北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成23年第5回定例会(9月15日_日程3_一般質問4)

○議長(加来良明) 次に、9番、奥秋康子議員。

○9番(奥秋康子) 児童(子ども)虐待への対応について質問をいたします。
 児童虐待の悲惨な事件が深刻な社会問題になっています。未来に生きる子ども達が健やかに、そして心豊かに育つことは全ての人々の願いです。国では児童虐待の防止等に関する法律が制定されております。
 近年、児童の家庭を取り巻く環境の変化に伴い、児童虐待の相談件数が増加の一途をたどっているということでございます。これは、特殊な家庭だけで起こる別世界の出来事だけではなく、その背景には、近年、地域社会が希薄になってきている、さらに、核家族化で親子は孤立しがちななか、子育てという全く経験のない大きなストレスに出会います。その背負いきれなくなったストレスが悪循環に陥り、虐待というかたちで子どもにぶつけてしまうとか、子ども側にも慢性疾患を持っていたり、障がいがあったり、また親側に要因があるとか、子どもの虐待はさまざまな原因が複雑に重なり起こるといわれています。
 子どもへの虐待は主に、家庭内で発生し、外部からは見えにくく、事実、真実を把握することは困難な状況であると言われています。そのような社会情勢のなかで、清水町においても、子育て支援課が設置され、関係職員には子育て支援のための環境づくりに努力をいただいておりますが、子育て支援課が設置され、どのような虐待防止策を講じてきましたか。
 事件が起きてしまってからでは間に合わないということになりますので、そのために、行政として通報体制、相談体制、保護体制など、効果的で迅速、適切な支援及び虐待の防止を図る体制は十分整えているでしょうか。また、関係機関との連携、民間団体や住民との連携など、その支援体制が確立されているか伺います。
 子育て支援課が設置されてから1年余りになりますが、児童虐待に対する通報の有無はどうでしょうか、あれば何件でしょうか。また、相談件数、保護件数も伺います。
 児童虐待を受けたことを、子ども自身が訴えてくることはないということですし、発見をすることはなかなか難しいということです。疑わしい場合は慎重に観察をし、複数の目で観察をすることも大切だということでございます。虐待をする者は周りが聞けば虐待はしていないと言い、相談所の職員に虐待を指摘されると、もう虐待はしないでおこうと反省はするが、また何かのきっかけで虐待を繰り返してしまうこともあります。十分な繰り返しの指導が必要だということでございます。本町においては子育て支援体制ができつつも、職員数は不足の状況にあるのではないかと思われます。
 現在、行財政改革で職員の削減を進めてきているなか、人員配置は非常に難しいと思いますが、行政として子どもの安全確保を最優先し、子どもの尊い命が失われる深刻な事件が起こらないためにも、この分野での職員を増員し、子どもへの虐待防止の徹底を図るべきだと思います。町長のお考えをお伺いして1回目の質問を終わります。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。

