平成24年第2回定例会(3月14日_日程2_一般質問1)
○議長(加来良明) 日程第2、一般質問を行います。
順番に発言を許します。
4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 昨年3月11日の東日本大震災から1年が経過しました。大地震・巨大津波・原発事故の三重苦は、今なお被災地に重くのしかかっています。改めて、犠牲になられた方々とそのご家族、関係者の方々に深い哀悼の意を表明いたしまして私の質問をさせていただきます。
私は2点について質問いたします。
1点目です。知的障がい者世帯・高齢者世帯の「孤立死」「孤独死」の防止についてです。「孤独死」あるいは「孤立死」または「独居死」「無縁死」「困窮死」といろいろな表現が報道でされています。ある学者によると、実態が明らかにされていない状況のなかで、定義の確定は時期尚早という段階だといわれておりますので、私は「孤立死」「孤独死」の言葉を使わせていただきます。
先日、釧路市のアパートで高齢者夫婦が遺体で見つかり、また、札幌でも40代の姉妹が見つかるという痛ましい事件が続きました。釧路の老夫婦は妻が死亡した後、認知症の夫が凍死しました。札幌の姉妹は姉が病気で亡くなった後、知的障がいの妹が寒さで凍死したとのことです。生活困窮と孤立した状況下での死亡です。いずれのケースも障がい者福祉や介護サービスを受給していませんでした。
釧路市の場合、夫が要介護2と認定され、デイサービスを利用していましたが、その後、更新の手続きがされず要介護者リストから外されています。札幌市の場合、姉が生活相談で三度も市役所に行っていますが、具体的な手立てが講じられませんでした。知的障がい者世帯や高齢者世帯の方々、特に生活弱者といわれる方々が地域社会の制度や仕組み、福祉行政の谷間で実態がきちんと把握されていなかったり、手立てがなされなかったことが原因の一つと考えられます。
この問題で、札幌市議会で上田市長は制度の狭間で救いがたい事例として、生活保護の窓口を尋ねながらも申請を言い出せなかったり、受けられなかった人への追跡調査の求めに対しては、職員がどういう感性を持って人に接するのかが大事だと、行政責任にはまったく触れない答弁をしております。
行政は全てが届出主義で、一人の不幸も見逃せないため自ら動こうとする姿勢に欠けています。生活保護や民生委員による安否確認など、本人の届出を前提とする実態を、裏を返せば援助を希望する人しか救わないということにほかならないと専門家の指摘もあります。
本町での「孤独死」と思われる事例の資料を見せていただきましたが、平成22年7月から平成23年2月までに、残念ながら5名の方が亡くなっています。町長は町政執行方針で、現在65歳以上の高齢者世帯は1,463世帯のうち単身者世帯は793世帯で、全世帯の3分の1となり今後も増加する見込みと述べられています。
家族形態の大きな変化から人口流失に直面した地域や地方都市では早くから生じていて課題となっていましたが、大都市での高齢者の増大もあり、今や無視することのできない大きな社会変化として取られ、対策が急がれています。
そこで、次の点について質問いたします。
まず、清水町における高齢者のみの世帯及び高齢者単身世帯、知的障がい者世帯の実態把握の状況とその支援対策の実施内容、さらに、今後の課題について伺いたいと思います。
2点目、第5期総合計画では、第2章の高齢者の暮らしと社会参画の項で展開する施策の例として、行政の役割、町内会や地域の支援体制があげられていますが、総合支援の体制となる福祉ネットワークづくりが極めて大切と考えます。そこで、その取り組みについてのお考えを伺います。
1つ目は、行政としての相談体制、各課の窓口対応について、防災計画における避難支援対策等とも関連した、各課連携を強めた敏速かつ総合的に対応できる体制への改善が、より必要と考えるのですが、どうでしょうか。
2点目は、地域包括支援センターが文字通り地域を包括しうるセンターとしての役割を果たすうえで、機能をより強化していくための改善課題と現在の人員配置が適正かどうかを伺います。
3つ目は、町内会や地域の住民による支え合いは、福祉ネットワークづくりにとって、極めて重要と考えますが、その良さをいかすために町長は執行方針で安否確認事業の導入をあげていますが、まず、自治体として、その責任と役割を明確にした問題解決への取り組みが必要です。その上にたって、今後のネットワークづくりに向けて、町内会や地域の取り組みの課題をどのように捉えているかを伺います。
次に、質問項目の2つ目です。「新たな安全神話」づくりの新「放射線副読本」について質問いたします。
福祉復興共同センター放射能対策子どもチームの村上裕美さんという方が、2月9日に記者会見を行い「私の子どもが通う学校では今も屋外活動は2時間までです。校庭の外周にはカラーコーンがたっていて、その外は立ち入り禁止です。敷地内は除染されたけれど学校外はされておらず、毎日、1マイクロシーベルト以上の道を通学しています。1年近く外で思いっきり運動することも、遊ぶこともできず、体力も免疫力も低下しているなか、怪我をしたり風邪を引きやすくなったりしています。こういうことが原発と関係ないとは言い切れません。放射能による健康被害は福島県だけの問題ではなく、各地のお母さん方に広がっている心配です」と訴えて、野田首相の収束宣言と医療費無料化の見送りを強く批判しています。
原発事故後、多くの教科書会社が4月から使用の小・中・高校の教科書記述について、訂正申請を文科省に提出しています。例えば、高校現代社会では、原子力発電の安全神話は根底からくつがえされたとの加筆がなされています。学校現場では原発事故後、放射能のことをどう教えたらよいのか、原発の危険性をどう伝えたらよいのかという戸惑いがあるのではないでしょうか。新たな教材が必要となっている状況にあると考えます。
