北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成22年第6回定例会(9月15日_日程2一般質問3)

○議長(田中勝男) 次に、7番、奥秋康子議員。

○7番(奥秋康子) 2項目につきまして通告をしておりますので、通告に基づきまして質問をいたします。
 最初に、子宮頸がん予防ワクチン接種費用に助成をということでお尋ねをいたします。子宮がんは20代・30代の女性がかかるガンのなかで、非常に増加傾向にあるということであります。進行すると、妊娠や出産の可能性まで奪ってしまいます。命に関わる危険もあり、生活や人生に大きな影響を及ぼす病気であると言われております。
 日本では、年間15,000人が発症し、約3,500人が亡くなっているということでございます。この年代の女性で発症するガンのなかでは第1位であるということも聞いております。子宮がんの原因として主に、ヒトパピローマウイルスが検出されるということですが、近年、このウイルスの感染を予防できるワクチンが使用可能になっていると聞いております。感染前で、免疫力を得やすい10代が予防接種の時期として、効果的とされているようでございます。このワクチンを多くの女性が接種を受けることになれば、子宮がんにかかる確率が大幅に下がるといわれておりますが、半年間に3回の必要なワクチン接種に保険が適用されず、接種費用が45,000円という多額に上がるということでございますので、個人負担でワクチンを受けるということは非常に厳しいということでございます。
 女性の健康を守るため、この予防ワクチンへの公費助成を実施する自治体が増えてきていることが報じられております。国は23年度予算に、ワクチン接種助成事業の要求を盛り込むということでございます。清水町においても、少しでも早く予防ワクチン接種の全額公費負担をし、女性の健康と子宮頸がんから守ることにより、少子化対策にもつながるのでないかと考えますが、町長のお考えを伺います。
 次に、医療費の無料化、中学生まで拡充をということでお尋ねをしたいと思います。安心して子どもを育てていく上で、医療費の負担軽減は重要な課題であると捉えて質問をさせていただきます。
 清水町における、現在の乳幼児医療制度は、医療費を0歳から小学校就学前までを対象に無料化、また、負担の重い入院医療費につきましては、独自の全額助成を実施しておりますけれども、このことにつきましては、子育てに力を入れて取り組んでこられました行政に対して評価をしたいと思います。
 一番大切なのは、町民の健康、命を守るという視点に立って、さらに一歩踏み込んで本気で考えていただきたいというものでございます。近年の経済不況による一般家庭の生活は、厳しさを増している現状です。不況の直撃を受け、突然職を失って暮らしていけなくなる、そんな方もいます。不況の長期化、格差拡大によって、生活困窮者が増大している実態にもあります。
 医療費は想定のできない出費でありますので、子育て中の親から、医療にかかる負担が大きいという声をよく聞くようになりました。少子化が進むわが町も健全な子どもの育成のために家庭の負担を軽くして、のびのびと子育てができるように、さらなる充実を図っていただきたいと思っております。
 十勝管内でも、義務教育が終わるまでの全期間の医療費無料化をすでに、豊頃町など5町村が実施していると聞いております。清水町におきましても、中学生まで入通院費の無料化を拡大していただき、全額補助を拡充していただくことにより、安心して子育てができる環境づくりと、さらに若い世代が住みやすい町として定住者の増加にもつながるのではないかと考えます。中学生まで医療費無料化の提言に対するお考えを伺います。

○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) 主旨等々につきましては、ご質問でいただいたところであります。
 大変重要なことでございます。今回、この議会に提案するかということで随分検討させていただきました。これを1回やってしまうとずっと続けなくてはならないということでございますから、多額な費用を要することで1人45,000円かかっていくわけであります。
 この助成の動きは、国では概算要求で150億円をもち、国と都道府県と市町村とこういうかたちになるかと思います。来年度からは本格実施ということになります。1年でも早いほうがいいわけでございます。財政状況を見ながら、来年度は間違いなくやるということは協議が整っているんですけれども、管内も町村も、現在5町が決定して3町が9月・12月までにどうするかということで、思案中でございますけれども、私どもと同様、そのような考えではないかと思います。来年の新年度には全て管内で実施されるのではないかと思います。これは、どうしても移動していくもので、大きくなっていくと高校生から就職していく、あるいは大学にいくということになりますから、全道的な足並みが必要だということは、言うまでもないわけであります。少なくとも十勝だけは、実施できるようにしていくべきではないかと思っております。
 そういう意味で、私としての気持ちは本年度で、9月はみえませんが、遡ってもいいからしたいと考えています。財政状況をみていかなければならないというのは、今度の予防の、新型ワクチンに代わるものですから、これもしていきたいと思っていますので、それらも絡めて考えていきたいと思っているところであります。
 次に、医療費の無料化です。これも、結論から言えばやりたいんです。全額無料化にした場合、私どもの町は、乳幼児は無料でございますけれども、小学生は入院のみ、中学生も通院が入っていないわけで、通院を入れるということでありまして、この対象者が680名になるんです。他の町村を参考にしますと、1人につき1ヶ月間で90万円くらいかかるわけでありまして、年間約1,100万円ほどの支出ということになります。これもずっと続けていかなければならないということでございますので、現状はなかなか難しいと思うわけであります。これも、財政状況をみながら進めていきたいです。来年ということになると、先ほどのやつと両方になってきます。厳しい状況であるけれども、人の命の大切さを考えていかなければならないと思うところであります。これまで幾度か検討し、町長になってからこのことについて、非常に重要政策としてもってきたんですけれども、行財政改革で、どうしてもできかねる部分があったわけであります。なんとか、この事業を新しいまちづくり計画のなかで進めていくよう努力していきたいと考えているところでございますので、ご理解いただきたいと思います。

◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇

○議長(田中勝男) ここで休憩いたします。

○議長(田中勝男) 休憩前に引続き会議を開きます。

◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇

○議長(田中勝男) 一般質問を続けます。
 先ほどの町長の答弁のなかで訂正がありますので、これを許可いたします。町長。

○町長(高薄 渡) 大変申し訳ありません。
 先ほどは、仮に中学生までの全額無料化を導入した場合、対象者数は680名と申しましたが、実は733名でございました。
 誠に申し訳ありません。ご訂正願いたいと思います。

○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。

○7番(奥秋康子) 再度質問をさせていただきたいと思います。
 町長の気持ちとしては、子宮がん予防ワクチンを接種したいのだけれども財源がなく、それもままならないということでございます。町長、昨年の健全化判断比率の状況のなかでは実質公債比率もよくなってきたと思っておりますし、そういうように報告があったわけでございます。そのなかで、これが国からの新年度予算のなかで、予防ワクチンの接種事業を予定しているということであれば、時間がないんです。中学3年生が卒業してしまうということになれば、その対象者を中学生までではなく、さらに広げていただいて、高校3年生までとされるお考えがあるのかどうかを伺いたいと思います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 今のご質問ですけれども、現時点では高校生までは考えておりません。ワクチンを打つのに時間がかかるわけです。中学3年生の子をやれば、来年の4月には高校へ入学してしまいます。そういう意味のご質問でしょうか、それを伺いたいと思います。

○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。

○7番(奥秋康子) 新年度に予算化をして、それにのってワクチンの接種をされるのであれば、その中学生の子ども達が対象から外されるのか、対象外ではないのかということをお伺いしたいのです。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 今、協議しているのは、仮に今年度実施した場合にはどうしても高校へいってしまいます。今年度に1回やったとしても、3回やるということですからそういうことになります。1ヶ月後と6ヶ月後の3回の接種です。だから、よその町でもしやられたとしても、10月にやっても11月にやっても6ヶ月ですから、高校へ入学してしまいますよね。当然それは継続する考えです。しかし、今の高校生をやるかどうかということの質問だと思ったので、そのへんはどうでしょう。私が聞きたいのはそこだったんです。どちらなのでしょうか。

○7番(奥秋康子) 中学生です。

○町長(高薄 渡) だから、今年度やる場合についてはと言っています。
 今年度やる場合、どの町村にしても私の町にしても、12月までに1回やります。そして1ヶ月後になり、そのあとは6ヶ月になりますから2回目が2ヶ月後になって、そのあと2ヶ月後に、そして6ヶ月にいきますから、全部で8ヶ月くらいかかりますよね。その分については、高校生も入るけれども、今いる高校生を全部やるのかと質問のように聞こえたので、そこをお伺いしたいです。

○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。

○7番(奥秋康子) ちょっと、理解してもらえていなかったかもしれません。町長は、私が早急にやっていただきたいという第1回目の質問で、予算がないのでできないとおっしゃったのですけれども、それでは、国のほうの来年度はおりてくるので、それと上乗せしてやりたいと私は捉えたのですが。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 先ほどご答弁申し上げましたのは、9月の今議会でやりたいと思って考えていたと1点目に言いました。その結果、多額の費用がかかるとも言いました。そして、もしやるならば、この他にあるワクチンも絡めてやらなくてはなりませんので、今議会には間に合わなかったと言いました。今年度中にその旨を実施するか、あるいは新年度に持っていくかを検討してまいりたいです。実施することにはかわりないけれども、半年早いか遅いかの問題なんです。それで、今の財政状況をみたうえで踏み切りたいということを答えさせていただきました。
 2点目の高校生までやるかということについては、中学3年生が今やれば高校生にいきますけれども、今の高校生をやるかということは、今のなかでは考えていないです。国も考えていないし、北海道も高校生については考えていないです。継続するものについてはそうなるかと思います。

