平成25年第9回定例会(12月6日_日程1)
○議長(加来良明) 日程第1、意見案第9号、平成26年度畜産物価格決定等に関する要望意見書についてを議題とします。
職員に意見書案を朗読させます。事務局。
○主査(下保朋子) 意見書本文を朗読いたします。
平成26年度畜産物価格決定等に関する要望意見書。
北海道の酪農・畜産は、厳しい気象・地理的条件の下で、専業経営を主体に展開し、安全・安心な畜産物を供給するとともに、国土・環境保全など多面的機能の発揮に重要な役割を果たしております。また、乳業など関連企業とともに、地域経済・社会・雇用等を支える基幹産業として重要な役割を果たしています。
こうしたもと、国は「攻めの農林水産業」など農業・農村の発展と所得倍増などを目指し、各種施策の実施や検討がなされています。
しかしながら、酪農・畜産の経営をめぐっては、長引く畜産物需要の減少と価格の低迷、配合飼料価格の高止まりと価格安定基金の財源問題、さらに燃油・石油製品や電気料金など生産コストの増大による経営の悪化と生産基盤の縮小など危機的な状況に瀕しています。
加えて、日本が例外なき関税撤廃を原則とするTPP交渉に参加したことから、酪農・畜産農家は迫りくる市場開放の動きに大変な不安と危機感を抱いています。
ついては、国民の基礎的食料の安定供給及び地域経済・社会を支える酪農・畜産の持続的な発展と、家族経営体を核とする多様な担い手の育成と経営の安定に向けて、明日につながる26年度畜産物価格の決定と総合的な酪農・畜産政策を推進されますよう、下記事項をそえて強く要望いたします。
記
1.例外なき関税撤廃を原則とするTPP協定交渉において、農産物重要5品目などの「聖域」を守るとした国会決議を断固堅持するとともに、それができないと判断した場合は、交渉から脱退すること。あわせて、日豪などとのEPA/FTA交渉において、わが国の基礎的食料である乳製品や牛肉、米や小麦、澱粉、砂糖等の重要品目を関税撤廃の対象から除外するなど、現行の国境措置を維持すること。
2.平成26年度加工原料乳生産者補給金単価については、配合飼料価格や燃油価格の上昇、電気料金の値上げなど生乳の生産コストの実態を十分に踏まえ、かつ適正な家族労働報酬が得られるよう、算定方法の弾力的な運用・見直しを図り、再生産確保と経営の安定に資する単価水準に引き上げること。また、限度数量については、国産乳製品の安定供給・需要の確保に向けた生乳生産基盤の維持・拡大の観点にたって、適正な水準を確保すること。
3.平成26年度の牛肉及び豚肉の安定価格、肉用子牛保証基準価格等については、配合飼料価格の高騰など畜種ごとの生産コストの実態を適切に反映し、畜産経営の安定と再生産の確保が図られる水準に引き上げること。
4.多種多様な畜産経営において、政策価格だけでは経営安定を図ることは困難なことから、現行の酪農経営安定対策や肉用牛・養豚経営安定対策等について充実・強化を図ること。
5.自給飼料基盤に立脚した酪農・畜産経営を加速的に推進する観点から、地域の特性を踏まえた自給飼料増産対策を推進すること。併せて、配合飼料価格安定制度の再構築を図ること。
6.家族酪農経営における専従者の労働軽減や休日の確保、地域での雇用創出や担い手の育成強化などの観点から、傷病時利用事業の継続拡充や、専任ヘルパー要員の確保・育成・定着(就労環境の充実)への支援など、酪農ヘルパ-利用組合の円滑な運営を図るための支援事業を継続強化すること。
7.意欲ある酪農・畜産の担い手が、安全・良質な畜産物の安定供給と多面的機能の発揮に向け、安心して経営に取り組めるよう、再生産の確保(生産コスト割れの全額補てん)と所得の安定を図る新たな直接支払制度・経営所得安定対策を確立すること。
以上です。
○議長(加来良明) 本案について提案理由の説明を求めます。
8番、中島里司議員。
○8番(中島里司) 一般質問の前に、ただいま事務局で朗読していただきました。意見案第9号、平成26年度畜産物価格決定等に関する要望意見書につきまして、朗読をしていただきました。内容等につきましては提起した通りなのですが、特に、昨今TPP交渉に参加したことから、酪農・畜産、いろいろな面で、多方面に不安、危機感、そういうものが現状として多くの方が持っているのではないかと思います。そういうことで、今定例会の初日、12月3日に安田議員が紹介者ということで、請願を出されておりました。その後、産業厚生常任委員会で内容等を審査した結果、今、ご提示させていただいている意見書案を関係機関に提出してまいりたいということでございます。
すでに農業団体におかれましては、いろいろ、活動されていると聞いておりますので、今日ということになりますが、急いで当議会としても意見書案を提出していただきたいということでございますので、議員諸侯のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げまして、提案にあたっての説明と代えさせていただきます。
○議長(加来良明) これから質疑を行います。
質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(加来良明) 質疑なしと認めます。
○議長(加来良明) これより討論を行います。
討論はありますか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(加来良明) 討論なしと認めます。
○議長(加来良明) これより、意見案第9号、平成26年度畜産物価格決定等に関する要望意見書についてを採決します。
この採決は、起立によって行います。
本案は、原案のとおり決定することに賛成の方は、起立願います。
(賛成者起立)
○議長(加来良明) 起立多数です。
よって、意見案第9号は原案のとおり可決されました。
提出先は、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、農林水産大臣といたします。