平成25年第2回定例会(3月14日_日程2_一般質問2)
○議長(加来良明) 次の質疑を受けます。
12番、口田邦男議員。
○12番(口田邦男) 通告によりまして、3件について町長の考えかたを伺いたいと思っております。
1点目、どうなるTPPは、ということで、お伺いしたいと思っております。私は以前、同様の問題について質問をさせていただいた経過がありますが、いよいよTPP問題も終盤戦に近づいてきている気がいたします。
昨今、全国的にも反対運動が盛り上がっております。また、3月10日には十勝において4,300人の集会、3月11日は札幌で、3月12日は東京で集会が行われているのが現状の姿でございます。
当然、私も反対の一人でありますが、外国からの安価な農産物の輸入により、北海道十勝の影響は大であり、地域崩壊につながるといわれております。しかし、町民にとってはまだ何がどうなるのか、ピンとこないのではないかということで、TPPが導入されたら、我が清水町はこういう姿になるというような青写真をつくってはどうかと提案申し上げましたが、残念ながら、昨夜の自民党の会議でもTPP交渉が容認され、15日には首相による参加表明が出されるという運びになっているようでございます。こういう流れに対して町長の思いをお伺いしたいと思っております。
また、生き残るための、新農業改革についても、あわせて町長のお考えをお伺いしたいと思っております。
2点目、本町における水資源保護条例の必要性についてお伺いいたします。
山林などの乱開発を規制して水を守らなければなりません。北海道でも昨年4月に外国資本による森林売買が問題となりまして「北海道水資源の保全に関する条例」が制定されました。
道が定める水資源保全地区内の土地の売買の際に対して、3か月前に使用目的などを届け出なければならないとなっております。しかし、届け出がなかった場合、氏名の公表はできることになっておりますけれども、強い罰則規定はありません。市町村でどうしても必要であれば開発規制を行うべく、市町村独自の条例を制定したほうがいいというふうに新聞等で報じられております。この点について町長はどのように考えているかお伺いしたいと思います。また、本町についても林地開発の実態があります。これらを含めて開発規制の条例ができないか、それらについてもお伺いしたいと思っております。
3点目です。再生エネルギーの取り組みはということでお伺いいたします。本町において考えられるのは、メガソーラー、バイオガスプラント、水力発電等があります。メガソーラーにつきましては本町においても、企業による設置が決まっておりますが、いまだに工事がなされておりません。これらの進捗状況についてお伺いしたいと思っております。また、バイオガスプラントは過去に2箇所で実験プラントを動かした経緯がありますが、これについてもまったく取り組みがないというのはなぜなのか、この理由をお伺いしたいと思います。
農業用水を利用した発電を考えてみたことがありますか。これらについても考えをお伺いしたいと思いますが、いずれにいたしましても、この再生可能エネルギーの取り組みについては、本町については遅れているようでございますが、何かそれについての理由があればお聞かせ願いたいと思います。
以上、3点についてよろしく答弁をお願いいたします。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。
○町長(高薄 渡) TPPの問題につきましては、私も平成22年の当時から絶対反対の立場を堅持して、町民の皆様方に集まっていただいたり、あるいはチラシ等々でお示しをしているところであります。さらに、広報でもあわせて特集を組んで、TPPにかかわる影響力をお知らせしているというようなことであります。
まだ、十分な状況ではありませんが、いかんせん情報が収集できかねる状況でございまして、他の影響はどのくらいなのか、なかなか掴めないというような状況であります。しかし、このことについては、私どもも大いに怒りを感じているわけでありまして、現在、進められているなかにありましても、関税の撤廃は守っていただくということを大きく望むものであります。現状といたしましても、十勝の場合は十勝町村会が中心になりまして、あるいは地方6団体が中心になり盛んに全国展開を図ってきているという状況でありますけれども、参加表明というかたちになるかと思いますけれど、参加するか・しないか、国会で評決をしなければなりませんし、他の国でも評決をしていくというかたちになるわけでありますから、そのへんのことについては、残された時間がありますので、十分この件について戦ってまいりたいと考えているところであります。
また、生き残るための新農業改革を考えておくべきということでございますけれども、今、交渉参加に向けて国が大きく加速されているというなかでは、農水省といたしましても、新たな農業政策を考えているということもお聞きしておりますので、その効果的な取り組みを私どもも考えなくてはならないということで、中央の情勢も見極めながら、あるいは十勝全体が一丸となったなかで進めていくべきだろうと考えております。そういう面では、農業にかかわる団体が数多くありますので、これらの方々と営農計画をたてていくなかでの協議をしていかなければならないだろうと思っております。
