平成23年第5回定例会(9月13日_日程4)
○議長(加来良明) 日程第4、行政報告を行います。
町長から行政報告の申し出がありました。これを許可します。町長。
○町長(高薄 渡) 第5回清水町議会定例会におきまして、行政報告をさせていただきます。
1点目、コミュニティバス(町内巡回バス)の本格運行についてご報告を申し上げます。
コミュニティバスについては、交通弱者といわれる方々の買い物、通院等の暮らしに必要な交通手段を確保することを主たる目的とし、平成21年度及び平成22年度の冬期間に試験運行をし、現在も無料で運行しております。毎年度、利用者数を伸ばしており、住民の交通手段としての公共交通の必要性が十分確認されたことから、本格運行を実施してまいりたいと考えております。
このコミュニティバスを運行するためには、年間約480万円の経費負担が必要と試算しておりますが、継続的に運行するためには、行政による財政負担とともに一定程度の利用者負担を求め、中長期的視点に立った取り組みが必要であると考えております。
昨年度、利用者を対象に実施したアンケートにおいては、仮に有料になっても、100円程度であれば利用するという方が90%以上いたことから、今後の本格運行も含め、11月1日より、1乗車につき100円の運賃を徴収し進めていくことを、清水町地域公共交通活性化協議会でご審議いただきご了解を得たところでございます。
行政による経費負担については、財政的に有利な起債制度等を活用し将来的な負担をできる限り軽減する予定であります。
また、本格運行に際しては、更なる利便性と安全管理が求められることから、住民の皆様方からいただいたご意見を反映し停留所の配置を一部見直すとともに、専門の運行業者による運行を予定し、より暮らしやすい町の実現に向けて課題の解決を図っていく所存でございます。
本格運行をする際には、広報や折込みチラシ等を活用し住民の方へのご理解を得たいと考えております。
なお、本定例会に本件のコミュニティバス運行事業に係る補正予算をご提案させていただいておりますので、ご審議のほどよろしくお願いいたします。
以上、コミュニティバスの本格運行につきましての行政報告といたします。
続きまして、町有地の貸付けにつきまして、ご報告申し上げます。
現在、未使用となっております清水町字清水基線43番1の一部及び同番4の町有地につきまして、貸付け希望等があったことから、この町有地の活用方法等について検討をし、町有地の有効活用と、産業振興及び地域活性化が期待できることから、有償による貸付けをすることといたしました。
貸付けをする町有地につきましては、普通財産として管理している上記の土地(雑種地)37,192平方メートルであります。借受人につきましては、先般公募を行った結果2件の応募があり、検討の結果、帯広市西23条北1丁目1番16号 北海道道路保全株式会社を今回の借受人として選定いたしました。
同社の利用計画は、コンピューター制御による高性能ビニールハウス(1棟375平方メートル)を5棟建設し、生食用ホウレンソウ(年間8作)の栽培を行い、清水産の安全・安心な農産物の生産をし、将来的には同施設を20棟建設する計画であります。
以上、町有地の貸付けについて行政報告といたします。
続きまして、9月1日現在の農作物の生育状況等につきまして、ご報告申し上げます。
本年の春耕作業は、平年より早く始まりましたが、4月下旬からの低温等により、初期生育はやや遅延した状況となりました。
その後の気象状況は、6月が平均気温、日照時間とも平年を上回り、7月は高温多雨、8月は平均気温、日照時間とも平年を上回る状況で推移し、各作物とも概ね順調な生育経過となっております。
主な作物の生育状況等は、収穫作業を終了した秋まき小麦が、今年から新品種に全面的に切り替わりましたが、成熟期の高温等の影響により細粒傾向となり、平均反収が9.15俵で、期待された収穫量までには至らなかった状況であります。てん菜につきましては、根部肥大が概ね順調で「並」となっており、一部圃場で病害虫等の発生が見受けられますが、今後の気象経過によっては、平年並みの収量は確保できる状況であります。馬鈴薯につきましては、食用・加工用や澱粉原料用の品種とも「並」となっており、豆類につきましては、今夏の気象状況が高温傾向で推移し、大豆や小豆で着莢数が平年を上回り「やや良」となっており、菜豆では、「並」の状況となっております。
次に、飼料作物でありますが、牧草の一番草は、収穫作業が概ね順調に進み、収量・品質とも平年以上となり、二番草は、収穫時期の遅れによる品質低下が懸念される状況であります。また、サイレージ用とうもろこしは、稈長が平年を上回り、収量・品質とも期待できる状況であります。
