平成22年第5回定例会(6月17日_一般質問_奥秋)
○議長(田中勝男) 一般質問を続けます。
7番、奥秋康子議員。
○7番(奥秋康子) 今回、2項目について質問いたしますので、よろしくご答弁いただきたいと思います。
最初に、町有施設のアスベスト使用実態の再調査の必要性はないか、ということでお尋ねをいたします。定例議会での行政報告で、アスベストの新たな使用箇所が確認されたということでございました。大半が建材として使われてきた石綿は、発がん物質と指摘をされて、アスベスト問題が大きな社会問題となり、我が町でも平成17年において、公共施設の調査を実施いたしました。その結果、石綿が使われている可能性のある箇所というものは一般住民が出入りをしないボイラー室など、数箇所で確認されたということでございまして、当時は、飛散の心配はないと報告を受けた記憶がございます。しかし、大変残念なことに、数年を経たこの4月になりまして、雨漏りの箇所の確認に行って、屋根裏にアスベストの使用が発見されたものでございます。仮に雨漏りがなければそのままの状態が続いていたと思われます。これは調査漏れでなかったのかと思いますが、いかがでしょう。そこで具体的に4点ほど質問いたします。
当初、町はアスベスト使用状況調査を行なう段階で、建築や改修工事の材料、方法などが記載されている設計図、施工記録をもとに、石綿が含有している可能性のある吹き付け材を洗いだして、さらに、正確化を期するために現場の調査をするなど最大限の努力を図っていただいたものと判断をしておりましたが、新たにアスベストの使用箇所が発見されたということは、当時の使用状況調査、調査方法、確認方法に不備はなかったのでしょうか。同じように、他の箇所でも再度出るということは考えられないでしょうか。
当時、アスベストを発見されましたが、飛散のおそれのない施設で、未処置の箇所があったとすれば定期的に点検をしてきたのでしょうか。それを町民にどのような形で、情報提供してきましたか。
平成17年度に調査の対象となっていた3種類の他に、日本では使用されていないとされておりました、新たな種類が3種類ほど調査の対象となりましたが、それについても再調査を行いましたか。
一般住民が立ち入らない箇所でも、その現場で働く職員の健康面からは不安はないでしょうか。
一度きりの調査では、完全ではなかったというような気がいたします。日本におけるアスベストの対応が非常に遅れておりました。その背景に、アスベスト被害は粉塵を吸入してから発病するまで、潜伏期間が極めて長く、症状が直ちに出ない人が多いため、アスベストの危険性に対する社会的な認知の低さに繋がってきたことも考えられるということであります。
吹き付けアスベスト建材の使用施設を適正に管理しておけば、被害が発生することはないという誤った過信が産業界にもあったということも聞いております。これを機会に、アスベストに対する危機意識を再認識し、町有施設などを再調査する必要があると思われます。
さらに、アスベスト飛散の恐れのない箇所でも、やがて劣化が考えられます。定期的に実態調査をし、それらを完全除去することも必要であると考えますが、いかがでしょう。
アスベスト問題は健康被害が長期間を経て発生するものであります。町民の不安解消と健康にとっての万全な対応をどのように講じるのか町長のご所見を伺います。
次に、万が一、町内で発生したときの口蹄疫対策はということで、お尋ねをいたします。宮崎県で発生した口蹄疫は、急速に感染が拡大するなか、未だに終息の兆しが見えません。この通告をいたしました後も、さらに増え続けておりまして、昨日で290箇所の農場で口蹄疫の発症が見られ深刻な状況が続いております。被害にあった畜産農家の皆さん、現場で対応に日夜ご苦労をされている方々に遠い北海道からお見舞いを申し上げたいと思っております。
我が町の基幹産業は農業でありまして、農畜産合わせた販売高では畜産が占める割合は70%を超え、十勝管内でも一番の生乳生産量を確保するほどの酪農畜産の占めるウエートが大きく、乳牛、肉牛合わせた数は3万頭を超えます。何軒かの養豚農家もあります。平成12年には日本で92年振りに口蹄疫が発生し、北海道で患畜同居牛は疑似患畜とし、全てを殺処分したという記憶はまだそれほど遠くないことのように思われます。誰がこのとき、北海道での発生を想定していたでしょうか。幸いとでも申しましょうか、当時は宮崎県、北海道合わせて4戸の農家にとどまったわけでありますが、このとき家畜衛生の重要性を世の中に知らしめてくれたと思います。しかし、わずか10年後に、これほど大量の家畜の処分は、日本の歴史でかつてないことだと、これも危機管理対策の強化を模索しておりますが、口蹄疫問題はまだ終息に至っておりません。
畜産のまち清水町でも、関係機関、それぞれの立場で口蹄疫の感染力に対する危機感を十分に持って、終息宣言を待ち望んでいると思います。進入させないために消毒など、万全を期しているといいながら、絶対的に大丈夫はありえないということでございます。
仮に、万が一、本町に口蹄疫が発症した場合は、初動体制は非常に重要になってくるのではないかと思われます。万が一に備えて、初動体制の確認はできていますか。想定される課題はどのようなことがありますか。それらについて、どのような対策を講じていくのか検討されたことがおありでしょうか、具体的に伺います。
この口蹄疫問題というのは、結局、自治体レベルの防疫が大切であると思いますが、町内における予防体制と、情報提供というのはどのようにしてきましたか。
