北海道清水町議会

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平成24年第2回定例会(3月12日_日程6)

○議長(加来良明 日程第6、教育行政執行方針について、教育委員会委員長より平成24年度教育行政執行方針を述べていただきます。教育委員会委員長。

○教育委員長(三澤吏佐子)

I はじめに

 平成24年第2回清水町議会定例会の開会にあたり、教育委員会の所掌する行政執行の主要なる方針について申し上げます。
 我が国におきましては、教育振興基本計画の策定や小・中学校における新学習指導要領の完全実施等、21世紀を切り拓く心豊かでたくましい人材の育成が進められております。
 清水町教育委員会といたしましては、北海道教育ビジョンの基本理念である「自立」「共生」を踏まえ、学校、家庭、地域が一体となって、子どもが安心・安全に学び、生活できる教育環境を整え、本町の教育理念を「心響」、実践指標を"しみず「教育の四季」"とし、町民総ぐるみで「心かよわせ、互いに響き合う感性豊かな教育」を推進してまいります。

II 学校教育の推進
 
 本町における教育は、「町の宝」である子どもの人格の形成に向かって、確かな学力、豊かな心、健やかな身体を育んでまいります。
 優しさと勇気を持ち、感性豊かな子どもを育てるために、学校の全ての「教育力」が互いに機能しあい、力を出し合うことで「学校力」を高め、子ども一人ひとりが意欲的に学びあい、可能性を伸ばす教育を推進してまいります。
 さらに、社会の変化に対応した力を育むとともに、家庭や地域社会の教育力の向上に努めてまいります。

1 確かな学力の育成
 分かりやすい授業により自ら意欲的に楽しく学ぶ教育を展開するために、教職員の資質向上に向けて校内外の研修体制の充実や指導方法の改善、新学習指導要領の完全実施に対応した教材備品の整備など学びの環境の充実に努めてまいります。
 また、全ての教科の基本として、言語活動の充実や体験的な学習を重視するとともに、学ぶ意欲を高め、学習習慣を身に付けさせ、思考力・判断力・表現力など「生きる力」を育成し、情報処理能力や想像力の向上を図ります。

2 学校改善支援プランの推進
 昨年度は東日本大震災の影響により全国学力・学習状況調査は、北海道単独の調査方式で実施いたしましたが、本年度は従前の全国学力・学習状況調査に戻り、調査の結果を受け、各学校での授業改善の取り組みなどに活かしてまいります。
 また、学習習慣の定着や生活習慣の確立など家庭教育にかかわる面も多いことから、学校の努力とともに家庭との連携に努めてまいります。

3 豊かな心と健やかな体を育む教育の推進
 生命を大切にする心、美しいものに感動する心、思いやりの心、感謝の心などの規範意識や倫理感をはぐくむため、家庭・学校・地域社会が一体となって発達段階に応じた道徳教育や健康教育、奉仕、体験活動、さらに読書活動の推進を図ります。
 また、体力や運動能力が低下傾向にあることを踏まえ、運動の楽しさなどを実感させるため、学校の教育活動全体での指導と合わせて家庭や地域との連携を図ります。

4 子どもの安心・安全教育の推進
 子どもたちが事故や事件に巻き込まれないように安全教育を進めるほか、登下校時における通学路等のパトロールボランティアの協力を得るなど保護者や地域ぐるみの取り組みを推進します。
 「いじめ問題」については、その未然防止、早期発見、早期対応に努め、命を大切にする指導や教育相談を充実していきます。
 また、情報モラル教育についても、子どもたちの発達段階に応じ、家庭、学校とも連携し、指導を図ってまいります。

5 特別支援教育の推進
 特別に支援を必要とする児童生徒の一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導や支援の一層の充実を図るため、本年度も「特別支援教育支援員」の配置などにより支援体制の整備を図るとともに関係機関との連携を推進します。

6 幼保・小の連携教育の推進
 幼児・児童生徒の発達段階を踏まえた教育活動の連続性を図るため、幼保・小連携の必要性については、新保育指針や幼稚園教育要領さらには小学校学習指導要領においても明記されたところです。これまでの活動の実績を踏まえ、本年度においても幼児・児童の交流と関係者の連携した取組みにより、なめらかな接続を進めます。
 さらに、教育課程の連続性を踏まえ小学校と中学校の連携についても進めてまいります。

