北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成27年第2回定例会(3月12日_日程第3_一般質問 木村好孝 議員)

議長(加来良明) 日程第3、一般質問を行います。

 順番に発言を許します。

 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) おはようございます。

 東日本大震災から4年、被災した方々を取り巻く状況は依然として厳しく、一日も早くの復興を心から願いながら、通告いたしました2項目について質問いたします。

 1項目目の質問は、介護保険事業計画に関わってです。介護保険法の改正に伴い、「地域包括ケアシステム」の施策推進を図る、「第6期清水町高齢者保健福祉計画・介護計画」が平成27年度より実施されます。最も変わるのが、介護予防訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行ですが、多様なサービス提供のため、第6期計画では、「事業実施に向けて基盤の整備と位置付け、平成29年度の開始を目指します」となっています。厚労省は、昨年11月開催の全国介護保険担当者会議において、平成29年度まで実施を猶予できるとなっているが、高齢化がピークを迎える平成37年までに地域包括ケアシステム構築が遅れると危機感を表明し、移行を早めるために「現行サービスだけでも認める」と条件緩和の対応の説明をしていますが、各自治体にはより矛盾が広がっているのが現状です。第6期介護計画の地域支援事業への移行の基盤整備に関わって、次の4点について質問いたします。

 1点目は、移行後の必要なサービスについてですが、全国一律の基準が廃止され、移行後の専門的サービスの具体的な状態像や基準が示されない中で、どのような方向で訪問・通所の専門的サービスを受けられるようにしていこうとされているのかを伺います。

 2点目に、要支援者への対応について、現状では介護認定を受ける段階で専門的なサービスを受けるかどうかが認定されますが、「基本リストチェック」で、しかも最初の専門的サービスの判断は市町村の相談室窓口で受けることになっています。ケアマネージャー以外の人の判断となるのかどうかを伺います。

 3点目は、地域支援事業への移行による事業費の伸びの抑制についてです。4月以降の支援事業への移行推進のためとし、訪問介護(約5%)、通所介護(約2%)の介護報酬が削減されます。各自治体が決めるサービス単価は、介護報酬が目安となっているために、サービスの低下が加速するのではということと、更に移行までの猶予期間もありますが、事業費の伸び率の上限が決められているので、大幅な抑制も懸念されています。この点について、どうお考えか伺います。

 1項目目の最後の質問ですが、生活支援介護予防サービスについて質問いたします。移行への現状は、準備が不十分で課題も大きいことから、4月からの実施は道内で2自治体、全国でも3%の自治体のみで、多様なサービスの見通しが立たない自治体が73%となっており、何よりも利用者の生活の質の低下が一番心配されるなか、今後の基盤整備でどのように対応・調整し、必要なサービスを受けられるようにしていかれるのかを伺います。

 また、新たな生活支援コーディネーターの位置付けをどのようにお考えかも伺います。

 2項目目の質問に入ります。

 介護報酬引き下げの影響と対応についてです。政府は平成27年度から介護報酬・介護サービスの公定価格を全体で2.27%引き上げることを決定しましたが、実質、0.8%の2012年度に続く連続削減で、単年度では最大となった平成17年度の2.3%減に匹敵する大幅な切り下げになります。介護職員の処遇改善の1.65%、認知症・中重度者対応の加算0.56%を加えた上での削減でありますので、実質にすると4.48%減となります。

全国老人福祉施設協議会によると、特別養護老人ホームは全体の改定率2.27%を大きく上回る6%の削減となり、各種加算を加えても収入減となると指摘し、1施設当たり年額15,000千円程度の減収となり、4人分の人件費に相当すると試算をし、6割近くの施設が赤字に転落し、介護難民が増加すると危惧されます。サービスや職員のしわ寄せが避けられず、特養の増設にも逆行する内容であると訴えています。

 また、新たに月額14,000円の部屋代が相部屋入居者からの徴収となり、利用者の負担増ともなります。

 通所介護の小規模事業所では、最大で9%の削減となる一方で、認知症加算、中重度加算を新設し、受け入れを促進するとしています。しかし、グループホームの基本報酬も6%近く削減され、宿直職員を多く配置した場合の報酬は増やされましたが、職員が少ない事業所への影響が心配されます。