昨年の10月、文科省は、小学校用「放射線について考えてみよう」、中学校用「知ることから始めよう放射線のいろいろ」、高校用「知っておきたい放射線のこと」の教師用の解説書付きの副読本を発行しています。委員会からお借りして検討させていただきましたが、一言で言うと内容は小・中・高と一貫して書かれているものは、放射線は人間の生活のなかに普通に存在し、基本的には役立つものという姿勢で貫かれています。放射線の基礎知識を教えるとしながら、今回の原発事故については前書きに数行紹介するだけで、事故の原因や問題となっている放射能汚染の実態など、意識的に原発事故を避けているのではと疑問を抱かざるをえない内容です。震災と原発事故を受け、小・中・高校の教科書が原発についての記述が変わるなかで、何のために教科書を補う副読本なのかと言わざるをえません。私は新たな安全神話づくりの副読本と考えますが、次の点について教育委員会に質問いたします。
1点目は、福島原発事故以降、それまでの副読本の学校現場の使用状況についてお聞きいたします。次に、使用に関わる文科省や道教委からの指導や通達はどうであったのか、教育委員会として学校への対応はどうであったか、具体的にあれば伺いたいと思います。
2点目、文科省発行の新たな副読本について、学校現場での指導に関わって、文科省や道教委からの通達や指導上の留意事項等がどうであったのか、あったとすればその内容と教育委員会としての対応を含めて伺います。
3点目、新副読本について、従来の副読本との比較などの内容検討が教育委員会としてなされたかどうかを伺います。内容についての評価・見解があれば学校への対応を含めて伺いたいと思います。
以上、大きく2項目にわたって質問いたします。ご答弁よろしくお願いいたします。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。
○町長(高薄 渡) 第1点目の問題であります。昨今、超高齢社会になって孤独死が全国的に多発しているのが実態であります。特に、地方よりも都会が多いという状況であります。それだけ訪問回数含めて、行き届かない、届出主義という制度そのものの欠陥も出ているのではないかと感じるところでございます。当町としましては、大都会ではありませんので、極めてきめ細やかに対応しているのが実態でございます。
そこで、質問1の高齢者のみの世帯はどのくらいあるのかということでございますけれども、現在、本町には4,570世帯があります。そのうち、1,463世帯は高齢世帯といわれる方々の世帯であります。うち、単身が793世帯ということでありまして、多い状況になっています。いずれも65歳以上でございます。
また、お尋ねのなかにはなかったものでありますけれども、知的障がいで療育手帳を発行している方が121名です。これは、入所、いわゆる利用している、通所しているという問題があります。施設外でサービスを利用していない人は13名というかたちで現在押さえています。なお、うちの旭山学園とか、いろいろありますので多いということになります。
次に、実態把握の関係です。平成22年度から高齢者世帯の実態を把握してきているところであります。そして、緊急時の連絡先やかかり付け医の情報を記載したキットを各世帯に、事業として取り組みをしているところでございます。65歳以上の単身者、夫婦世帯は70歳以上と限定をしたところであります。その結果、登録不要という方がいらっしゃいまして、いわゆる、元気でいるからいいよ、家族もいいよということでございまして、調査対象が954世帯のうち691世帯にキットを設置しました。残りの267世帯はまだいいよというそういうことでございましたので、不要と判断をさせていただきました。これも、年々変わってくるかと思います。増えてくるのではないかと予想しているところでございます。
この調査を基に、緊急災害時に必要な85世帯、これを設定しておりまして、障害等、程度に応じた緊急避難対策を立てているところでございます。特に、そういったなかでもさらにまだ必要だという方については、21世帯26人になっておりますけれども、これらについては、町内会をはじめ、地域、民生委員等々が避難誘導、それから対策支援をしていくということになっているしだいでございます。
このようなかなかで、会話することが一番いいので、訪問もなかなかできない部分もありますので、電話が主でありますけれども、それにより、毎日お話させていただくというサービスを今年からしていきたいと考えております。当然、訪問もそのなかに入っておりますし、見守りの状況をしっかりしていきたいと思っております。
今後の課題でありますけれども、増えていくわけでありますから、地域の行政としての役割をしっかりとしていかなければなりませんけれども、行政では限界があります。まちづくり基本条例に基づいて行政のいけない部分は、住民がやっていくという体制づくりをしていかなければならないということで、しっかり地域の方々と体制を敷くような状況をつくりながら、現在全てではありませんけれども、福祉協議会がサロン事業というものをやっておりますので、そういうなかからつなげていく、そして調査もそこのなかに入っていくというようなことにしていかなければならないと考えているところでございます。
