平成25年第5回定例会(6月20日_日程1_一般質問2)
○議長(加来良明) 次の質疑を受けます。
9番、奥秋康子議員。
○9番(奥秋康子) 新規・交流人口拡大支援事業についてお尋ねいたします。
今回、町長選挙での公約でもありました、交流人口拡大支援事業が今定例会に補正予算として提案されました。目的、事業内容が明らかにされないなかで、平成25年度を初年度とし、3年間で13,595,000円の予算が提案されたところでございます。そのほとんどが人件費であり、可否の判断ができかねますので、執行側に具体的に説明をいただきたく質問をさせていただきます。
国が観光立国の実現を取り組むため、スポーツ観光を取り上げ、スポーツという新たなモチベーションを持った、訪日外国人旅行者を取り込んでいくだけではなく、旅行消費の拡大、雇用の創出にも寄与するとして、スポーツツーリズムの旗振り役を行っております。
現在、そのようなスポーツ環境の変化で、スポーツツーリズムはブームともいえるでしょう。取り組みには活性化にかかわる明確なビジョンがなければなりませんが、それが一切見えないなかで、一過性のブームに便乗し、多額の補助金を出しても最後に残るのは重いつけだけでございます。
本町にとっても、過去に町外の人が頻繁に訪れることが町の活性化につながると願い、夢を振りまきながら景気低迷のためだったということで、完全に軌道から外れた事業が2つもあったことはまだ記憶に新しいものであります。これは行政としての事業に対する理念、ノウハウに欠けていなかったと言い切れるでしょうか。
今回は、NPO法人が事業展開をするということで、過去のものとは違うとおっしゃるかもしれませんが、行政としてもスポーツツーリズムを推進しようとするならば、事業展開をするにあたり経済効果を正確に把握したうえで、NPO法人に対する投資的な経費支出の妥当性を十分に検討され、今回の補正予算を提案されていたと思いますが、私にはまったく理解できません。
スポーツツーリズムの基本的な件について、次の4点についてお尋ねいたします。
基幹産業が農業で、一次産業を柱として生計の成り立っている人口約10,000人の清水町にスポーツツーリズムをどのように融合させるのでしょうか。スポーツツーリズム事業化推進の基本的な考えかたをお伺いします。
次に、スポーツツーリズムの推進を図ることで、交流人口が拡大されるということですが、どの程度の交流人口が増えますか。またそのことにより商工業・観光・物産販売の振興に結び付き、地域経済の活性化や雇用の創出が期待されるということですが、それぞれの具体的な経済効果額をお示しください。スポーツツーリズムによる経済活性化への期待をお尋ねします。
3つ目に、NPO法人としてスポーツツーリズム協会を設立したということですが、その法人の組織体制はどのようなものでしょうか。
次に、町は本年から3年間の補助をするとのことですが、将来的にNPO法人との清水町のかかわりはどのようにされるお考えでしょうか。
以上、質問いたします。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。
○町長(高薄 渡) 1点目の、スポーツツーリズム事業化推進の基本的な考えということでございます。
予算のほうは別といたしましてお話させていただくことになろうかと思います。基本的な考えかたといたしましては、これまでそれぞれの分野におきまして、スポーツの振興策を含めて交流を含めたなかでの事業展開をしてきたのは事実でございます。これが、町全体の活力あるものになっているのかどうかということについては検証しているわけでありますけれども、すべての分野に望まれることではなかったのではないかと思ってございます。
国においては、観光立国ということで、奥秋議員がお話をしたとおり、その通りでございますが、その観光分野も変わってきており多様性に富んでおります。健康、医療等によるツーリズム、あるいは農村地区のツーリズムもありますし、スイーツツーリズムですとか、ランニング、徒歩、自転車、すべてが観光にということではなく、そういった健康づくりをしながら良き産物を求めながら、そういったものでのツーリズム的なものを推奨しているのは間違いありません。北海道におきましても、そのことについては進めているということで、特に、今年度に入りましてから北海道観光協会、今は観光機構と言っておりますけれども、極めて強く進めていると、これは北海道庁としましても助成をしながら、国内あるいは海外というふうに進めているところでございます。