JAが今年度から中期の計画をたてていくということをお聞きしておりますので、そのなかにも考えていかなければなりませんし、農村農業振興策のプロジェクト的なものも再生していく必要があるのではないかと考えているところでございます。
2点目の水資源保護条例の関係です。
昨年4月に制定されました「北海道水資源の保全に関する条例」、道民が豊かで清らかな水資源を持続的に利用していかなければならないということで策定されたものであります。
本町も、上水道におきまして、水資源保全地域指定を受けました。昨年9月18日付でございます。十勝管内では、清水町、鹿追町、大樹町と3町でございますけれども、私どもがそこへ審議会に持ち込まないと審議されないということでしたので、私どもとしましては、いち早くこの問題に取り組みをしたということでございますので、ご理解をいただければと思います。しかし、現在、その土地利用の目的を届けられる権利を有する所有者が偽った状況のなかで、開発的なもので行われているということをお聞きしていたわけでありますので、権限としては、十勝総合振興局にあるわけでございまして、そこへ、町といたしましても、周知をしながら協議を持ち込みしているところであります。北海道では、名前を公表するということになっておりますが、その公表をする、そのもの自体よりもそれ以前の必要性があるのではないかと考えております。
また、乱開発に対する規制といたしましても、指定地域のみならず、広範囲にわたって、森林法というものがあるわけですが、これが制約された罰則規定を持っております。それらと合わせながら、町としてもより一層注視していく、今までは総合局の段階だとか、届け出があれば伝達などがあったわけでございますけれども、その届け出てくる条件の内容の審査、それと事業の着手、ここに注目をして意見を述べていくということの方策が必要だろうと思っておりますので、その制度のつくることについては、少し時間を貸していただいて、検討をさせていただければと思っているところであります。
次に、再生可能エネルギーの取り組みでございますけれども、メガソーラーにおきましては、2年前からいろいろと協議をしてきております。当初、出発時よりも北海道電力がワット数、いわゆる容量というものを決定するわけでありますけれども、現在、申請が完了し、昨日、電話で社内の同一見解が出たということで、今月末に正式にお話をするということでございますので、残念ですが、行政報告がまだできません。一応、そういう予定でいることをお知らせしたいと思います。
事業主体のところは、丸紅ということになっておりますけれども、今、実際にやっている100%出資会社の電力会社、水力をやっておりますけれども、他府県で官民一体となったなかでやっている事業者が事業主体になるということをお聞きしているところでございます。まもなく、そのやつが決定されますけれども、考えられているのは、3,088キロワット、いわゆる3メガといわれております。一般家庭になおしますと、約1,000世帯分ということになるわけでありますけれども、これが北海道電力から示された発電量の中身でございます。総事業費は9億円くらいと予定しているようでございますけれども、それよりも上回る場合もありえますし、下がる場合もありえるということになっております。
今後のスケジュールにいたしましては、雪解け時に工事着工をし、おおむね11月くらいに竣工し稼働させたいという考えかたでおります。そういった面から考え、できる限り地元の事業者にも下請けができるような状況も考えながら、協力をしてまいりたいと考えているところであります。
最後になりますけれども、バイオガスプラント、過去5年、2箇所におきまして実証実験をやったところであります。残念ながら個別の農家での対応はできないということで、初期投資、メンテナンス、様々な使用料がかかるということからできなかったことでありますし、また、電気の固定買取制度が進まなかったということもございまして、平成18年に実験終了となりました。しかし、昨年7月から電気の買取制度が始まり、再生エネルギーということで国も動き出しているわけでございますが、この面についても、現在、10戸くらいの酪農家の皆さんが関心を示しているところであります。確実に進めるというところも出てきているようでございますが、これも北電とのかかわりになってまいります。無限にある家畜糞尿の処理としては、バイオガスプラントは極めて有効であります。したがって、十勝バイオマス産業都市構想としまして、帯広市を中心として、それに参加すべく、準備を進め、国の事業採択に向けて頑張っていきたいとこのように思っております。
最後に水力発電で、営農用水を考えたことがあるのかということでありましたけれども、まさに考えておりました。しかし、縦割りがありまして、飲料水も含めて難しい面があったところから、十勝地域の連携会議におきまして私も発言をしておりますけれども、小水力も大切なことでありますけれども、飲み水のことについての対応策を考えてもらいたいというお話をさせてもらっております。
