北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成25年第7回定例会(9月24日_日程1_一般質問1)

○議長(加来良明) 一般質問に入る前にあらかじめ申し上げます。
 最初の質問は、通告の全項目について一括して質問していただき、再質問がある場合は一問一答質疑になりますのでよろしくお願いいたします。また、質問、答弁にあってはわかりやすく簡潔に行われるように特にお願いいたします。

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○議長(加来良明) 日程第1、一般質問を行います。
 順番に発言を許します。
 4番、木村好孝議員。

○4番(木村好孝) 私は、要支援1に認定の高齢者を保険給付の対象からはずすことを中心とした、介護法改正に向けた検討内容について町との関わりを含めて質問いたします。
 昨年、8月の国会で自民・公明・民主の3党合意のもと成立した、税と社会保障の一体改革法の関連法である、社会保障制度改革推進法に基づいて設置された社会保障制度国民会議の最終報告書が8月に提出されました。政府は「改革」に向けた手順を定めたプログラム法案の骨子に基づき、社会保障制度改革の全体像と進めかたを明らかにする法案を速やかに策定し、次期国会冒頭に提出するとしています。
 内容は、70歳から74歳の医療費窓口負担の1割から2割への引き上げ、介護「要支援1・2」の保険給付をはずす、そして特別養護老人ホーム入居を「要介護3」以上に限るとする。年金支給額を毎年減らすことのできるマクロ経済スライドの確実な実施など、中・長期にわたって、しかも医療・介護・年金・子育てなど、それぞれに独立している社会保障制度の国民にとって改悪といえる内容のスケジュールをひとまとめにして、その段取りを事前に決めてしまう法律を押し通そうとするものです。
 社会保障制度の連続改悪で、医療崩壊や介護難民といわれた事態をもたらした小泉政権の時代でさえ、医療・介護・年金などのほうをまとめて押し通すプログラム法はつくっていません。そのやりかた自体、前代未聞で、きわめて乱暴なものと言わざるを得ません。
 社会保障制度の全分野ともいえる内容となっていますが、介護保険制度に関わって、質問したいと思います。
 町の介護保険事業の第5期計画に関わって、昨年の9月定例会の一般質問で、介護報酬と介護保険法のダブル改定による影響や課題についてのご答弁をいただきました。第5期計画推進から1年半が経過しているので、特に、諸団体の調査で共通しますが、7割から8割の利用者やヘルパーの方々が困難・支障が生じていると訴えている、生活援助時間区分の変更によるサービス時間短縮の影響について、また、ボランティアの枠組みにとらわれないサービス・事業については、市町村独自の判断で柔軟に決定できるとした介護予防日常生活支援総合事業の推進状況について、町の現状と課題等を踏まえたうえでの、現在国が進めようとしている内容に対する次の質問への町長の基本的なお考えを伺いたいと思います。
 質問の柱の第1点目ですが、国民会議の最終報告は、介護度が低い「要支援1・2」の人向けのサービスを市町村事業に移行すると提言しています。内容は「要支援1・2」認定の高齢者を保険給付の対象からはずし、「地域包括推進事業」(仮称)に段階的に移行させていくとしています。
 1つ目に、保険者である市町村がサービスを必要と認めた要支援者をはずすことは受給権の大きな侵害となり、サービスが失われるだけでなく、配偶者や子世代の負担を現状以上に生み出すことになるのではないでしょうか。
 2つ目に、地域支援事業を「再構築」した「地域包括推進事業」を新たにつくり、要支援者を段階的に移行させていく提案となっていますが、現在の地域支援事業としての「介護予防日常生活支援総合事業」の状況から、町としての受け皿は財源的な課題も含め、現段階で可能といえるのでしょうか。
 2点目の柱ですが、全国の特養ホーム入所者の11.8%、約55,000人が「軽度の要介護者」、要介護の1と2です。それで、今後「入所者を中重度に重点化」すると報告書は明記しています。厚労省はその方法として、「軽度者」の利用費アップを検討してきたと主張しています。認定上は「軽度」とされていますが、介護・医療の必要性があり、施設からの意図的なしめだしは、再び「介護・医療難民」を生み出すことにつながるのではないでしょうか。
 3つ目の柱ですが、現在、低所得者が対象の特養ホームなどの居住費・食費を軽減する「補足給付」の削減として、所得が低くても一定の資産があれば対象からはずすことも報告書は明記しています。
