北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成21年第6回定例会(6月18日_日程2 一般質問2)

○議長(田中勝男) 一般質問を続けます。
 6番、森田慎治議員。

○6番(森田慎治) 6番、森田慎治です。議長のお許しをいただきましたので、通告にしたがい、次の2点について、町長の取り組みと考え方をお伺いします。
 まず、第1点目ですが、堆肥の有効活用で町おこしをということでお聞きします。この件につきましては、多少ニュアンスは違いますけれども、堆肥と環境といった主旨で質問をした経緯がありますが、結果的には具体的に見えてこないのが現実であります。このたびの町長選挙において、3期に向けて当選されました、多くの町民とともども、実行力・実現に向けて、今後の4年間の町政執行を監視しつつ、議会に席をおく者の一人として、政策実現に向けて協力していきたいというふうに申し上げて本論に入りたいと思います。
 町長はこのたびの町長選挙で立候補をするにあたり、マニフェストを作成し、町民に向けて5本の柱と54の政策を示し、4年間の町政執行に臨まれたわけであります。そこでお伺いします。柱3のなかで、地域経済に活力がでるまちづくりを推進しますとあります。また、このなかの政策18においては消費者に安全安心な農作物を提供するためにJA十勝清水町農協と一体となり、クリーン農業で堆肥の資源をいかした有機農業を推進し、本町のブランド化をはかるとありますが、このことにつきましては、私も同感であり、ぜひとも実現に向けて努力をしていただきたいと思うわけです。この任期中にできるだけ早く確たる道筋を示すべきだと思いますが、町長のお考えをお伺いします。堆肥を有効に活用できなければ、産業廃棄物となり、また環境にも影響を及ぼしかねない問題です。清水町における農業総生産額の7割が畜産で占めるだけに、畜産の町として知られている所以でもあります。したがって排泄される糞尿につきましても、50万トン、60万トンとともいわれ、これに敷料麦稈等を加えますと、さらに多くの堆肥が生産されているわけでございます。単純に本町の農耕地で割り返してみますと、10アール当たり4トン弱もの施用量になるわけであります。農協の資料にも似たようなデータがありますが、しかし、近年は経営の大型とともに、専業化し、堆肥の循環が上手く機能しないところが出てきているのではないのかと思われます。清水農協はこの現状を的確に捉え、有効活用を目的に余剰堆肥を利用するために、単独で6億7,000万円をかけたバイオマス事業に取り組み、堆肥のペレット製造を今年度から始める計画になっております。原料については、余剰堆肥を12戸の畜産農家と提携したわけですが、すでにこれらの要望に応じきれないような数量が集積されたと聞いております。これを機会にこの恵まれた資源を有効利用し、環境に優しく、安全・安心のできる農畜産物生産のまちづくりをはかることは、酪農の町としてふさわしく、積極的に取り組む努力をすべきと考えます。町長に具体的な考えがあれば示していただきたい。また煮詰まっていないのならば、短期的に成し得ない課題だけにできるだけ早く具体的に示し、取り組んでいただきたいと考えますがお伺いします。この問題は行政だけではなく、当然、生産者や農協と行政、三者が一体となり、中長期的に取り組まなければならない問題です。これに対して、行政としてどのような支援ができるのか、併せてお伺いします。
 次に2点目ですが、防風林の持つ価値観を再認識してはということであります。災害は忘れた頃に起きると言われておりますが、まさにそのとおりで、このたびの行政報告にもありますが、5月17日から19日にかけての強風により、甜菜やアスパラガス等110ヘクタールにも及ぶ被害が発生したことは非常に残念なことであります。時期が少々早かっただけにそれに対応ができたことは不幸中の幸いだったと思います。近年の農業情勢の変化は農地の移動により規模拡大、基盤整備、機械の大型化等、効率が優先され、気象の変化も加わり、風害に対する関心も失われ、経済が優先の実情であります。したがって、当然のごとく防風林に対する関心も失われ、樹齢からも伐期もきており、伐採はされるが再植されないのが現実です。風害防止はもとより、環境・景観のうえからも大切であり、どうも早くから奨励をしているようですが、一向に進んでいないのが現実のようであります。この問題については、なんといっても当事者の理解を得なければならないことは事実ですが、行政として苗木の助成等を考えながら、植林を奨励していく考えはないのかお伺いします。
 以上、2点について町長の考え方をお伺いします。よろしくお願いします。

