平成24年第4回定例会(9月13日_日程1_一般質問2)
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 私は、町の介護保険事業第5期計画の推進についてお伺いしたいと思います。
昨年度の9月議会の一般質問で、町の介護保険事業計画の策定開始にあたって、国の3年ごとの介護報酬の改定に加え、5年ごとの介護保険法とのダブル改定の内容がどのように反映され、具体化されていくのかを伺いました。町長が、改定介護法案は地方にとって非常に重たい制度であると、基本理念はいままでの計画と変わりない考えかたで、サービス内容、利用料金等については今の段階で判断できる状況ではないが、制度改正を踏まえながらサービスの充実を図れるよう進めていくという趣旨の答弁をされております。
町の第5期計画が国の改定を受け、今年度4月より推進されておりますが、計画推進にかかわり、改定の影響や課題が明らかになってきていると考えます。そこで、次の点について伺います。
大きな1点目の質問です。介護報酬改定による生活援助の報酬区分などの改定内容とその影響についてです。
4項目について伺います。
1つ目は、介護職員処遇改善交付金の廃止にともなう、介護職員処遇改善加算はどのように影響しているのかを伺います。
2点目は、訪問介護のサービス時間区分の変更内容と、その影響について報酬単価も含めてその特徴的な問題について伺います。
3つ目には、通所介護のサービス時間区分ですが、これについての変更内容とそのもたらす影響がどのようなものかを伺いたいと思います。
4点目は、施設・居住系サービスへの介護報酬改定による影響の特徴的な問題について伺います。
大きな2点目の質問は、町の第5期計画が推進されておりますが「改正」介護保険法とかかわっての質問です。3項目について伺います。
1項目目は、日常生活圏域ニーズ調査による地域課題、ニーズ把握がどのように計画に反映されているか、また、「改正」介護保険法とかかわってどのような課題が明らかになっているのでしょうか。
2点目は、「地域包括ケア」を支える基本的サービスとして位置づけられている定期巡回サービスの実施状況と今後の推進課題として、どのようなことがあげられているのでしょうか。
3つ目に、「地域包括ケア」を支える基盤の一つとして位置づけられている「介護予防日常生活支援総合事業」の内容と今後の推進課題について伺います。
最後の3点目の質問ですが、町の第5期計画が取り組まれてから半年、その推進にあたってはいくつかの大きな課題が投げかけられています。今後の介護保険制度のあり方について、課題の解決や改善していくうえからも町長の基本的なお考えを伺います。
以上、介護保険事業第5期計画の推進について大きく3点にわたる質問ですが、介護報酬改定にかかわる内容は細部にわたると長時間にわたりますので、町の計画推進にかかわる影響、特に利用者や被保険者の問題で、特別影響のある特徴的内容についてご答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。
○町長(高薄 渡) ただいまの質問に対し、ご答弁をさせていただきたいと思います。
介護報酬改定にともなう制度の内容についてのお尋ねでございます。介護職員の処遇改善加算につきましては、これまでの処遇改善加算交付金相当分を介護報酬に円滑に移行していくと、例外的かつ経済的な扱いとして、平成27年3月までの間に創設するというものであります。
従前の交付金は、外付けで国費10割として交付されておりましたが、今回の加算金は介護報酬のなかに組み込まれているものでございます。その結果、加算金は交付金と違い、保険料や利用者負担に反映されることになるということになります。そういったなかで区分支給限度額の計算対象から外れてしまっているという状況でございます。
さらに、加算算定の要件といたしまして、賃金改善の計画や報告、キャリア資格に応じた賃金の支払いが盛り込まれておりますので、格差が出るということになろうかと思います。これを、介護労働者の処遇改善に直結する仕組みとしては維持をされてきておりますが、町内の事業所の内容を見ると、交付金事業で職員一人当たり月額9,000円でありましたけれども、今回の加算により10,400円ですので、1,400円若干アップしたというかたちになろうかと思います。
訪問介護の生活援助区分再編の内容とその影響でございます。介護ヘルパーは、高齢者の自宅を訪問して掃除や調理を行う、生活援助サービスについては、厚生労働省は短時間で効率的にサービスをしなさいということになってきているわけでありまして、1回あたりのサービス時間の基準が見直されたということになるわけであります。
これは、生活援助サービスにかかった実際の時間は平均30分から40分程度だったことが調査でわかりました。これまでのサービス時間の基準を30分以上60分未満といったものを、45分以上と区分されたということになるわけであります。その分、45分ということは報酬が下がります。高齢の症状の重い高齢者のサービスに重点を置いていくという方針を、今回、厚生労働省では考えているのではないかと思います。しかし、介護現場からは、45分では単なる町の生活援助はできるのですが、機械的にやっていかなければならないということで、人間味が少しずつ薄れていくということになるのではないかと懸念されているところであります。