平成21年に地域安全ネットワークづくりは第5期総合計画に関わって、行政の枠あり等々があるわけでありますけれども、相談窓口ですが、21年の7月に地域安全ネットワーク会議というものを設置しました。これは、高齢者・障がい者等への生活支援あるいは消費者の被害防止、子どもの安全確保、災害等緊急時の対応についての現状と問題点を整理して、課題を見つけて、そのなかから事業展開をするということで、これまで14事業を展開してまいりました。それらが地域安全ネットワークということで推進しているということであります。特に、そのなかの福祉ネットワークとしては、高齢者世帯情報調査だとか、虐待防止、徘徊者のSOS、そういった体制を進めてまいりました。さらに、地震等のマップ等も整備し、このたび、見直し策定する防災計画のなかにしっかりと位置付けをさせていただく予定でいるしだいでございます。そういうなかで、各課の相談窓口もそれぞれ、こういった地域安全ネットワーク連絡会議でもって、整備しておりまして、高齢者福祉であれば、保健福祉課、子どもの安全や消費者被害防止については、町民生活課及び子育て支援課、あるいは教育委員会で、防災については総務課ということで、それぞれ役割の設定をしているところであります。
現在、一般的な福祉の総合窓口としましては、保健福祉課に障がい者を含め相談窓口を設置しておりますけれども、さらに、見直しをしながら体制を整えてまいりたいと考えているところであります。
次に、包括支援センターです。お尋ねの改善課題と人員配置でございます。
包括支援センターは、平成19年に当町で設置したところであります。地域包括ケアの中核的な機関としての位置付けを消費者体制のなかでしているところでございます。今後も、これらについての支援強化を十分強めていく必要があるといわれます。特に、人的配置のお尋ねでございますけれども、包括支援センターが担当するなかでは、おおむね65歳以上の介護保険の第1号被保険者の数が3,000人から6,000人までは3名、いわゆる保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員、それぞれ1名ずつということになっております。本町は3,125人と高齢者が3,000人を超えておりますので、3職種でそれぞれ3名を配置しておりますけれども、今後の安否確認等をやっていくということから、福祉サービスがますます増えてきているというよう状況のなかで、今年度は社会福祉士の資格を持つ臨時職員でありますけれども、増員を予定したいと考えているところであります。
最後にお尋ねの3番であります。先ほども、高齢者福祉ネットワークづくりを推進しているということを伝えております。あとは行政だけではできませんので、ボランティア団体あるいは地域住民と連携を強めていかなければならないと思います。そういった方々の協力なしでは、福祉ネットワークはつくれない状況であります。都会では、マンション等が隣接していて、その地域にも入っていない、そういうなかでございますので、協力体制は非常に難しいといわれておりますが、私どもも若干その気がありますけれども、しっかりとした地域体制を構築に向けていかなければならないと思っております。
課題は、今までも要請に応じていろいろなことをやっておりますが、要請に応じていくほうがいいのか、こちらから積極的にいくのかということになりますが、人的に限られていることもありますけれども、できるだけそういうなかで、少しでも地域からまっすぐにいく状況をつくりながら、助け合いチームというものを、これまで支援してきましたが、その数も12チームまで増加してきているところでございます。町内会で。今年度はボランティアグループが実施する活動の支援をしながら、そういうものを積極的にしながら、先ほどの表題のひきこもりだとか、孤立死・孤独死などがありますけれども、そういうものを防いでいきたいと考えております。
助け合いチームという、そういう方々への肩入れと申しましょうか、これが非常に大切であります。ですから、問題点は一番最初に申し上げましたけれども、地域がいかに安全で安心していけるかどうか、高齢者世帯のみならず、皆さんでこれからそういったものをより一層強めていかなければならないだろうと思います。東日本大震災という大きな問題点を、住民が自分の身近を一人ひとりが見直していかなければなりません。反省を踏まえながら、言葉である「絆」を強めていくということが大切ではないかと思っております。これは町内会だけではなくて、幼児期のうちからそういう問題を続けて、教育のなかでしっかりとしていくことが将来的につながっていくのではないかと思っているところであります。
以上、申し上げまして答弁とさせていただきます。
○議長(加来良明) 次の答弁を求めます。教育委員長。
○教育委員長(三澤吏佐子) 2項目目の「新たな安全神話」づくりの新「放射線副読本」についてのご質問にお答えいたします。
昨年3月11日に発生した、東日本大震災により尊い命を失われた児童・生徒をはじめ、多くの方々に深い哀悼の意を表するとともに被災された皆様に対して心よりお見舞い申し上げます。さらに、復旧に尽力されている方々に敬意を表し、安全をお祈りするとともに被災地の1日も早い復興を心より祈念しているところでございます。
東日本大震災は、我が国において戦後最大規模の災害となりました。特に、福島原子力発電所が被災し、設備の損壊により放射性物質の飛散・漏えいにより、今も多くの方々が避難生活となる深刻な問題となっています。
1点目の、改訂前の副読本の使用状況についてです。これは、平成22年3月に新学習指導要領に対応した原子力に関する副読本として国で作成されました。しかし、東日本大震災による事故の重大性により、その見直し作業が行われ、改めて作成する旨の通知がなされたところです。
本町における学校での使用状況について確認してみますと、あまり授業では使用されなかったのが実態であり、小・中学校では新聞記事等を活用して、東日本大震災や原子力発電所の事故を防災教育の一環として基礎的な知識を理解させたところでございます。
次に2点目の、新たに発行した副読本について、文部科学省や北海道教育委員会からの通達や指導上の留意事項があったかどうかという点でございます。昨年11月に平成24年度使用分の放射線に関する副読本とし、放射性物質などの基礎的な知識に関する指導の一助とするため、見本の送付と学校への配付希望冊数の調査があり、本町の児童数・生徒数を北海道教育委員会に報告したところです。
