北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成22年第8回定例会(12月16日_日程1_一般質問1)

○議長(田中勝男) 日程第1、一般質問を行います。
 順番に発言を許します。
 4番、口田邦男議員。

○4番(口田邦男) 今回は、非常に運が良くてトップバッターです。よろしくお願いします。
 今回は、2件について質問させていただきたいと思っております。
 1点目です。TPP参加に対する本町の危機感はということでお伺いをしていると思います。
 現在、TPP問題に関しては大きな課題となっております。政府はTPP(環太平洋連携協定)に関し、関係各国との協議を開始すると閣議決定いたしました。
 過日行われた、十勝4,000人集会にも参加してまいりましたが、TPPは原則、例外なき関税撤廃・自由化でございまして、交渉が締結された場合、十勝全体では約5,307億円の損失を生じます。また、4万人が失職すると予想されております。まさに、地域崩壊でございます。
 そうしたなか、本町においても例外ではありません。本町の農業はどうなるのか、関連産業・商工業はどうなるのか、清水町の将来はどうなるのかということに対してよく分析し、町民自らが各々の共通の認識として、危機感を共有しなくてはならないと思います。これらに対して、町長はどのように考えておられるかお伺いしたいと思います。
 2点目でございます。
 山林の売買及び開発行為を野放しでよいのかということでお伺いします。この件につきましては、過去に関連したことについて、一般質問をした経過がございますが、今回、道議会でも問題になっている件でもあります。本町においても直接関係があり、特に私の足元であることでもありますので、これらを含めながら4件について町長の考えを伺いたいと思います。
 1点目です。海外資本による山林買収の現状と今後の対等策をお伺いいたします。
 報道によると、道議会で取り上げられ、調査の結果、旭山に実態があるという件です。この件についてでございます。
 2点目、山林宅地化による別荘等の現況、火災等の災害時の対応、道路の補修改良・除雪対策についてお伺いしたいと思います。この件につきましては、旭山の別荘地だけではなく、上羽帯地区も同様のことでございます。
 3点目です。過去に新聞で問題になった、開発行為、この現況がどういったかたちになっているのかということでお伺いしたいと思います。
 4点目、山林開発行為、現況でございますけれども、規模が大きくて、私が調べたところでは60ヘクタール以上の開発行為が行われています。この実態について、どういう対応がなされているのかお伺いしたいと思います。
 以上、2項目について、答弁のほどをよろしくお願いいたします。

