北海道清水町議会
平成22年第3回定例会(3月11日_日程6)
○議長(田中勝男) 日程第6、教育行政執行方針について、教育委員会委員長より平成22年度教育行政執行方針を述べていただきます。教育委員会委員長。
○教育委員長(三澤吏佐子)
I はじめに 平成22年第3回清水町議会定例会の開会にあたり、教育委員会の所掌する行政執行の主要なる方針について申し上げます。 我が国におきましては、学習指導要領の改訂や教育振興基本計画の策定等、21世紀を切りひらく心豊かでたくましい人材の育成が進められております。 清水町教育委員会では、北海道教育ビジョンの基本理念である「自立」「共生」を踏まえ、学校、家庭、地域が一体となって、子どもが安全・安心に学ぶための教育環境を整え、本町の教育理念「心響」、実践指標の"しみず「教育の四季」"のもと、町民総ぐるみで「心かよわせ、互いに響き合う感性豊かな教育」を推進してまいります。 II 学校教育の推進 子どもは「町の宝」、かけがえのない存在です。 本町においては、「打てば響く、心に響く」を教育理念とし、確かな学力、豊かな心、健やかな身体をはぐくんでまいります。 優しさと勇気を持ち、感性豊かな子どもを育てるために、学校に関わる全ての力が互いに機能しあうことで「学校力」を高め、子ども一人ひとりの可能性を伸ばす教育を推進してまいります。 1 確かな学力の育成 分かりやすい授業が展開され、自ら意欲的に楽しく学ぶことができる教育環境を整えることが大切です。 社会で自立するためのコミュニケーション能力や、基礎的・基本的な知識・技能の習得に努めます。 また、学ぶ意欲の高揚や家庭における学習習慣の定着を図ってまいります。 全ての教科の基本となる、言語活動の充実や体験的な学習を重視するとともに、課題解決的な学習の充実を図り、思考力・判断力・表現力など「生きる力」を育成し、情報処理能力や想像力の向上を図ります。 教職員の資質向上に向けて、校内外の研修体制の強化に努めてまいります。 2 学校改善支援プランの推進 3年間の全国学力・学習状況調査の結果から、児童・生徒の指導改善の視点が明らかになりました。これらを活用し、今後の教育指導や児童生徒の学習状況の改善・充実を図るため、学校・家庭との連携に努めてまいります。 3 豊かな心と健やかな体をはぐくむ教育の推進 生命を大切にする心、美しいものに感動する心、思いやりの心、感謝の心などの規範意識や倫理感をはぐくむため、家庭・学校・地域社会が一体となって道徳教育の充実や奉仕、体験活動、さらに読書活動の推進を図ります。 また、昨年度実施いたしました「全国体力・運動能力・運動習慣等調査」の結果から、体力・運動能力を高める重要な要因として、生活習慣や運動習慣が大きく関わっていることが推測されます。運動離れや、運動する子どもとしない子どもの二極化の傾向も見られることから、生活習慣の改善と運動習慣の確立による体力向上に向けて、家庭・学校・地域が連携した取組みを一層推進してまいります。 4 子どもの安全・安心教育の推進 次代を担う子どもたちの安全・安心の確保に向けて、登下校時における通学路等のパトロールボランティアの充実など保護者や地域ぐるみの取り組みを推進します。 「いじめ問題」については、その予防、早期発見、早期対応に努めます。 また、子どもたちの発達段階に応じた情報モラル教育を進め、家庭と学校が連携し、指導の徹底を図ってまいります。 5 特別支援教育の推進 特別に支援を要する児童生徒の一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導や支援の一層の充実を図るために「特別支援教育支援員」の配置や関係機関との連携を推進します。 6 幼保・小の連携教育の推進 就学前教育と小学校教育のなめらかな接続のあり方について、実践交流を通した研修を推進しています。 新保育指針や幼稚園教育要領においても小学校との連携の推進に関する内容が盛り込まれたことから、本年度においても幼児児童の交流と関係者の連携した取組みを進めます。 7 しみず「教育の四季」の推進 清水町の教育は、"しみず「教育の四季」"の「12の窓」から、「感性あふれ、表情豊かな子どもの育成」を目指しています。 