 施設の居住費・食費は2005年のほうから自己負担とされたもので、補足給付を受けられないと月10万円を超え、最低の年金受給では払いきれるものではありません。そのうえ、介護保険サービスの1割負担や日常生活費がプラスされるわけです。一定の資産の内容は現段階では明らかではありませんが、施設入所のために預貯金などを使い尽くすことを強いる方向が危惧されるのですがどうでしょうか。
 以上、大きく3点の柱に基づく内容が私の一般質問です。ご答弁をよろしくお願いいたします。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) ただいまご質問のように国における社会保障制度の改革推進法に基づきまして、社会保障制度国民会議におきまして議論をしているところでございますが、その内容が先般あったわけでございます。
 要支援1・2に対する介護予防給付を介護保険からはずして、地域支援事業に移行すべきだというような内容でございます。そういった新しい総合事業を、いわゆる要支援事業、新しい介護予防事業の創設を軽減しているということにとどめているところであります。しかしながら、その新しい総合事業につきましては、介護保険からはずれるわけでありますので実施主体が市町村ということになります。現在のデイサービス、ホームヘルプサービスなどを利用している要支援者の方は引き続き同じサービスができる事業内容とすべきと私どもは考えているところでありまして、したがって、町民の皆様方の負担、家族の負担というものは変わらない状況のなかで制度づくりが必要だと考えているところであります。
 現在、平成24年度末でありますけれども、要支援者の認定数は198名となっています。これは月によって変わってくるわけでありますけれども、そのうち106名が介護予防サービスを利用している現状にあります。新しい総合事業実施にあたりましては、町民の方が不安を抱えず、サービスの低下にならないよう、かつ負担増にならないような体制づくりをしていかなければと考えているところでございます。
 2点目の、総合事業でありますけれども、これにかかわりまして、受け皿は可能なのかということでありますし、サービス内の単価あるいは市町村でも格差が生じないかということでございます。本町といたしましては、具体的には元気な高齢者によりますボランティア登録をしていただかなければならないと思っております。そのまま活動を実施してポイントを付与して地域の物販等に交換できるだとか、そういった物事を考えていく介護保険、ボランティア制度を導入すべく、現在、調査研究をしているところであります。来年度に施行いたしまして、平成27年度から本格実施になりますけれども、第6期事業計画でその旨を明記していかなければならないと考えているところでございます。
 この取り組みにつきまして、各地でも話題になっておりますが、ボランティアの担い手がなかなかいない、高齢化してきているということもございまして、不安要素が尽きないわけでありますけれども、まず立ち上げていかなければと考えているところであります。一定期間、現在のなかでは、介護施設には入っておりませんので、その部分については現状としばらく変わらないです。入っている方もいらっしゃいますけれども、これはそのまま続行するという移行期間がありますので、その部分については、確か2名程度だと思いますけれども、そのような状況で推移していくところであります。
 市町村は受け皿は可能であるかということでありますけれども、当然、受け皿はしなければならないと思いますけれども、この問題そのもの全体がまだまだ議論を要する内容ではないかと、このように思うしだいでございます。こういったなかにおきましては、サービス内容では市町村に差が出るのではないかと懸念しているところでありまして、この面については、なんら今までと変わらぬような、入居利用されている方々とそれ以外になっても、変わらない条件整備をすべきと訴えと、また制度そのものも変えていかなければならないだろうと考えているしだいでございます。