 介護職員の処遇改善では、月額平均12,000円の値上げの加算を設けているのですが、基本報酬が大幅に下げられるなかで、職員のしわ寄せは避けられないし、上乗せ加算の取れる事業所は限られることから、介護報酬の決定がなされた2月6日の社会保障審議会の介護給付費分科会においても基本報酬が下げられたことを危惧している、処遇改善に水を差す、加算で埋め合わせをするやり方は邪道であると委員からの鋭い批判意見もあります。介護報酬の引き下げについて、その対応について質問をいたします。

 1点目ですが、介護報酬引き下げによる町の事業及び町内事業所への影響についてです。

特養や通所介護などの事業所の経営悪化や職員の処遇改善・雇用の悪化が心配されるなか、地域の事業所への具体的な影響、町の介護保険事業への影響についてを伺います。

 2点目は、町として考えられる対応についてです。

 事業所への影響、町の介護保険事業推進への影響は、直接利用する町民に及ぶため、町としての現状で考えられる今後の対応についてのお考えを伺います。

 以上、2項目にあたっての質問です。よろしくご答弁ください。

 

議長(加来良明) 木村議員、ただいま通告の質疑をいただいたんですが、2項目目の1行目、「介護報酬を全体で2.27%引き下げる」と通告書ではなっていますけれども、先ほど木村議員は「引き上げる」と質疑したんですが、通告書のとおり訂正してよろしいですか。

 

6番(木村好孝) はい。

 

議長(加来良明) 「引き下げる」ということで、通告書のとおりといたします。

 

議長(加来良明) 答弁を求めます。

 町長。

 

町長(高薄 渡) おはようございます。

 まず、東日本大震災から昨日で丸4年を迎えたところであります。この間、多くの犠牲になられ、またご逝去されました方々に深く哀悼の意を表するしだいでありますとともに、今日まで苦しんでおられます被災された方々が一日も早く復興をされ、生活が正常に戻りますことを願ってやまないしだいであります。心からお見舞いを申し上げるしだいであります。

 さて、ただいまの木村議員からのご質問でありますが、今般、政府といたしましてはさまざまな社会保障問題についての議論がされておりまして、その一環として介護保険事業計画にかかわるサービス計画が改定をする状況になりました。従来の介護予防事業、あるいは包括的支援事業に加えまして、生活支援サービス体制の整備ということで、生活支援コーディネーターの配置やサービス提供事業者による協議会の設置、あるいは認知症施策の推進、在宅医療・介護の連携推進、あるいは地域ケア会議の充実ということで、さまざまな角度からの協議をするような体制づくりをすべきであるということになっているところであります。

 当町といたしましても、平成27年、平成28年にかけまして、移行期間中に介護保険事業者などとのさまざまなことについての協議を進めていかなければならないと考えているしだいでございます。

 次に、要支援者の対応でございます。

 現状では、介護認定を受ける段階で、専門的サービスを受けるかどうかが認定される基本チェックリストが最初の専門的サービスの判断を市町村が承ることになっているわけですが、ケアマネージャー以外の人の判断となるかどうかというご質問だと思います。チェックリストにつきましては、この内容では本人の記入、在宅支援に関わる担当職員の聞き取り調査が第一になります。そのあとの二次予防事業の対象となった方々については、ケアマネージャー以外の方ではなく、ケアマネージャーがこれにあたるということになります。そのサービス利用についての相談は従来と変わらなく進めていきたいと思います。