なお、9月上旬の台風の影響により、約15ヘクタールの畑で滞水等が発生し、今後の各作物の収穫量や品質への影響が懸念されるところであります。
以上、9月1日現在の農作物の生育状況等についての行政報告といたしますが、今後におきましても農作物の適期収穫指導等に万全を期して参りたいと考えております。
最後に、台風12号による被害状況及びその対応について、ご報告申し上げます。
台風12号に伴う雨は、9月2日の未明から断続的に降り始め、温帯低気圧に変わった5日早朝から雨足が強まり、6日の深夜に降り止むまでの間、清水消防署で観測している雨量計の総降雨量は205.5ミリメートルを観測する大雨となったところです。
この大雨による被害調査を行ったところ、道路関係につきましては、町道熊牛屈足間道路外28路線で道路路肩法面決壊、砂利道の路面流失などの被害状況を確認し、危険箇所については応急対策として、土砂の撤去、バリケード設置等の措置を行ったところであります。
また、農業関連施設では、北熊牛地区の「北斗7号水路」及び「北斗13号水路」が、土砂の流入により水路断面が閉塞し、土砂と雨水が一部農地に流出する被害が発生し、更には、松沢地区の「祥栄第1幹線明渠排水路」につきましては、増水により越流し、隣接する農地が冠水する被害が発生いたしました。なお、被災箇所につきましては、別添の「台風12号被災箇所位置図」のとおりであります。
被災箇所の復旧につきましては、被害が軽微な路面流失の箇所は翌日7日から、路面整正や砂利敷き等の復旧工事を町直営により実施しております。また、路肩法面決壊等の路線及び排水路等につきましても、災害復旧工事として工事の発注を済ませているところであり、今回の被災に係る緊急的な復旧費用につきましては、補正予算の専決処分により対応させていただき、今定例会にご報告させていただくこととしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上、台風12号による被害状況及びその対応についての行政報告といたします。
○議長(加来良明) 行政報告ですが、特に質疑がありましたら許可します。
質疑ありませんか。
8番、中島里司議員。
○8番(中島里司) コミュニティバスの関係です。
経費負担についてという項目があり、そのなかで財政的に有利な起債制度等を利用すると、これは財政的に有利ということはほかに比較するものがあったのかどうか。一般的にいうと、補助制度を利用してうんぬんということになれば有利さはわかりますが、起債でそれが有利な財政的な裏づけという根拠があれば、どういう意味なのかお聞きしたいと思います。
○議長(加来良明) 中島議員、補正予算のなかで質疑ということになりませんか。
○8番(中島里司) それはなりません。これは制度的なものです。お金のことは言っておりません。賛成するとか反対するとかではありません。有利さということをうたわれているので、それが有利という説明をいただければ補正予算でする必要はないわけです。そういうことでご答弁をお願いしたいと思います。
それともう1つ、専門業者による運行を予定しています。これは当然のことですが、報道では管内という範囲が出ていました。町内とは出ていませんでした。そのへんはどういう意図で報道関係にそういう報道をされたのか、それはそれで構わないと思いますが、この2点についてお伺いしたいと思います。
○議長(加来良明) 企画課長。
○企画課長(上出 進) ご質問の1点目、起債制度等の利用なのですが、現在考えているのは、過疎債のソフト事業というものを活用したいと、これにつきましては、充当率95%で、今年度の交付税措置が70%あります。実質60%の補助を受けるに等しいということで、有利という表現にさせていただきました。
補助金につきましては、当初、この事業について補助金を検討していたんですけれども、その補助申請する段階で運行を継続しているバスについては補助対象外といわれたので、6月に町として補助申請を予定していましたけれども、それについては4月以降も継続した関係がありますので断念し、この過疎債のソフト事業を活用したいということになっています。一般的なこういうバスに関しての補助事業よりも過疎債を活用するほうが有利という判断をしております。
それともう1点、実際に運行するにあたっての運行事業者についてですが、有償運送を考えております。有償運送の乗り合いバスというかたちになりますけれども、乗り合いバスを運行するには、バスを運行する許可をもった事業者でなければならないということです。町内にもタクシー業者がありますが、事前にこの事業に参入する意向があるか確認をしたところ、その申請に運輸局の許可を取るにはハードルが高いということで断念された経過があります。よって、想定しているのは、管内の乗り合い事業を行っているバス会社2社を想定しております。
