北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成24年第3回定例会(6月15日_日程3_一般質問5)

○議長(加来良明) 次の発言を許します。
 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の活用について、太陽光、風力、火力、地熱やバイオマスといった、再生可能エネルギーを電力会社が一定の価格で買い取ることを義務付ける、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が、今年7月1日に施行されます。
 全国で54基ある原発が運転停止の状態にあるなかで、今後、電力不足が懸念される状況にあります。そのため、電力会社では休眠中の火力発電所を含めた火力発電所のフル稼働を推し進めています。燃料は当然、諸外国から化石燃料を大量に輸入しなければならず、日本のお金が外国に流れていく状態にあります。日本の輸入は年間60兆円ほどですが、化石燃料の輸入は20兆円から30兆円になり、日本のお金の流失は莫大な金額になります。
 また、現在の大規模集中型の電力システムにより、無駄に捨てているエネルギー・ロスが3分の2もあります。この大規模集中型の電力システムを分散型にすれば地域で熱も利用できるだけではなく、送電によるロスが大幅に減るために、エネルギー効率が格段に上がります。
 再生エネルギーの固定価格買取制度は、「日本のエネルギーの自給率を高める」「日本の将来を支える新たな産業を育てる」「地球の温暖化対策にも貢献できる」「買取制度でコスト回収の見通しがたてやすい」などの利点があります。
 この制度の導入について、本町としてはどんな考えを持っているのかお伺いします。
 「自産自消」の時代がそこまできており、今あるものを使うだけでなく、自分達でつくり出していく必要があります。事業を興すことによって、そこで働く人を採用することもできるし、国の補助金などを確保することもできます。何もしなければ何も変わりません。将来を見据えた町のありかたについて考えを伺います。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) 再生エネルギーについて、今後どのように考えていくのかということのご質問だと思います。
 本年7月から実施されることになりますが、余剰電力を買い取っていくという制度であります。電気事業者が買い取りに要した費用は比例して、賦課金を皆に売って回収することになり、電気料金の一部として全体的なものとして負担することになるかと思うところでございます。
 民間事業者の採算が取れるかどうかということになるわけでありますが、現在の買取価格は概ね10年といっていまして、価格が設定されたわけでありますけれども、この事業者はこれでずっと進めていけるかということで疑念があるところでございます。
 そういった面から考えると、まだまだ我が国で再生エネルギーについての考えかたが統一化されていないというか、きちんとした状況になっていないのではないかと見受けられます。それらの分野でエネルギーの問題はやっています。例えばバイオマスでしたら、農水省とかになっていきますし、その他であれば経済産業省だとか、あるいは環境省だとか、エネルギー省だとか、いろいろなところでやっていくわけであります。当町としましては、先ほどの中島議員の質問でもお答えしましたけれども、平成14年に清水町の可能なエネルギーがどれだけ取れるかということを調査しました。その結果、家畜糞尿を有効にいかすことが必要ではないかということが言われているのと、太陽光もあげられているところであります。以前は、水力発電をやったところでありますけれども、現在は不可能に近いということになるわけであります。要するに、問題が難しい問題になります。そういうことで、この新たな再生可能なエネルギーの買取制度そのものの活用ということではなく、そういう再生可能エネルギーを、どうつくりあげていくのかということの、研究を進めてまいりたいと思っております。
 この技術も日々新たなものになってきているようでございますので、技術的な問題が新たになってきていると同時に、どうも、こういうものに対する機械が国産でない、国産が使われていないところを懸念するところであります。以前も、家畜糞尿の問題でやりましたけれども、だめだったのは結局外国のものであるということで、一つはドイツ、もう一つはデンマークというようなことでございます。現在、北海道でもかなりバイオマスをやっておりますけれども、まだ、外国のものなんです。日本のものが確立されていないということで、非常に高価な設備になっていて、なかなか取り組めないというのが現状であります。
 私どもとしましても、なんとか再生可能な、家畜糞尿対策について勉強会を開き、農協関係者、農業関係団体など、大型酪農家をはじめとして研究をしているところでございます。我が町では、余剰分として糞尿の発生量が38万8千トンありますので、そのうち使われているのは21万8千トン、17万トンを超す余剰分があります。これを電力に使うだとか、そういうものの再生エネルギーのほうに使っていけるような方向が取れないものか、鋭意研究してまいりたいと思います。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) 研究は進めてまいりたいということで、少し前に進むのかと思いながら質問したいと思います。