 次に、2でありますけれども、介護・医療難民を生み出すことにつながるのではないかということでございます。先ほども申し上げましたけれども、本町の特別養護老人ホームには、なかには入っていませんけれども、町外、そういうところでお世話になっているときがありますので、一概にゼロとは申しませんが、毎回、変わってまいります。国が進めている改革の流れというのは、病院施設から地域在宅へという流れの方向に進んでいるわけであります。これは、介護保険ができる前、平成12年前から言われているわけでありまして、医療費が非常に高いと、かかるということから、介護保険を創設することによって医療費が下がるというのではないかというふうに言われてつくられたものでありまして、その当時も、議論に集中できなくって、制度の創生期でもあるということから、進んで走りながら介護保険制度を考えていくんだということでありましたけれども、それが逆行して行くようなかたちにもなりつつあるということから、病院施設から地域在宅へという流れに、また、元に戻すような感じになってきているわけでありますけれども、在宅でいかほどまで見れるかということになります。とくに、農村地帯の酪農地帯あるいは農業地帯ということになりますと、常に、その方々が家庭にいるということになり、ヘルパーだとかを利用するにしても、家族の負担は尽きないわけでありまして、その部分が産業分野における農業という本町における特殊事情から考えますと、労働力不足ということでございますので、そういった面から家内農業をやっているなかにおいては、非常に厳しい条件になってくるのではないかと、こんなふうに思うところであります。
 したがって、その方が直ちに家に戻れるかということになりますと、戻れないという状況になりますので、これを充実する状況は考えなければならないと思っております。現在、本町の施設に入られる方は、介護4・5というかたちが限られているのが実態でござまして、まだ介護1・2・3の方でも入れないというような状況であります。したがいまして、要支援の方はそこに入っておりませんが、全国画一的な状況のなかでされたとしてもかなわないということから、私どもとしましては、この差を生じないためにもいろいろな制度の中身の熟度を求めていかなければならないというふうに考えているところであります。
 最後に、特養ホームの居住・食費を軽減する補足給付のことでございます。現在、預貯金が言われているなかでは、単身で1,000万円、夫婦で2,000万円と、一定評価以上の不動産、そういった場合には補助対象外とする内容になっているのはご存知かと思います。
 当町におきましては、そのような資産を持つのはなかなか難しいと思いまして、さらに、現在、資産価値が下がっているなかにおいてはそういうような状況に持てないというふうに考えているところであります。
 こういった面に揃えてでございますけれども、介護保険制度は、介護等を必要とする高齢者、これはますます増加が見込まれていくなかで、国において将来的にしっかりとした計画の元、持続可能な制度にしていくものではないかと考えまして、政府に対しましては市町村の団体あるいは都道府県の団体と通じながら、強く訴えていかなければならないと考えているところであります。いずれにしても、家族の負担が増加し、市町村の財政負担もこのことをすることによって、かなり負担増になる可能性があります。そういった面では、もっと議論をいただきまして、さらに、我々も強く求めていかなければならないと考えているところでございます。
 以上、申し上げましてご答弁とさせていただきます。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) ご答弁をいただいたのですが、意思の問題から再質問をさせていただきたいと思います。
 町の第5期推進計画の基本理念は、基本理念の1の個人の尊厳という部分で、人としての尊厳を保って生活できることが大切で、その人らしい生活が継続できることを重視するとあります。認定を受けた人を保険給付の対象から外す、しかも、認定をしたのは地方自治体である町ですから、その制度の原則、被保険者との約束、契約になるわけですけれども、約束をないがしろにするということになりはしないかということです。その基本的な部分でのお考えを1点お伺いいたします。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 第5期のご案内のように、基本理念につきましては述べているところでございます。これはあくまでも従来の介護保険制度の理念を変えるものではありません。従いまして、個人の尊厳と約束事でありますけれども、この約束はそれぞれのなかで決めていくわけでありますが、制度そのものの基本理念は変わらないだろうと思いますし、私どもも変えていく必要性はないということになりますので、十分このことについて、いわゆる1についてもしっかりとした体制づくりのなかで考えていかなければならないと考えているところでございます。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) 制度そのものの誕生だとか、やりかたから考えると町長のご答弁のとおりで、今もまさにその意見だと思います。