○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) 森田議員のご質問にお答えしたいと思います。まず、1点目は堆肥の有効活用でございます。ご案内のように本町の基幹産業であります農業は畑作と酪農、混在する地帯であります。特に、酪農畜産におきましては、総生産額が大きく生まれているところです。ただいまのご質問のように、まさに畜産の排泄物、糞尿につきまして、管内でも大変たくさんの量が排泄されているわけです。20年度の生乳生産は95,000トンになりまして、現在も乳用牛・肉用牛頭数合わせて40,000頭を超えているという状況です。当然、それに伴い家畜の排泄物が多いのは議員ご指摘のとおりでございます。現在は生産者の個別処理のなかで畜産農家から活用や堆肥等交換するなどの活用が図られておりますが、これだけでれば対応できるものではないというのはご案内のとおりです。
 農業はまさに土づくりでございます。家庭菜園でも皆さん土づくりをしてやっているわけですから、まさに大きなものですから、土づくりは大切であります。それに伴うこの水問題やら排水問題を含めていかなければならないわけです。このたび、以前から農業の排泄物、糞尿にかかわる環境整備という委員会がございまして、これがつねづね本町へのどのような有効活用できるのかということで協議をしてきているところです。以前は普及センター、農協、町、共済も含めて、それぞれ調査にでかけてきたところです。その結果、当町においては、4つから5つの施設が必要ではないのかということが出ています。その折、財政が困難な状況になったということもありましたし、生産者の個々の考え方もなかった、あるいは堆肥施設を導入するという状況もございまして、なかなかそこが進まなかったというのが現状でした。このたび、堆肥化施設をつくってはどうかということがございまして、ここ2・3年の間に考えかたをまとめて、昨年踏み切って今年の3月にできあがったという状況でございます。おかげさまで財政困難ななか、JAが最大の努力していただきまして、国庫補助2分の1、あと2分の1をJAでもっていただいたということです。非常に私ども感謝しているところです。そういったなかで進めてまいりましたけれども、今年4月より受け入れして、今、現在、16戸だと思いましたが、受け入れしているわけです。10万トンぐらいになりましょうか、年間、まだまだ60万トンからみたら6分の1ぐらいだということですが、そこで今どうなっているのかということで、いろいろとお話をお聞きしますと、現在のところは特殊肥料の登録申請、これをやらなければならないということ、それから成分の均一化した肥料の製造を考えているということでございます。本施設で製造がされるのは、ばら堆肥という完熟堆肥とそれからペレットということでございます。そもそも発想は生産農家に還元をしていくということでございます。化学肥料の減肥を行っていくという状況です。それによりまして、有機農業という目標に向けていこうということで、町がクリーン農業を目指しているということから、こういうお話になってきたわけです。一方では、消費者の動向として、有機農業と、あるいは無農薬ということで求めが高まっております。特に、幼児を持つお母さん、こういう人達はそういうところに気を配っていまして、そういう方面に力点を置かなければ、私ども農業の発展性もそこで絶たれてしまうということから、こういう状況になっているわけです。
 私としては、これを早くから訴えてきているところで、JAの皆さんもそういう状況のなかでは、考えられてきたということでございます。一方では必要性は特に持っている生産者もいるわけでして、これを一度に切り替えすることになりますと、費用対効果ということになりまして、不安がどうしても出てくる状況です。そういうことで、実験圃場ということも農協でしているようですが、不安を取り除くためにはどうするかということで、土づくりでは3年か5年はかかるということですから、今の現状では使用しているものを仮に8割減らすとか、2割ぐらいでしたらあれですけれども、8割減らすとなると大変なことになります。まだまだそこまではいかないだろうと思うわけです。
 そこでJAとも協議を進めておりまして、助走路をつけてあげようと、それに対して町として支援をしていこうということでお話を進めてきたわけですが、現状ではさきほど導入に向けて活用の成分の、どうしても成分がなかなか均一化されてきていないという状況で、これが悩みだと伺っております。本格的には来年度ですねというお話が出ておりました。そういうことから、きちんとしたなかで生産者に大丈夫だよということでいかなければならないと思いますので、その折に助成を考えていこうと、本来ならこの6月でと思って、補正予算を組んでと思ったんですが、相手方がそういう状況なので待ってほしいということでございます。