 更に、移行によりまして事業費の抑制があるのではないかという質問ですが、前年実績ということもございます。この上限というのは前年の75歳以上の伸び率が上限とされるということです。介護サービスが必要な方には、必要なサービスを提供するのが町の責任でありますが、今回の介護保険法の改正によりまして、先ほど申し上げましたように予防事業に上限が設定されるということになります。そこで、上限額を超える見込みである場合は個別の事情を勘案いたしまして、それを認めるかどうかということになってきます。これらについても、先ほど申しましたように、町内の事業者の方々と十分に協議をいたしまして、この事業が円滑に移行できるように検討してまいりますが、サービスの低下や抑制が生じないようにしていかなければならないということでございます。これらが認められれば、交付金の対象になるものと推測するところでありますので、この面については十分検討を加えていきたいと思っています。

 次に、コーディネーターの位置づけでございます。今回の改正によりまして、先ほど申し上げましたが、支援体制の整備をしていくということでありますが、町としましては、当然、言われるまでもなく整備はしっかりしていかなければならないと思いますし、こういうことが求められているわけであります。ましてや、単身の高齢者、あるいは世帯が増加傾向にありますので、支援していかなければならないという状況が益々増えていきますので、従来の介護保険事業者のみならず、ボランティアなどを含めた協議体的なものが必要になってきますので、これも移行期間中に多くの方々との協議を経まして、地域全体で支え合っていく体制整備をしてまいりたいと考えています。

 したがって、生活支援コーディネーターにつきましても、これらの整備となりますが、経験者や未経験者などいろいろありますが、できるだけ専門的な方々にお願いするようなかたちになるかという考えをもっているところです。

 以上が1項目目の質問のお答えとさせていただきます。

 次に、介護報酬引き下げの影響と対応についてです。ご質問いただきましたように、政府では介護報酬全体で2.27%引き下げということになっていますが、サービスの種類によっては何倍もの引き下げがあるわけです。加えて、昨年から電気料金や資材等含めて厳しい値上げ状況が続いておりまして、決して事業の運営にゆとりがあるとは思えないと思います。これも、都市部と地方の差があるだろうと思います。大都市では剰余金を多く持ち、財源として持っているかもしれませんが、地方、特に町村においては、決してそのような状況ではないのではないかと思います。近年の施設づくりにしても町の支援が益々大きくなって、整備になっていると思います。したがって、今までのような町村で助成金をしていた状況よりも、多額な助成措置をしなければ施設整備が行き渡らないような状況になるかと思います。

 私どもといたしましては、介護職員の処遇改善は当然していかなければならないわけですが、全体の場合としては下がるわけですから、両側から攻められるので、当然、厳しくなるものと考えるわけです。

 町の介護保険事業の影響につきましては、報酬改定により減額がなされるのではないかと予測されますが、これも実施していかなければわからないということになります。

 (2)ですが、町として考える対応でございます。事業所への影響なども含めながら8月から改定される内容を十分そこで勘案しながら、また推移を見ながら事業所におけるサービス低下がないようにしていかなければならないと思います。前段で、保険事業計画に関わって事業所とさまざまな面で、今まで以上に連携、融合、きちんとした対応をしなければならないと思っていますので、低下しないように努力し、万が一低下するような状況が起きた場合、いわゆる事業所の事業の運営状況が厳しい状況になりえる場合には、また考えていかなければならないと思いますので、ご理解をよろしくお願いいたします。

 以上、ご答弁とさせていただきます。

 

議長(加来良明) 質疑を受けます。

 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 1項目目の1点目からお伺いをしていきたいと思います。

 専門的サービスの具体的な状態像と基準が示されていない中の問題点なんですが、国は2025年には専門的サービスとボランティア等による多様なサービスの利用割合をそれぞれ5割程度までには削減するという試算をすでに打ち出しています。これを受けて、道は移行当初は専門的サービスが比較的高い割合で、その後の受け皿整備によって多様なサービスの割合が高まるという想定をしています。問題は、町として独自計画の整備基盤の基本的な考えとして、国の方向や道の方向と同様に、多様なサービスで専門的サービスの割合を減らしていくのか、それとも削減することなく、必要なサービスを受けられる現状維持の方向なのかということを、どうお考えなのかを伺いたいと思います。

 

議長(加来良明) 答弁を求めます。

町長。

 