○議長(加来良明) 8番、中島里司議員。
○8番(中島里司) ここで有利と書いてあるので、どうしても比較対照したものがあったのだろうと思いましたが、今の話を聞くと比較対照したのではなく、継続していたから補助対象にならないと聞こえました。そういうことであれば、4月からは一度休んで補助対象にしたほうが起債はどういうかたちであっても借金です。補助金がもらえるのが町民にとって有利だと理解していたので、手続き上、この方法しかなかったと理解せざるをえません。有利ではなく、財政的にも起債うんぬんと書いてくれればそうだなと、有利というのは不利なものがあったと聞こえるので、反対したりするのではなく、文章表現についてあえてこういう表現をしてしまうと、他になにかあるのかと思わざるをえないと思います。
起債というより補助をもらったほうがいいと理解していますが、執行側でそういうふうに考えておられるのであれば、町民の負担、後々にそういう負担を残さないという視点から、判断が正しいと判断をされたという理解でよろしいですね。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。
○町長(高薄 渡) 中島議員から質問がございましたけれども、実は、本件につきましては、公共交通の補助制度ということで確立されていたわけですけれども、事業仕分けによりこの部分については、制度的に改善をしなければならないということになりました。
この従来のような補助制度ではなくなったということで、それが今まで、一定程度の補助金を交付されてきたものが、広くこれに特定したものではないものも含めたなかでの補助制度というかたちになったようでございます。それを申し込みするにあたっては、端的に申しましたけれども、自力で運行した分については除外ですということになったようでございます。
私どもは住民の声を聞き、冬期間だけで始まったのですが4月からも運行してほしいということでしたので、単独で4月から運行をせざるをえなかったということです。
住民の利用者にとっては便利で、4・5・6・7月とやっているので、極めて好評をいただいています。それを比較すると、しっかりとしたものになっていないという状況で、この事業仕分けそのものも、まだ、確立したものになっていないという状況で推移しているのは、皆様にもご案内のとおりだと思います。したがって、不透明なものよりも、今、取り組める状況のなかで、最良のものはなにかといったときに、この起債制度が一番有利であるということを担当の者も研究しました。その結果、会議のなかでこういうものを使っていただこうとなったわけです。
ただ、中島議員が言われるように、行政報告のなかで有利という表現が適正かどうかということについては、これだと確定できませんが、比較論といたしましては、不透明なものよりも正確さのある起債制度のほうがよいのではないかという判断をさせていただきました。
○議長(加来良明) 他に質疑ありませんか。
6番、原紀夫議員。
○6番(原 紀夫) ただいま、コミュニティバスの関係で中島議員が質問されましたけれども、これに関連するかたちでお尋ねをいたします。
有料運行をすると、この移行により、路線バスの運行の免許や資格が必要なために、管内のバス業者に委託をせざるをえないというのか、町内には運行資格のある業者があるが、路線バスの運行の免許取得等があっても実行しづらいというのか、どちらなのかお尋ねしたいと思います。
町有地の貸付の部分について1点お尋ねします。生食用のホウレンソウを年間8回、普通は1回か2回なんだろうと思いますけれども、8回と多く栽培するということであります。これは、一般的な栽培方法と違って、全国的に行われているハウスのなかでの水耕栽培というのか、そのような方法でやられるのかどうか、このへんについてお尋ねをいたします。
以上、2点お願いいたします。
○議長(加来良明) 企画課長。
○企画課長(上出 進) まずはコミュニティバスの件についてお答えしたいと思います。
運輸局の許可が必要なものの許可の内容としましては、運行管理者の許可、乗り合いバスの運行許可、大きく2つがあります。町内のタクシー業者につきましては、運行管理者の許可は持っていますが、乗り合いバスの運行許可は持っていないということで、このバスを運行するためにその乗り合いバスの運行許可の申請をしなければなりません。現状では定期バスを運行することができないということになっています。
○議長(加来良明) 総務課参事。
○参事(西尾 修) 町有地の貸付でのホウレンソウの生食の部分ですけれども、4月から11月の期間のなかで8作、ホウレンソウを生産するということであります。