 もう1つ、ここの部分で言いますと、これも推進計画の基本理念の3、高齢者の自立支援に関わることなんですが、できる限り自分の力で生活できるようサポートするという観点がこの介護サービスだと思うんです。ですから理念の3に掲げてあると思うんです。そういう内容から要支援認定の人達は軽度と言われていますけれども、例えば要支援1では、日常生活の基本動作はほぼ自分でできるが、家事や身の回りで何らかの支援が必要な状態が要支援1、要支援2では、1より支援が必要な状態で、状態の悪化予防を目的とした予防サービスを1割の自己負担で受けられるとされています。私の捉えかた、認定状況の問題で間違いがないかどうか確かめたいと思います。これでよろしいでしょうか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) ほぼ間違いないのではないかと思います。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) この認定が決められたのは、2005年の小泉政権下の介護保険法を改めるときに、この給付削減のために導入されたわけです。それまで、この要支援1・2は、要介護の必要があると決められていたものなんです。それが、要支援1・2をつくって軽度という枠付けをしました。そのために、介護ベッドの借り入れだとか、サービス制限などの被害を受けて、介護難民と言われる状況が見出されたわけですけれども、現在は、要支援1・2と要介護1を軽度として訪問介護や福祉医療事業を制限しています。そういう状況ですから、この認定基準や経過からできる限り自分の力で生活できるサポートは確実に必要だと思うんです。それで、状態の悪化をできる限り防ぐことが介護サービスの要素の大きな1つとして、要支援1・2の方々には位置づけられているのではないかと思うんですが、このへんはどうでしょうか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 先ほど少し触れましたけれども、制度を走りながら考えるということのなかで、介護保険の介護給付費が非常に大きく膨らんできたという大きな要因があるわけであります。これは施設を設置すれば1人何十万円とかかるわけでありますから、当然になってくるわけでありますけれども、そこの内容的なものを精査してきますと、介護職員だとか、給付事業をきちんとしていかなければならないというようなこともあったのではないかと思いますが、はじめは要支援という言葉が出てこなかったんです。なかには高齢者ですから、日によっては要介護1になったり、要支援2になったり、あるいは要支援の1になったりというようなかたちになるわけでありますけれども、調査にきているときには緊張しているせいか、しっかりするわけです。恥ずかしいことはできないということで、それが要支援になったりの数値が変わる要素になるわけです。しかし、いないときにはどうしてもそうなってしまうということもありえるわけでありまして、その部分についての境目がわかりづらいというようなことから、こういった制度に切り替えられたということであります。そのなかの要介護1のなかでも、重度・中度・軽度があるわけでありまして、そのなかの軽度の部分が要支援というかたちの2のほうに移行されてきたということになるわけであります。
 しかし、全体的にそれでいいのかということになっていくと、人間の差がありますから、個人を除くのは違うということになろうかと思います。そういうことから考えると、この部分についての議論、中身の濃い議論が必要でないかと考えているところであります。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) まさにご答弁のとおりだと思うのですが、これはヘルパー連絡会という研究会があちこちで開かれています。そのなかで京都の事例としてヘルパーの方々が、1点目は身体や精神障害のために日常生活に支障があり、支援がなければ要介護になる恐れのある人達が、要支援1・2と押さえてもいいのではないでしょうか。2点目は、掃除や洗濯・買い物など、援助がないと生活が成り立たない高齢者であります。3つ目は、これが一番問題になっているんですが、認知症の初期の人達もいるわけです。ヘルパーによる対応が必要な1つが、今、要支援1・2の人達のなかにも珍しくない、うつ症状のある方が非常に増えてきています。ですから、介護の時間区分の問題で問題になるのは、生活に必要な掃除やその他の生活援助だけではない心の問題、これは町長も前回の9月のなかで危惧されていたことですけれども、そういう問題があるという指摘があります。