しかし、平成25年度に農林水産省の事業で本町におきましても、営農用水での可能性を調査してもらうべく、手をあげております。場所としましては、円山の営農用水を小水力で可能かどうかという、農林水産省の指定でやってまいりたいと思っております。それは、太陽光発電を含めたエネルギー、メガソーラーについても、天候不順によりますので谷間ができます。その谷間をそういう小水力なり、そういうもので埋めて平らにしていくことが必要でありますので、これも含めて検討してまいりたいと思っております。
以上、ご答弁申し上げました。よろしくお願い申し上げます。
○議長(加来良明) 12番、口田邦男議員。
○12番(口田邦男) 若干、再質問させていただきたいと思っております。
まず、TPPの関係でございますけれども、町長のほうからご答弁を申し上げていただきましたけれども、現時点では、これ以上細かく突っ込んでどうのこうのという問題ではないと思っておりますけれども、ただただ大変なことになるという思いでいっぱいでございます。
そのなかで、今までのいろいろなお話のなかでいくと、例外品目を設けたなかでの容認だというようなことを言われておりますけれども、例外品目といっても5品目、そのなかには清水町で特に問題のある豆類が入っておりません。これがまともにいくと、十勝はもちろん清水町においても大豆を中心とした、小豆・雑豆、これについての姿がどういうことになってしまうのか、それが心配でなりません。いずれにしても、今、結論が出る問題ではないと思いますけれども、そういったいろいろな問題がかぶさってくるのではないかと思っているのが現状の姿でございます。
どうなるかわかりませんけれども、今後の新農業改革についてお尋ねいたしましたけれども、これにつきましては、先ほど中島議員から質問があった基盤整備、これは収益を上げるためにも必要な新農業改革の一環だと思っておりますし、また、もう1点、六次産業についても、付加価値を高めるために、なんとか六次産業の必要性を取り組んでいかなければならないのではないかと思っております。それで、六次産業について新しいアイディアだとか、何かあれば教えていただきたいと思います。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 現在の進捗状況といいますか、町民の皆さん方に課題としてあがってきているなかで、私どもも進めてきたんですけれども、産業クラスター、これは北海道でも数少ない団体になってきたわけでございます。当初は、かなりあったのですが、だんだんしぼんできたということであります。
これは、畜大の三野先生がスタートし、私もその一端として産業クラスターを大切にしていきたいと、これがスタートでございました。これは地産地消というのですが、そこから今の六次産業化につながってきたわけであります。
現在、産業クラスターのほうで考えられているのはアスパラの擬葉ということで考えられております。これをなんとか製品化していきたいと、東京でのPR活動が功を奏しまして、薬品会社が関心を示しているということであります。しかし、当町だけではアスパラの生産は非常に少ないということから、JAを通じたなかで、全十勝的に行っていく必要があるのではないかということで、当町が主体的な役割をしていくということで考えていきたいと、JAとも協議をさせていただいております。当然、乾燥をするべく状況でございますので、その機械が必要になってくるのでありますけれども、そういう部分で考えられているのが一つでございます。
もう一つは、果樹を主体とした製品化ができないかということで考えられているグループもございます。あるいは、先般、新聞にも出ましたけれども、水を中心とするものをお酢を入れたなかでできないのかという研究的なもの、こういったことを六次産業に向けたなかでの支援をしていくということが必要だと、そのためにはどうしても、町営でやるか、民営でやるか、別としましても、加工施設的なものが必要になってくるということでございますので、私としましても、この面には力を入れていかなければならないだろうと思っております。
もう一方では、町が支援しているニンニク栽培の拡充をしております。これも、種子をつくることが、最終的に戦略的に勝るだろうということで、種子の研究をしておりますけれども、これには大体7年から8年かかります。地球温暖化というよりも、本州が温かくて、種も小さくなってきています。ここで大きなものを育てていかなければならないということで、黒ニンニクを中心として、これは台湾のほうにいくということも考えているところであります。それに対する種子の原料とすべく、それの支援、その機械を設置するということでございますから、それを保存していく施設が生まれてくるので、これも六次産業化に向けていかなければならないだろうと思っております。