土地については、土耕栽培で行い、温度の調整をはかりながら年間8回作るということであります。
○議長(加来良明) 他に質疑ありませんか。
10番、安田薫議員。
○10番(安田 薫) コミュニティバスについて1点お伺いします。
大変良いことだと思っているのですが、農村地域での交通弱者も深刻な問題ではないかと思います。どのようにしていくか、このコミュニティバスに関連して目指す方向性があれば教えてください。
○議長(加来良明) 企画課長。
○企画課長(上出 進) 先の地域公共交通活性化協議会のなかでも農村地区の対策についてのご質問がございました。それと、その前段に町内につくっている地域公共交通総合連携計画についても、農村部の足の確保について計画に載っており、例えばデマンド方式、予約に基づいて乗り合いバスなり乗り合いタクシーが赴くというかたちなのですが、このことについては、現在の財政事情からは困難であると判断しております。
将来的には農村地域にも足の確保が必要な場合が出てきますので、将来的なこととして検討していきたいと思います。その際においても、町内のタクシー事業者との競合という点もありますので、十分に配慮をしながら将来的に検討していきたいと考えております。
○議長(加来良明) 他に質疑ありませんか。
7番、西山輝和議員。
○7番(西山輝和) 災害のことで聞きたいのですけれども、5日から6日にかけてパトロールをどのようにしてやっていたのか教えていただきたいです。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。
都市施設課長。
○都市施設課長(越井義樹) パトロールの関係ですけれども、5日の早朝から雨脚が強まり、5日の早朝から同日の深夜、雨脚が強いということで深夜までパトロールをさせていただきました。そして翌日の早朝からもパトロールを実施しております。
○議長(加来良明) 7番、西山輝和議員。
○7番(西山輝和) こういった災害復旧のときに対処するのに、都市施設課だけで動いているわけですよね。御影支所だとかが警戒態勢をとるようにだとか、そういうことは発令していないんですか。町内を見て回れだとか、そういうことは言ってないのでしょうか。
○議長(加来良明) 都市施設課長。
○都市施設課長(越井義樹) 今回の大雨によるパトロールでございますけれども、道路関係につきましては都市施設課のほうで対応しております。
排水路といいますか、明渠の関係につきましては、産業振興課のほうでパトロールを実施しております。
そのパトロールのなかで、応急的にバリケードを設置したり、直営で対応できるものもありますが、広範囲になるものですので、その部分につきましては、業者にバリケードの設置や土砂の撤去等を依頼しております。
○議長(加来良明) 総務課長。
○総務課長(金田正樹) 追加させていただきます。
ただいま、都市施設課長からパトロールを実施したということで対応しておりました。そのパトロールの結果を受け、水があふれそうだという箇所が数箇所ありました。土のうを積む対策をしたいということでしたが、土のうのストックが少なくなっていたので、急遽、総務課・産業振興課・都市施設課の職員を招集し、土のうを作成して現地に運んだところでございます。待機としましては夜中の3時くらいまでです。十勝振興局で待機を命じられておりますので、解除になった時点で帰った状況でございます。
○議長(加来良明) 7番、西山輝和議員。
○7番(西山輝和) 見ていても、「災害が発生しそうだ」と住民から言われてから出動しているケースが多いのではないかと思います。何か後手後手に回っていて予防するのに町民にあちこち言われる前に、もっと職員がいるので、町のなかをパトロールをして見て歩くとか、そういう方法がとれないのかはどうなのでしょうか。
○議長(加来良明) 副町長。
○副町長(安曇達雄) ご心配をいただいた内容は、重く受け止めております。
先ほどご報告を申し上げましたとおり、関係課によりそれぞれの現場の確認等々を含めて実施しております。私どもはその推移を見ていたわけですが、結論としては、大きな災害に至らない状況だという判断をさせていただきました。対策本部まで立ち上げをしなかったというのが実際です。状況的には、非常に判断が難しい内容だと思っておりましたけれども、それぞれの所管課の聞き取り等々も含めて対応してきたということでございます。
このへんにつきましては、一つの反省材料として、庁内で協議・検討をしたいと思っております。
○議長(加来良明) 他に質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(加来良明) 質疑なしと認めます。
これで、行政報告は終わります。