町長(高薄 渡) 国がそういうような方向、需要対供給のバランスがあるんでしょうけれども、町としましては、先ほど前段でもご質問にお答えしております。決してサービス低下をまねかない状況をつくらなければならないということに考えは変わりありません。したがって、多様なサービスがありますけれども、一人ひとりサービスの量・質が違うわけでありますから、それに対応していくためには柔軟な姿勢で対応せざるを得ないだろうというふうに思うわけでございます。そこで、基準に合致しないからそれをやらないということではなく、基準の適用がなされなくてもサービスが低下しないような体制づくりをしていく必要があるだろうというふうに考えております。専門的なものだけではなく、普遍的に進めていく必要があるだろうと思います。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 確認になると思うんですが、今のご答弁の中でやはりサービスの基本はあくまでも介護予防訪問介護等の専門的なサービスが基本的な軸であって、更に住民全体の支援も含め、個々に応じた多様なサービスを行っていくとおさえてよろしいでしょうか。

 

議長(加来良明) 町長。

 

町長(高薄 渡) 現在、まだ協議全体はしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、移行までの間にしっかりそのことを踏まえながら加えていきたいと思っています。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 2点目に移りたいんですが、要支援者の対応についての問題なんです。1つ目の基本チェックリストの問題なんですが、国や道は方向性として新しい支援総合事業のサービスのみを利用する場合は、要介護認定を省略し基本チェックリストを活用するというふうに、あくまでも利用する本人の意向の中でやるというご答弁なので、そういうふうに解釈をしておきたいと思うんですが、問題は中身で見ていくと、「相談窓口においてサービス希望の状態によって明らかに要介護認定が必要と判断される場合に」という項目があるんです。そういう判断をされる場合に「訪問介護サービスを希望する場合には要介護認定の申請手続きを行う」としているので、判断は本人の希望ではなく、チェックリストで判断する側の問題として私は理解したんですが、そのへんはどうお考えでしょうか。

 

議長(加来良明) 町長。

 

町長(高薄 渡) それは、そういうことにはならないのではないかなと、私はそう思っています。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 今後、具体的に進行していくなかで注目をしていきたいなというふうに考えております。

 3点目の問題なんですが、介護報酬の改定案の中の事業費の伸びの抑制の問題にかかわって先ほどご答弁を受けたわけですが、問題は今後のサービスの影響には移行までは差し支えないと、そのまま給付の問題や事業費の問題がいくのではないかと思うんですが、給付費の大幅な削減は、移行までは現状維持としてないだろうというふうに押さえてかまわないということですね。

 

議長(加来良明) 町長。

 

町長(高薄 渡) まだ、実態的なことでは出てきておりませんけれども、私としましては抑制ということについては異論がありますので、サービスの低下をしない状況下をつくり上げていかなければならないということを考えております。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 方向性は伺ったんですが、確認のためにお伺いしておきます。町としての推計作業がありますよね。2月にそれまでの給付費について推計をしながら道に報告をしていくというふうになると思うんですが、それはどういうふうに見込まれて報告をされたのかだけ伺いたいと思います。

 

議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

保健福祉課長(細野博昭) 第6期の計画に向こう3年間の見込みということで数字等載せましたけれども、それらにつきましては今までの実績や今後の高齢者人口の伸び等を勘案しての見込みの数字でございます。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 介護給付費の見込みについては、各市町村において介護保険事業計画ワークシートを活用としながら推計作業を行っていくんだと思うんです。その中で、道が今後判断していくんじゃないかと受け止めているんですが、移行による事業費についても道は、「市町村におけるこれまでの給付実績や要支援認定者数の将来推計などをもとに移行時期を踏まえて見込むこととしている」というふうにあるんです。道の答えている移行期間を踏まえて見込むことにしているということは、事業費についても方向を示しているが、移行期間中は現状の事業費を見込めるというふうに理解をしていいのかどうかということを、もしおわかりでしたらお答え願いたいと思います。

 