そういった面で、訪問介護計画のアセスメントができなくなり、困った相談だとか、体調の変化だとか、そういうものに気づきにくくなる、機械的に移動してしまうということになりますので、マイナス面が多く出てくるということで、私は危惧しているしだいであります。
そういったこともあり、このままでは、将来生活援助の単価をもう少し下げられるのではないでしょうか。これもまた大きく危惧しておりまして、介護保険から切り離されるのかというようなことも心配しているところであります。
3点目、通所サービスの時間区分の変更内容でございますけれども、私どものまちは、通所介護サービス事業所が2か所あり、1か所は小規模、もう1か所は通常の規模でありますけれども、いまのところ通所介護サービス事業は比較的に安定した運営ができています。今回の時間区分の改正により、小規模は6時間から8時間の区分は7時間以上9時間未満の区分に変更され、朝の時間を30分早く解消しているため、3.5%くらいの報酬増になる予定であります。中規模のほうは、時間帯の変更はなしで対応しておりますが、全体的にも、逆に3.5%程度の報酬減となるということが見込まれるところであります。本町の場合、中規模は社会福祉協議会がやっているデイサービス、小規模は旭山学園リゾームがやっているサービス事業であります。そこは増えるけれども、社協のほうが減ってくるのではないかということが見込まれているところであります。
次に、1の4番目の施設・居住系サービスの介護報酬改定であります。今回の改定によりまして、特別養護老人ホームあるいは老人保健施設は基本的に0.2%増になります。細かい点でいくと、特別養護老人ホームの多床室は単位が減となります。さらに、個室については減額がなく、減額はされますけれども少ない減額になります。経営的には新たに加算がついた認知症、特別養護老人ホームのなかでもそういったものが加算されることでいくということでありますから、減った分の大半が認知症のほうに、そういう状況になっていくものですから、減った分はそこでカバーしていくというかたちになるのではないかと思います。
そういうことで、影響が少ない状況のなかで運営されていくのではないかと思います。そのうち、特に数人ユニット以上の施設はグループホームですけれども、減少幅が大きくなるというか、グループホームについては、今後の改定でかなり影響が大きくなっているところであります。
次に、「改正」介護保険法と第5期計画推進についてでございます。
第5期計画では、介護予防実施の個別データの収集の目的として、昨年度調査を実施したところであります。平成23年4月1日現在で約2,940数名に調査票を配布して、回収率71.74%でありましたけれども回答を得たところであります。この内容が厚生省から配布された生活支援ソフト活用ということになり、6項目にわたり分析した報告書として第5期計画の参考にし、反映してきているところであります。ただ、この項目は全国画一なんです。ですから、地域性があるのにもかかわらず、そういう状況でありますので、どうしても全国規模の状況のなかの計画にならざるをえないというふうになるわけでございます。本町独自で加算して追加項目した、介護予防対象者については、介護予防いきいき教室等を通じて推進に役立てているところであります。今後も介護保険事業ばかりではなく、この調査の結果を本町の福祉政策推進に大きく、たくさん得るところがありますので、役立てていただきたいと思っているところであります。
次に、定期巡回サービスの実施状況と今後の方向性でございます。随時、対応型訪問介護、あるいは看護、定期サービスについては、計画に盛り込んでいるサービスでありますけれども、本年6月末で全国の実施事業者は47事業者になっており、北海道では札幌市が7事業者、帯広等々各地全部で10事業者しかありません。全国47事業者のうち北海道は10事業者であります。これも定着するにはまだまだ課題が大きいようでありまして、現状では重度の方は入所での対応者の希望が多いということで、在宅での希望が少ないということになるかと思います。
そして、このサービスが先ほどの報酬にかかわりますし、夜間常駐しなければならないということで、経営面で採算が合わないということでございます。以前もうちでは、訪問看護ということで体制を整えましたが、利用者が少なくて撤退したという経緯もありますけれども、これとは類似できませんけれども、やや似たようなかたちになろうかと思います。今後、将来的にはこういったサービスをやっていかなければならないだろうということで、そのできる基盤づくりをしていかなければならないのではないかと考えているところであります。
次に、「介護予防日常生活支援総合事業」の今後の推進課題でありますけれども、平成24年度から要支援者や新設された、二次予防事業者を対象として介護予防に対する、訪問・通所などいろいろとありますが、かかわりがボランティア事業の枠にとらわれないサービスができることを目的としたものであるということでございます。