 私としましては、なんとしても全町的に広めていくということが、これからの農業に必要なことでございます。そして、ペレット化したものを他町村で足りないところ、そこへ売り込むという、そういうことをしていかないといけないと思います。さらに発展した事業体になっていくと思います。現在、お聞きしますと、北海道道央地区の企業にこれが一部活用をされるというようなこともお聞きしておりますので、さらに空知地方でも非常に少ない、そういうところだとか、少ない部分のところに売り込みをしていくと、そのためには私も農協の組合長も積極的に営業活動をしていく必要がある、そのためには製品がどの製品よりも優れているということでいかないといけないと思います。循環型、人にやさしいものづくり、これを目指していくべきだと思うところです。
 ちなみに畜産農家16戸でございますが、27,000キログラム、これを製造するということで、堆肥製造量にして約1万キログラムでございます。当町ではやや正確の数字ですけれども、584,000トンぐらいが排泄されるわけです。したがって、この製造処理能力からいきましても、これだけではとても間に合わないということです。さらにこういったことを全戸やっていくとなると、相当な施設整備が望まれるであろうと、しかしこれが2分の1の補助なのですから、もう農水の補助はいつもこれでまいっているんですが、私としてはバイオエタノールの工場もそうでございますが、こういった地球温暖化に含めての命にかかわるものについて、この2分の1の枠を外してほしいということで、それぞれの政治家にお願いしているところです。現在では2分の1しかないということでございます。麦の施設もそうで、すべてがそういう状況になっているわけで、今後、整備にかかってはそういうこと、それから利活用については助走路をつけまして、生産者の皆さんに訴えながら、効果を検証しながらいくべきと強く思います。
 JAもあれだけの投資をしたわけでありますから、その思いをしっかりとしていくことをやらなければならないだろうと、町と生産者とJAと一体となってこの問題に取り組んでいきたいという決意でございます。
 次に防風林でございますけれども、確かにこの前の風の状況のなかでは、大変な状況になったわけです。本当に大型化していくには障害になるということで、今日まで切りっ放しということになっております。日かげによる影響だとか、その葉が落ちたときに畑に入ってそれが障害になるとか、いろんな面であったわけですが、いつ起こるのかわからない風害、災害ですね、それについては最低限必要だと思うわけです。森林整備は地球温暖化を含めて、大切な資源としていかなければならない、後世に残していかなければならないという役目があるわけでございます。
 過去において、国や道の補助制度を活用しながら、耕地防風林造成事業というものをやってまいりました。その後、それが耕地防風林ということで生産者が障害になるほうが多いんだということで、個人資産を形成していくことが少なくなりました。こういう状況でありますが、単独事業としては非常に難しいわけですが、今年度から新たに基金を都道府県に設けまして、林業関係で3,000億円ぐらいだと思いますが、基金をつくって、それを活用して林業にかかわる事業に充てるということになると思います。すべてが成立してはおりませんので、定かではありませんが、結局は基金のなかの1,000億円ですか、それを活用すると、さらに秋口にもう1本、1,000億円という形で基金をつくると、事業がおり込まれたときこの活用をはかって、当然、対象者がいればのことですから、協議をしながら整備を図っていきたいと考えているところです。
 これ以上、耕地防風林の減少に歯止めをかけないと町の風の流れが変わる状況になります。十勝の風の状況を把握しているのは襟裳岬にある風の資料館がありますけれども、通常は風のまわりかたがいろいろあるわけですが、今回の風のまわりかたはちょっと異常な状況であると言われております。清水におきましても、流れが少し変わってきていると見受けられると、私のちょっとこうした目算でありますけれども、ちょっと違うかなというふうに思います。それは耕地防風林だけのせいではないと思いますが、それぞれの山々の整備状況が出てきているのではないかと思うところであります。そういう面で、森林の持つ偉大な力というものをきちんと我々は認知をしなければならないということで、今後そういった面での努力もさせていただきたいと思います。以上でございます。