○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。

○7番(奥秋康子) それでは、もう一度質問します。
 検討中だということでございますが、これはできるだけ早く、地域によって子どもの命を守るということでございますので、こういう政策に差があってはいけないと思います。万が一検討中で、また新年度にということになってしまえば、今の中学3年生の子どもさん達が卒業してしまうということになってしまうのは、地域差がでてしまうということもあります。検討中であれば早急に、年内ということで決断していただきたいと思います。町長、そこらへんをお願いします。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 先ほど申し上げましたが、他のワクチンもありますので、それも含めて十分検討したいと思っています。

○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。

○7番(奥秋康子) 他のワクチンというものは、肺炎球菌ワクチンのことでしょうか。

○議長(田中勝男) 保健福祉課長。

○保健福祉課長(阿部一男) 今、町長がお話した中身について、本当に具体化されている部分は、去年の季節性インフルエンザと新型ワクチンが合わさった三価ワクチンというのが出ました。その支援について、去年並み以上といいますか、季節性以上のワクチンの接種について支援をするということについて検討している部分があって、それとの兼ね合いという意味もあります。
 もう1つは、議員もおっしゃいましたように、ヒブワクチンについても子宮頸がんと同じように大事な部分もありますので、それについても検討に入っているというところで、その両方を指しております。

○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。

○7番(奥秋康子) 非常に前向きな答弁でございました。
 十勝管内では、中札内・足寄・幕別・更別・新得・芽室町が実施しているということも情報の中に入っておりますので、それに遅れることのないようによろしくお願いしたいと思います。
 中学生の医療費無料化ということで、先ほど提言させていただいたところなんです。一度予算化をすると永遠にそれを継続していかなければならないというお話もされておりました。これは、私はそうではないと思うんです。いろんな経済の状況のなかで、子どもさんが2割くらいの通院の医療費を払えない、払うのに困難な状況の家庭もいらっしゃるので、それは時代の流れのなかで変化していっても構わないと思うんです。今のこの時代だから、中学生は運動が激しいなかで思いがけないような事故が起きたりします。そういうところでもう一度、町長にお考えを伺いたいと思います。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) 今、管内で5町村が取り組んでいらっしゃいます。所得制限を設けてやっているというところもあります。そういうものも含めて考えていかなければならないです。予算化しても、その全額がそこに全部受診するわけではないと思います。高学年になればなるほど、受診の機会は減ってくると、私もその旨を担当と協議をしたなかで、そういう考え方であります。いずれにしても、検討されているところが5町村くらいありますから、10町村近くなるだろうと思います。全十勝では町村がそういう方向にいくのではないかと考えております。私としましても、先ほどの子宮頸がんや他のものと含めて、医療費が全体で5,000万円に膨れ上がっていく可能性があるので、協議したなかで、無料だから早く受診してくれれば重たい病気にならないのではないかということもお話しています。そのへんも含めて考えたいというのが、今までの第1問と同じような質問なわけでございます。実施していくという意向には変わりないと考えておいていただければと思います。

○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。

○7番(奥秋康子) ありがとうございます。
 昨年度の乳幼児の医療給付事業でございますが、事業費は1,600万円ほど予算化してありますけれども、実際には1,400万円ほどであがっているという実態もございます。これらに向けて、余裕があっていいのかと思います。清水町が子育て支援にこれだけ力を入れているというようなアピールにもなると思うんです。子どもの通院費を無料化にすることによって、子どもを産める環境をつくる、子育て支援を通じたなかで定住促進対策の一環にもなるのではないかと考えます。これらは結びつかないでしょうか。

○議長(田中勝男) 町長。

○町長(高薄 渡) この問題については、直接的には結びつかないです。
 例えば、十勝管内みんな同じにしてしまえばどこも動かないですよね。よそから来るとなれば、職業がどうしても必要になってきます。子育てしやすい環境をつくるのは大切なことでありますけれども、プラスお仕事が求められるというところに力点を置かなければ、定住のほうにはなかなか結びつかないのではないかというのが私の考えであります。子育て対策についてはしっかりしていかなければならないと思っておりますので、これからの子育てに対するご意見をお寄せしていただくことが私共にとりましても有効にできると思います。今の問題については、総体的に状況をみて判断させていただきたいです。できれば早めに対策を取りたいと考えております。

○7番(奥秋康子) 終わります。