事業者において基準はあるものの市町村独自の判断で十何人決定できるという、良い方向性を持っております。私どもの包括支援センターで、本人の意向等々を聞いてケアマネジメントをし、サービス事業者と負担を含めて市町村が決定していくところでございます。しかしながら、これもマニュアルを作成するということで、どうしても国の保険事業でありますので、重要事項が確立されていないというようなこともございまして、イメージがつかみづらいということから、今のところ検討できかねる状況になっておりますけれども、すでに私どもとしては、やっているところもありますので、安否確認見守り事業ということを先ほどお答えしましたけれども、そういう事業を取り入れたところでございます。
3番目でございますけれども、第5期計画の介護保険制度の基本的な考えでございますけれども、一つ目は、被保険者、受給者の範囲の拡大があります。第2号被保険者の40歳以上から引き下げて介護保険の復元化をはかり、保険財政を支えて増やすことであります。ここでは、介護保険制度の創設のときから課題でありましたけれども、まだ手が付けられない状況であるということでございます。
2点目は、公費財源の投入であります。65歳以上の第1号被保険者引き上げ、負担を引き上げ続けることは不可能に近いです。したがって、一定の基準で、自治体が負担を高めていく必要があるということから、社会保障と税の一体改革というかたちになっているところであります。
3点目は、家族やボランティアの介護の評価でありますけれども、現行では外部サービスだけが保険適用の対象でありますけれども、家族の介護は無償労働だといっております。ドイツでは、たとえば家族も保険適用の対象にしているということになりますので、2025年には200万人以上の介護従事者が必要とされるということでございます。現行が134万人といっておりますので、66万人の介護従事者を増やさなくてはなりません。これは、家族では無償にはなかなかできないのではないかということが言われております。こういうことが間近に迫っている課題でありまして、今度の改正は27年度になりますけれども、確実に3つ言ったやつは整理していかなければならないと思っております。
私ども、医療福祉政策は本町のなかでしっかりと位置づけをして、大量の雇用増大にもなっていくわけです。地域密着型をつくるだけでもかなりの介護従事者、労働者が必要となりますから、施設への依存度も高くなるということも含めて在宅をどうするかということ、制度のあり方も含めて、市町村で全力をあげて国への強い要請や広域的にできないものかも含めて検討する必要があるのではないかと思っているしだいでございます。
そういったことで、今後の介護保険制度の基本的な考え方を述べさせていただきました。
よろしくお願い申し上げます。終わります。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 1点目の問題からいくつか補足の質問をさせていただきたいと思います。
町長のご答弁にあったように、処遇改善交付金から処遇改善加算への改定によって国庫負担が100%だったものが、9割のうち半分が保険料負担です。さらに1割は、利用者負担になっています。利用者にとって、保険料とのかかわりでいえば、二重の負担をしいられるという仕組みになってしまったと思います。もう一つ、区分支給限度基準額の対象外になっておりますけれども、1割負担にその分を反映させるために、利用者にとっては同時に上がっていくわけです。1割の部分の利用料が、そういう大きな負担が増えることになると思いますが、この点をどう押さえられているのかお伺いします。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) まさにそのとおりではないかと、私も押さえております。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) この制度の仕組みですと、利用者の負担を抑えようとすれば、介護労働者の賃金や労働条件と直接かかわってきます。介護労働者の賃金や労働条件を考えると、利用者の負担が増すという仕組みになっておりますので、何とかしないと3年後を待っているような状況に、いずれならなくなってくるのではないでしょうか。先ほども言われましたけれども、要介護の方の人数だとか、だんだん大きい介護になってくる人達が増えてきているなかで、3年後を待っている状況にはならないのではないかと考えます。その点はどう予測してお考えでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 3年を見込んでの改正だと思います。その改正がそれに追いつかないということだと思います。急激に増えるのではないかというと、そうではないと予測されていると思いますけれども、内容によっては追いつかない部分も出てくる可能性もあるかと思います。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) もう1点、今の加算分、処遇改善加算の部分が3か年の例外的な経過的な措置となっているんです。そして、各サービスの基本サービス費において、今後、適切な評価を行うものにしていくというような考えかたもされています。そういうことから考えていくと、ますます3年後は、基本的なサービスそのものに負担が増えていくというふうなことになりかねないという危惧を感じているしだいです。