清水町の次代を担う子どもたちが、生涯にわたり心豊かに生きていくための、基本的生活習慣や規範意識の定着を、全町民が心を合わせ取り組んでいるところです。 町をあげてのこの取り組みが浸透することにより、基本的な生活リズムが整い、学習意欲及び体力の向上に大きな影響を与えることが期待できます。この取り組みを、教育の今日的課題を解決するための本町の特色ある活動として、引き続き実践してまいります。 III バスの運行及び学校給食の運営方針 1 スクールバス等の運行 スクールバス等を利用する児童生徒や町民の方々の安全を確保してまいります。また、通学児童生徒の通学時間の短縮を図ります。職員の交通安全に対する研修を行い、安全な運行に努めてまいります。 2 学校給食の推進 学校給食につきましては、安全・安心な食材で「おいしい笑顔が見える給食づくり」を目指します。 子どもの「食育」を重要課題と位置づけ、給食を通じて「地産地消」を進めてまいります。 また、特色ある学校給食として、地元食材を活かした「十勝清水めぐみ給食」を実施してまいります。 IV 社会教育の充実 町民が生きがいと潤いのある人生を送るために、自ら学び、その成果が地域に還元され、まちづくりに活かされる社会の実現を目指し、多様な学習機会の提供や人材の育成、施設の整備など、町民が生涯にわたり学ぶことのできる環境の整備を図ってまいります。 また、社会教育行政推進の指針となる第7次清水町社会教育計画の策定について関係機関の協力のもと、地域や学校を取り巻く課題等の解決に向け、アンケートや分析等を含め、計画の策定作業を進めてまいります。 1 社会教育活動の推進 家庭は教育の原点であると言われますが、その一方で核家族化や少子化・人間関係の希薄化などにより家庭・地域の教育力の低下が指摘されています。家庭や地域が思いをひとつにし、互いに連携・協力しながら教育力を高め、地域全体で子どもを守りはぐくんでいく「放課後子ども教室」や「通学合宿」、「学校支援地域本部事業」を関係団体の協力を得て進めてまいります。 また、公民館では、各種講座を開設し、町民の最も身近な交流の場として「集う」「学ぶ」「結ぶ」の機能を高めるとともに、社会教育施設機能の維持に努めてまいります。 さらに、多様な知識・経験を有する町内在住者の協力を得て、循環型学習社会の推進を図ってまいります。 2 芸術文化活動の推進 町民一人ひとりが心豊かに潤いのある生活を送るため、芸術文化に触れる機会を提供してまいります。 また、幼児、小・中学生の豊かな感性を育むために、芸術鑑賞事業を実施し、保護者や地域の方も共に鑑賞できるよう事業を実施してまいります。 さらに、本年度は文化センターを開設し30年を迎えることから、関係団体の協力をいただき記念事業を実施してまいります。 3 スポーツ・レクリエーション活動の推進 清水町体育協会や社会教育団体の協力を得て、各種講習会・大会などを開催し、体力、年齢に応じたスポーツ活動の推進を図ってまいります。 また、氷上スポーツ施設として広く親しまれているアイスアリーナにつきましては、冬季スポーツの振興と地域活性化の視点から指定管理者と連携を密にしてまいります。 4 図書館・郷土史料館の運営 豊かな読書生活を保障し、日常的な調査・研究に応えるための施設として町民の読書要求と学習意欲に応える資料を収集・提供をしてまいります。 また、"しみず「教育の四季」"にもうたわれている「夕べの読書」と「家族の団らん」を実践するため、学校図書館との連携やボランティアの協力を得ながら積極的に、児童・生徒の読書サービスに努めます。 今年度は、開館20周年を迎えるとともに、国民読書年でもあります。読書が日常生活のひとつとなるように更なる普及促進に努めてまいります。 エントランスホールを多くの町民の方々に活用していただき、ふれあいの場になるよう開かれた図書館を目指してまいります。 郷土史料館につきましては、引き続き郷土資料の整理・保存に努めてまいります。 V むすびに 以上、平成22年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げました。本町の教育・文化・スポーツの振興と生涯学習社会の構築に最善の努力を傾けてまいりますので、議員並びに関係各位の温かいご支援と積極的なご協力をお願い申し上げます。 平成22年3月11日 清水町教育委員会 委員長 三澤 吏佐子 |