北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成25年第2回定例会(3月14日_日程2_一般質問3)

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

○4番(木村好孝) 厚生労働省が発表した、2011年の合計特殊出生率、これは女性一人が一生に産む子どもの数の推計ですが、これが現在問題になっております。1.39人という数字なのですが、これ自体は前年度と同水準ですが、生まれた子どもの人数が前年度と比べると20,606人減の、1,050,698人となって、戦後の最低を更新しているということが問題になっております。国立社会保障人口問題研究所の50年後の人口推計によりますと、2010年の1億2,806万人の総人口が8,674万人に減少すると、14歳以下は791万人の9.1%と、総人口の1割を切ることになります。
 子どもを安心して産み育てる社会をつくるのは大人の責任だ、子どもがいなくなる日、それは未来が閉ざされる日、これは1月9日付の日本農業新聞の少子化問題を取り上げた手記の見出しですが、子どもが総人口の1割を切る社会は、年齢構成のバランスを欠く、極めて憂慮すべき事態となります。結婚・出産はもちろん国民一人ひとりの選択であり、その権利が尊重されるのは当然ですが、ほしい子どもの数まで増やせないというのが、アンケートでは5割を超え、スウェーデンの7%、アメリカ、フランスの10%台より非常に高く、その理由で最も多いのは、子育てや教育にお金がかかりすぎるが4割で、子どもを産みにくく、育てにくくしている主たる要因は経済問題と労働条件があげられております。
 清水町においても、人口減と少子化問題は深刻で、平成2年、町総人口をもとにその推移を見ますと、平成22年の減少率は約82.6%、平成32年には約73.2%、平成42年には62.8%の推計となっております。総人口に対する0歳から14歳の人口割合は、平成22年が約11%、平成32年が約8.7%、平成42年では約7.65%、ここ数年で1割切ることが予想されています。
 先進国のなかでも、極端に進むこの問題に歯止めがかかっていないのが現状で、将来の日本社会のありかたにかかわる重大な問題であるだけに、国としての真剣な取り組みが必要だと考えます。町は、地方自治体としての住民福祉向上の責務を果たしていくうえで、地域経済循環型、地域内再投資力を重視した地域経済の安定のための施策はもとより、高齢化対策とともに安心して子どもを産み、育てる、この地域条件を整えていくことが求められているのではないでしょうか。
 その条件整備としていくつかの課題がありますが、2点に絞って質問いたします。
 1つ目は、中学生以下の医療費の完全無料化についてです。町長は、選挙の公約のなかでこの課題を掲げております。町政執行方針で、公約にかかわる政策予算は、4月または6月議会までに提案するとしていますが、3点伺います。1点目は、完全無料化の内容についてです。2点目は、予算提案とのかかわりがありますが、実施時期の見通しについてです。3点目は、無料化にともなう、国のペナルティに対する見解についてです。
 2つ目に、就学援助についてです。
 政府は、生活扶助基準を3年間段階的に670億円、6.5%減額、さらに、年末支給の期末一時扶助を13年度に一気に70億円減額、合わせると740億円、7.3%減になる大幅な引き下げを、13年度予算案に盛り込み8月からも実施を強行しようとしています。
 ナショナルミニマム、国民の最低生活基準ですが、その基準としての生活保護基準の引き下げは、最低賃金、就学援助、住民非課税限度額、国保の保険料減免や窓口負担の減免基準、高額療養費自己負担限度額、さらに、保育料の軽減など、住民福祉や生活にかかわる各種制度に直接影響が及ぶことは避けられません。就学援助については、対象者は生活保護受給世帯の児童生徒、準要保護世帯の児童生徒ですが、生活基準の引き下げは、準用保護世帯では学ぶ権利が奪われる児童生徒が発生することを意味しています。厚生労働省社会保障審議会の指摘でも、生活保護受給世帯の子どもが成人して生活保護をまた受ける、貧困の連鎖への対応が指摘され重視されています。生活困窮と低学歴、低学力の相関が指摘され、就学援助の必要性はより大きくなってきているのではないでしょうか。
 就学援助を受ける小・中学生は1997年の78万人、全体の6.6%から、2011年の157万人、全体の15.6%と、約6人に1人の認定で過去最多となっています。これは、子どものいる世帯の所得の減少が最大の原因です。清水町においては、昨年度は減っていますが、今年度は114名、全体の15.8%と増加しております。
 就学援助について、2点お伺いします。
 1点目、道内では多くの自治体が生活保護基準の1.0倍から1.3倍の準要保護世帯としており、清水町では1.3倍となっております。「生活保護基準の1割引き下げは、就学援助を受けることができる児童を現在の83%まで減少させ、一番影響が大きいのは、ひとり親世帯」の指摘もあるなかで、今後、認定基準の1.34倍の維持はもとより、その切り上げや給付内容の検討が現状の生活実態から必要となってくると考えられますが、その見通しを含めお考えを伺います。
 2点目、「子ども達がお金の心配なく学校で学ぶ」ための国民の権利としての就学援助制度は、「少子化」問題対策上からも必要としている人が利用できる制度の改善、充実が求められています。そのため、国として生活保護基準の切り下げではなく、1、準要保護への国庫補助の復活、2、現在の就学援助認定状況などにあわせた国庫補助金予算額の増額、地方交付金の積算単価の引き上げの実施、3、補助額の算定にあたって、文部科学省の「子ども学習費調査」の保護者の学校教育費負担を保障し、そのほかの学用品などについても配慮し、学校生活の実態にあった給付額の決定等の改善を行うべきです。