次の質問にいきたいと思います。
先ほど、訪問介護の生活援助区分再編と内容の影響についてお伺いしましたが、機械的にやれば厚生労働省がお話しているように、30分から40分の時間で、その間はヘルパーさんはいなくてはならないということで、非効率だという判断を下しています。しかし、先ほど町長も例をあげておっしゃってましたけれども、ヘルパーのご意見、これは我が町だけではなく、全国的にヘルパーがおっしゃっている問題の一つに、スキンシップや料理を一緒に作ることによって話し合うだとか、その仕事をやることによって、相手の状況を読み取ることができるだとか、そういう問題がこの介護訪問のなかの最も重要な位置を占めていると思います。利用者の意向、そういうものを踏まえたなかで、このことを行っていかないと、推進計画のなかの個人の尊厳や、サービス利用者の権利保障の問題だとかにも極めてかかわる問題だと思うのですが、このへんはどうお考えでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) そのとおりではないかと思います。
それと同時に、全国的というか確実に上下だとか幅があると思います。私が書物で読んだ内容は、田舎ほど、日常の元気なときの会話が多いわけです。弱くてもそれがあるので習性として相手方として話がしたいんです。都会の人は、昔から隣近所は知らないという感じで、そういう同じあれでも、あまり会話しなくてもいいという人が多いようだと書物のなかに書いてありました。ですから、機械的にいっても、あまり長くいてもらっても困るという方もいらっしゃるようなので、そういうのはこんなに差があるわけでありますけれども、我が町では対話をして、一緒にものをつくったりしていくことが、介護予防にもつながるのではないかと思います。人としてお互い大切に、いずれはそういうかたちになるわけですから、思いやりのある対応をしていくことが大切だと思いますので、私としましては、そういうことを道議会の先生などにそういうことを訴えて、こうだよということを覚えてもらう、厚生省に訴えたいと思っております。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) まさに、町長がお答えになったとおりです。地域によってはその会話が予防の面からも大切な面と、大切なサービスと位置づけられていく必要があると思います。厚生労働省は、そういうことのなかで批判の高まりのなかで、利用者の意向を踏まえない時間短縮は不適切であると、これまでどおりの時間提供は可能であるという見解を発表しました。それがなお、介護現場さらに事業所を含めて混乱させているという原因になっていることもあるんですが、地域にはそういう状況はないのですが、都会のなかではいろいろな事業所があります。営利そのものを目的として意向を考えないで機械的に行うところもあるので、こういう大きな問題が起こっていると思うのですが、この厚生省の見解については承知しているでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) まだ承知していないところがあります。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) いずれにしても我が町にとっては、直接、機械的に見解を受け止めてどうのこうのということではなく、実情からいえば、ないのではないかと思います。もう一つは、この時間区分の問題は、事業所の本当の経営状態にもかかわる状況となってきているので、先ほどの労働者の方々との対応で言いましたけれども、そのへんも十分勘案しながら、実情に合わせながら指導があれば行っていただきたいというふうに思います。
次にいきます。
生活時間の区分再編による介護報酬単位の見直し内容なのですが、10分単位でこの単位が決められているのですが、すべてこの単位が切り下がっているのですが、このへんの基本的な部分だけでいいので、お知らせ願いたいと思います。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 少し複雑になるんですけれども、現行は30分から60分になっています、1回あたり229単位となっているようですが、これが20分から45分未満、190単位でしょうか、45分以上は235単位ということになるということで、先ほども時間数の関係で言いましたけれども、これと並列したかたちになっているわけでございます。
効率化によって、報酬増になるというようなことなんですが、全体的にはもともと低い生活援助の単価が、さらに時間を引き下げられたという感じがしないわけではありません。なぜ、これだけこういうふうにするのかというのは私も疑問です。医療の看護師や看護補助者は、時間でやられているのかというと、そうではありません。医療報酬のなかに組み込まれております。なぜ、介護報酬だけこのようなことをするのか、そういう考えかたももっているのも事実です。ですが、そのような改定でそういうふうになっている以上は、これを町独自でやれるわけではありませんけれども、事業者の皆さんと、思いやりのある、機械的ではないサービス提供をしていただきたいということを、私どもからも申し上げたいと思います。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 生活援助の単位もカットされるようになっているものですから、利用の部分についても大変なんです。先ほど、町長がお答えになったように、今後、生活援助を介護保険から切り離す方向、これが意図されているのではないかということで、非常に不安を感じます。そのへんも、これから注意深く見ていかなければならないし、逆に、その生活援助自体を強化していく方向が、今後の状況にとって望ましいのではないかと思うわけで、そのようなことを危惧することを考えているということでお伝えしたいと思います。