当町でも国道が入っているなか、高速道路から一番近いインターチェンジを持つ町としてまして、特急が6本も停まる町としまして、これを生かさなければならない、チャンスを生かしていかなければならないと思うわけであります。このことは早くから言われていることでありまして、従来より疲弊しているのではないかという批判も随分ありました。そこで国や道、あるいは十勝全体の観光を進めているなかで、乗り遅れることなくやりにいかなければならない、積極的にいかなければなりません。新得町におきましては、早くからこういった合宿事業を手掛けているわけであります。実行委員会をつくりながら進めているわけでありますけれども、本町につきましては、それよりももっと進んだなかでいくべきだろうということで考えておりました。本来ならば、町が先行してやるという方法もありますが、総合計画のなかで、住民と協働のまちづくりということで、住民を主体とするなかで全てのものをしていこうではないかと、官民協同でやっていきましょうということで、命題をあげているわけであります。まさに、役場が進めていくことになると役場での職員体制を整えていかなければなりません。住民に協力を求めていくということになるわけでありますけれども、この事業的なものを住民自らが発信してやっていただけるということについては、極めて住民主体のまちづくりになっていくのではないかと思っております。町がやるべきことを住民が立ち上がってやっていただけるということでございますので、私としましては、この問題については困難な面もくると思いますが、企業の努力もいただきながら、万全でいくように体制づくりをしていかなければならないと思っているしだいでございます。
すでにやっているところは道内にたくさんありますけれども、直近でこれからやろうとしているのは、伊達方面で聞いておりますけれども、胆振のほうにまたがってやるということも考えられているようでございます。私としましても、広域的事業ということを考えて訴えてきておりますから、お互いに競合しないような状況のなかで進めていければと思い、近隣の首長さんとお話をさせていただいているところであります。
以前は、ラグビーをやらないかというお話がございましたけれども、なかなかそこまで至っていなかったのも事実でございますので、これを機に人が動いて、町に活力があるような状況下をつくっていきたいということで商工業、物産、観光を含めたなかでスポーツツーリズムを中心にしていくべきではないかと考えているしだいでございます。
現在、ツーリズムはやっておりませんけれども、アイスホッケーにおきましては、専任職員を置いてこれまでやってまいりました。そのおかげで、各チームが合宿をして当町で交流されて、地域経済の活力に貢献しているということは事実でございます。すべてのなかで取り組んでいかなければならないと思っているところであります。健康、医療も含めなければならないと思っております。それが基本的な考えになろうかと思います。
次に、経済活性化の期待としてどのような経済効果があるのかということでございますけれども、これは実際にやってみなければ確実な数字は出ません。現状では団体から示されているなかには、道内の小・中学生、高校生を含めて延べで、チーム数でございますけれども、だいたい400から450くらいのチーム、5年後ですけれども、そういう計画でいます。また、野球やサッカー、バレーボール、吹奏楽を含めて全体で200日くらいの事業展開をしていきたいということでございます。
効果としましては、宿泊の関係で宿泊業者ともこれから協議をしていくということを言っておりますし、町内での事業者を求めていきたいということも言っております。したがって町としては、リニューアルしていくなかで、リフォーム的なもので助成だとか、そういったことを考えていかなければならないかと思いますが、それはすでに今回のいろいろな面での事業展開をしていくということで考えているところであります。
総体で町内の購買力も含めて、食事がすべて町内調達ということで行っていく場合に、宿泊も含めて1億円を超えてくるだろうということで、総額約2億円の経済効果を目標にするということで取り組むということになっております。
2番目には、NPOの組織体制ですけれども、現在会員数は14名と聞いております。町内事業者、町民有志で設立して定款、計画書、活動予算書、役員選任等々で今後増加をめざしていくということで、会員加入の促進に積極的に取り組んで輪を広げていきたいということでございます。現在、申請は関係書類について、事前に相談が可能であったようでございますが、確認作業中であるということでございます。
将来的な本町との関わりについては、協会の事業実施年度が平成26年度ということになっております。平成27年度については、事業内容の展開の進捗状況によって、助成をするかしないかの判断をしていくということで、当面2か年ということで考えているところであります。
やらないことになるとどうなるかということになりますと、単純に通過人口で終わってしまうのではないかということも含めてやめていくということが必要であると思っております。そういったなかで、商工業や物産もそれぞれの皆さんが力を入れて、清水町の物産を何かつくろうということで努力しております。それも含めていかなければならないし、統一したロゴマークで多方面、地方発送を含めてやっていく、そういう状況もつくっていく必要があるだろうと、さまざまなこのなかから取り組んで発展的にしていきたいということも言っておりますので、現状では、取り組むなかではスポーツツーリズムでいきたいです。後に物産も含めたなかで、いろいろな事業展開をしていきたいということのかかわりになろうかと思います。