○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) おはようございます。
 口田議員の質問のTPP参加に対する本町の危機感に対しての、私の考えを述べよということでございます。
 ご案内のように、政府はこの会議に総理の所信表明演説も含めてTPPに参加することを検討すると表明したところであります。さらに、11月には、参加加盟国9カ国との協議を開始するという会議の決定をしているわけであります。国内においては、決定そのもの、表明そのものが拙速ではないかという声が多くなるわけであります。それぞれの現場の声、あるいは関係団体の声などといったものの声が反映されていない。国民の声が反映されていないと怒りを感じるということで大きく報道もされているところであります。私といたしましても、この問題は大きな問題でありまして、参加表明に対する考え方については反対の考えであります。当町におきましてのそういった問題点を分析いたしますと、相当な影響額が出るということになるわけでございます。
 現在、概数でありますが101億円等の農業の生産のなかにあり、関連産業及び地域経済といったものを含めますと、295億円程度、本町における影響額が出るのではないかと試算したところであります。これはTPP参加の場合で、そのような影響が出ると予測されています。
 町民の共通認識を強調していく、共通認識を一体化するためには、現在、進めている農業団体あるいは商工業団体・経済団体を含めてやっておりますが、北海道の人は特に、国内の農業生産を大きく占める道内の生産額でございます。そのうえで、十勝が多大な生産力を誇っているわけです。各町村が一体となって進めていかなければならないと思います。
 JAをはじめ、関連団体・関係団体と協議をし、町民一丸となって集会等も含めて考える必要があるのではないかと思います。私も年末にかけまして、様々な集会・会合がございます。そのなかで、市街地の皆さん方にもTPPに関する問題、農業が大変なことになっていることを50以上の団体やいろいろなところで、お話しをさせていただいております。このことはこれからも、担当課においても会合で集めるたびにTPPの問題について説明やお話しをして多くの人々に共通認識をしていただくことが必要ではないかと考えております。
 次に、2番目の山林のことでございます。新聞で大きく取り上げられています。
 日本における海外資本に対する売買に対しては、法律的にゆるく、世界のなかでも日本が非常にゆるいという状況になっています。一般的なものでは、そういう面がありますが、危機対策についてしっかりすべきではないかということで、大きく問題が取り上げられています。
 本町におきましても、ご案内のように新聞で1件出たところであります。これは別荘地としてということで購入され住まわれています。こういった問題、罰則・規制強化がないということ。あることはありますが、あまいということから開発が盛り込まれているということから、森林法の一部を改正するといったものを、来年の通常国会に提案していかなくてはならないと、政府で考えているようでございます。北海道におきましても、今回の様々な事件に対しまして、土地の売買のあり方について検討を進め、適切な整備・管理に努めていかなければならないということでございます。本町としましても、推移を見ながら我々としましても対応をしていくべきだろうと思うところであります。
 なお、山林宅地化による別荘等の状況と、それに伴う火災等の災害等の対応について伺うということでございます。旭山・剣山に限って、別荘の状況は現況調査により、現状は30棟の家屋が建設されていると確認しているところであります。そのうち4棟は、居住者が住民登録をしているところでございまして、残りの16棟は別荘ということで夏季等に使用されているところでございます。
 災害時の火災については、ロシアでも大きな火災になっているわけでありまして、危惧するところであります。消防ではこの件について、独自に現地調査をして、火災の対応を行ってきているところであります。昨年、1件露天風呂の件がありましたけれども、大きな災害にいたらず、食い止めたということもございます。除雪等については、生活しているのが4軒あり、現地確認をしながら、未認定ではありますが、路線のあるところでも生活者のために除雪をするということで行っているところであります。
 今後、宅地化していき、居住していくということになりますと、要望が強まってくるだろうと思います。そうなりますと、認定を検討していかなければならないと考えているところであります。
 次に、3点目の山林開発の行為でありますが、大きく新聞で報道されてところであります。旭山・剣山地区は住んでいる人々も非常にいいところだと重々知っていますが、他町村から見て、魅力のある地域だといわれております。そのために、このようなかたちで入ってこられているものだろうと思うところであります。十勝総合振興局としてもそういう面を注意深く見ているところでございまして、現地調査へ行き、見回りもしているようなところでございます。
 60ヘクタールという実態があるわけで、昨年の7月に情報提供をいただき、現地確認を行ったわけでございます。本人の聞き取りもやりました。十勝総合振興局が入ったのですが、適正な届出や申請を行っているということでございまして、森林法に定められている現状の制度の開発行為なわけであります。しかし、こういった面が逸脱すると違法行為になりますので、十勝総合振興局と連携を図りながら、適正な指導をしなければならないと思うところであります。
 1ヘクタール以上の面積は許可しなければならないですし、伐採も法に定められていれば基本的に受理しなければならないですが、たまたま無理な開発行為をしたということもありまして、当分の間、原状回復が行われていないところが十勝総合振興局から強く指導を求められているのも事実であり、中止命令も出て、始末書も今年度の10月末に出されているようでございます。
 町としても、常時というわけにはいきませんが、ときどき見回りをして、先般も課長をはじめ、係の皆さんが現地へ行って調査しています。注意深くしていかなくてはならないと思っているところでございます。以上です。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員。