○議長(田中勝男) 森田慎治議員。

○6番(森田慎治) それでは再質問をさせていただきます。
 町長からお話がありましたように、清水町も、今、それぞれのなかにおいて有機農業というものに取り組んでいるのも実態です。そういうことにより、付加価値をつけながらお互いに生産を高めていくということにつながるわけです。顧みれば、消費者が求める安全安心な農産物を生産するのが私たちの使命ですので、そういった形のなかで進めていく形になるかと思います。冒頭申し上げましたように、町長がマニフェストのなかに重点事項として入っているということでございます。これをいかしていくべきなわけでございます。そういうなかで町長から説明がありましたけれども、そういった観点から、町長の目指す有機農業というものの視点、これは幅広いわけなんですけれども、どの点にしぼって、こういう形のなかで、クリーン農業・有機農業を清水の特産品、ブランド化として持っていこうとしているのか、もし町長の考えがあれば簡単で結構ですので、お話いただければと思います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 私としましたら、今、畑作中心というわけではありませんが、酪農も非常に多いわけですが、やはり畑作の豆類、野菜類、もう少し野菜を増やしていくように、新たな品種ですね、作物品種を加えていってはどうかということで、JAともそういうお話はさせていただいております。当然、牧草もさることながら、特に直接口にすっといける状況のなかで、地産地消も含めて、即売含めて、提供するなかで、そういったものが好まれるわけですが、個々に手に入るわけですから、そういったものを主体的にやっていくのが必要かなと、そのうえで大きい系統を通じたなかでもいくわけですが、同じそのなかでも買い上げといいましょうか、その価格ですね、そういうものでいくらかでも高く買ってもらえる、そういう製品づくりを求められていると、今までも求められているわけですが、それを全町ぐるみでやるかやらないのか、その違いが出てくるのかなと、本町においては地元の生産された、排泄物も生産ですから、生産されたもので、安全なもので、三要素がきっちり含まれて、産物としてよみがえってくると、そういうことをしていくことが農家経営の向上につながるのではないかと、さらにそういうことをやることで、農村景観というものを皆さん考えていくだろうし、それから町全体が美しくきれいなまちづくりをしていこうと、環境のよいまちづくりにしていこうということにつながっていくのではないかと、扶助的な効果、そういうねらいに実は私としては持っているわけです。そういうものをやっていくことが必要かなということが大きなまちづくりやまちおこしにつながるものではないかと思います。

○議長(田中勝男) 森田慎治議員。

○6番(森田慎治) ただいま、町長のお答えを聞いているとあれですが、結果的に減農薬、化成肥料の減肥ということが前提であり、ひいてそれが安心安全な農作物だということを受け止めておるわけです。過日の新聞に、帯広の畜大の珍しい記事が出ていたんですが、食糧生産と温暖化防止を両立させながら、循環型農法の研究ですか、そのなかで気になるところがあったわけですが、清水にもあてはまるんですが、大型化してきて、結果的には過去のような循環がうまく機能しなくなって、余るところは余る、不足するところは不足するというところで、余るところは有機物の過剰、堆肥の過剰投与というのが問題になってくるのではないでしょうか。そのなかの研究のなかの過剰による農耕策に対する影響、あるいは過剰投与した飼料作物から飼料として入った家畜の健康状態というものを合わせて、研究をしていくということが載っておりました。有機物も、それは堆肥のわからない有機物ではございません、堆肥を施用する場合において完熟堆肥というものが望まれるわけですが、そういったこともちょっと問われてきますけれども、堆肥の施用量というのがどのぐらいが限界かということも我々生産者としては考えなければならないと思うんですが、このへんについてどのようにお考えでしょうか。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 私は専門家ではありませんので、むしろ森田議員のほうがご存知かと思いますが、私も案ずるはそういうところもございますね。いくら肥料の問題とはいえ、肥料でなくても過剰にすべてがなった場合にはどうするのか、その障害は必ずあるのではないかと思います。ですから適度な投与といいますか、薬でもそうでしょうが、あちらこちらの薬を併用すると、副作用が起きちゃって、人体で大変なことになるのと同じように土にもそういった過剰に違うものを蓄えることによって、変化が起きるんだろうと思います。したがって、1日も早く研究機関、畜産であれば畜産試験場であり、畑作であれば研究所であり、さらには畜大の研究だとか、そういうものを絡めあわせたなかでしっかりと私どもも受け止めながらその成果をみていくということが大切だと思います。