そういったことからNPOすべてでありますから、ここだけではありません。町内では福祉関係で3団体、今は1団体が高齢化によってできないということで、来年3月に閉じることになったと聞いております。福祉政策である下佐幌・松沢、これも町がやらなければならないものを住民が立ち上がってやってくれた、これに対する支援、アイスホッケーへの支援、これもしっかりとしたなかでやっていかなければならないし、これからスポーツ関係で地域スポーツクラブということで体育協会でも考えられておりますから、これもNPOということになりますと、これも支援していくと、指定管理もお願いしていくというかたちに、それぞれ文化においても考えていかなければなりません。まさに、町民をあげて、町民が主体的に取り組める姿勢、そういう体制づくりをしたいということで、そのきっかけになるのではないかと考えているところでございますので、どうか、ご理解いただきますことをお願いしたいと思います。
以上、質問事項についての答弁とさせていただきます。
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○議長(加来良明) ここで休憩いたします。
○議長(加来良明) 休憩前に引続き会議を開きます。
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○議長(加来良明) 質疑を受けます。
9番、奥秋康子議員。
○9番(奥秋康子) 再質問をさせていただきたいと思います。
スポーツツーリズムの推進にあたりまして、基本的な町長の考えをいただいたところでございますが、そういうなかで、非常に十勝全体の観光に乗り遅れてはいけないという考えもございます。そういうなかでスポーツとツーリズムを意図的に融合させることで、清水町の明確なスポーツツーリズムの理由付けができたといたしましても、その後、スポーツと今の状況で清水町においては、スポーツ施設の整備、そして観光地でしたら、それなりの民間のホテルなども利用できると思います。現実のところ、宿泊施設がまったくないといっても過言でもないくらいですが、それをどのように拡充していきたいと思いますか。具体的に教えていただきたいと思います。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 観光的な面の要素というのは、非常にこれまで当町としましても、取り組みをしましたが、観光協会だとかあるいは商工会、そういったところの組織に委ねてきたのも事実でございます。
そのうえで宿泊施設がないということは、町民の皆さんからも言われているところであります。したがいまして、これだけの農業を主体とする事業所がありながら、泊まるところがあるにはあるけれども、ホテル的なものではないというなかで、何とかこういったものを設置できないかという要望もありましたし、お話も聞いているところであります。ましてや、高速道路ができて、昨年も北海道ガーデンショーという取り組みをしましたが、千年の森は観光地としてこれまで大きな役割をしてくれたわけです。これとて町の支援というのは今までありませんでした。事業者に委ねていたわけでありますけれども、これらも含めて清水町全体の観光地をつくることによって、多くの人に来ていただけるのではないかということで、4つの景観を求めたわけであります。
いずれにしても、宿泊はともなっていないということから、他町村に委ねなければならないということになるわけであります。北海道芸術高等学校を誘致しましたが、事情が変わってまいりましたけれども、今年度1,000名を超える人達がこちらに来ることになるわけです。温泉がなくなって以降、2町に委ねなければならないという状況になっています。早くここに泊める条件をつくるには、ある一定の需要がなければならないわけでありまして、大体、ホテル業では60%以上稼働率がなければ運営できないということであります。現在、清水町では30%いっていないのではないかということになります。当然、キャパが少ないのでそういうことになるわけでありますけれども、なんとかしてこういったものをつくれるようになれれば、多くの方が訪れて泊まることもできると、そのためにはある一定の事業形態をつくっていかなければならないということでございます。お隣になりますけれども、新得町におきましては、そういうことで旅館業界、飲食業界、商工会の皆さん方が力を合わせて合宿誘致運動をやっていこうということで、ホテルもリフォームをしてそれに対する助成もとって、宿泊ができる条件になったわけであります。泊まり客も多くなるし、経済効果も多く生まれるということになるわけでありまして、当町においてはその部分が不足していましたので、何とかそういったものを町民の力を得てやらなければならないのではないかと考えているところでございます。
○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。