議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

保健福祉課長(細野博昭) 2年間の移行期間につきましては、従来どおり介護保険からの給付がなされますので、ご質問にありました「上限」という枠は該当になりません。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 今、上限について移行期間中は対象にならないということでほっとしているわけですけれども、移行した以後、その問題についてちょっとお伺いしたいんですが、先ほど町長のお答えにもあって、事業者等とも相談をしながら、国は一定の特例条件ということを挙げているんですが、その特例に合うかどうかということを共同しながら進めるということでお答えがあったんですが、一定額を超える場合、市町村が負担をしなければならない。「その上限を超える場合には個別に判断して」ということで、一定の特殊条件の勘案の判断はあくまでも国ということで考えてよろしいですね。

 

議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

保健福祉課長(細野博昭) 現在までの通知によりますと、そのような判断になると思います。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 今後の問題として危惧されるんですが、そうすると特例に合わない部分というか、国の判断の中で特例としての条件に合わないと判断された場合に、地方自治体としては住民福祉の問題でいえば、自治体と住民の間に亀裂が生まれてくると、不信感が生まれてくると。もしそうなれば、介護保険制度ですので、国の責任の押し付けは町長の町政執行方針の第6期介護事業計画による「高齢者のくらしと社会参画の円滑な運営」にただちに影響を及ぼし、非常に問題が生じてくるのではないかと危惧されるんですが、そのへんのお考えはどうでしょうか。

 

議長(加来良明) 町長。

 

町長(高薄 渡) そのへんは私も非常に懸念をしているところなんです。今、保健福祉課長からも申し上げましたけれども、基準があるんですが、その基準にあげるまでは市町村の独自の考えであります。先ほど言ったように、個別等対応をしながら、状況を見ながら、より柔軟な中でもっていかなければならないということでございますから、画一的に本人から聞くなりして認めてあげるということではなく、その方たちの意向をしっかりと聞いたうえで進めていかないと、この制度そのものが歪んでまいることになるのではないか。ということは、格差がどんどん出たり、国は一本で画一的にやろうと思っていますけれども、そうではなくなってくる。これはやはり、国としての責務をしっかり求めていかなければならないということで、町村長皆さんそう思っていると思いますので、それと歩調を合わせながらきちんと訴えて、改善すべきものは改善するようにしていかなければなりません。

 そもそも、この介護保険制度ができたときも確立した制度ではなかったわけですから、走りながら考えて進んでいくんだということで、私は随分議会の中でもご答弁をさせていただきましたが、そのとおりなんです。ですから、需要と供給のバランスをきっちりしていくためにはどうすればいいのか。更に需要者が増えてきた場合にどうするのかということをしっかり精査していくというのが、我々地方6団体も常々訴えていることでありますので、そのような方向で国の方に強く要望をしていかなければならないと、このように思っています。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 今のご答弁のとおり、方向性を明確になかなかできない状況なので、進行状況をきちんと確かめ合いながら進めていく必要は必ず出てくるのではないかと思います。

 4点目の介護予防サービスについてなんですが、現状は準備のための条件整備などが不十分で、課題が大きいということで2年間の基盤整備の方向性をもっている計画だと思うんです。各自治体がそれぞれ大変な状況を迎えているのではないかと思うんですが、地域全体で支え合う体制づくりということが町長も課題としてあげられていました。特にNPOやボランティアの人々を活用するという、多様なサービスによる生活の質の低下への懸念が出ているなかで、これを確立していくということは非常に難しさがあって、73%もの自治体の見通しが立っていないのではないかと思うんですが、そのような中で総人口が平成37年度には8,450人の見込みで、65歳以上には第1号被保険者の比率が40.3%と推計されています。高齢者の比率が非常に大きくなっていくなかで、多様なサービスを維持していくという面で、NPOやボランティアの人々の活用への見通しが可能なのかなという素朴な疑問があるんですが、その点についてのお考えがあれば伺わせてください。

 

議長(加来良明) 町長。

 

