北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成22年第8回定例会(12月17日_日程1_一般質問6)

○議長(田中勝男) 日程第1、一般質問を行います。
 順番に発言を許します。
 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) 10番、安田薫です。
 通告してあります、3項目についてお伺いします。
 初日、TPP問題にありまして、最後にもTPP問題がありますが、私の感覚のなかで質問したいと思います。TPPの締結は、国民が求めている国内食料自給率の向上や食の安全・安心の確保も脅かすことになります。また、人の移動や金融・保険・環境・医療等、農業以外の分野においても甚大な影響を与えることになります。本町として、締結された場合にどのような影響があるのか、現在の対応策について伺います。
 次に、高齢者の福祉についてです。昨年、内閣府が60歳以上の高齢者の調査によると、ひとり暮らしの世帯の高齢者が、家庭や地域とのつながりを持てず、2日ないし3日に1回しか会話をしない人が、男性で4割、女性で3割という調査がありますが、本町の実態と高齢者孤立防止策についてをお伺いします。また、ひとり暮らしや、健康に不安のある高齢者へのサービスは、どのようなかたちで行っていこうとしているかをお伺いします。
 次に、スポーツ振興についてです。先日、地域づくり総理大臣賞表彰ということで、NPO法人清水町アイスホッケー協会が表彰される団体に選ばれたということが嬉しいニュースでありました。地域づくりに徹した、スポーツを中心とした活動が認められたと感じております。
 昨日は、中学生の文化・芸術の支援について同僚議員が伺いました。私は、中学生のスポーツ振興策について伺います。
 特に、部活動での活躍が、近年、多く見られています。その方々は、自己負担のあるなかで意欲的に各種大会に出場し、上位の成績を残しております。個人が負担しているスポーツ用品や施設使用料に対する助成などの支援策の考え方についてお伺いいたします。また、中学校の体育の授業以外でのスポーツについては、指導者が重要な位置を占めると思います。指導者の確保対策についてもあわせてお伺いします。
 以上、3点よろしくお願いいたします。

○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) 本日の一般質問にお答えしたいと思います。
 昨日もそれぞれの議員の皆さんにTPPの問題に関してご質問をいただき、ご答弁させていただいたところであります。
 仮に、本格的な交渉のもとに締結となった場合には、甚大な被害を被るということでございまして、農業はもちろん、それにかかわる関連産業、医療・保険・環境ということになるわけでございまして、農業に関連する諸団体・工場等・運送業含めて約1,000人以上の方々が就業しているだろうと予測されております。それに伴いまして、家族ということになりますので、相当甚大で、3,000人以上に締結された場合は被害を及ぼす影響があります。その他に、医療機関や社会保障の面で農業以外の分や関連産業以外の分野で、出てくるということになりまして、お話しましたように、70%くらいの大きな被害が出てくるだろうと思います。農業そのものについては、そのような状況にいると考えているところでございまして、地域経済の衰退はもとよりでありますけれども、自治体としての死活問題にもなりえないということでありまして、これは全町民をあげて行動を起こしていかなければならないものだろうと思います。
 そういった意味で、諸団体との協力のもと、行政・住民・議会議員の皆様も、それぞれの立場でTPPに対して共通認識を持って、一丸となって取り組んでいかなければならないのではないかと思うしだいでございます。
 次に、高齢者の福祉です。高齢者のひとり暮らし等々を含めて、寂しい思いをしながら生き抜かなくてはならないということで、本人に取りましても、大変な思いで毎日の生活をしているのではないかと、不安が募るばかりだろうと思うしだいでございます。
 かゆいところまで手の届ける行政というものが望まれるわけでありますけれども、そこまで100%、あるいは全ての人々、高齢者の人達が満足できるような条件まで持っていくのは並大抵ではありませんが、これを目指していかなければならないと思います。
 現在、ご案内のように介護予防や給食・緊急通報システムの問題・小規模地域ネットワーク等々やっておりますが、今後、さらに実施していかなければなりません。例えば、24時間体制が取れるようなサポート体制も考えなくてはならないだろうと思います。
 当面、今の持っている人的機動力を含めた施設力を含めて、有効にネットワーク化して進めていただかなくてはなりません。事業者が違うから縦割り的なものではなくて、事業者が違ってもネットワーク化していく必要があるだろう、システムの構築をしていただかなければなりません。そのなかから、少しでも不安のある人が安心をもてる高齢者福祉を進めていかなければならないだろうと思います。これからの新しいまちづくり計画のなかで、しっかりと網羅してまいりたいとこのように考えるしだいであります。