○9番(奥秋康子) 宿泊施設が現状のところほとんどないわけでありますので、それにかかわる民間の力というものも得なければなりません。それに対して町も相当な補助をしていくというかたちを取っていかざるを得ないということも考えられるわけでございますが、それをするには今の町、やっとうちの町も正常に戻ってきたと、町民には安心の気持ちもございますけれども、そういうなかで、今の財政状況でそれが可能なのかどうか、皆さんの血税をそれに向けても、それが果たして利益に結びついてくるのかということをしっかりと検証されているのかと思います。スポーツツーリズムというものは利益が上がらないことには、困難だと思います。これは利益があがるとお考えでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 端的に捉えれば、スポーツですからそれほどではありません。ようするにここにきて泊まって、その購買力が上がるわけです。そこで、私が考えたのは、今後、他に変わるかもしれませんけれども、清水高等学校をとってみたらわかると思います。総合学科を全道で初めてやりまして、当初も今日までもずっと続いております。これは、学級数減にならない原因は、スポーツによる、ここに下宿をしているからであります。そう考えますと、さらにこれを拡充し、どこの学校も何千万円もつぎ込んでいるところがたくさんあります。それでも、この町に集まってこない、我が町は本当に微々たるものでありますけれども、高等学校の力によって、活動を活発にしてくれることによって、多くの人がきて、今日も野球でも集まってまいりましたし、サッカーでも集まってまいりましたし、空手においてもスポーツで生徒が集まってきていると、こういうことです。
したがって、他の学校では学級が減っていっているなかで、当町としてはそういうものに力を入れていただいているから、今日、人々の交流もあり、ここで生活ができるわけであります。そういうことを考えていかなければならないわけでありますから、端的にスポーツということではなく、芸術も含めたなかでの合宿等をやっていきたいと、こういう計画に基づいて審査しているわけでありますけれども、そういうことを考えて、経済の活力を生むように、これからもそういうことで人口も定着してもらえる条件づくりをしていかなければならないのではないかと思っています。
施設については、これからの協議になってまいります。できる限り町民の力でしていただくということが必要ではないかと思っております。加えて、条件として町有地の空き地で売りに出しても売れないところがありますので、そういったところを提供して、建ててもらうと、これも一つの方策、支援のしかたであります。現金で出さなくてもそういった面での協力体制も必要ではないかと思っております。
これまでも、医療・福祉を含めて全部やってきているわけですから、そこだけはだめだということではありませんので、総括的に考えていかなければならないと思っております。
○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。
○9番(奥秋康子) 医療・福祉も含めてとおっしゃいましたけれども、広域性が十分に明らかでなければならないわけです。NPO法人で小規模多機能型をやっております本町の2つのNPO法人も何らかのご支援をいただいておりますが、あれはまさに広域性が十分にあります。そういうなかで、このスポーツツーリズムというものは、そこまでの実績がまだ見えないような気がします。そういうなかで利益が上がらなければ意味がないわけであります。その収益を上げるには並大抵なものではありません。競技場の整備、宿泊施設の整備、そして清水町では冬期間の営業はどうするのか、通年営業というものが不可能ではないのかという気がいたします。そういうなかで、採算面からで割に合わない、しっかりとした細かな計算も必要ではないかと思いますが、そこらへんまでの妥当性ということを検討されたのかということをもう一度お伺いしたいと思います。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 私どもとしましても、この事業を展開するにあたりまして、町としてどこまでの支援が必要であるのかどうかということも考えていかなければならないし、どういうことをしていけばいいのかということになります。
これはNPO法人、特定非営利活動法人でありますから、儲けることはできません。儲けていただくのは、清水町で事業展開をしている商工業の皆さん、飲食も含めてそういう方々、あるいは、整備にかかるときの事業体の方々、そういった方々の協力を得ながら、そこで利益を少しでもいただいて、町の活力、活性化を生めるようにしていかなければならないと思っております。