 そして、このような状況のなかで一番の問題は、重症化進行の要因になるのではないでしょうか。この介護保険はずしが介護に携わる方々、あるいは介護の研究をしている方の指摘なんですが、このへんは町の状況から見て、すでにダブル法案が通って1年半になるわけですけれども、このへんはどうなっているのか、どうお考えなのかお伺いします。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 私も常々施設にお邪魔しまして、「お元気ですか」という言葉をかけながら状況を見ているわけでありますけれども、年々、利用されている、生活をここでしている方々の認知度が非常に高くなってきているのは事実でございまして、今年の春まで私のことを覚えていた方が、この秋にはもうわからないような状況であります。そういう意味で認知症の方々が多くなっているのも事実でございまして、非常に私も心配をしているところであります。また、先ほども出ましたけれども、うつ症状的な方も増えてきていると、この原因はどうなのかということは私もわかりませんけれども、そういった面からこれの対策をしない限り、重症な方々が増えてくる可能性があるとその研究会でいわれている方々のお話のとおりではないかと思うところが大であります。
 新しい介護予防事業というものが、これほどしっかりした支援事業よりもそこを大事にして強めたほうがいいのではないかと思うわけでありますけれども、人間は個人差がありますので、非常に難しい対応をしなければならない問題を抱えてくると思っているところであります。そういう意味から、我々としましても、単純に制度を変えていいだとか悪いだとかという問題ではなく、その中身の問題を十分理解しながら、検証をしながらこの制度導入に向けて慎重にならざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) そのとおりに慎重に進めていかなければならない問題なのですが、プログラム骨子というのがすでに提案されて、特にいろいろな社会保障をまとめて日程を組んでいるわけですけれども、この介護の問題は一番先に進んでいく、10月から年金の問題もありますけれども、進んでいく問題だと思います。
 そこで、財源の問題と重症化進行の問題と関わるんですが、厚労省がいっている論点の一つに重度化を重視するというなかから重度化の方々を重視するというのが変わっていないわけです。ところが、なぜ重症化進行の要因について問題になるのかというと、厚労省の意見の問題なのですが、財源の問題から言うと、重症化の進行が医療費や介護費の財源の部分を高めていってしまうという指摘が現実にあるわけで、そこのところを町の地方自治体の財政負担と兼ね合わせながら考えていく必要があるのではないかと思います。
 もう1つは、町長も触れましたけれども、確実に介護の要支援、要介護の方々が今後増えていくという問題は明らかなんです。現実に町の、先ほど町の要支援者は198名と、サービスを利用している人が106名で54%で、要支援の方は要支援の介護を入れて33.2%まで増えています。全国的にもそうです。介護利用者が要支援・要介護の571万人、そのなかで要支援者は154万人と約27%占めるまでにきています。前年度比でいうと、介護利用者数は184,200人が増になって、5,430,600人になっています。5年連続で増えているわけです。もう一つ、介護予防サービスは69,000人増えています。1,342,000人に増えていると、これも増える一方です。
 町の部分でいうと、要支援者は平成24年度の12月現在で23年度と比較すると、30名増えていることになります。これは、第5期計画のなかで要支援1・2から要介護1までの認定者が、平成12年度の82人から平成23年度の270人、約3.3倍、要介護2以上の認定者は平成12年度の133人から304人まで約2.3倍増加しています。それが2012年の段階ですから、一番新たな資料でいうと、要支援1に要介護1のほうが283名で、一気に3.45倍になっています。この1年間で町の場合、要介護2以上は2.35倍と一気に増えているわけです。そういう状況のなかで、さらに要支援1・2、本来手厚く予防をし、より重症化するのも防がなければならない部分の介護をきるということが、非常に危険性を感じるわけで、そういう点を指摘して2つめの柱に移ります。
 現行の地域支援事業について確認いたします。要支援・要介護と認定された人が受けるもので、介護保険の保険給付とはまったく別枠の位置づけとなっています。そのことについて確認したいと思いますのでよろしくお願いします。