最後に3点目の、新「副読本」について、従来の副読本との比較・検討がなされたかどうかという点ですが、内容について確認しておりますが、各学校の教育課程編成なども考慮し、教育委員会としては副読本の使用を強制せず、学校の判断により教科書の補助教材として活用できる部分があれば適切に使用されるものと認識しております。
今後とも、子ども達が自ら考え、学び、判断できる力を身につけることができるよう教育委員会としても適切に対応してまいりたいと思います。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 1点目から質問させていただきたいと思います。
町における高齢者のみの世帯や高齢者単身世帯、知的障がい者世帯の実態については、概ねさまざまな資料が丁寧に出されていますので、把握できると思います。数としては把握できていくと。具体的な実態についてはそれぞれ係員のほうで把握されていると思います。
1つ目は、電話や家庭訪問での安否確認事業が、先ほど触れられたところもありますけれども、対話の部分です。どのような対象基準をもってなされているのか、もう少しわかりやすくお知らせ願えればと思います。
○議長(加来良明) 保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) ただいまの、安否確認事業の件ですけれども、執行方針等にも述べておりますように、新年度から介護保険サービス事業のなかで展開していく、初めての展開の部分になるので、当初は、緊急電話サービスの、清水町では108名から109名ほどの電話をサービスしているところでありますけれども、これらの人達は身体が弱くて、日頃の生活に不安を持っているだとか、そういったことがあるものですから、まずは初年目ということもあり、この人達を対象にして進めていく予定でおります。さらに、100ばかりではなく、いろいろな方法等を使いながら広めて、この倍くらいの数字に将来なっていく必要性があるのかと考えているところでございます。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 高齢であったり、支援が必要な方々があるがゆえに、その実態の変化の把握ということが極めて大事なことだと思います。
支援方法の変化の把握と検討が必要になってくるわけで、その見守り事業が、全道では160市町村で行われていることで、本町もそのなかに入っているのではないかと、今の報告のなかで、一つの事業として。それで、障がい者の地域生活支援事業としては、訪問、見守り、安否確認などを事業化しているところが、道の把握では12市町村になっております。そのへん、我が町の状況はどうなのかお聞かせください。
○議長(加来良明) 保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) 障がい者のなかに、地域生活支援事業というのがあるのですけれども、本町ではこの事業は、主に、地域活動支援センターといいますか、そういったところのなかでこの事業を展開してきているということでございます。
事業を利用していくなかで、安否確認等はされていると思います。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 本町では5件という孤独死の例があります。都会に比べると少ないはずで終わっているわけですけれども、特に、今言われていることは、その実態の状況、この調査というか資料を蓄積していくとそのことによって、どういう対応を具体的にしていったらいいのかということが浮かび上がってくる、そういう指摘がなされています。
例えば亡くなった場所や年齢、性別ももちろん、具体的な生活状況で、さらに日常の近所付き合いとか、民生委員の方々の情報提供だとか、そういう具体的なものが蓄積されることによって、方策が見えてくると思うんです。そのへんはどう思いますか。
○議長(加来良明) 保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) 以前、議員にも孤独死と思われるデータについてはお渡しした経過がございますけれども、これらについては、ようやく22年度からの部分は記録にとって、どういう状況のなかでやったのかというようなことはとっているところでございますけれども、これらの状況をさらに蓄積しながら、今後のいろいろな支援や調査、どういった支援が必要なのかというそういったものの参考にしていく予定でおります。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 支援策の実施内容にかかわって質問したいと思います。札幌市の例でも明らかなのですが、生活保護は憲法で保障されている生存権を保障する最後のとりでだと、急迫した状況であれば、急迫保護ができるわけで、必要としている人に行き届くような支援対策がどのようになされているかということが問われているかと思います。
そういう点で、本町における生活保護の受給者数、あるいは世帯者数、おわかりになれば、年代別や男女別の資料が私の手元にないので、あれば高齢者の占める割合だけでもよろしいのでお知らせ願いたいと思います。
○議長(加来良明) 保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) 生活保護を受けている方の実態につきまして、一番直近な1月のデータで、本町のなかでは55世帯、87人の方が受けておられまして、そのなかでは、子どもだとかが12名ほど含まれております。本当の高齢世帯となると、そのうちの25%が高齢世帯の人のなかで生活保護を受けられているという状況にございます。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 総合支援の体制としての福祉ネットワークづくりの取り組みについて、次に質問します。