そういったなかで、どうしても当町の輸入をしている肥料だとかになってきております。これは町内循環で、あるいは十勝的に循環、近隣町村を含めてできるような体制づくりをしなければならないと、そこにバイオマスということも考えられるわけでありますけれども、私としましては、1町のみだけでやるのではなく、近隣町村でそういうものを広域的にできないものかということを、急遽、進めてまいりたいと考えているところであります。
○議長(加来良明) 12番、口田邦男議員。
○12番(口田邦男) 六次産業についてご答弁をいただきましたけれども、つけ加えて、先ほど言いました例外品目から外れている豆類、それから加工馬鈴薯、これらについても六次産業化の1つのなかに検討材料として入れていただいて、研究していただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。その点についてはどうですか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 本件につきましては、例外品目のところの豆類等々がないということでございますので、これはしっかりと考えていかなければならないと思っております。
○議長(加来良明) 12番、口田邦男議員。
○12番(口田邦男) TPPについてはこの程度にさせていただきたいと思っております。
次に、水資源の関係です。
先ほど、町長の説明では、本町における水源保全地区は小林川だけなのでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) そのとおりでございます。
○議長(加来良明) 12番、口田邦男議員。
○12番(口田邦男) 農業用水だとか、上旭には水資源もありますよね、それは該当する地区には入らないのでしょうか。
○議長(加来良明) 都市施設課参事。
○参事(横山 隆) 小林川以外に、芽室川上流に、国営で整備した貯水施設がございますが、今回の区域指定にあたりましては、国有林については指定区域にしないということになっておりますので、そちらについては申請しておりません。
○議長(加来良明) 12番、口田邦男議員。
○12番(口田邦男) これで道の条例ができておりますけれども、これによってダム開発というのは防げると思っておられるのか、町長は、これは生ぬるいと思いませんか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) そのように考えておりますが、先ほどの答弁で時間を貸していただいて、国営とさせていただきたいと思っております。
○議長(加来良明) 12番、口田邦男議員。
○12番(口田邦男) わかりました、一つよろしく検討をしてください。
最後、再生エネルギーについてです。
これについて、メガソーラーはやめたのかと思っておりましたけれども、先ほどの町長の説明で、今年の11月には完成するということでございますので、期待しております。
バイオガスの関係でございますけれども、これは清水町でも2箇所の実験プラントを動かした経過があり、断念したという説明でございますけれども、十勝一連の関係の話というのはなかったのでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 十勝一連というよりも、資源のある町村ですけれども、帯広市を含めて、バイオマス産業都市構想を策定するということで、従来、私の町には、バイオマスタウン構想ということで、今の2軒の農家と、北海道バイオエタノール工場、これは計画がなければできないわけでありますけれども、これはできました。今度はそれが新たに改正して、バイオマス活用推進計画をたて、十勝帯広市が中心となって進めていこうということで考えております。昨日も会議をしておりますけれども、北海道大学農学部教授だった方々だとか、そういう方々がきておりまして、バイオマスについての勉強会から効用、活用、費用、そういったものを検討していくということになっております。
今は、初期投資が高く、億単位の状況になってまいります。そうなるとそれを取り込む農家がなかなかでません。できれば十勝で製造・生産されて、それが低コストで入って、メンテナンスもすぐに十勝でできると、取り換えの時にも十勝でできるというのが望ましいということで、帯広畜産大学の先生だとか、土谷農機だとか、いろいろと開発している方達と試験的にやっているやつが安価でできそうになりつつあるというふうに聞いておりますけれども、まだまだ発展していかなければならないということから、できるだけ安価なものでできないものかということで、私もずいぶん考えて、いろいろなところと折衝して、担当課とも協議をさせていただいているところございます。
○議長(加来良明) 12番、口田邦男議員。
○12番(口田邦男) やはり、清水町は乳牛の町だというふうに看板をしょっておりますので、その諮問の関係も清水町が先導してやってもらう方向でいってほしいと思っております。
次に、水力の関係でございます。
水力については、町長から関心を持った答弁をいただきましたが、これについても、私は、大した難しい問題ではないような気がしますけれども、ぜひ、それを取り入れて検討していただきたいと思っております。
これで質問はすべて終わります。ひとつよろしくお願いいたします。