訪問介護事務所は、事業内容の見直しや効率化、場合によっては給与体系の見直しまで迫られていくことになると思います。それは、結果的に利用者の置き去りにつながると考えますので、今後、十分に検討を加えていく課題であると思うし、できるのであれば早期に見直してほしいということで国に強く要請をしていくことも必要であろうと思います。
続いて、通所介護のサービス区分の変更内容とその影響についてお伺いいたします。先ほどのお答えのなかで、町内の事業所も7時間から9時間にしたところもあるし、現行のままサービス提供をするところもあると、現行のままのところは単純計算でも、収入の減が見込まれるわけです。そして、今回の改定で最も大きな影響があるのは、この通所介護の部分だといわれております。町内においても、区分変更の影響ということが具体的に、先ほどは30分早めたけれども、利用者は具体的に支障ないというような報告もありますけれども、状況によれば、サービスそのものが増えているわけではないので、時間延長の部分は車の配置、あるいは、その他の延長分として待たされると、事業所に置かれるという事態が出てくる可能性も多いです。そうすると、本当に利用者の立場に立った時間延長にはなりえないということの懸念があるんですけれども、そのへんはどうでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 確かにその部分も出てくると思いますけれども、全部が全部ではないと思います。
事業者のほうもできるだけ、利用者へのサービスが停滞しないように、また精神的な負担、体調を見ながら負担にならないようにすると思いますし、私どももそのようなことをしっかりと協議していくなかでお話しさせていただきたいと思います。
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○議長(加来良明) ここで休憩いたします。
○議長(加来良明) 休憩前に引続き会議を開きます。
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○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 続いて、施設・居住系サービスにかかわる質問です。
町長のお答えのなかで、特別養護老人ホームとグループホームについて触れられていたのですが、老健の施設について私のほうから疑問に感じるというか、わからない部分もありますのでお尋ねします。
在宅の復帰率と、ベッド回転率の低い施設の報酬が下がるという仕組みです。この仕組みが今回の改定で初めて導入されたということを聞きました。平均の在所日数が10カ月以上、在所先は在宅が5割以上という厳しい要件を満たさないと、介護報酬が上がらない仕組みになっているということなんです。10カ月以上なので4月から始まってるわけでありますから、これから起きてくる問題かという感じがしているんですが、診療報酬ではすでに導入されていたんですけれども、介護報酬では初めての導入ということを聞いているんです。このことについて、どうお考えかお伺いしたいと思います。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 確かに、医療のほうではないのですけれども、今度は介護のほうに入っている時間のことで、医療のほうではないのだけれども、医療はもともとあるんだけれども、それもまた同じようにこっちに入ってくるという状況で、アンバランスなところです。先ほどもご説明しましたが、バランスが崩れているのではないかということが、私の率直な疑問です。そうなると、回転率を良くしていかなければならないということになります。するとどうしても早く在宅に戻していかなければならないということになりますので、現状でいる方々の受け皿が、また在宅で大変なことになっていくだろうと思うところでありますけれども、これも事業者ごとに考えかたは違うのではないかと思います。当町での事業者については、極めてそういう方々への思いやりが強い先生でございますので、多少の報酬の響きがあったとしても、頑張っていただけるものだと踏んでおります。結論でいくと、報酬に値しない分もサービスしてくるのではないか、そういう話し合いはしておりませんけれども、これから先生方ともお話をしていかなければならないかと思っております。
医療懇談会等々もやっておりますし、福祉懇談会も常にやっておりますので、そういうなかで、事務長同士の部分や院長同士の部分とかでやりますので、そういうところで考えていかなければならないと思っております。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 今後の推移にもよると思いますが、よろしくご検討をお願いしたいと思います。