○議長(加来良明) 保健福祉課参事。

〇参事(小林秀文) ご質問のとおりだと思います。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) そこで、人員基準、運営基準なしで、財源は介護保険財源からとなっていますけれども、介護保険見込み額の3%、厚労省認可を受ければ4%以上の上限となっています。再構築すると言われている地域包括推進事業ですけれども、現行の事業の目玉である地域包括ケアを支える基本的サービスとしての介護予防・日常生活支援総合事業、もう一つは定期巡回サービスというのが、今回、新たに設けられたわけですけれども、この2つが目玉となっているんですが、特に介護予防・日常生活支援総合事業が再構築の受け皿になるのではないかと感じるわけで、その基盤づくりがどの程度進められているのか、前回の9月の質問のなかでは、安否確認見回り事業をこのなかに位置づけるとお答えになっていますが、そのほか、どのように進められているのかお伺いいたします。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。保健福祉課参事。

〇参事(小林秀文) ただいまの質問なのですが、介護予防・日常生活支援総合事業としても事業ではないのですが、高齢者の安否確認事業について、地域支援事業のなかに位置づけて実施しております。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) 昨年9月の定例会の質問のなかで町長は、地域における難しさを強調されています。全国的にも課題が大きく定着していない、経営上の採算、報酬と関わって明確ではないと、入所希望が多いということで、このことは非常に難しいという位置づけをしながらも、今後、こういう将来的にサービスをやっていかなければならない状況になるのではないでしょうか。基盤づくりを進めなければならないと考えているという答弁を出されています。
 事実、定期巡回サービスというのは都市部以外に地域的に不可能、そういう状況が1つあります。ですから、全国的にも非常に低調です。全国の8割の定期巡回サービス利用者は、計画にあげた市町村からみると利用者は0人になっています。それから、2014年でもそういう状況です。介護予防・日常生活支援総合事業では、2012年4月から実施しているのですが、地域における総合的で多様な総合支援サービスを創出する事業とされているわけですけれども、全国で84市町村、保険者の5.4%くらいしか実施がありません。ですから、全国的に新たな地域包括支援事業再構築事業の受け皿となるべき目玉の2つが、すでに崩壊しかかっているという状況ではないかと思います。そのことが町にも先に進められない、わずか3%の予算枠で進められるわけがありません。そういう状況だと判断するのですが、その受け皿について、非常に大きな問題があるのではないか、町長も少し触れていましたけれども、そのへんを確認したいと思います。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。保健福祉課参事。

