成13年から思っていましたのは、職員の意識改革、従来は何事にも取り組んできたけれども、町民の要求度による施設づくり等々が始まっていましたけれども、そうではなくて今後はそれらを点検して、必要か必要ではないのかというものをきちんとしていく必要があると、今までと違ったものの考え方をしていかなければならないと、特にプライマリーバランスといわれる経営者感覚、会社経営と同じ感覚に立たなければならないのではないかというようなことを訴えてまいりました。
 なおかつ、住民の皆様にもこのような財政状況であるということを明らかにして、説明会や会議、会合、すべてにおいて町民の皆様に訴えてきた成果として、ご理解を賜りまして、従来のような無理な要望はしない状況になってまいりました。住民の方々が私たちでできるものはないかということで、いろいろ各種にわたって考えが生まれてきたのも確かであります。
 そういった町民の皆様の深いご理解のもと、また議会議員の皆様の深くそしてまた強い思いと理解をいただきまして、今日まで町政執行がなされてきたわけです。ようやく、その成果が少し光明が見えてきたところです。今後、実行に向けて更なる努力を積み重ねていかなければならないと考えるわけです。
 今後の考えとしましては、第一次産業はもとより消費者の視点に立った生産体制の基盤づくり、更には高齢化していくなかでの高齢者の保健医療福祉対策、更に少子化による子育て環境づくりをどうしていくかということ、更に併せて先進国のなかで日本国家の教育力低下ということも言われております。こういった面で、教育環境を充実していかなければならないと、加えて人口10,000人をなんとか守り抜きたいという強い思いで今も進めております。企業の誘地活動や交流人口による滞在人口の増加、しいては本町での居住をしていけるような状況、財政困難でありますけれども、御影地域では人口増を日々対策してまいりましたけれども、新たに造成団地を土地を求めてというふうにはならない、ましてはそうなりますと上下水道、これのインフラに対して投資をしなければならないということもございます。できれば御影地域におきましては、帯広から近距離でございますので、空き地対策で住宅建設の推進を行うと、清水町においては現在ある大きな用地が町有地含めてさまざまありますので、そのなかで定住対策をしていかなければならないだろうと思います。
 起業、交流人口、移住、宅地開発、これは町のみではなくて、民の力をいただきながら、今のおかれている財政状況では必要ではないかと、なんとか10,000人の維持、しっかりとした体制づくりでしていかなければならない状況にあると、この難局を乗り切るためにはすべての町民の皆様が一丸となって、高齢者人口が増加するなかで進めていかなければならない問題ではないかとこのように思います。
 そういった観点から、1期目、2期目の反省点を踏まえまして、再度、町政を担わせていただきたく、多くの町民の皆様のご支援がいただければそれに向かってまい進してまいりたいとこのように考えておりますので、どうぞご理解いただけますようよろしくお願いいたしまして、ご答弁に代えさせていただきます。

○議長(田中勝男) 口田邦夫議員。

○4番(口田邦男) ありがとうございました。1、2点について再質問を行わせていただきたいと思います。
 最初の原油生産資材高騰に対する問題ですが、この件についてはいろいろと説明を受けたわけですが、これに対して各要望や請願、意見書が国に出ていると思いますが、これが国としてどういった対策がなされようとしているのか、町長の判断でわかればお知らせ願いたいと思います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 現在、知り得る範囲ですが、国のほうも情報をなかなか流さないのですが、農業のみならず、すべての産業に関連することはほぼ間違いないのではないかと思いますが、農業に限れば今の高騰による土壌診断ですか、これを確実に進めていくということなんですが、そこに制限が生まれては上限というか、そういうものがあってはならないということで、私どもはそのものについても対象とすべきであると、すべてに対象であるということを申し上げているところですが、その中身について、まだ承知をしていないというのが現状です。酪農、畜産についても、乳価の問題も含めてございますけれども、関連する企業団体の調整が残されているので、そういったこともさまざまな要望をしてはおりますけれども、具体的にこうだというのは見えておりませんので、ご容赦願いたいと思います。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員。

○4番(口田邦男) わかりました。確かに、今、政局は混沌としておりますので、はやく対策を練ってほしいとイライラしているのが現実ですが、そういう状態ではいたしかたないと思います。
ならば、私がさきほど言いましたように、些細なことでもということで、町独自で何かやれることがあるのではないかと思います。例えば町税の減免とか、農業でいえば入牧料の減免とか、農業用水の減免とかいろいろ対策あるかと思いますが、今、町長として何か考えがあればお知らせを願いたいと思います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 国の施策を待っているのではなくて、町独自でそういう措置をしていくべきではないかということでございます。これも踏まえて協議をしていきたいと思いますので、ご理解願います。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員。

○4番(口田邦男) 建設的にひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それから、町長も答弁でおっしゃっていましたとおり、JAの関係ですが、JAといろいろ協議してという話ですが、新聞等によりますと各JAにつきましては、いろいろ対策が講じられているんですが、うちのJAはまだ何もそういった対策の話し合いが聞こえてきませんが、町長としてそういう相談があるのかどうか、まずは聞かせてください。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 農協のトップとは町の支援策を考えたいんですけれども、農協としていかがなものかと、早くからこの問題についてはお話をさせていただいております。現在、事務レベルでどういう方法がいいのかどうか練らせていまして、それを基にやっていただかなければならないかなとこのように思います。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員。

○4番(口田邦男) なかなか農協さんも腰が重いようでございまして、あまり進んでいない気がしますけれども、ぜひ、はっぱをかけてやってほしいと思います。行政も農協もお金がないと言うんだけれども、この際はお金がないなんで言っておられませんから。ひとつよろしく対応をお願いしたいと思います。
 そんなことで、今どうのこうの言ってもどうしようもならない問題でございますけれども、なんとか我々の景気がよくなる方策を、一人ひとりよくなるような方策を考えていかなければならないと思いますし、よろしくお願いいたします。以上で、原油に関しての質問は終わります。
 さきほど2点目に質問しました町長の2期目の思いと今後についてということでございますので、さきほど町長から3選に向かっての決意と受け止めました。よろしくお願いしまして、これに対しての再質問はありません。以上で終わります。