 町長は平成14年に調査等をやったから、今はやらなくてもいいというように聞こえます。平成9年から余剰電力の買取制度が始まり、今年の7月からは産業に入っていくようなかたちで全量買取りがなって、形態が変わってきているんですけれども、そのへんはどの程度、研究して結論的なものが出ていますか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) どの部分ということになると、逆にお尋ねをしたいのですが、いろいろなエネルギーがあるので、太陽光なのか、家畜糞尿なのかそのへんのところはどちらでしょうか。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) 太陽光からお願いします。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 太陽光については、先ほど中島議員にもお答えしたとおりでございますから、ご理解いただきたいと思います。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) わかりました。
 それでは、バイオマスの関係も清水町では個人の酪農家がやり出しています。そのへんの今の結果をお願いいたします。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 現在、バイオのほうはまだやっていません。
 先ほど言ったのは、外国製の機械のことを言いましたけれども、これはすでに平成14年に2件実施しましたが、機械の故障が多く、国産のものでないということから高価なものだと、今回はそうではなく、国産のものでそれができないかということで、現在、検討している状況です。
 大きな酪農家に対して、北海道振興機構というNPOでやっていまして、この方の助言をいただきながら、昨年11月に2回、12月に1回、今年に入っても2回ほどきていただいて、何百頭でそのくらいの、200頭から300頭や500頭といくわけですけれども、それに対してどの程度の機械を入れるのか、どの程度の価格になるのか、ランニングコストはどうなるのかということを計算して、ひとつの指標みたいなものを出していただいて、関係機関で協議をして、対象の農家の方々に説明会等も開いて、理解もしていただいて、導入できるかどうかを検討してもらおうということです。
 私どものほうでは、以前、1億円かかっているときに農家の方とお話をしたら5千万円くらいだったら能力的に設備できると、1億円では手が出ないと、メンテナンスがかかってきますので、そういうことから考えると不可能だということでお話が終わりました。当時、環境委員会ということで私が委員長をやっていたんですけれども、農協の組合長が副会長をやっておりまして、いろいろと検討をして視察もしました。10年もつ機械が7年くらいしかもたない、導入するときの補助制度があるのですが、その後をやるのに補助制度がないということでなかなか取り組めなかったというのが現状です。
 私どもとしましては、政策提言ということでリニューアルをするときに補助制度を導入してほしいということでお話をしているのですが、なかなかそこまで至っていません。そういう状況のなかでできるだけ安価なもので導入できないかということで検討しているところでございますので、ご理解いただきたいと思います。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) 太陽光発電については、午前中、中島議員が質問されて結論を出されたようなかたちで、触れないでおこうと思いましたが、太陽光発電もともに考えていかなければいけないので、含むかもしれませんけれども、含んで質問したいと思います。
 町長は、大型酪農家は今まではバイオマスで進んできたと思いますが、近々は太陽光発電のパネルを牛舎の屋根につけるだとか、倉庫につけるだとかが始まっております。それらは、住宅の余剰電力とは違うかたちでなってくるのではないかと思いますし、状況も違ってきます。そして、牛舎では屋根にパネルをつけると夏は少し涼しくなるというような意見もあります。そのへんも鑑みて、支援と言ってしまうと大変でしょうけれども、JA等々と協議をしながらそのへんの支援のことを考えられますか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 現在のところ検討もしておりませんので、JAと話し合いをしていくことになろうかと思います。時間を要すると思います。よろしくお願いします。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) バイオマスの関係の機械はお金がかかるし、外国製であり、メンテナンスも大変だということを聞いております。太陽光発電に関しては、国産でなくても日本のいろいろな業者が外国に行って、そこで事業をやって日本に帰ってくるというかたちでやっております。そういうこともかなり緩和されていると思いますけれども、そのへんはいかがでしょうか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 誠に申し訳ありませんが、太陽光の設備の問題については、専門的なものなのでわかりにくい点があります。先ほど言ったのはバイオマスの関係です。太陽光も韓国・中国・台湾のほうが充実していると聞いております。したがって、今、各地で手をあげていますが、おそらく機器類は国産ではなく、そちらのほうが入ってくるのが多いのかと、国産でもいろいろと開発しているようでございますから、それなりの効果が生まれる検証ができれば、国産のほうでもう少し安く入る可能性があると思います。