 町長は、「義務教育費の父母負担軽減」を公約に取り上げています。義務教育費無償が、完全に実現していない現在、就学援助制度はその実現に向けての大切な入り口となる制度です。少子化問題はTPP問題同様、国の存亡にかかわる問題といえるのではないでしょうか。就学援助制度の改善、充実について、自治体の要望として国に対して強く働きかけていただきたい、そのことが必要だと思います。お考えを伺います。
 以上、2点の項目にわたって私の一般質問といたします。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) 私は、先ほどの選挙の公約の一つに、0歳から中学生までの全ての医療費を無料としたいということで訴えてまいりました。まさに、今、経済状況も悪く、あるいは、所得の控除も見込められない、そういうなかにあり、また、消費税率のこれからの引き上げ等々も含めると、家庭の負担は大きくなってきているところであります。
 本来ならば、こういったものすべてが住民の皆さんに、恩恵が受けられるような状況をつくるのが筋でありますけれども、なかなかそこまでいけませんので、近隣町村を含めたなかで検討をさせていただいたところ、早期発見、早期治療、これが健康づくりの要素でございますので、私としましても、以前からこのことについては関心を持っておりまして、取り組みたいということでいったわけでありますけれども、このたび、多くの保護者の方々の声を聞くと、そういう意味で費用負担をできるだけ無料化に向けて検討していただきたいというお話をいただいてきたところであります。
 現在、経緯を申しますと、私が町長になってから、財政困難な状況に陥ったわけでありますけれども、平成20年4月からは、就学前の乳幼児の医療費分を全額無料とし、10月1日からは小学生の入院医療費の3割負担のうちの2割を助成することにいたしました。その後、平成21年10月1日から、中学生まで入院医療費の全額助成というかたちをとらせていただきまして、国等に対し、強く高校生まで医療費の無料化を求めてきているのが実態であります。そういうことで、今後もこのことについては求めていきたいと思うところであります。
 実施内容につきましては、一般的な治療も含めて、歯科診療までと考えているところであります。歯科も早くにかからないために丸くなっている状況もありますので、これからの成長に必要な部分でありますので、きちんと治療をしていただきたいと考えているところであります。
 予算提案のかかわりがありますけれども、4月または6月ということで考えているわけでありますけれども、実施時期については担当課、医療機関等々の協議を整えなければならないので、我が町内だけではなく、管内的なかたちになると思いますので、その協議を含めますと、10月施行が、前回も前々回もそうでしたけれども、それが一番作業的にスタートできる時期になるのではないかと考えております。
 予算提案になってまいりますけれども、現在、昨年度まで対象者の約660名になるわけでありますけれども、昨年度の費用ではわずかながら入院ですから四十数万円ということでありますけれども、今度は通院費を換算いたしますと、1,800万円くらいの全てが使われた場合に、そのくらいの予算が必要になってくるでしょう。しかし、全員がかかるわけではありませんので、このうち、近隣町村によりますと50名いくかいかないかの状況になるかと思いますけれども、ときには、流行った風邪の大きいものが出た場合には、どのやつも出ますけれども、そうでない限りは通常、その程度ではないかということで、今までのところはそういうような状況で出ているところであります。
 現在まで所得の状況は所得制限なしというのが、管内で10町村行われております。所得制限があるというのは2町でございまして、無料化でやっているところは12町村というかたちになるかと思います。そこで、ようやく私どもが参入できると、これは健康もさることながら、近場であれば、そちらのほうに移転をして住まいを変えてしまう可能性もあります。そうなりますと、定住人口が減少し、さらに商店街の購買力も減っていくと、さまざまな影響がありますので、できるだけ歯止めをかけるためにも、あるいは健康を維持するためにも必要な施策だと考えているところであります。ペナルティですけれども、国保会計分であれば減額はすべてがかかれば300万円、それ以下であれば300万円以下になるわけでありますけれども、300万円くらいのペナルティがかかってくるだろうと予測されるところであります。
 次に、就学援助につきましては、教育委員会のほうでお答えになると思いますけれども、私のほうでは、最後に残された少子化問題はTPP同様に国の存亡にかかわる問題といえる公約で、義務教育費の父母負担の軽減をあげております。先ほども申し上げましたように、お金がないから学校にいけないんだということではなく、すべての保障をしていく、憲法にもあるわけでありますから、それを遵守してもらいたいということで、私どもとしてもこの件については訴えてまいる所存でありますし、私としましては、平成14年から行財政改革で行ったので、通常の義務教育なのですけれども、付属的なものを、その用品について一部凍結をしておりました。それを何とか復元したいということで考えております。それは、大きな金額ではありませんが、子ども達の負担を数年前から入学時に、いろいろかけてきているので、できるだけ軽減策を取って元に戻すような方法を取りたいと考えているところであります。
 先ほどの、医療費にかかわる、そしてそれに類する制度の全体の問題、国保もそうですし、後期高齢者もそうですし、介護保険もそうですけれども、制度が統一化されていない、理念がばらばらであるということから、私どもとしましては、全国の市長会、知事会、町村会、県議会、市議会、町村議会と6団体ありますけれども、この6団体で強く求めてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○議長(加来良明) 次の答弁を求めます。教育委員長。