○議長(田中勝男) 森田慎治議員。

○6番(森田慎治) おっしゃるとおりだと思います。そういったようなことを考えあわせていきますと、なかなか清水で有機物、有機栽培、クリーン農業を特産としてやっていくと、ひと口で簡単に実現に向けていくというのは非常に険しい道かと思います。それを自分なりに考えてみますと、長期的にいろんな研究、考え方を議論しながら、立ち上げる部分と、さきほど町長が冒頭で申されたように、なんと言っても生産を高めるため、その減農薬、減肥というものを考えるときに、土づくりが大事でございます。これはどちらかというと、すぐにでもできる部分でございます。この部分にしっかり軸足を置いて、それを置きながら、最後の目標に向かってあわせて進めていくことが大事ではないかと思うわけです。
 堆肥につきましても、清水農協が手がけるバイオ事業については、一部がペレットで8割ほどが堆肥としていう考えを聞いていたわけですが、最近、組合長の話を聞きますと、100%ペレットでいくんだという考えをお聞きしました。これにも成分の問題等がありまして、単費等を加えながらある程度の基準値の成分を保持していく考えを持っておられます。これも町長がさきほど触れておりましたが、実際に有機肥料として使って、価値観がどういう形で生まれるのかというのはしばらく実験といいますか、栽培をしていかないと結果が出ないわけです。
 これはこれとして、既存の堆肥を有効に活用して、そのためには生ではなくて、どういう形のなかで完熟に近い形にしていくかということが大きな課題でございます。畜産農家だけでやるのか、あるいは利用する畑作農家のなかでやるのかということも問われますけれども、いずれにしても畑作で堆肥をいろんな形で利用するには年3回、あっても4回ぐらいなんですね、なぜかというと、貯蔵しておく期間というのが法的に決められております。春先、それから夏、小麦の収穫後、それと秋という形のなかで堆積をしながら完熟に近づけていくということになるわけですが、そういう形のなかで上手く効率よくそして活用することが求められていますが、そうすることにより分散をしながら、循環型により近く、そして環境にも多少なりともやさしい形の方向に持っていけるのではないかと思います。そうするには、なんといっても、それぞれのなかで経済状況努力しながら、あるいは堆肥外の有機というのを考慮しながら地力増進に努めているわけです。
 この堆肥の処理につきましては、また別に経費がかさむわけでございます。これは農協の施設においても同じですけれども、この処理について、なんらかの経済援助、助成があることが、より町長のおっしゃるクリーン農業、町をあげてのクリーン農業に向けていくための地力の保持につながるのではないかと思いますが、このあたりについて町ではどうお考えでしょうか。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) より深く専門的なご質問でございまして、私もなかなか、はいそうですか、こうこうですねとお答えすることは難しいです。私が頭のなかで想定をしているのを超えている部分もありますけれども、黒沢酉蔵さんのお話したら怒られますけれども、その本を読んだことがありますけれども、もう何十年も前にその話をしているんですね。そこからヒントを得たこともあるんですが、さっきの蓄大の先生が言っていることを似たようなことが出てきているのも一つの要因となっております。
 これを普及、活用してもらうことで、それをさらに付加価値のある、清水町内で消費するものと、外で出して消費してもらうということを考えてもらう、それから既存のここに持ってこないやつを、個々でやっているものを完熟に近い形に持っていくと、それを2つの系統で考えなければならないと、それを要望していくという形になるかと思います。
 それには堆肥活用、堆肥をつくる、活用、それから成分がどうなのか、過剰投与がどうなのかというひとつの研究組織、そういうものが構築をしたうえで、町内すべての個々の農家が排出をしているものを、堆肥盤でやっていますけれども、そのシステム化をはかって、今、個々に誰かと契約して運んでもらったりしていますけれども、そうではなくて、システム化していけると、順番に堆肥盤のなかでやれていって循環していけるようなシステム化が必要だと、やはり研究する部門と、町内におけるシステム化と、町外の経済行動として販路を持っていくと、3つで構成されたなかで、それぞれの部会でいく必要があるかと思います。
 そうなりますと、生産者の皆さんの出動回数が増えるということになりますけれども、どこまでやるのかどうかということですね、そういうことを考えていく必要があるのかなと、そういうことを踏まえて私の意見も取り入れられればと思っております。