○4番(口田邦男) TPPのことについてお伺いいたします。
 先ほど、町長からご説明がございましたように、清水町といたしましても危機感を感じているということで、これからいろいろと啓もうしていくという話がございました。
 確かに、これをまともに取り入れることになると、清水町も崩壊につながると思われますし、今あるホクレンのエタノール、プリマ、日甜等々の工場の操業も不可能なかたちになるのではないかと思われます。今、町長が言いましたように、295億円の影響があるといわれておりますけれども、これ以上の影響があって、町全体が崩壊するという危機感を募らずにはいられないのではないかと思われますので、会合があるたびに町長からも、この危機感について、町民に啓もうしていただき、一丸となって反対の方向に運動していただきたいと思っております。
 このへんについては、後ほど、同僚議員からも質問が用意されておりますようなので、TPPについての質問は以上で終わらせていただきます。
 山林の関係です。いろいろとご説明がございました。
 まず、1点目の山林売却については、現場を見てまいりました。立派な住宅が建っておりまして、あくまでも営利目的ではなしに、老後の余生を楽しむ目的のために建てられたものでないかと思っております。そういった点で、たいした害を与えるものではないと見てまいりました。
 山林の宅地化ですが、これについても報告があったように、30戸以上の家が建っている、そのなかで定住しているのは4戸ということでございます。まさにそのとおりでございまして、昼間にいっても誰もいません。土曜・日曜日は、賑やかに人が来ています。あとはいないような状態でございます。
 そのような状態のなかで、問題になるのは、万が一、火災が起こってしまったら、大変なことになるということが実感でございます。国有林がありますので、乾燥時期に火でもきたら、山のほうへ移ってしまうというのが、目に見えております。消防団も気を使って、いろいろな見回りをなされているようですけれども、これについては、これからも十分に力を入れてやっていただきたいと思っております。
 火元になる別荘の住民についてどう捉えているのか、町長から答弁願いたいです。一般の住民として捉えているのか、特別な住民として捉えているのかどちらでしょうか。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 私としましては、住民票も登録していることから、差別ではなく、住民としてみるべきだろうと思います。また、そこの人達が地域の会にどのように携わっているのかまでは、深くわかっておりませんけれども、必要であれば、町からそういったところに入って、共に活動してくださいと、毎回でなくてもやってくださいというお話もできるかと思います。地域の人々も考えていく必要があるのではないかと思います。
 聞くところによると、質問からずれるかもしれませんが、町内会もそうですが、会費の問題があります。前からいっていた会費の問題そのものには、こういうものだとわかりますが、新しい人からみれば高いのではなどがあります。そういった問題があるようなことも聞きました。そのへんも含めて、地域として配慮しながら仲間になってもらうだとか、そういったことをして、一緒に行動していくようにしていただきたいです。もし、必要であれば私のほうからも、一緒にやっていきませんかというお話を気軽にしてもいいかと思っております。
 新しい試みとして、移住者の、本州から含めて、いろいろな対策・施策をしているところであります。近年、ここ10年以内に清水に居住してきた人を対象にした集まりというか、意見を聴く会を来年度にもちたいと思っております。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員。

○4番(口田邦男) 住民といえども、対等の位置付けの住民として扱いたいのはわかりますが、あの人方は人間関係が嫌で来ているわけで、一緒に物事をやろうといってもノーコメント、私達はそれが嫌でここへ来ているので、そっとしておいてくださいという状態で、住民として位置付けができるかどうかという紛らわしい点があるわけです。それによって、道路問題も然り、全部に影響してくるわけです。そこらへんの位置付けというものはきちんとしていかなければならないと思うので、考え方をどうしたらよいかをお願いします。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 地域としては大変難しいというお話でございますので、先ほど触れましたが、居住した人達は全体的におります。そういった人達に集まってもらって、皆さんの考えはどのような考えなのかを聞いてみようと、そういう座談会をやっていくなかで、少しそういった方向に向けていくようにしていきたいと考えております。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員。

○4番(口田邦男) わかりました。そういう点は、住民といえども、地域にも馴染めないような状態のなかで、道路問題も出てきますが、道路問題も放っておいてもいいのかという気もするので、そこらへんをきちんとして、一線を設けて対応してほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、町長の答弁がなかったようですけれども、去年か一昨年に私が質問しました、開発行為です。土砂が流出して問題になりました。あれは、現在どうなっているのか、私が近くへ見に行けばよいのですが、もし、確認された方がいれば答弁願いたいと思います。