○議長(田中勝男) 次に、答弁を求めます。教育委員長。

○教育委員長(三澤吏佐子) スポーツ振興についてのご質問にお答えをさせていただきます。
 中学生におけるスポーツは、学校内の部活動や少年団活動があります。特に部活動については、学校の教育活動の一環であり、生徒の健全育成に大きな役割を果たしております。新学習指導要領においても、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意することと、部活動の意義や必要性が改めて規定されました。
 現在、優秀な成績を収め、全道や全国大会に出場する場合には、要綱に基づき経費の一部を優秀選手派遣費として助成をしているところです。運動部におけるスポーツ用品につきましては、部活動内で使用するボールなど、共通使用するものは部費や学校配分予算で購入、あるいは譲り受けをして揃えております。特殊なものについては、譲り受けのほかに、個人負担の場合もあるのが現状であります。部活動や少年団は、興味・関心を持ち自主的に行う活動でもありますので、体格や技術に合わせて、競技者個人が使用する高額な用具についての助成は困難な状況であります。
 また、町内の社会体育施設を中学生が使用する場合の使用料の個人使用にあっては、アイスアリーナを除き10割減免、団体使用・専用使用にあっては、アイスアリーナが8割減免、その他の施設にあっては、10割を減免しているところでございます。
 部活動の指導者としては、基本的に教員が顧問としてその活動の指導と安全確保を図っているところです。加えて、現在、学校からの部外コーチの要請により、学校支援ボランティアが、バドミントン部・アイスホッケー部にコーチとして活躍をいただいているところであります。将来的に、少子化による生徒数・教員数の減少、運動部活動への生徒参加の減少、専門的技術指導力の不足など、競技種目によってはチーム編成ができない、あるいは十分な指導ができなくなる恐れもあります。現状の部活動を継続させるためにも学校の実態に応じた指導者の確保が必要であり、今後とも地域の方々の協力をお願いしていく考えでございます。よろしくお願いいたします。

○議長(田中勝男) 安田薫議員。

○10番(安田 薫) TPP問題について、2点ほどお伺いいたします。食料自給率が推定で13%に低下されるといわれております。ということは、87%の食料を海外に依存することになりますが、この数字に、町長はどのような認識を持っておられますか。お伺いします。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 端的に申し上げますと、びっくりするような数字で、これは認めるというものではないということでございます。まさに、これから海外のほうが、食料が不足するだろうと思います。日本としては、自給率50%以上を目指していかなければならないと思います。