〇参事(小林秀文) ただいまのご指摘なんですけれども、今回の介護予防1・2を介護保険から切り離すという前提のなかに、ご質問のありました事業、介護予防・日常生活支援総合事業について実施している団体は非常に少ないということで、そういった部分を含めて事業を再構築していくということで、現在の介護予防給付では、見守り、給食、外出支援など、介護以外のサービス供給への細かい対応が難しいということで、今回の見直し、切り離しの1つの原因というか、そのへんを国民会議のなかで議論されたと聞いております。
 そこで、介護予防給付を市町村で実施していくということで、それに対応する体制、介護ボランティアということになるんですけれども、それらの方々の教育という部分を含めて、今後、体制の構築に時間がかかるのではないかと思っております。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) そこで、はっきりしているのは、サービス内容は財源も含めながら市町村任せということですよね。もう一つは町長も触れられましたけれども、退職後の高齢者を生活支援の担い手として、高齢者が中心となった地域支え合いでの構築の名前で、ボランティアに加えるというこの2つなんです。それで、これらを見ていくと、今話されたような経過も含めて、まず要支援の人達の介護保険サービスをはずすのを第一として、そのあとに再構築がついていくということになるのではないかと思います。
 次に行きます。
 この受け皿となる部分で町長が触れられた、生活支援の担い手にボランティアを加えるということについて質問をしたいと思います。 
 ボランティアではサービスが担えないというのが、社会保障審議会の介護保険部会で、認知症に携わっている委員、笠さんという方なんですが、委員から強く出されています。先ほども状況を申し上げましたけれども、専門性をともなう対応が必要な部分までボランティア任せにするということはできないのではないでしょうか。ボランティアをする方々の責任性もあるのではないか、どうなるのかと、その保障も明確ではないということで、ただボランティアに投げかけるということは不可能ではないかと思うのですが、そのへんはどうでしょうか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) 確かに、前回も申し上げておりますけれども、非常に難しいことではないかと思います。しかし、将来的に自分も受けるということから、これまでも在宅の認知症の問題について取り組んできた当町でありますので、その方々が高齢になられたことは確かでございますけれども、自分が受けるんだという気持ちを住民の方々が持って行くのが必要でないかと、そうでなかったらいつまでたっても、そういう施設任せ、あるいは市町村任せのかたちになりまして、どうしても自らそういったところに飛び込めない状況をつくってしまうことになりかねないので、そこらへんは住民参加という1つの前提のもとに助け合う心を醸成していくためにも必要であるというふうに考えます。しかし、今言われたような専門性の問題については、そこの部分の専門性の高いものについてはそういった条件を整備していく必要があるというふうに思います。
 訪問介護、訪問診療でやっていますけれども、これは事業者が埋まりません。合併しないわけでありますから、ですからできませんし、24時間体制も町村によってできないという状況でありますから、やれるところとやれないところの差ができる状況のなかでありますので、このへんも同じ人としての命でありますから、そこは平等にいけるような条件、財源的にそういったことについてフォローできるように求めていかなければならないかと思っております。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) 非常に大変なので、これから町の第5期計画を作成していくうえで、困難を生じる部分も多い問題だと、受け皿の問題では考えます。
 もう1点ですが、受け皿に関連して財源の問題です。ここのところも明確に改めてもらっていかないと大変なことになるのではないかと思います。現実に、段階的に移行していくといわれていますけれども、保険給付のサービスをもれなく地域支援事業に吸収するためには、厚労省等からの試算からなのですが、約6,000億円が必要だと2011年の段階でそれだけの試算が出ております。そのためには、先ほど言いました地域支援事業の3%を8%まで拡大しないと追いついていかないわけです。ということは8%ないと地域支援事業が現実に進められなかったと、ですから低調だったと言えるわけです。それからの設定になりますと、要支援者のサービスは一気に地域支援事業のなかでも切り捨てられることになります。要介護・要支援の認定を受ける高齢者が増え続けて、軽度の認定者の数が大きい状況というのは厚労省も認めています。
 2010年の25.8%から2013年には27.4%と説明しています。このまま増えていくと、上限を8%に上げてもサービスの必要量がそれを上回って、同時に保険給付を廃止して地域支援事業への移行は、仮に上限を取り下げた場合でも財源規模は縮減されていくという、単純な計算になるのですが、そのへんは財源の問題としてどういう見通しを、今の段階でいいのでお聞かせください。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) この問題については大きな課題であります。財源の問題でありますから、そういった面から含めて、我々としましても中身の内容の詳細が表れていないのも実態でございますが、表れてからでは遅いということになるわけでありますので、その部分については、私ども全国地方6団体を通して訴えておりますので、協議の場というのが成立しているのですから、そこでじっくり考えていただきながら各種団体が市町村ごとに議論をしていくというかたちになろうかと思います。
 その部分で財源問題については、国の制度そのものの根幹にかかわることでございますから、国の重要度をもう一度考えていただかなければならないと思います。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) 先ほどのご答弁にもありましたが、市町村格差は地域的に、このままでいくと生じるという町長のお答えですので、そのとおりだと思います。サービスや財源、設備もそういう支援関係の条件をすべて町村に渡すわけですから、当然、格差が生じてきます。そのなかでのご努力は、これから役場の方々を含め大変なご努力を要すると思います。
 最後の質問に移りたいと思います。
 低所得者が対象の特養ホームなどの居住費・食費を軽減する補足給付削減の問題です。所得が低くても一定の資産があればというのは、先ほど町長が今のをめどとしての試算段階を提示されましたが、具体的にいえば、資産としてそれだけのものを持っている人は少ないです。町段階でいえばですが、具体的な所得の問題でいえば、高齢者は非常に大変な状況にあるわけです。例として、特養ホームのユニット型個室の場合、生活保護受給者などの関係でいいますと、居住費が2.5万円、それから食費が1万円、1割負担が1.5万円になりますから計5万円です。住民税世帯非課税で課税年金収入プラス合計所得金額が80万円以下の場合は、合計が52,000円になります。住民税世帯で、非課税で、この2の部分以外の方々でいえば、85,000円の負担になります。住民税本人課税者などは、計130,000円以上になります。この違いがあれば後程ご指摘になったのですが、基本的にそうなっていると考えていいと思うのですが、この居住費・食費は、これも2005年のほうの問題で自己負担されたという状況です。出発から言えば、介護は資産の問題を含めながらも資産は税できちんとやるべきなので、介護は平等に国民の要件に答えてあたえるという出発点があったわけなので、このへんから考えても問題点があるのではないかと思うのですが、このへんはどうでしょうか。