万が一、口蹄疫が町内で発生したときに備えての対応の流れや、担当の役割についての説明、確認はできていますか。
万が一、町内で発生したときに備えて、殺処分となった家畜の埋却するための候補地の把握をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。防疫作業に関わる重機の確保、運搬車も必要になることでしょう。
万が一、被害を受けた畜産農家に対する、メンタルケアの相談窓口の設置は考えていますか。
風評被害など、その後の対応などはどのように考えていますか。本州は梅雨に入りました。北海道も気温が上がってまいります。感染力の強い口蹄疫が、万が一、町内で発生した場合に対しての初動体制、想定される課題についてどのように対策を講じていくのか、町長のご所見をお伺いいたします。
○議長(田中勝男) 答弁を求めます。町長。
○町長(高薄 渡) このたびの行政報告で申し上げましたけども、使用箇所が新たに確認されました。残念であるところでございます。当時の使用状況の調査につきましては、国から調査依頼がありまして、現地の確認調査を行なったわけであります。調査報告につきましては、設計図面及び目視等により調査を実施したところであります。サンプルの結果、数箇所で、基準値を超える含有が確認されました。気中濃度については測定結果に問題はなかったということでございます。その後も、定期的に劣化状態の点検及び、そういった濃度の検査を実施し、監視しているところございますが、平成18年に労働安全衛生法の施行令が改正されまして、含有量の基準値が1%から0.1%に強化されました。その結果、平成17年のときには問題がなかったのですが、清水小学校のボイラー室だとか、清水中学校の体育館、音楽室の修理のときに発見されたということであります。その後も、点検及び検査を実施しているということでございまして、以上のようなことから、そのときには調査確認、対策については問題がなかったということでございます。そういった状況から、監視は続けてきて問題はないと考えていたわけでございます。
しかしながら、このような状況でございまして、天井裏ということでございまして、飛散はしていない状況ですが、点検の中にも出てこなかったという状況でございます。今後、このような条件が重なると大変なことでございますので、現時点では問題はないとおさえておりますけれども、定期的に十分な点検を実施して、そういったことがあれば、直ちに対策をしていかなければならないと考えているところでございます。改修工事をやる際には、調査を事前に行なって改修工事を進めてまいりたいとこのように考えているところでございます。
次に口蹄疫でございます。4点ほどのご質問でございます。この度の口蹄疫につきましては、誠に残念であります。宮崎県民の皆さんのご苦労は多大だと思います。心よりこの席をお借りし、皆さんとともにお見舞い申し上げたいと、このように感じる次第でございます。
4月20日の発生を受けまして、去る4月21日には、町とJAとの協議をいたしまして、直ちに消石灰の配付をするということを決定させていただきました。23日から25日にかけまして、順次整備が整った条件から消毒用マットだとか農家の車両消毒徹底だとか消石灰を通じ、あるいは公共施設・農業関係施設に対しても、情報の提供につきましては、私が清水町家畜伝染病自衛防疫組合の組合長をやっているので、農業者に対しまして、自衛防疫組合からチラシの配付を随時行なってきたところであります。
2点目でございます。対応の流れですが、十勝総合振興局におきまして、口蹄疫の演習が行なわれております。当町からも出席しまして、防疫演習の実践に参加しております。万が一、発生が起きた場合には、研修会での内容に沿って清水町家畜伝染病自衛防疫組合が中心となり、関係機関一丸となって、対応にあたっていこうということで、確認をされたわけであります。
さらに、先般、庁議におきまして、万が一、北海道で発生された場合、直ちに対策本部を設置します。新型インフルエンザのときもそうでございました。そのような順序でやってまいりたいと思っております。
3点目、万が一、町内で発生した場合に備えての対策でございます。国の指針等々がございます。基本的には発生農場の敷地内で処理を行なうわけでありますけども、それがない場合はどうするかということになります。当然ながら運ぶことができませんので、制限距離を行なったなかで対策をしていかなければならない。国が用に供する土地の確保を町が協力制をしなくてはなりません。重機につきましては、先般、町の建設業協会とこれの協議を行なったところでございます。
メンタルケアの窓口は、本部と同時に設置しなくてはならず、相談窓口も考えております。経済的な面もありますけども、精神的なこともありますから、医療機関との連携をしていかなくてはならない、こう考えております。
これがおきますと、町の経済にも及ぼす影響が、大変大きいわけでありまして、宮崎県では大変な思いでいるのかと思います。国の大きな支援、道の支援、町としても支援をしていく形でやっていきたいと考えております。
以上、このようなことで、口蹄疫の対策は大変なことになるわけでございますので、万全を期した予防とセキュリティ対策をしていかなければならない、このように思っております。よろしくお願いいたします。
○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。