大きな2つ目に移りたいと思います。
日常生活圏域ニーズ調査の問題で、計画への反映の課題等についての質問でしたけれども、町長のお答えのとおり、介護法案によりこの調査の位置づけが定められているということで、どうしても画一的な調査項目になったりする部分があって、介護予防対策と工夫をされているという部分は、計画書末尾に資料として報告書等が載っていますので、読ませていただいてわかるのですが、地域ニーズをくまなく把握するということは、地域包括ケアの出発点ということで、介護法案を位置づけたんだと思います。実行のあるものとならなければならないものだと考えるのですが、全国的な傾向が報道されているのを見ると、多くの自治体ではサンプル調査程度のものを終わらせているというのが実態です。我が町の場合を見ると、回収率も71.47%、それから内容にも町独自の考えかたというか、町の課題の捉えかたをする部分も入っていますし、そういう面では評価をしたいと思うんです。計画推進のうえで調査該当が限定されているということもあって、十分な把握資料とまではいかない部分もあると思います。そういう点を捉えて、今後とも機会があるごとに実態把握をしながら課題に反映というか、計画に反映していく方向性を持っていられるかどうか、その点をお伺いします。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 先ほどのお答えのとおりでございまして、当町独自性を努めたところでありますので、サンプル的なところが全国的にはそうなんでありますけれども、先ほどの高齢者のひとり暮らしを含めて、そういった要介護者、要支援者、このへんのことの調査はしておかなければならないだろうと思います。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) 2点目に移ります。
「定期巡回サービス」の実施状況と今後の課題という点では、先ほど北海道の事業数の状況と、管内的には帯広は1か所ということで、実施していくという部分については、非常に体制が不十分というか、条件ができていないのにこういう方法を提起していくということ自体が問題だと考えております。
今後の方向性として、当町の場合、たとえば在宅の訪問や巡回等の、そういう点で具体的にカバーしていくというか、緊急時の対応も含めて今後考えていくということで話されていましたけれども、そういう条件自体、特に地域はそういう条件がなかなか成立しづらい状況のなかで、条件自体をつくりあげていかない限り、この地域包括ケアという壮大な構想が実現しないのではないかと思うのですが、そのへんはどうでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 現在のサービスがあってもニーズが少ないと、全国的に少ないというような状況です。地域という言葉がついているので、本当はもっと地域性を重視したものでなければならないのに、なぜこのような名前がついているのか、私も不思議です。あまり独自性がなく、報酬が10分から20分くらいの報酬だということでありますから、採算が合わないことも明らかなんです。したがって、大きな都市で需要の多いところでなければ対応できないだろうということになります。少なくとも、こういうことがこれから起こりえます。ですから、そのための基盤づくりをしていかなければならないということを先ほども申し上げたとおりでございます。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) お答えのとおり、大きな課題として受け止めておきたいです。
続いての問題です。「介護予防日常生活支援総合事業」なのですが、内容が具体的に、明確にされていないと、半年も経っているのですが、そのなかでボランティアによる枠組みにとらわれないサービスということでボランティア、さらに、事業所については市町村独自の判断で柔軟に決定できるという、聞こえはいいのですが、ボランティアと市町村に丸投げのかたちというか、実態上そういう受け止めしかできないような状況が今あるのではないかと思います。
清水町では、サービスの費用、利用の負担も市町村が決定することになっておりますが、町では要支援者が176名、二次予防の対象者が363名という二次予防の対象者が非常に多いわけです。この事業が明確になってくると、この二次予防の対象者を計画のなかにもっていかなければならないのではないかと思うのですが、そのへんはどうお考えでしょうか。
○議長(加来良明) 保健福祉課長。