○議長(田中勝男) 答弁を求めます。産業振興課長。

○産業振興課長(八木正明) 産業振興課の八木でございます。よろしくお願いします。
 開発行為の場所につきましては、平成19年に開発されて、その当時から旧十勝支庁のほうで指導をしているところでございます。
 現状、19年当時、防災の工事につきましては、支庁のほうで指導をして、完了したということでございます。その後の、緑化の工事につきましては、まだ、完了しておりません。19年当時から、毎年、総合振興局のほうで工事の指導をし、行っているところでございますが、緑化工事については、行われていないという現状でございます。以上です。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員。

○4番(口田邦男) わかりました。
 4番目の、今、行われている山林の開発行為です。町長から説明がございましたけれども、法的にはいろいろな書類を提出、本町の担当課にも来て見てもらっています。法的には何も触れるようなことではないようでございますが、実際問題として、ここの土の表土をどんどん運ぶんです。開発行為というのは名ばかりで、中身は違うと思います。
 私は、秋口に行って見てきました。看板が貼ってあり、猟銃の発砲は禁止・立ち入り禁止という看板が貼ってありました。それを無視して入りました。そしたら、知らない間に後ろからジープが来て「何しに来たのか」と言われ、大変なことになると思いましたが、訳を話し「今、問題になっているので現地調査に来た」ということを話すと「そうか」と、説明もあり「私たちは、自然を破壊しているわけではない、私は開発行為で、将来、牧場にして、やぎやポニーを飼って、住宅を建てて余生を楽しむためにやっている」という説明なんです。実際に見にいって「これはひどい、どうするのか」と聞くと「きちんときれいにします、私達は自然も大事にします。たとえ小さな木があっても、そっとこっちへ持っていって、きちんと植えて自然を守っているんだ」と、いろいろな説明をするんです。実際にやっている行為が、どうもうまくないと、これをくい止める何ものもないというのはちょっとまずいと思うので、当人には「また見させてもらいます」というと「どうぞ、いらしてください、いつでも案内します」という調子でやっています。
 そこで、法にも触れない、誰も取締りできないということで、困ったものだ、案とかいい方法はないものかと。今、道の関係で条例をつくると、水に対しての条例で、それを取り組んでの姿勢をなんとかかなえようということで、取り組んでいる姿勢なんです。うちらも、なんかの方法で条例をつくって、規制できないかと思いますが、町長はどう考えますか。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 全国的に話題になっているところでございまして、国のほうも先般、森林についての水の保全という問題から、危機感を持たなければならないということで、そういった、今の森林法や何かの法律を少し変えていこうということであります。町村でそれができるかということについては、検討しておりませんけれども、道に対しましては、そのことを強く申し上げておりますので、道としても認識しております。どのようなものがいいか考えてまいりたいと思いますし、問題は、購入者の方が、口ではなく、将来、自分で開発していると思うんです。自分で機械を持っているので。こういった、絵を描いていただいて、何年にはこうしていくときちんとしていれば、住民の皆さんも緑化していくのにも、工事をやるにも、先に緑化してしまうと工事ができなくなるだとかがありますので、工事をしながら、その都度、緑化をしていくというようなことをきちんと提示してもらい、理解を得ればいいのかと思います。そのへんのことを含めてこの問題に対応したいと思います。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員。

○4番(口田邦男) なんらかのかたちで、ある程度の規制を考えないことには、やりたい放題で、とんでもないことになると思います。単純な考えで申し訳ありませんが、自然に関しては、何かの宣言でもして、それに伴った規制をかけ、簡単に開発はできませんというような方法は取れると思うので、今後の課題として考えていただきたいと思います。以上で終わります。

○議長(田中勝男) 口田邦男議員の一般質問を終わります。