○議長(田中勝男) 森田慎治議員。

○6番(森田慎治) 町長が言われるのもなかなか難しい、こちらもちょっと難しく受け止めるんですけれども、深く考えて、合理的というか、ある部分で集約して掘り下げていくというのも理想ですが、逆にそれがコストがかかっていくということにつながっていくわけですね。いかにコストをかけないで、堆肥を有効活用するか、それは農家個々が考えることだといえばそれまでですが、町長が目指す町ぐるみの有機農作物、安全安心なものをつくりあげていくという形になると、やはり個々だけでしたのでは実現が難しいのだと、それを少しでも早く近づけるためには、お互いに努力し、切磋琢磨していく必要があるだろうと、既存の有機物プラスアルファ、今、言われている過剰気味というのは失礼ですが、多い堆肥を町内で有効に活用するというときにどういう形で循環できるのか、配分するのかというところについて、それぞれの経済状況のなかで、それを求めるとなったとき、交換で、利用する場合に経費がかさむわけですね。これは運賃の一部でも助成することができれば、農協の施設とはいわず、全体で堆肥が今よりも有効に動くのではないかと、それによって結果的に農家が最終的に潤うということは、地力をつけて、そこから生産して安心安全な食べ物として売れてこそ、付加価値が付くわけで、町からなんらかの助成といったものはこれに絡む町のなかの活性化につながっていくんだと思うんです。例えば運送業者の人が堆肥を運ぶ、そしてコントラ、農協以外にも企業の方が一昨年から幅広く農業分野に入っていきたいんだと聞くときに、こういった人達のなかにそういったものが反映されるとある意味ではそれがきっかけとなって、町の新たな活性化につながるのではないかと思うわけです。やはり幅広く町が、今は厳しい財政ですが、この基幹産業に投資するのは場合によってはすぐで、生産で還元がされてくるわけです。すなわち町税なり消費によって拡大がされるわけですから、そのへんを考えると、こういったものは多少無理かもしれませんが、町の支援、助成があれば町長の目指す目標に向かってより早く近づくのではないかと思いますが、今一度これについて町長のお答えをいただきたいと思います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 私も今、そこは悩んでいるところなんです。当初の出発はそういう形でコストがかかるので、運ぶのに大変でしょうというお話をつくる前にしたんです。それは生産者が運んでくるというお話があったんですが、事実上はそれはできませんよね、皆さん忙しいわけですから。どうしても運送業者に農協が一括してあれしていくという形になって、生産者からその費用をもらうという形になるわけです。そうなっていくのはそれに対する助成措置を取るのがいいのか、それか、さきほど言ったように、肥料となったものを使われる方に1キロいくらの助成をするのがいいのか、そのへんについて迷っているんです。担当者とも話しましたが、もし運搬ということになれば、それは広がりが出るかもしれない、負担が少なくなるかもしれませんが、今の時点でも数千万円単位と聞いておりますから、これはちょっとそれはどうかなと、助成をしても額があまりにも大きすぎるというのもあります、正直申し上げまして。しからば他のそういう運搬にかかわって、他のほうも運送費用の一部をという形になってきた場合に、それはないだろうと思いますが、政策の柱としていくならば、これでいいかもしれませんが、そのへんが定かではない。農協とつめていきましょうということでなっているわけです。今年度は農協でいいよと、今年度中につめていこうということにしておりますので、それも含めて検討材料にしたいと思います。ただし、大事なことは一番大事なんですけれども、多額ですのでなかなか肥料であれば10キロで何十キロというなかでいけるかもしれませんが、運搬が相当な金額になるので、そのへんのことを将来見通したなかで、何年間はということで限定すれば、それはそれでいいかもしれませんが、それ以上はずっと未来永劫というわけにはいきませんので、このへんのことを十分に検討をさせていただきたいと、今、迷っていますので、いろいろとそういう面でさまざまなまちづくりに助走路をつけるわけですから、さまざま考えていますけれども、十分に生産者の皆さんに意見をいただくのは、JAさんがいただいていますので、無理なような、なかなかできないのは無理だと言わなければなりません。できる範囲のことを考えていきたいとこのように思っております。