町長(高薄 渡) 確かに、形式上の言葉もありますけれども、全国的な流れの中ではボランティアを十分に育成・要請・確保して自助・公助・互いに助け合う体制づくりをしないと、我が国の高齢者対策には大変な困難がくるだろうというようなことが言われているし、なってきているわけであります。そういう面では、ボランティアのあり方をもう少し考え直しながら、この移行期間中に将来の指針や糧となっていけるようなボランティア組織を考えなければなりませんし、NPOも賛同する皆さんが自分たちでやろうかという意思を尊重するだけではなく、NPOの活動がしやすい体制、行政に代わってやってもらえるように支援していくという体制づくりをつくれなければ、生活支援体制の整備ということは難しいのではないかと存じております。

 したがって、その部分の協議を十分重ねる必要があるのではないかと思います。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 非常に難しい課題で、町だけではなく住民の方々、町内会、その他団体を含めた検討が今後とも必要になってくるのではないかなという感じをして受け止めております。

 4点目の最後になるんですが、生活コーディネーターの位置付けというのは、本来、国家資格がなくて研修を受けているわけでもないわけです。そういう中で、最も必要なのは精度の高いケアができる体制づくりが本来の国の仕事ではないか。介護体制を維持していく基本をなすものではないかというふうに考えるわけです。

 そこで一つ提案なんですが、今後の町としての介護事業の実施に向けての基盤整備の課題の一つに、町としての介護福祉士の養成を組み入れていく必要があるのではないか。国が具体的に手をつけられない状況のなかで、自治体自らが守っていく体制づくり、あるいは雇用の問題も含めながら福祉を中心にあげながら、介護福祉士を地域で育てる助成事業を組み入れるお考えはないかどうか、現時点のお考えでよろしいのでお聞きしたいと思います。

 

議長(加来良明) 町長。

 

町長(高薄 渡) 今般、町費の予算審議になると思うんですけれども、生活支援コーディネーターではありませんけれども、ボランティアのコーディネーターを1名採用しながら、先ほどのボランティア部会の起用やこれからの後見人問題、地域福祉などに携わっていただく者を採用していくわけでありますけれども、今後、介護福祉的なものの助成措置をどうするかについては、今、一度にすっとやるのがいいのかどうか、そのへんにかかってくるわけであります。例えば、そういう専修学校に行く地元の子どもたちがその間受けたならば、何年間かは地元でということで、看護師と同じようなものもあるし、いろいろやっているところもあるわけでありますけれども、定着率はなかなか少ないということで、5割が戻るのであればいいですが、20%から30%程度ということであります。そのへんが非常に難しいところでありますが、この問題は町々でやるようなことではなく、せめて都道府県で、全体的には足りない部分が出てきて、どこかでは職がないところもあります。町村にあっては不足するなどが出てくるけれども、それはそれだけのものではない要件ではないかなと思いますので、総合的な考え方をしていかなければならない。例えば、結婚をして子どもが生まれたときに預かる場所があるかどうか。いわゆる院内保育が充実しているかどうか、そういうところには助成措置をしなくてもいかれるという現状もあるわけですから、そういう面も含めて、トータルで考えていかなければなりません。単純に介護士要請で助成していいのかとなると、看護師の場合もしなければならないし、医師の場合もしなければならないというそのほかの技術の方にもしていかなければならないと、幅広くしていかなければないわけでありますから、そこらへんをしっかり考えていかなければならないと思います。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 1項目目の最後になるんですが、新聞紙上等で見ていくと管内的にはすでに3町村が3月議会の中で方向性を示しています。その方法は、それぞれの町独自の教育施設の条件や介護事業所の条件の中でそれに合ったかたちの中で方向性を打ち出しています。予算的にも国の地方創生関連の交付金の活用やふるさと寄附金の活用等で進めようという方向性を示しているわけですが、ぜひ、基盤整備の一つの課題として今後、検討の1つに加えていただきたいなというふうな思いをしています。

 

議長(加来良明) 答弁を求めます。

 町長。

 

町長(高薄 渡) 先ほども申し上げましたけれども、さまざまな観点から検討を加える必要があるというふうに存じております。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 2項目目の質問に移りたいと思います。