○教育委員長(三澤吏佐子) 就学援助のご質問に教育委員会よりお答えをいたします。
 就学援助につきましては、義務教育を確実に保証するため、経済的理由によって就学が困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対して、必要な援助を与えなければならないと、学校教育法にうたわれており、本町においても、就学奨励費交付要綱を定め、援助しているところでございます。
 まず、ご質問の1点目の給付内容の見通しでございますが、国は生活保護制度にかかる、生活扶助基準の見直しにともない、児童生徒の教育を受ける機会が妨げられることがないよう、平成25年度当初に要保護者として就学支援を受けていた者については、生活扶助基準の見直し以降も、引き続き国の補助対象とすることとしております。町としても、平成25年度の準要保護者への就学援助に、就学支援につきましては、生活扶助基準の見直しにより影響が及ばないよう支援していきたいと考えております。なお、平成26年度以降の取り扱いにつきましては、国の動向や管内の状況等を把握し、検討させていただきたいと思います。
 次に、ご質問の2点目の制度の改善、充実についてお答えいたします。
 平成17年のいわゆる三位一体の改革の際に、法律の改正により国庫補助の対象となってきた準要保護者への就学援助が、地方交付税の基準財政需要額に算入されるというかたちで、一般財源化されたところでございます。教育委員会といたしましては、全国市町村教育委員会連合会などを通し就学支援事業などにかかる国庫補助の復活や増額、地方交付税の積算単価の引き上げなど、地方財政措置の充実を図るよう国に対して要望してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

○4番(木村好孝) 町長からご答弁をいただいたのですが、1点目の医療費の完全無料化の内容なんですけれども、確認も含めてお尋ねしたいのですが、全国的に中学校・小学校を含めて、入院のほうは72.4%の自治体が行っているんです。通院については49.5%の自治体が小学校・中学校と差があるところもあるといっているという実態なんです。
 そういうなかで、無料化の「完全」がついている無料化は、全国的な状況を調べてみたんですが、主に2つの条件というか基準が出されています。1つは、歯医者も含めて、通院、入院を含め、課税非課税を問わず関連する重度心身障害者やひとり親家庭などの医療費の全額助成ということが入っております。それから2つ目は、ここが大きい問題なのですが、先ほどペナルティの問題も出されておりましたけれども、窓口での負担がない現物支給、この二つの要件が、完全無料化のなかでの共通点としてあげられております。議会と清水地区連合会との意見交換会のなかで中学校の養護の先生が子どもの健康を守る側からの発言として、風邪をひいたりしても医療費の問題から無理をして登校してしまうということが訴えられておりました。問題は窓口で払う心配がなく、行くことができるということが予防を含めての条件になるのではないのかと押さえております。
 その点についてどうでしょうか。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) 木村議員からのご指摘のとおりでございまして、私としましては、できるだけ取扱いしていただくのを望んでいるところでございます。このへんについて、時間を少しいただきまして協議させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