7 しみず「教育の四季」の推進
 清水町の教育は、"しみず「教育の四季」"の「12の窓」から、「感性あふれ、表情豊かな子どもの育成」を目指しています。
 清水町の次代を担う子どもたちが、生涯にわたり心豊かに生きていくための、基本的生活習慣や規範意識の定着を、全町民が心を合わせ取り組んでいるところです。
 町をあげてのこの取り組みが浸透することにより、基本的な生活リズムが整い、学習意欲及び体力の向上に大きな影響を与えることが期待できます。この取り組みを、教育の今日的課題を解決するための本町の特色ある活動として、引き続き実践してまいります。

III バスの運行及び学校給食の運営方針

1 スクールバス等の運行
 スクールバスについては、直営1台を除いた6台を運行委託しますが、スクールタクシー等を含めた全13路線について、引き続き遠距離児童・生徒の通学手段として安全な運行に努めてまいります。
 また、使用耐用年数を超過して車体の老朽化が著しい車両について、60人乗りスクールバスを1台購入して更新を図ってまいります。

2 学校給食の推進
 学校給食につきましては、「おいしい笑顔が見える給食」と「考える給食」をキーワードに、給食を通して児童生徒に正しい食事のとり方や望ましい食習慣を身に付けさるなど、食に関する指導の充実を図るとともに、地元産の食材を多く利用したメニューを取り入れていきます。
 さらに、子どもの「食育」を重要課題と位置付け、子どもの発達段階に応じた食育の推進を図り、食に関する興味・関心を高められるよう収穫体験などの食育活動を進めてまいります。

IV 社会教育の充実
 将来の予測が困難な社会情勢のなか、町民が充実した生活を送るため、生涯を通じて豊かに学ぶ環境を整備し、学んだ成果をまちづくりに生かすことができる社会の実現を目指し、それぞれのライフステージに応じた多様な学びの場を創造してまいります。
 また、2年次となる第7次社会教育計画に基づき、さらに社会教育の充実を図ってまいります。

1 社会教育活動の推進
 核家族化や少子化、地域における人間関係の希薄化など家庭や地域の教育力の低下が指摘される中、社会全体で子どもたちの成長を支えていくことが大切です。
 家庭は、子どもたちに必要な生活習慣を学ぶ大切な場であり、関係機関と連携を図りながら、心豊かな子どもが育つ家庭や地域社会の構築を推進してまいります。
 また、公民館は学習活動の拠点施設であり、情報提供の場です。「集う」「学ぶ」「結ぶ」の機能を高めるとともに、町民に親しまれる学習機会の場として良好な維持に努めてまいります。

2 文化芸術活動の推進
 文化芸術活動は、人間性の回復や心のやすらぎと潤いをもたらしてくれます。
 これからも、町民一人ひとりが心豊かに潤いのある生活を送るため、引続き文化芸術に触れる機会を提供してまいります。
 また、幼児、小・中学生の豊かな感性を育むために、芸術鑑賞事業を実施し、保護者や地域の方も共に鑑賞できるよう事業を実施してまいります。

3 スポーツ・レクリエーション活動の推進
 生涯にわたってスポーツに親しむことは、心身の健全な発達や明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に極めて重要なことです。
 体力、年齢に応じたスポーツ活動の推進に向けて、スポーツ推進委員をはじめとする関係機関の協力を得、各種講習会・大会などを開催してまいります。
 また、アイスアリーナにつきましては、冬季スポーツの振興と地域活性化の視点から引続き指定管理者と連携を密にしてまいります。

4 図書館の運営
 地域を支える情報の拠点として、豊かな読書生活を保障し、日常的な調査・研究に応えるための施設として町民の読書要求と学習意欲に応える資料を収集・提供してまいります。
 また、図書館に足を運んでもらうような動機付けを行う事業を展開します。
 読書は、子どもたちが多くの言葉を学び、感性を磨き、創造力を高めるなど、人生をより深く豊かなものにするには欠かせないものです。今後とも学校図書館との連携やボランティアの協力を得ながら積極的に、児童・生徒の読書サービスに努めます。
 さらに、エントランスホールを利用した「エントランスホール展」等を計画的に開催し、「町民のふれあいの場」としての図書館を目指してまいります。

V むすびに
 以上、平成24年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げました。
 本町の教育・文化・スポーツの振興と生涯学習社会の構築に最善の努力を傾けてまいりますので、議員並びに関係各位の温かいご支援と積極的なご協力をお願い申し上げます。

平成24年3月12日

清水町教育委員会 委員長 三澤 吏佐子