先ほど、きめ細かな対応をされているということで、町長の答弁があったので少し安心してるのですが、管内的に、例えばひとり暮らしの高齢者や障がい者が直接出向き、介護保険や生活保護等の相談にのるだとか、窓口に寄せられた相談に対しても、総合的に判断しながら、医療や年金、税、公共料金などについても、困難が生じれば連携できる体制、これを管内的に取り始めている町村が今回の例から表れてきています。
例えばそこに行くと、関連していろいろな問題、住宅などいろいろな問題を総合的に判断してもらえる、対応してもらえる、そういう体制は今後必要なのではないでしょうか、ともすれば、課ごとに相談をしなければなりません。その間の関連するものがないと、捉えられていかないという問題があるのですが、そのへんはどうでしょうか。
○議長(加来良明) 保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) この問題につきましては、奥の深い部分があるんですけれども、本町では、特に国保だとかそういったところにかかわったり、税の滞納だとか、水道料金だとかは、町費でまかないますから入ってくるわけでありますけれども、そういったこと等は、福祉課も含めて会議等を2ヶ月に1回、そういったかたちのなかで連携を取りながら情報交換をしながらやっているという状況にございます。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 今、緊急事態への対応としては、問題解決型ネットワークというか、こういう体制を役場内のなかに十分確立していただけるということでないと、大変なことがいろいろと起きてくるのではないかと思います。そのことが、孤独死や孤立死の予防にもつながっていくことになるのではないかと思います。
次に、町長は支援体制をつくりあげていく人員配置の問題で、臨時の方を配置すると、国の規定は規定としてあるのですが、現在のこのような高齢社会の状況と、生活環境の多様な変化のなかでは、その規定の人員だけではやりこなしていけないというのが現実です。その問題がいろいろと現れてきていると思います。そういうところから第6回定例会で、佐藤議員の一般質問への答弁のなかで、町長は福祉の面など、新たな計画・課題が増え、業務が増加することが予想されるので、それらを考慮しながら適正な職員配置を目指していきたいとご答弁されています。今後とも、そのような人員配置について前向きに考えていけるのかどうか町長のご見解を伺います。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 先ほどもご答弁させていただきましたけれども、本町では3,000人を超えているというなかで3名ということでありますけれども、それぞれの今のご質問の内容のとおり、一人ひとりの状況が違うわけで、そういう面で、業務的にかなり時間を費やさなくてはならないという状況が生まれてきております。したがって、今年度、資格のある者を採用するわけでありますけれども、正職員にはならないわけでありますけれども、状況を見ながら増員をしていくということに変わりない状況であります。
また、高齢者だけではなく、子どもさん方の、そういったいろいろな変化も起きておりますので、そういう専門の心理士、そういったものも進めていかなければなりません。今年は、社会福祉士をさらに福祉係に内容を充実して増やすことにしておりますし、子育て支援課にも心理士、言語の聴覚だとか、そういった者も増やしていかなければなりません。これからは福祉関係が、相当きめ細かにやらざるをえないと思っておりますので、増員を考えていきたいと思っております。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 次に、今の問題と関連するのですが、例えば同時に人員配置の問題と兼ね合わせて、これも一つの規則とか数字的なものがあると思いますが、民生委員の担当区域をもう少し縮小しながら、それに伴う民生委員の方の増員は、今の状況で規定のなかでは困難なのでしょうか。
○議長(加来良明) 保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) 本町の民生委員は32名、それにさらに主任児童委員2名を置いておりまして、国の規定のなかでは、おおよそ70から200世帯に1名を配置できるようななかで、全体的に配置をしなさいということを言われております。それと、うちの今の定員数で割ると、一人140名くらいの担当という状況に平均するとなりますけれども、ただ地区や距離だとか、そういった面でいろいろありますので、実際に担当しているのは35世帯から240くらいまで、少し幅がある状況でございます。もともとの質問の定員を変えられるのかということでありますが、今の定員になってからは、相当な年数がなったなかで今の定員をしているのですけれども、決して変えられないわけではありません。なかなか、民生委員のなり手がなく、一昨年の11月に改選した状況があるのですが、そのときにも、古い方が引退されまして、7・8名の方を委嘱させていただいた経過があるのですが、なかなかいないという状況のなかで増員をさせるというのは難しい状況があると思っているところでございます。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 大変なご努力を民生委員の方々がなされているのを私も、同じ町内会でよくみているのですが、そのなり手がなかなかないという話も十分に聞いております。今後とも、何とかもっと連携を取りながら負担軽減というか、分け合うという方向性を見出せればいいと思いお聞きしました。
次に、3点目の福祉ネットワークづくりにおける、町内会や地域の取り組みの課題についてお伺いします。