○4番(木村好孝) ぜひ、前向きな検討をお願いします。
 大きな1点目の3つ目のペナルティの問題なのですが、この窓口無料化や重度心身障害者制度に対する国の国庫負担金の削減、ペナルティが課せられるわけです。現段階では、群馬県が全自治体完全無料化を実施しているのですが、知事が、「無料化制度は将来にわたり、安定可能な制度として運営していくことが重要で、同時にそれなりの財政負担はあるけれども、未来への投資ということを考えていったり、病気を軽減させるということを考えていくと、入院、通院、医療費の支払いなしの現物支給と、所得制限なしということが高く評価されている」という答弁をしています。
 将来的に見ると、保険の医療負担が軽くなってくると、かかる患者が増えていくのではないかという危惧があり、逆な状況が出てくると、それがあげられているのが特徴です。ぜひ、そのへんをお願いしたいと思います。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) 群馬県の例を出されましたけれども、そのとおりだと思います。したがって、健康度も非常に高いということでございますので、重くならないうちに、早期発見、早期治療ということが一番望まれることですので、逆算いたしますと、そのことで保険料が高くなっていかないで抑制される状況になろうかと思います。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

○4番(木村好孝) 就学援助についての質問に移りたいのですが、ご答弁のとおり、準要保護の国の交付が法律によって切られたということが一番大きな問題なんです。というのは、国での一定の基準というのがなくなって、各市町村ごとにばらばらだというのが現状だと思うのですが、そのような押さえでよろしいでしょうか。

○議長(加来良明) 学校教育課長。

○学校教育課長(松浦正明) 1.3倍ということで清水町は行っておりますけれども、管内においては若干の増減がございます。大半が1.3倍でやっているという状況でございます。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

○4番(木村好孝) 今後、このまま続くと、私ができる限り収集した資料のなかでは、全国的・全道的に見ていくと、1.3倍から1.5倍という、そういう調整が始まっています。これは現実に、子ども達の教育にかかる教育費そのものは大幅に上がっていないのですが、収入が減っているという状況、このよう状況をつくりだしていると、いずれにしても低所得層の広がりは今後も必至だと思いますので、自治体ごとに対応しているそういう状況のなかで、給付内容や認定基準、申請方法、認定方法など、援助の内容手続きを含めて、より住民の方々が理解できるような改善の努力を、常に念頭に置いて検討していただきたいと思うのですが、その点はどうでしょうか。

○議長(加来良明) 教育長。

○教育長(伊藤 登) お答えさせていただきます。
 制度改革等々については、平成25年度はないということで従来どおりです。おっしゃっているのは平成26年度以降の取り扱いについてということだと思いますけれども、その件につきましては、国の動向等もありますし、管内の状況等もありますので、その状況を把握しながら検討してまいりたいとこのように思っております。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

○4番(木村好孝) よろしくお願いします。
 最後になりますけれども、国への要望なのですが、先ほどの町長のお答えのなかにもありましたし、委員長のお答えのなかにもありましたので、ぜひ、お願いをしたいと思います。
 大事な点が一つあるのですが、国庫負担に戻ってもそれ以前の行われてきた状況をみると、必ずしも、国民の生活実態や、その他に見合った基準、給付になっていないというのが現状です。それで、要望のなかであげたのですが、主に、2のところの現在の就学援助認定状況に合わせてというこの2つが極めて重要になってきているので、この点をお願いしたいのと、子どもの学習費調査の検討を含めて、平成26年度以降の検討に加えていただきたいということを強く要望したいと思います。お願いします。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。教育長。

○教育長(伊藤 登) おっしゃるとおりで、保護者の負担軽減のために制度改革については強く要望してまいりたいと思っております。