○議長(田中勝男) 森田慎治議員。

○6番(森田慎治) 町長も苦しい答弁をされているようですので、確かにマニフェストに書かれて、期間的にまだ具体的につまっていないのが事実だと思います。しかしながら、世の中には公約を守るという強い芯が町長のなかにありますので、ぜひとも実現に向けて努力をいただきたいということをお願いしまして、次の質問に移ります。
 さきほど、町長からいろいろと風倒木の考え方、現状についてありましたけれど、確かに風倒木というものは過去に先代達というのは風害のおそれのなかからそういうものに位置づけを置きながら、生活をしてきた、経営をしてきたという現状があったわけでございます。それがおいおいと経営の形態が変わり、風の被害がそれほどでないような経営形態に変わってきたということもありまして、昔は36号線でいくと50間、約90メートルですか、90メートル間隔で一列の防風林が、180メートル間隔で100間に一列に、一区画に一列、それも現状ではなくなってきているということです。防風林というのは時代の背景によって変わってくるわけです。ここ近年は木材の価格というのが皆無に等しい状況から、とても植林までしておくだけのゆとりがないと、植えても後世の、やはり自分の老後の蓄えにもならないという形のなかで切った後は農地に変わっていくというのが現状でございます。しかしながら、現状でいくと耕地防風林がやがてこの町からも消えていくのではないかと、現状、国道を僕らも走るんですけれども、御影についてはまだいいんですが、芽室に入っていくと、もう向こうは耕地防風林がなくなりました。道路を通っていっても、冬は吹雪、夏は砂塵ということでございます。そういったことを考えますと、あくまでもこれもさきほどと同じように個人の主管ですが、行政としてもなんだかの指導をしながら、今の時代の人が風害に対しての認識というのがあまり経験がないから、それほど重く感じないと思うんですが、そういったことを考えていくときに指導はすべきではないかと思うわけです。それについてはいかがでしょうか。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) このたびの強風だけではなくて、今後いつ起きるかわからない状況のなかで、やはり耕地防風林の大切さということは訴えていきたいと思っております。

○議長(田中勝男) 森田慎治議員。

○6番(森田慎治) ご答弁の期待をしておきます。国の予算がきた場合はそれをうまく活用できれば、なおけっこうですし、それが期待できるのかできないのかはわからないわけですが、もうひとつお願いしておきたいのですが、耕地防風林というのは皆さんが嫌うのは春先に枝処理が非常に苦慮をしておられると、多くは申しませんけれども、清水町の現状の処理が今後も継続できるようにやはり町としてもそういう形で見守っていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。この件、ご答弁あれば簡単で結構です。なければそのままで結構です。
○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 枝処理の助成ではなくて...(途中中断)

(森田議員より質問主旨について説明あり)

○町長(高薄 渡) わかりました、現状を私も把握をしておりませんけれども、よく考えながら、今までどおりの処理の仕方でいいのかどうかということですね。よく検討しながら今までどおりというのが希望のことだと思いますので、それを踏まえていきたいと思います。