仮に何もしなかったらどうなっていくでしょうか。今の状況をすべて出さなければなりません。そこに他のものでやれるものがあるのかということになると、私としては、これだけ町政をやってきて、いろいろとみてまいりましたし、事業展開の企業と混ざってまいりましたけれども、なかなか思うようにいきません。となると、そういう交流人口を増やしていって、清水町をよく知ってもらって、ここでの特産品を購入してもらって、そこで新たなものができるかもしれませんし、そこで雇用が生まれるかもしれない、そういうことを目指していかなければならないと思うわけであります。これは、これまで経済戦略会議をしてきたなかで、清水町を何とかしようということで、食でいこうだとか、ブランド化でいこうだとか、話し合いをしてきた積み重ねでございます。長年かかっているわけですけれども、そろそろ実行に移していく段階ではないだろうかと思っております。
したがって、物産を売る場所について考えなければなりませんし、人が多く集まる場所をつくっていかなければなりません。この間も農協がやりましたように、ああいうふうにして、あれは総合的ではありませんけれども、全体でそう取り組むのかということも考えていかなければなりません。清水町に多くの人々に訪れてもらって、一時ここにとどまっていただいて、町のなかを歩いていただきながら、物産を購入したり、そういうものを買い上げていけるような条件整備をしていかないと、ただ、商店街にお任せ、あるいは飲食店にお任せでは、町の振興策は出てこないのではないかと思っております。ここは誘導していくということが必要でありますし、それに有志でもいいし、何でもいいから力を合わせてやっていくぞという熱意、情熱が活力を生む条件になってくるのではないと思います。それには計画をたてていかなければならないんです。ですから、計画をたてる段階に、団体が立ち上がってきてくれたということはうれしく思いますし、町でやったならば、ずっと遅くなってしまうのではないかと、お金の関係は町がやらなければならないということになってくるので、こうなると、相当時間が必要になるということになります。そして、住民の大きな力に期待したいと思って、今回、こういう状況をつくりあげたということでございます。
○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。
○9番(奥秋康子) 清水町により多くの人に訪れていただきたいというお気持ちはわかりますが、基幹産業が農業であります。我が町において、スポーツイベントが開催されることにより、一方ではそのことによって混雑だとか、規制によって通常行われるべき経済活動が阻害されるということがあります。その一方では、社会的連携の評価と祝祭的な気分を味わうことができるかもしれません。昨年の花フェスティバルにおきましては、たくさんの来場者がありました。20万人の方が清水町に訪れてくれたということでございます。
そういうなかで、会場へ通じる道路の混雑、その周辺は非常に混雑し、農家の方がトラクターで畑へ横切ろうとしても、なかなか行けず時間がかかります。今日は天気がいいから防除をするのに、ここまでやる予定だと思っていても、トラクターで横断ができないため行動の制限がされると、日常的な経済活動にマイナスが転じたという一面もございます。これは農業者の切実な声を耳にしたことでございます。
そういうことも加味しながら、オール清水町で事業展開をするという意気込みでございますが、清水町において、スポーツツーリズムの概念というものの確立がされていないような気がします。必要となる分野、基本的な認識すら共有されていません。そこらへんは、町民の皆さんはスポーツツーリズムを理解をされているとお考えでしょうか。お伺いします。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 単品で物事の良し悪しを決めるものではなく、私は以前からツーリズムというのはスポーツだけではありません。グリーンツーリズムもありますし、やってまいりました。それから高校生の合宿のことについても協力を得て自分達の力でやってまいりました。農業実習についても、和歌山県農業大学、水戸農業高校とやってまいりましたし、東京からくる子は育てる会、国鉄の時代には少年自然の村ということで、いろいろな事業に私も少なからず携わってきたわけです。そのときも勢いというのは清水町に活力を生んでくれたんです。ところが、農業が大変だからということで、作業は引き受けてくれない、農家民宿はしてくれないという状況になってまいりました。1泊でありますから、いいだろうということで、高校生の受け入れをしてくれますが、これが1週間や10日となるとなかなか受け入れをしてくれません。こういう状況にあります。
北海道の観光立国はどうしてこうしていくのかというときに、十勝もそうでありますけれども、十勝は農業主体であります。どこの町に行っても農業が主体でトラクターが走っているわけですから、それでもうちは人数が少ないわけでありまして、中札内だとかは何十万人ときていて、六花の森もありますし、牧場もあるし、チーズ工場がいっぱいあって、すごく人通りが多いわけであります。畑に渡るのが大変だと、でも言わないです。住民の人達はそういうので町が潤うのであれば、喜ばしい限りだということで、更別にしてもどこにしてもそうですけれども、畑が多いところですから、そういうこともされているわけであります。