○町長(高薄 渡) 児童に対する虐待への対応についてのご質問をいただいたところであります。
 昨年度、子育て対策に対して、少子化に伴う充実をしていきたいということと、さらに子育てで悩んでいるお母さん方に対応していくこと、それから、非常に多くなってきた障がいを持っている、あるいは持つ親との対応等々を含め、今年度そういった専門的な心療・心理士の職員を採用させていただいたところであります。そういうなかで、清水町の要保護児童対策地域協議会の組織を関係機関が全て網羅しているわけでありますが、それより体制を強めるために改めたところであります。その会議を開催し、連携・連絡を確認しながらお互いに共通して、さらに個別の事案についての検討会議を開催しているところであります。また、町民の皆様には、虐待の定義などを記載したものを、お知らせ版を利用して周知しておりまして、町民の皆さんが虐待とはこういうものなのかということを理解していただくということでございます。
 本年度は、今議会に補正予算を提案しており、道の緊急強化事業補助金を活用して、パンフレットの購入だとかマニュアル等などに取り組んで、虐待防止策を強化していきたいと考えております。これが1年あまり、虐待防止の関係で取り組んできている事業でございます。
 次に、住民との連携や支援体制が確立されているかどうかということにつきましては、先ほど地域協議会を開催し、その支援体制を図っているところでありますけれども、まだまだ十分ではないと考えているところであります。やはり子どもが学校にいるときだとか、学童保育や幼稚園、保育所にいるときには、その施設のなかで、指導者についての状況でありますが、いざ家庭に入るとそこまで踏み込んではいけないというような状況にあります。その動作や言葉などのなかから、予防というものに早く気づくようにしなければならないということで、それをさきほどの協議会等で話し合われて、早期に体制を整えていくということをしているところでございます。また、相談体制や通報体制につきましては、窓口はあくまでも子育て支援課になっていますが、協議会を通じ、早期解決にあたって、起きたときにはその取り組みをしていきたいということで、24時間、帯広児童相談所と連携を取りながら進めておりますし、必要な個別ケースについても会議を開催して、防止策を図っているのでありますが、さらに一層努めていかなければならないと思っております。なお、平成22年度の通報件数は6件で、相談件数は8件となっているところでございます。
 最後に、人材を配置すべきではないかということでありますけれども、先ほど申し上げましたように、それぞれの施設での昼間のことについてはそこで対応できますが、そうでないものについては、なかなか対応するのに難しいということがあります。いくら職員を配置したとしても、家庭と近所の人達が身近で生活しているところに関心を持っていただかなければならないと思います。そういう意味で、現在は職員が足りないといいますが、専門家を入れていますが、足りないということはありません。今、保育関係は施設そのものについては専門家ですけれども、課の体制のなかでは、保育士や児童心理士、社会心理士といいましょうか、そういう資格を持った者を配置したわけでありますけれども、今後、そういった一般事務職にあたっている人もいますが、それを専門的にしていく時代に入っていくであろうと踏んでおりますので、そのへんは私どもも承知しておりますので、それだけではなくて、相談業務にあたることができる、あるいは家庭のなかに入って、お母さんやお父さんとお話ができる専門的な職員の充実に向けて、今後していかなければならないということはわかっていますので、順次そういった方向にもっていかなければならないだろうと考えているところであります。以上です。

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○議長(加来良明) ここで休憩いたします。

○議長(加来良明) 休憩前に引続き会議を開きます。

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○議長(加来良明) 一般質問を続けます。
 9番、奥秋康子議員。

○9番(奥秋康子) ご答弁をいただきました。
 職員の体制はどうなのか、十分ではないのかというご質問をしたのですけれども、そういうなかで、職員は十分だとおっしゃいますけれども、十分に職員のなかで、対応しているというふうなご答弁でございました。専門的な職員がいらっしゃるなかで、もう少し子どもの虐待とは一体何なんだろう、なぜ虐待が起きるのかというような、住民が関心を持つような情報の提供というものがどこまで揃えているのかと思います。それらの提供はどのようなかたちでされているのか伺いたいと思います。

○議長(加来良明) 子育て支援課長。

○子育て支援課長(細野博昭) 虐待といいましても、いろいろな取り方もありますけれども、広報のお知らせ版のほうに、虐待の定義ということでお知らせさせていただいております。より具体的な事例となりますと、その文面を読んで心当たりがあるというようなことにもなりかねませんので、一般的なこととして、「虐待とはこういうものです」と町民に周知させていただいておりますし、幼稚園・保育所・小・中学校におきましては、地域の協議会のなかで年に1回、それらのことについて確認をしあいながら、そのような事例がある場合については、速やかに連絡をしてほしいということで対応しているところでございます。以上です。

○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。

○9番(奥秋康子) あまり細かく情報提供をすると問題があるという言いかたでしたけれども、これは住民一人ひとりが、虐待は何なのかというように、きめ細かな情報の提供をしていく必要があると思います。住民の関心を持っていただけるような、情報の提供のしかたということも必要じゃないかと思います。そのお考えはありますか。

○議長(加来良明) 子育て支援課長。

○子育て支援課長(細野博昭) 通報なり相談を受けた場合につきましては対応いたしますけれども、日常生活のなかで、帰宅後、翌朝、家を出るまでについては、近隣の方のお手伝いをいただきながら、そういった防止に努めていかなければならないと考えております。
 広報のしかたにつきましても、差障りのない表現、または身近にあるような例をあげながらお知らせ版等々を使って、皆さんに周知し、そのような事例がありましたら、匿名で構いませんので遠慮なくお知らせくださいというようなかたちで、今後も周知に努めてまいりたいと思っております。