 介護報酬の問題ですけれども、先ほどのご答弁の中で具体的には今後、経営状況の問題や進行するなかでさまざまな影響が生まれるんだと思うんです。電気料の値上げの問題等も出されていますけれども、一つには、管内的に特養ではすでに昨年度比で収入を5%減として予算が立てられ、対応をとる事業者が出てきています。

 また、二、三日前に除雪をしていますと、町内の高齢者の方から通所介護のデイサービスを利用している高齢者の方がサービス料金の値上げを言われたということで、「どうなっているのかわかりますか」と聞かれもしました。このように、事業所の経営やサービスの現状維持への影響は、更に具体的に利用者に対して直接影響がこれから及んでくるわけですけれども、これらについて、現状でいいので、把握されている内容があれば再度伺いたいと思います。

 

議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

保健福祉課長(細野博昭) 具体的な金額等については、まだ手元にございませんけれども、町内の事業所におきましても4月以降、利用者負担の金額について検討をしているという話は聞いております。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 今後、基盤整備と関わるということは、具体的に安心・安定したサービスを続けるということが基本となっていますので、十分状況を把握しながら対応をしていただきたいなというふうに思います。

 次に、処遇改善の加算についての問題なんですが、介護報酬の削減というのが事業所の経営悪化を招いて、ボーナス減や人員削減の自治体が当然予想されることで、問題は厚労省が業績に連動して変動することを妨げるものではないという局長通知を出しています。ということは、あくまでも経営問題だということで、経営が大変ならば介護報酬という問題のなかで加算はあり得ないということも出てくるということに、状況として押さえざるを得ないんですが、先ほど町長の方で触れていますけれども、もう一度どうお考えかを伺いたいと思います。

 

議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

保健福祉課長(細野博昭) 介護報酬の値下げに反しまして、現在まで行われております処遇改善手当の加算が延長されるということになりました。施設によって若干の増減はあるかと思いますけれども、一人平均月額13,000円程度かなと思います。その部分につきましては当然、職員の処遇改善ですので、職員の賃金や月給に上乗せされて支払われるということになるかと思います。

 また、その額につきましては、その施設の介護報酬に応じた率で求められるような算定式が出ておりますので、経営自体は当然厳しくなるかと思いますけれども、職員に対する部分は従来どおりの延長になるだろうというふうに思っています。しかし、トータルで考えれば当然本体側の事業運営は、諸物価の値上がり、電気料金の値上げ等ありまして、町内のある施設では月額50万円くらいの増になっているという話も聞いております。そういったなかで、益々運営は厳しくなるかと思います。ただ、そういう状況の中にあっても、今入所されている方、あるいはサービスを利用されている方が従来どおりの心地よい環境の中で生活していくことが第一でございますので、それら事業者の方々と相談をしながら、この2年間の移行期間のなかでそれらも含めて検討していかなければならないというふうに考えております。

 

議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 質問全体の最後になりますが、この処遇改善の問題については、基本的には先ほども例に出しましたけれども、介護報酬の問題のなかに組み入れるのではなく、別枠の中で賃金体系を明確にしていくという方向性をもたなければならないと思っているんです。この点については、各自治体ともそういう要望を出されています。最初に診療報酬の引き上げを強行して医療崩壊を招いた小泉社会保障抑制路線というのが限界にきていると批判をし、介護報酬ではなく、国の予算の枠のなかでこの処遇改善に手をつけたのが2009年2月当時の麻生首相だったと思います。そのようにやれば、具体的にできるということを証明しているのではないかなというふうに思いますので、町長のお考えもあると思いますけれども、ぜひ、このへんをほかの自治体とも協力・協働しながら、事業所とも協力・協働しながら限界にきているものを復活するというのはおかしいわけですから、なんとか賃金体系を明確にしていく方向でもって、取り組むよう要請をしていただきたいなと思うんですが、このへんについてどうでしょうか。

 

議長(加来良明) 町長。

 

町長(高薄 渡) この件については、今ご質問のとおり、常に申し上げていかなければならないと、このように思っています。