高齢化率が30.68%という、平成24年1月現在の統計でいいますと、そのなかでは一人暮らしの高齢者や夫婦のみの世帯が増加傾向、町内会や地域によっては高齢化がより深刻な状況で、なかなか町内会組織としたり、地域の基盤した活動というか、その高齢者の見守りや声かけ等も含めて、そういう活動を進めることが困難になっているところが出てきているのではないかと思います。
例えば、道の集落実態調査で清水町は該当していないのですが、この実態調査のなかで特に対策が必要な地域として、管内では、広尾町や池田町、豊頃町、陸別町、浦幌町という地域があげられています。調査の内容は山林管理や共同作業、冠婚葬祭などの集落機能の低下、維持困難に陥っている集落という調査なのです。係の方にお伺いしますと、うちはないということで報告しているという回答を受けました。
このような実態が本当にないのかどうなのか、もし捉えられていればお聞かせ願いたいと思います。
○議長(加来良明) 町民生活課長。
○町民生活課長(佐藤典隆) ただいまの質問のなかで、実態として調査そのものは私のほうから出している資料ではありませんけれども、お話のように、町内会等、農事組合等のなかで人数が少なくて、世帯も少なくて活動がなかなかできない状況にある、これは以前から他の議員からもお話がありまして、町内会の再編だとか農事組合の再編、そういうことも検討してはどうだという話もあります。町のほうも、それに積極的にかかわったらどうなのかというお話もありましたけれども、実態としては、過去の歴史といいますか、それぞれの集団の歴史もありますから、なかなか思うように再編というかたちにいかないだろうということもありました。ただ、それぞれの活動のなかで困難な部分をそれぞれの集団のなかで現状を対応していると考えております。
実態調査のなかで、それぞれの町村のなかで対策が今後必要だろうという部分が、管内でも5町村くらいありますけれども、本町については、そこまで具体的に把握しておりませんが、それに近いようなかたちはあります。ただ、この調査のなかで現実的にはないだろうと、人数的に世帯的に把握しておりませんけれども、具体的なことはわかりませんけれども、現状としてはないと考えております。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 具体的に、この調査によると、例えば買い物が不便だとか、災害時の集落が孤立する問題、避難の問題、冠婚葬祭やお祭りなどの、従来続いていた地域の集まりや買い物などの助け合いが維持できていかないと、私がお会いした、町内の何軒かの農村の方々の地域でもそういう話を聞いております。どうしようもないので、葬儀の形態も変わってきているので、だんだんベルコにしなければならないという話も聞いております。その地域の実態にあった、あるいは町内会の実状をつかんだ見守り体制だとか、連携体制だとか、そういうものの構築を改めて相談し合って考えていく必要はないのかということなんです。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。町民生活課長。
○町民生活課長(佐藤典隆) 実態的にはそういうことが、今後も必要なのかと思いますけれども、そのなかでどういった取り組みをしていくかという部分に関しては、22年度から地域安全ネットワークというものを構築しましたので、そのなかで高齢者に対する対応だとか、少し変わりますが、消費者被害を防止するようなネットワークづくりだとか、そういうような部分を、今後も随時進めていきたいです。また、緊急災害に対応できるような防災計画もつくりますので、そのなかで迅速に対応できるようなかたちを取っていきたいと考えています。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 農業新聞の全町のJAの調査によると、同じような悩みが語られています。そして、その方向性として会員の高齢化に伴う活動の減少を補おうと、JAで事業化をしていくなどをして、助け合いを含めながら地域の協力体制をより後押ししていこうという方針が出されています。なので、そういう方向性が一致する部分について、町として積極的に音頭を取りながら協力体制をつくっていく必要があるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) JAの記事は、よく新聞等に出ておりまして、例えば助け合いだとか支援体制だとかということの他に、さらに介護事業にも積極的に取り組んでいくという、いろいろな情報等が入ってきております。先日、私も農協等に行き、そういったことについて少しお話をさせてもらいながら清水町の果たすべき役割と、農協に応援してもらいたい、そういった中身について若干意見交換をしてきた経過がございます。そういったことを今後さらに続けていきながら、いろいろな集落に対する支援体制や福祉に対する体制も含めて、農協とも十分な連携を取りながら進んでいきたいと思っております。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 時間が無くなってきたので、端折りたいと思います。
最後の項目に入ります。
例えば最近、埼玉県でも親子で死亡した例があげられています。それから、東京都立川市ではごく最近、2つの例があげられています。そのなかで情報を提供し合うシステムをライフラインのなかでつくれないものなのかどうなのか、もし働きをやっていらっしゃるのであれば、その内容を説明していただきたいと思います。情報提供に関する問題では、個人情報の問題もありますけれども、これでなかなか前に進めないというところがあるのですが、行政も事業者も守秘義務を持ったもの同士の連携のシステムは認められていますので、しかも、命や身体や災害に関わる問題ではなおさらです。そのへんを誤解して捉えていて、解決の方法を見出せないでいるのも現実です。ですから、ガスや新聞、水道、灯油、電気だとか、これらの事業所を含めて係の方達も含めて、新聞が溜まっていれば「どうなのか」と近所に聞くくらい、あるいは声をかけるだとか、そういうような体制が行政としてつくりあげられていくことが必要なのではないかと思います。このへんについてはどうでしょう。