○保健福祉課長(阿部一男) 今のいろいろな調査のなかで、二次予防の対象者が異常に多いというようなことで、結果としてわかっております。これを本来であれば、すぐにこの計画のなかにというところだったのですが、いろいろな経過のなかですぐに盛り込むために、時間的な余裕もなかったし、いまだかつて、はっきりとしたマニュアルみたいなものが示されていないということもありましたので、来ませんでしたけれども、我々といたしまして、せっかくこういうふうにニーズを把握できましたので、できるだけ許される事業の、日常生活支援総合事業のなかで、盛り込めるようなかたちのなかでいければと考えているところですし、この総合事業に限らず、新しくできた事業については、年度、3年間ごとの区切りではなく、年度の区切りで手をあげて、新しい事業を展開していいよという了解を得たなかで、確認してきておりますので、もし新年度等にそういうようなことが展開できれば組み込んでいくこともあれですし、先ほどの答弁のなかでも、実際に安否確認事業等については、この事業に該当するというなかで進んでおりますので、こういったことと兼ね合いをもちながら、最終的に、その他の事業は総事業費の3%以内だとか、そういった部分もありますので、いろいろそれらも考えながらどれとどれを取り組んでいき、ほかに取り組めなかった部分は一般的な福祉政策の事業のなかで、町の事業として、また展開するだとか、そういったことも含めて、今後、検討していかなければならないと考えているところでございます。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番(木村好孝) まだ半年ということで、ダブル改定になってしまったので、報酬改定以外の方向性というのが見定まっていないと、その時点で町自体も計画を推進していくうえで大変だし、ご苦労も多いと思いますが、今後とも十分に町民意見を反映しながら実施の方向でお願いしたいと思います。
大きい3つ目の質問に移ります。
今後の介護保険制度のあり方について、どうしても、今後、継続していくうえで、国庫負担というのを明確にしていかないと制度自体が成り立たないと思います。給付抑制か、保険料引き上げかの根本的矛盾を抱えた制度になっておりますので、制度を継続するとすれば国庫負担を明確にし、拡大していくということが必要ではないかと思います。
そのことは、前回の改定のなかで介護職員の処遇改善交付金、介護職員交付金のための交付金を国が全額負担するという、介護制度自体があっても国での負担という法案を通したんです。そういうことがありうるわけで、今後とも国庫負担の、そういう面での手当というものの要請は必要ではないかと思うのですが、そのへんはどうでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 今、社会保障と税の一体改革で、社会保障のほうに使うんだというものなんですが、どこまでそれが確約されているのかということになると、まだ確約されていない状況下にあります。したがって、やるということは、前提では、国庫負担をきちんと介護保険のところに示していただくということが大切かと思います。それがない限り、あいまいな点があるので、私どもとしましては、自治体、地方公共団体、しっかりと意見を申し上げてまいりたいと思いますし、国庫負担の負担率をきちんとしていくということが必要だと思います。
○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。
○4番、(木村好孝) 最後の質問になると思いますが、国庫負担と同時に3年後の改定を待っていれば、そのことは解決していかないというか、矛盾がより拡大していく、利用者負担がより拡大していくという状況が目に見えていると思います。早期に、前回の改定の時の処遇改善交付金のような手立てを国が早急に取り組むということの必要性と同時に、地方として、今後、ますますダブル改定による利用者の負担や町の計画推進への影響が増すことが予想されるなかで、介護保険特別会計の一般会計からの繰入れ等を行うという手立て、これの検討が必要になってくるのではないかと考えます。
現在、北海道では今回の改定のなかで、北斗市と中富良野市、前にもふれましたけれども、中富良野の場合は、3年間、基金に一般会計から積み立てて改正の時に負担を少なくするという方法をとっているようですが、必要なサービスを利用できるための自治体独自の施策として、たとえば、要介護ごとの区分支給限度基準額を超える利用の町独自の給付措置、低所得者に対する利用料軽減の拡大だとか、そういう町独自で考えられる特別な手立てというのを、一般財源の繰入れ等の方法を検討することによって、今後、考えていく余地がないかどうかをお伺いいたします。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) この問題についても、町村長と議論しているところです。というのは、今回の介護保険料の改定にあたって5,000円を超えてしまっている町村がたくさん出てきました。それをいかに、どう抑えるかということで、非常に苦労しているわけでございまして、介護保険制度の今の弱点のところをしっかりと、改正してもらおうということであります。町独自でやるということは、その裏付けか何かがないと、余裕がある財源ならばいいのですが、ない場合にはどうすればいいのかということになりますので、その制度を改正して悪いところについて、おそらく今回のダブル改定で相当ひずみが出るのではないかと思っております。そのひずみを次のなかで直していくということが必要なので、訴えていきたいし、もし万が一、そういうことになった場合には、そういう新たな方法というのも独自で考えていかなければならないと押さえております。
○4番(木村好孝) 終わります。