○7番(奥秋康子) 答弁ありがとうございます。もう1・2点、アスベスト関係ですけども、質問をしたいと思っております。
今回、農業研修会館と、体育館の出入り口は天井になかったから工事・調査ができませんでした。他に、設計図から判断したときに、出入り口がないから、そこに入って調査・目視をしていないということはありませんか。そういう心配はないですか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) 今回、鉄骨ですね。当時、そういうところに多く使われていて、木造には使われていないんですけども、鉄骨のところには多く使われているということでございます。目視による部分については、当時も、今も損傷しておりませんし、なかで飛散していれば点検時に濃度として出てまいります。1%から0.1%に下がったわけですから、極めて密度の濃い検査方法だと思いますので、今の時点ではないです。さらに注意深くその部分があれば、見て回るということで点検をして、調査をしていきたいと思っております。
○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。
○7番(奥秋康子) 調査をした後、調査をした職員の方々は、意識をしていらっしゃるんでしょうけれども、それについて町民にも、情報公開して何らかの形で開示していく必要もあるのではないかと思うんです。そこら辺は、いつ調査をして、こういうことで、1立方あたりの空気中のアスベストの数はどのくらいだったかということも知らせる必要があると思うんですが、そういうことは考えていませんか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) 現時点では考えておりません。いっそう不安をあおるようなことはできません。こういうことが、あるということはきちんとしていかなければならないと思います。今の時点では公表にはなっておりません。再度点検して、もう一度再調査しなければなりませんので、その結果、工事を進めていかなければいけませんから、公表という形になろうかと思います。
○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。
○7番(奥秋康子) 大気汚染の数値が低いけれども、調査を毎年しているということは、危険があるからやらなきゃならない。一般住民はそこの出入りはしませんけども、そこに関わる人たちもいらっしゃると思うんです。今日、明日には症状はでないでしょうけども、常時働いている人達は、何か不安も感じると思うんです。そういうなかで、予算も絡むことですので、承知済みかもしれませんが、それを使用しているところがあるとすれば、アスベスト問題は永遠に解決できないと思うんです。アスベストを使用している箇所、確認された場所は全て撤去するということは考えていませんか。
○議長(田中勝男) 町長。
○町長(高薄 渡) 先ほど申しましたように、再度そのものについての調査・点検を行なってまいりたいと考えておりますのでご理解いただきたいです。
○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。
○7番(奥秋康子) とにかく、健康に関する問題ですので、万全を期していただきたいと思います。アスベストの問題は町長の考えにお任せします。
口蹄疫問題ですが、清水町には心配はないのかもしれませんけども、世界中でもアジアのほうは、ほとんどが口蹄疫に感染されている状況です。これは、目に見えない状況で、本町に入ってくるということがあったら大変なことなんです。それに対して十勝のほうでも、対策についての研修会をされていますということでしたけども、清水町の担当課、庁内のなかでは会議をされているのか、万が一の場合に備えての周知というものは図られているのかもお伺いしたいと思います。
○議長(田中勝男) 答弁を求めます。産業振興課長。
○産業振興課長(八木正明) 産業振興課長の八木でございます。
今の、庁内の取り組みの質問かと思います。先ほどのご答弁で申し上げましたとおり、6月10日に課長職の会議でございますけども、現在取り組んでいる防疫体制についての継続の確認と、万が一、北海道のどこかの町村で発生した場合には、即、対策本部を設けて、再度、防止対策について徹底を図るという確認はさせていただいているところでございます。農業関係機関の関係でございますけども、過去に自衛防疫組合の会議、または営農対策協議会の畜産部会のなかで、防疫体制の確認・徹底につきましては、協議をさせていただいているところでございます。以上でございます。
○議長(田中勝男) 奥秋康子議員。まだ再質問ありますね。
○7番(奥秋康子) 一つだけ。今日、随分、議長がお急ぎですので。
○議長(田中勝男) 急いでいるわけではございません。
○7番(奥秋康子) それでは、簡単なことだけ。
○議長(田中勝男) はい、どうぞ。
○7番(奥秋康子) 庁舎内のなかでも、危機感をもってきていただいてると感じました。一度、感染が起きてしまいますと、畜産を取り巻く環境というものは大規模化されて、そういう部分が多いということであります。万が一、感染したときには、そのときの労力だとか土地を確保するだとかというのも大変なことになると思いますので、是非、色々な関係機関と連携しながら取り組んでいただきたいと思います。
答弁はいりませんけども、同僚議員が午後からやりますので、そちらのほうにお願いしますのでよろしくお願いします。