○議長(田中勝男) 安田薫議員。

○10番(安田 薫) この驚くべき数字をみなさんに知っていただいて、こうならないように努力していきたいと思います。先ほども、町長の答弁で、TPP参加の影響で1,000人以上に影響があるといわれましたが、十勝全体で4万人が失業するといわれております。この係数に照らして、本町ではおおよそ何人の人が、職を失うかをお伺いいたします。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 整理をしなければなりませんが、農業者・生産者を除いています。農業者以外の、関連する産業・諸団体、例えば、JAであれば、JAに携わっているいろいろな人達で、仮に150名ならば、この打撃が全面的に10%から13%なので15%程度で済むだろうということになると、130名くらいの臨時職員からサポート職員だとかを含めていくと、それくらいになるだろうという計算でアバウトにやっております。普及センターはどうなるかということになると、おそらく、今でも統合だとか、いろいろなことになっていますので、これもいなくなるであろうと、それから、獣医師を含めた共済はどうなのかは、獣医師もそうでありますが、全てそれがどうなっていくかということになります。
 そういったことを含めますと、現場に携わっている人達だけでも、町の産業もそうですが、私の試算では750人くらいいくのではないかと思うわけであります。それにプラス、ホクレンや日甜、農業にかかわっている産業としてなっている人達、そして運送業もそうです。そういったもの全部に影響してまいります。建設業も含められますし、医療関係もありますし、全部そうなっていくだろうと思います。そうなりますと、そこだけでも1,000人は軽く超えるだろうと思います。それに農業者なので1,400人から1,500人とみて2,500人です。先ほど言った3,000人くらいというのは、1,000人に対する家族を平均3人としたら3,000人くらいになりますという意味でございます。計算いたしますと、失業していくのは1,000人以上の方々で農業者は別として、そういう状況におちいるのではないかと踏んでいるところでございます。
 アバウトでございますけれども、全体もそうですが、正確な数値は掴めませんが、やや、それに近い数字でいくのではないかと思うところでございます。

○議長(田中勝男) 安田薫議員。

○10番(安田 薫) 昨日も、町民の多くの人に啓発していくという町長の答弁がありました。私もお願いしたいと思います。そこで、新聞紙上に出なくなったり、この場からいなくなると、どうしてもTPP問題が薄れてしまうこともありますので、本町の予算的なものもございますが、看板や垂れ幕等で反対の意を表す計画はありますか。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 今朝、私から担当課長と予算総括の総務課長に、JAさんと協議をして庁舎のところに決意幕をかけてはどうか、協議を早急にしてくれというお話をしました。諸団体はいっぱいありますけれども、清水町と十勝清水農業組合の連盟でやってはどうか、その他、新しい年度になれば、十勝全体としてどうするのかということになろうかと思います。あるいは、道路沿いだとかにも、そういうかたちになっていくのかと思います。そのへんのところを連携しながら、当面、我が町でできることを進めていこうと思っております。

○議長(田中勝男) 安田薫議員。

○10番(安田 薫) それでは、次の高齢者福祉について2点ほどお願いします。
 先ほど、細かな答弁をいただきました。努力していただけるものと思います。昨今、隣近所でもなかなか声をかけられないというのが現状です。人と人とのつながりが断裂しつつあると思います。支え合う仕組みを、どのようにつくっていくのかを伺います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 1と2に分かれておりますのが、1では、先ほどお話しをしましたように、一人暮らしが不安であるということでありまして、これを、いろいろななかでサービスをしております。より有効的に進めていかなければならないだろうと思うところであります。そういったシステムの構築をしてまいりたいと思うしだいでございます。
 2点目は、つながりが希薄になっているということであります。私も考えてみたら、昔は、町内会で簡単に声かけをしたのですけれども、今はプライバシーというものが先に優先されて、こちらから思いやりで声かけをしたいのですが、相手方に迷惑になるのではないかという細かい気配りをしすぎて、できないのではないかと思うようになってまいりました。昔は簡単にいけたのですが、今は家庭のなかをあまり崩してはいけない、時間を無駄にしてはいけないという気持ちのほうがお互いに強いのではないか、そのへんの市街地あたりをみていると、声かけができない状況になっているのかと思っております。
 このへんをどうするのかということで、財政的に余裕があれば、お一人のところにテレビで会話ができるように、総務省なり厚生省が実験的にやっております。専門のオペレーターと会話をして、お年寄りに声をかける、そういったものが、これから出てくるのではないかと思います。当面、そのような方法でできないものかと考えております。一人ひとりのところへ全部歩くとなったら、莫大な人が必要になってきますから、そうではなくて、そういう人を置いてやるということです。どういった方法でやるかということは、まだ考えておりませんけれども、そのようなものをつくっていく必要があるだろうと思っております。
 また、おしゃべりする場がほしいという声がありますので、三丁目広場でお茶をくみながらやっておりますけれども、バスを待つために利用することもやっております。町内の好意でサロンを開設したいということも言われておりますので、市街地のなかにそういったものが生まれてくるのかという期待をしているところでありますし、御影のほうからも、昨日そのようなお話をいただいております。現在、御影の商店のなかでお茶を出して、おしゃべりする場をつくっていただいておりますけれども、手詰まりであることもあるから、違う方法のなかでやりたいというお話がありますので、住民の力をお借りして、私共のバックアップ支援をしながら集える場にしていかなければならない。高齢者学級だとか、老人福祉センターへ集まっての老人クラブの集まりや農村地域でもありますが、それはそれとして、それでもまだ満ち足りないという方もたくさんいらっしゃると思います。なので、さっと来て、おしゃべりができるような体制づくりが必要だということで、福祉協議会やボランティア団体と連携をもちながら進めていかなければならないだろうと思っております。