○議長(加来良明) 保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) 先ほどのお話にもありますように、最近そういった記事ばかり、悲惨な記事などそういったものがたくさん出ておりまして、私もそれを見るたびにどうしたらいいのかといつも悩んだりしているところでございます。
今のような状況について、道がしようということで新聞に出ておりました。市町村がやるお手伝いの基盤を固めてあげますよという記事が、新聞等で出ておりましたけれども、そのニュースなどを見ても、ライフラインのところと協力をしていくなかで、簡単にはいかないと思っているところでございます。例えば、ガス協会の会長と話し合ったテレビ番組を見たのですが、「そんなことをやられても、利益等も追求していくなかで、協力してあげたいけれどもなかなか難しい部分がある」というお話がありました。その後、私も家に来る水道だとか電気だとか、検針をしていろいろなことで見ていって、検針のやり方だとかを家のなかからみていくと、そういうところと連携を取りながらやるというのは難しい面があります。しかし、何か工夫をしなければならないと思っているところでございます。
一つ、一番参考になる事例としては、新得町でヤクルトと提携をして、いろいろなことのなかで見守りをしているというような状況があります。しかし、この場合にはヤクルトの代金まで町が出しているという、そういう状況もあります。こういったことも先進事例を参考にしながら民間の広域化、企業の人達、そういう人と連携できる体制は、いろいろと詰めていかなければならないと思っております。ただ、一番は地域の方々、近所の方々が見守っていただけるというのが流れとしてはいい流れです。そういったところをどういうふうに体系化していったらいいのか、そのきっかけづくりだとか、そういうふうなことで動かなければならないという思いを持っているところでございます。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 1点目の質問については終わりたいと思います。
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○議長(加来良明) ここで休憩いたします。
○議長(加来良明) 休憩前に引続き会議を開きます。
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○議長(加来良明) 一般質問を続けます。
4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 2つ目の質問に移ります。
福島原発事故以降、それまでの副読本の学校現場の対応としては、それぞれ学校の教育課程というものがありますし、学校の判断というのが基本だと思うんです。それでいいのではないかと私は考えますけれども、問題は道の危機対策局作成のパンフレットの「なるほど原子力」というのがあります。それから小学生向けの「エネルギースクール」を北海道電力が発行しています。それから、前まで使われていた「わくわく原子力ランド」「チャレンジ原子力ワールド」と、時間がないので詳しくは述べることができませんけれども、内容を端的にいうと、全部に共通しているのは、「原子力発電所では放射性物質がそこに漏れないように五重の壁を設けています。大きな津波が遠くから襲ってきたとしても発電所の機能が損なわれないように設計しています」こういうような内容です。これが中心の柱になります。福島原発事故ではその壁が全て破壊しました。これに対して国会の事故調査委員会で原子力安全委員長は安全審査基準に瑕疵があったと認めざるをえない。外国では、五重の防壁を課しているのに、日本では三重の壁でよしとした。ですから、五重の壁というのは、全部の原子力が壁を設置しているのかというと、そうは言えない状況です。
このように、子どもや児童生徒に対して安全神話を振りまいた責任性というのはあると思います。そのことも反省にたったうえで、新たな副読本が作成されなければならないのではないかと思います。日本は、再三、再四、スリーマイル島の事故、チェルノブイリの事故以降、国際のそういった機関からの安全対策勧告を無視してきた。例えば、アメリカでは事故の根源は安全神話にあると大統領は明言して、そして、地域住民の安全をどう確保するのかという、地域的な備えを重視しています。それで、80キロ避難というのが生まれているんです。ところが、日本はどうであったかということは繰り返さなくてもおわかりだと思います。だから、在日外国人はただちに国外避難をしました。ところがその時点では、まだ住民の方々が残っています。一番大事なのは放射線のヨウ素というのがあります。いろいろな種類があるのですけれども、これは8日間で半減するのですが、これは一番早く小さな子どもや幼児達に敏感にもぐりこみ、体内被ばくという原因なんです。これはチェルノブイリの教訓なんです。ですから早急な避難がそこで必要だったんです。
今後、この被害がどのように現れるか、ある程度の期間をみないとわかりません。福島の検査のなかではすでに現れてきています。そういう状況のなかで、新たな副読本についてその内容についてのご見解があれば、伺いたいです。
○議長(加来良明) 学校教育課長。