○議長(加来良明) 町長。

○町長(高薄 渡) これも大きな問題です。すべて介護保険にかかわりまして、国民会議の求めている方向については非常に、議論を細かくやったのかどうかということが懸念されるような事業内容でございまして、同時に全国画一的であるということと、そういっているということは、資産も画一的でありますから、都会の資産とこちらの資産の価値観が違うという問題もあります。
 所得も違いますので、私どもは低いということになりますから、そのへんの部分のほうもどのような中身で検討されたのかということはよくわからない状況のなかにいることも確かであります。そういった面を考えますと、今回のそのようなことは確かに、介護者が増えて費用がかかってくるということは明らかでありますけれども、その内容についての詳細をもっと深く詰めることが必要ではないかと思うところが大でありまして、こういうことをしっかりとあらゆる場所のなかで考えていくように訴えていかなければならないかと思っております。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

〇4番(木村好孝) 非常に問題が多いので、私も質問をしながら怒りより涙のほうが出てくるみたいなのですが、質問通告をしてから今日までの間に、それ以外の具体的な厚生労働省の方針が何点か発表されています。
 1つは、今の資産の問題とのかかわりが今後出てくるのではないかと思うのですが、補足給付の制限と同時に利用料は現在は所得に関係なく介護費用の1割負担になっています。一定以上の所得の利用者負担を2割に倍増するという厚労省の提案が介護部会に出されています。これには2案があります。1つ目は、年間160万円以上の所得、2つ目は、年間170万円以上の所得です。160万円以上になりますと、高齢者全体の上位でみていきますと20%にあたります。年間170万円以上になりますと、住民課税者の半数にあたる水準になります。年金収入だけならば、年間280万円以上から290万円以上の方々が該当することになるのではないかと思います。これは9月21日に厚労省が方針として発表したものです。
 もう一つなのですが、同時に18日の社会保障審議会の介護保険部会で、通所介護、デイサービスについて、小規模事務所の介護報酬単価が高くなるので、事務所が各地で増えてきています。介護報酬を削減するために、介護報酬にメリハリをつけて絞り込んでいくという提案をしています。具体的に、通所介護で提供できる事業内容の、重度が高いというところが問題だと、そこで重度化予防に効果があると判断した内容だけについて介護報酬を高くする。効果が期待されないと判断したサービスについて、報酬単価を下げるとまで言い切っています。この2つの新たな具体的な提案です。これが通ると、厚労省、政府は考えて、先ほどの地域総合包括支援事業の概括の狙いが見えてくるのではないかと、一番困るのは利用者であり、そして、各地方自治体であると、このへんについてどう捉えられているかお伺いします。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。保健福祉課参事。

〇参事(小林秀文) 厚労省の方針2つ、ここ数日間の間に発表されておりますけれども、確かに、年金所得者でいえば208万円、290万円の方について負担2割にするという部分と、通所介護に対する報酬単価の絞り込みの部分につきましては、介護費用給付額が非常に増えています。なおかつ、超高齢化社会に向けた対応と、そういうものに備えるというものでの考えかただと思いますので、それらに対応していくうえでの制度改正の部分だろうと思いますので、今後、議論されると思いますけれども、負担が増えるという部分では大変危惧しております。

○議長(加来良明) 4番、木村好孝議員。

○4番(木村好孝) 第5期計画が1年半経過して、昨年のダブル改定による内容が各地方自治体に明確に伝わっていなかったことが、各地方自治体が半年遅れを取っている状況もあります。第6期計画があと1年半後です。それに向けて、理事者の方々、係の方々は非常に頭を悩ますことだろうと思うのですが、町長は昨年9月の答弁で、65歳以上の第1号被保険者の引き上げ負担増、これは不可能です。このことは、今回の改定に向けた国の方針もそこに触れていないということは、このことは国も捉えているんだろうと思います。
 介護保険の根本的に矛盾である保険料を上げなければ、サービスを下げるしかないという、そこに陥ったのではないかと思います。第6期計画の立案に向けて、住民の福祉と生活を守る安全網として、町が果たすべき役割はこれから非常に重要になってくるのではないかと思います。そこで、改革に向けて町長は各種団体、行政のルートを通じて、国に強く要望していくということをおっしゃいましたが、その介護危機の打開のなかで国庫負担増、現行25%を増額するしかないわけで、削り続けてきた社会保障費をもとに戻すしかないわけです。それと税の関係でいえば、税と社会保障の一体改革と言っているわけですから、利用者負担はあくまでも負担能力に応じたものにしていくと、そういうふうなものの納期を伝えていただきたいと思います。
 同時に介護労働者の賃金、労働改善の処遇改善も国としての責任で行うと、それでないと介護労働者は続々と減っていく状況になりますし、より条件の良いところしか選ばないという状況が出てきます。
 もう1つは、地域ケアネットワークは、国、自治体の公的責任と財源等により、住民参加を徹底して進めていくことが国に対する要望として、現在、必要なことではないかと考えます。
 もう1点、地方自治体として、例えば、障がい者自立支援法を併用するという方法が、全国の取り組みのなかの事例としてあげられています。前回、利用料が大幅に上がり、従来の利用が行えない、調べてみると障がい者自立の関係でいえば、障がい者手帳の1級を持っていた、地方自治体の係に要請したところ、「併用はできない」、でも具体的にヘルパー達、あるいはケアマネージャーが知恵を集めて資料を収集し、生活実態と介護の必要量の訴えを市に行ったときに、このことが併用できるということになりました。そういうふうに現実にあるほうの内容をどう利用者に有効に使えるようにしていくかということも含めて、今後、地方自治体のなかで英知を集めてその方法の模索をしていただきたいと思います。以上です。

○議長(加来良明) 答弁を求めます。町長。

○町長(高薄 渡) ただいま、そういった面も含めて、担当課のなかでいろいろと協議をし、調査・研究を進めておりますので、ご理解願いたいと思います。

〇4番(木村好孝) 終わります。