○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。

○9番(奥秋康子) 虐待を事前に防止するということは住民の協力が不可欠でございますので、そこらへんは事例をきめ細かに提供していくことが大事だということがありますので、そこらへんをしっかりやっていただきたいと思います。
 それから、万が一、虐待かもしれない、もしかしたら虐待じゃないかという、住民からのそういう部分があると思います。連絡をどこにしたらよいのかという部分に対しても、町民に関心を持ってもらわなければ、難しいと思いますので、万が一、虐待でなかったら、どうしたらよいのかという部分に対して町はどのように判断しますか。

○議長(加来良明) 子育て支援課長。

○子育て支援課長(細野博昭) 町民の方から通報を受けた場合は、ほとんどが匿名で近所の者だということで連絡を受けます。状況を把握し、該当する家庭に行くなり、あるいはそのお子さんが幼稚園か保育所に通っているのであれば、学校に行き、それらの状況があるかということを確認します。いずれにしましても、こういった通報や相談は「今年もなかったね」という間違いであれば一番いいのでしょうけれども、なかなかそういう状況にないということで、本町におきましても、通報が6件、相談が8件という状況でございます。保護が1件ございました。その通報の6件のうちの処理として1件保護という状況が生まれております。皆さんの協力をいただきながらやる、皆さんで清水町の子ども達を守っていくというような体制づくりが必要だと思っておりますので、繰り返しますが、機会を見ながらお知らせ版等々を使いながら、そのようなことがあったら「子育て支援課のほうに、匿名で構いませんのでお知らせください」と対応していきたいと考えております。

○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。

○9番(奥秋康子) 住民が関心を持って、そして通報する側にとっても、通報のポイントなどもきちんと住民に周知することも必要だと思います。お知らせ版の片隅に書いていても目立ちません。これだけ社会問題になってきつつあるということにおいては、児童虐待の防止についてをホームページなどに掲載するお考えはありますか。清水町の場合、出ているのかと思っていても、私の探し方が悪く見つかりませんでした。「何かあれば、子育て支援課の何番に連絡をしてください」くらいの内容では関心を持ってもらえません。やはり、きめ細かい内容、子どもの支援体制の内容などをホームページに1頁でも構わないと思いますので、掲載してもらうという方法も、検討願いたいと思います。そこらへんはどうでしょうか。

○議長(加来良明) 子育て支援課長。

○子育て支援課長(細野博昭) ホームページにはまだ掲載しておりません。今は虐待の対応マニュアルというものを、清水町版ということできめ細かな内容のものをつくっております。それが完成した後に、ホームページにもわかりやすい言葉で、皆さんに理解していただけるような方法で周知していきたいと考えております。

○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。

○9番(奥秋康子) ありがとうございます。
 何か事が起きたときに、協議会等々いろいろ関与されておりますけれども、そこらへんの協議会で会議をされた内容なんかも、ホームページで掲載させていただきたいのですが、そこらへんは難しいでしょうか。
 例えば本町で、あまり古い事件ではないのですが、悲しい事件でした。幼児の殺人事件があったということでございますが、それに対応して協議会のなかで対応されたとありますけれども、これなんかもどのような内容で検討されたのか、その後どのような処置をしたのかと、不透明な部分がありますので、そこらへんもホームページなどに掲載していただけたらありがたいです。そういうことは難しいでしょうか。

○議長(加来良明) 子育て支援課長。

○子育て支援課長(細野博昭) 個別のケースについて、ホームページに載せるということは、特定の方を指すということになりますので、それは難しいと思っております。それからさきほどお話があった事件の件ですけれども、それについても協議会のほうで話が出ました。虐待という認識はしておりません。そのへんにつきましても、児童相談所あるいは捜査にあたった新得警察署のほうにも中身について確認をしました。それぞれ虐待にはあてはまらないということでございます。
 しかし、悲しい事件でありましたので、そのようなことが二度と町内で起こらないように関係機関が集まったなかで、もう一度体制を整えて、きめ細かな配慮をしていきましょうと確認したところでございます。

○9番(奥秋康子) 終わります。