 牛舎の上のほうですけれども、これは面積が広いだけに効果があると思います。それで、自分達の電力を自分達でまかなうこともできますので、そのへんは協議をして進めていかなければならないかと思っております。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) いろいろな研究をされていると聞きますけれども、今、公共施設で大量に電気を使う、例えばアイスアリーナへのパネルの設置等は考えたことはありますか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) そのことは、幾度かお話のなかで出てきておりましたけれども、そこまでいくことにはなっておりません。
 先ほど中島議員の一般質問でも触れたと思いますけれども、公共施設がたくさんありますので、そこに設置していくことは効果があるというお話をさせていただきました。今、どこかの県では公共施設の屋根をお貸ししますと、使用料をいただいてと、それもまた検討していきたいです。アイスアリーナなんかをお貸ししますといったらやってくれるところが出るかもしれません。問題は、送電線がどうなってくるのかと、その辺の詳しいことはわかりませんけれども、公共施設でそういうことが可能であれば考えていく必要があろうかと思っております。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) 行政として支援・助成ではなく、町の土地を貸して、そこで自由にやってもらうだとか、そういうことも考えていただきたいと思います。
 最近のニュースでは、全量買取制度ができたためにかなり採算があうということで、いろいろな業者が再生エネルギーの事業に入ってきております。十勝でもアルムですか、平成9年から自分の借家の屋根に太陽光パネルをつけました。今度は農地でない土地を借りて、そこで事業を興して、かなりの投資をするような額も聞いており、また、改修も10年もたたないで改修ができる話をしております。そのへんは、町としてそういう事業をやっていたら応援をするだとか、自らそういうことをやるというような構想はありますか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 第1点目に、直営では一切やりません。民間にお願いをします。助成も土地の賃料が安いので、そこを補助とみなして、希望があればお貸ししたいと思っております。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) 先ほどの、町長の答弁で、水力発電についてです。
 清水町に現在、一つもないので、また新たにつくるということは経費等も考えられますけれども、元々、清水町は山から平野になっていく傾斜があり、川等も十分あると思います。これも、誰かがやれば応援をするということではなくて、これから先に何年か、小型水力発電でもつくって、自産自消というか、そこまで計画したことはありますか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 考えておりません。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) わかりました。
 環境問題もありますし、原発問題もあります。いろいろな面で考えると、節電もありますけれども、自分達がエネルギーをつくらなければならないという感覚になってほしいと思い質問をしました。
 最後に、再生エネルギーを自分の町でつくろうという意欲はあるのでしょうか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 思いはたくさんあります。しかし、最終的にランニングコストだとか、いろいろと考えた場合に明らかなものではないでしょうか。今、行革でやめたスキー場にしても温泉にしても明らかです。実証実験ができているんです。なので、不安定なものに対して、町民の皆さんの税を投資することはいかがなものかということになります。そういうものは民間のほうでやっていただくのがよいのではないでしょうか。そうであれば、北海道電力ではなくて北海道庁が電気会社をつくってやっていればいいことです。それをやらないということは、行政としてやるべきではないということでああいうかたちになっていると思います。そのへんのご理解をお願いしたいと思います。

○議長(加来良明) 10番、安田薫議員。

○10番(安田 薫) 行政ではできないということですので、清水町内の誰かが事業を興したら、それを応援していくということはできますか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) これも、皆さんが条例をつくってやっていかなければならないものだと思います。民間がやった場合についてどうするかということについて、その部分のことも考えていかなければならない手法の一つであると思っております。