したがって、私は考えなくてはならないのは、今後、農地の集約化ということを考えていかなければならないと思います。これは国も打ち出しているわけですけれども、やはり遠くまでいって、畑をやるのではなく、近くで畑をやっていける、そのためにも私は、町長就任以来、交換分合を北海道でも少ないんですけれども、やってまいりました。農業委員会の会長もおりますけれども、本当に清水はやってくれているという評価をいただいております。さらに農地の集約をしていかなければなりません。そうしていきながら、活性化策をやっていかないと、時代をつないでいく人達から「なんだ清水は」と言われないように、私達は今いる人が今やらなければなりません。これが遅れていくと情熱がなくなってしまいます。昔、「ビールをつくろう」ということになり燃えたときがありましたが、それがなくなってしまいました。それと同じです。そういうものは情熱のあるときにやるということでやらなければならないと思います。昨日、ワインの町の町長が言っておりましたけれども、「100年かかる、無のものを有にするのは大変だけれども、夢が終わるかもしれない、実行しなければだめだ」ということを言っております。まさにその通りだと思います。本当に素晴らしいものが出来て、牛肉や豚肉、チーズから何から何まで、すべてがそこのなかで会食するようにできているんです。それだけの素晴らしい人達もあそこに訪れているということですから、商店も活性化をして地方発送をどんどんしていっているわけであります。活力があります。そういうことを、どこかでやらなければならないんです。ですから、私は力を入れていきたいということでお願いをするところであります。
○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。
○9番(奥秋康子) 私はこの事業に反対するというものでもないんです。これはやってみなければわかりません。しかし、それをやるのには明確なビジョンというものを示さなければなりませんし、そして、このツーリズムというものは経済効果を、しっかりと幅広く情報公開し、地域をあげた議論したなかで、その結果、実施が固まれば順次準備を進める、時間をかけた合意形成のプロセスが必要ではないかと考えております。それについてはいかがでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 先ほども申し上げましたけれども、この問題は今始まったところではないということだけご理解いただきたいと思います。
そして、私も選挙公約で住民に約束をしていることであります。やはり、こうしていくということが私の責務であります。そのためには裏付けになるものを考えていかなければならないわけでありますけれども、助成措置も含めていろいろな角度からの支援をいただきながら進めていこうとするならば、町や自治体がやる場合は限度があります。当然、整備するのには起債しかありません。けれど、団体がやることによりあらゆる資金を取り入れられる条件だけはできるわけです。あとは優先順位がどうなのかわかりませんけれども、それぞれの団体がありますから、そちらのほうで基金を応用したなかでいけると思います。
そして、団体の人達が責任を持ってやるということでありますから、これはまさに、牛玉ステーキ丼ではありませんけれども、それと同じように一部支援をして、軌道に乗れば自立し、またそれがうまくいかなくなったときには支援をして継続させていくと、こういうことをしなければなりません。全部そうなんです。そういうふうにしていかないと、今この計画をたててどうのこうのと言っていると、もう1回住民の人にやってくださいと、来年になったとき、働きかけてもやってくれないかもしれないです。それよりも今、こういうふうに「よし、やるぞ」という人達が出てきて、この輪が広がったほうが成功に導いてくれるのではないかと思っております。アイスホッケーを見てもそのとおりであります。運営していくのはアイスホッケーの皆さん方が地域をあげてやっているんですけれども、それが今日まで長く続いています。行政だけでやっていたら、あのときの財政改革でアイスホッケー場など、4大施設はやめるということになったわけですけれども、私はそうではないと、これはあくまでも活性化、活力ある施設であると、今後もずっと子ども達に頑張って残して、そのために学校も住民も増えてくるし、住宅団地をつくってもその効果は表れてくるということをいって、あれは議会にお願いして残してもらった施設です。ですから、あれと同じように考えていかなければなりません。そうやって町を活力のあるようにしていかなければならないと思っております。住民の力を信じたいと思っております。
○議長(加来良明) 9番、奥秋康子議員。
○9番(奥秋康子) これで私の質問は終わります。
あとは、お二方の同僚議員にお願いをして終わります。