○学校教育課長(松浦正明) 議員のおっしゃるとおり、いろいろな問題点が出てきまして、福島原発においても正式な原因究明が出ていないような状況ではありますけれども、見解といたしまして、新しい副読本については、昨年事故を受けたことにかかわり、子ども達が放射能事故ということで、福島近辺に住んでおられる子どもさんがなぜ避難しているのか。あちらのほうで採られている作物だとか、漁業の関係も出荷できないような状況であります。なぜできないのかとか、そういう部分について子ども達の疑問にお答えするのに、一つの参考資料ということで新しい副読本が作成されたものと考えております。
チェルノブイリ事故の教訓や反省ができない部分もありますけれども、そこらへんもはっきりしていない部分もありますし、チェルノブイリは事故が起きて26年経って今も続いておりますけれども、長年、解決や人体に与える影響等は今後も研究されていくと思います。それらを含め、新たな実証、研究結果等が出ましたらそういったものも新たな副読本が学校現場でも教育されるものだと認識しておりますので、今回の副読本については、使える部分を全部使えと強制するものではなく、あくまでも一助、必要な部分、例えば、新聞等に載っておりますけれども単位のベクレルだとか、放射性物質などは何なのか、そういうために一文でも利用できればいいのかと思います。教育委員長が申し上げたとおり、学校で必要な部分だけを使っていただくということで強制はしないと考えております。よろしくお願いします。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) チェルノブイリ事故後にこの小児甲状腺ガンというのが増えているというのは、皆さんもご存知だと思います。ウィーンで開かれた国際原子力機関、世界保健機構、欧州連合の合同国際会議のなかでは、原発事故と因果関係が明らかであるという総括がなされているんです。事故までの10年間に甲状腺ガンが見つかった子どもは7人で、事故後、チェルノブイリではその数が508人になっております。なので因果関係は明確だという部分について、ほかの放射線とのガンの関係はまだ明らかではありませんけれども、新副読本では身近に受ける放射線があることを伝え、放射線に対して児童が不安を抱かないように指導を配慮してくださいと、これは小学校の教師用の解説書です。あとは、中学校・高校も同じような内容が続いているのですが、放射線も人体に与える影響についてはたくさんの放射線を受けると、火傷を負ったりガンの病気になったりすることが確認されています。広島・長崎の例で確認されています。しかし、一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因としてガンの病気になったという明確な証拠はありませんとして、ガンなどのいろいろな原因は、歳をとったり、たばこやお酒を飲んだりというのをあげています。
しかし、ガンへの影響は人によって違いますけれども、特に子どもや幼児、小・中学生にとっては非常に大変なことです。すでに福島県の子ども130人の検査では甲状腺ホルモンが基準値以下、あるいは甲状腺刺激ホルモンが基準値以上というのは、基準から外れた経過要観察の子どもが10人もあがっています。これは週刊誌なのでどこまで信頼性があるかわからないのですが、北海道に福島県から避難された方々のなかに、大人も含めてガンが発見されています。4歳の幼児もヨウ素の甲状腺の異常が発見されています。これに対して、現実に福島県で検査を進めている医学関係の方々のなかで、4歳以下はありえないといわれているんです。ところがチェルノブイリの研究を続けている人は「いかなることが起きても不思議ではない」、一般的な基準値、一般的な判断、これは該当しないのではないかと言っています。そういう面で、例えば、先日の勝毎に載っていた帯広畜産大学名誉教授の土屋さんという方は、「私たちが常に自然界から放射線を受けていて、遺伝的な影響を受けないことは確かです。ただし、原発や放射線による被ばく線量と人体への最初の影響値がわかっていません。低いからいいものではない。受けないのにこしたことはない」と、他の学者達もそのように言っております。ですから、この新副読本の部分については、本来からいえば、私は回収すべきであると思います。ただし、教育委員会もおっしゃったので、最低の部分として、教育委員会委員長もおっしゃっておりましたけれども、扱いについて、各学校の教育課程や学習指導計画にあるもので、学校の判断に委ねると、さらに使用する場合も、一資料として放射線の部分の学習について非常に勉強になります。そういう学びについて、ある面では参考になるでしょう。
もう1点は扱いについて、これは教師が専門家ですので、十分に今回、今まで広島・長崎と経験してきたわけですから、新たな教訓として、どこまで学び、真実を教えるかということだと思います。私は、38年間の教員生活のなかで教育の原点というのは、事実に則して真理を求めていく、その事実をいかに子ども達に丁寧に正しく与えていくか、これがユネスコへの学習権の問題、日本も締結しています、子どもの権利条約の基本となっているんです。扱いについては各学校の教育課程や学習指導計画の学校の判断に委ねる、もう一つは使用する場合は十分考慮し、公平性のある教材の提供をするよう指導に努めるということはどうでしょうか。
○議長(加来良明) 教育長。
○教育長(伊藤 登) いろいろなご意見など含めて、ご指摘があった部分ですけれども、いずれにしましても、学校現場には強要しないということは申し上げたとおりです。あとは学校の教師そのものも、研修会等々で原子力、原発についてという研修もなされると思います。適確に児童生徒に指導していくということが求められていると思いますので、そのへんについては教育委員会として指導していきたいと思っておりますし、また、強要するものではないということもきちんとお伝えして、参考書というかたちのなかで使用していただきたいということを申し上げていきたいと思っております。
○4番(木村好孝) 終わります。