○議長(田中勝男) 安田薫議員。

○10番(安田 薫) 個人的なプライバシーに関しては、私共もよく相談を受けても難しいところがあります。行政または福祉協議会・ボランティア等でそれを越えた見守り・支援ができるようなことを望みます。
 教育委員会にお伺いいたします。先ほど、詳しく説明をいただきました。一生懸命やっておられると思います。今朝のニュースで、福井県の中学生の体力が全国一で、体力もさておき、勉強の面でもトップというお話を聞きました。北海道の男子は下位のほうでした。そのへんで、総合的な体力とともに勉強も一生懸命やってほしいと思います。
 先ほどの部活で、優秀選手が出ております。オリンピックが全てではありませんけれども、願わくば、本町からそのような選手が出てほしいと願うものであります。素質のある子どもの力を伸ばすために、支援策・普及に努力してほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○議長(田中勝男) 教育長。

○教育長(伊藤 登) 活躍している選手というか、少年団も含めて、一生懸命頑張っていただいている状況でございます。少年団活動並びに部活動というのは、先ほど議員がおっしゃったとおりで、体力の問題もありますし、好き好きという部分もあります。親御さんの期待も大きいということもございますので、その部分については認めながら、できる範囲で支援していきたいという考えに変わりはございません。
 特に、委員長から答弁させていただきましたが、いろいろな用具についての助成は、現状としては困難だと思っております。しかし、環境づくりなどについては、教育委員会としてかかわりながら、協力していきたいと考えているところでございます。

○議長(田中勝男) 安田薫議員。

○10番(安田 薫) ありがとうございました。最後に、中学校で優秀な成績を残した子ども達が、できることなら、清水高校で活躍してほしいという面もあります。そのへんのつながり等は教育委員会でどのような考えがありますか、お伺いします。

○議長(田中勝男) 教育長。

○教育長(伊藤 登) 清水高校につきましては、現在、4学級を維持しているという状況でございます。高等学校の適正配置におきますと、近隣町村も厳しくなっていて、子どもに高等学校に進んでいただきたいということで、各町村でも活動が活発になっております。
 幸いなことに、今年の1年生において、清水中学校・御影中学校の応募者が50%を超えたということで、大変喜ばしいことだと思っております。先日も、高校振興会の役員会がございまして、私共のほうからも提言を申し上げ、スポーツだけではなく文化も含めた生徒の募集にしたいということで、魅力ある学校づくりに邁進していただきたいと申し上げたところでございます。
 振興会につきましては、みなさんのご理解をいただきながら予算を計上して、現在も活動しているわけですが、まだまだ今後の少子化という部分を考えると、生徒の募集についてままならないという状況でございます。そのなかで、スポーツ・文化を通じて「行きたい」というような学校をつくっていただきたいということが願いでございまして、その部分について力を貸していきたいと思っております。

○議長(田中勝男) 以上で、安田薫議員の一般質問を終わります。