北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成27年第2回定例会(3月23日_日程第17)

議長(加来良明) 日程第17、意見案第1号、住民の安全・安心を支える「国の出先機関」の拡充を求め、国の公務・公共サービス体制の充実を求める意見書についてを議題とします。

 職員に意見書案を朗読させます。

 事務局。

 

主査(鴇田瑞恵) 意見書本文を朗読いたします。

東日本大震災、御嶽山噴火などの災害が相次ぐ中、国民のいのちとくらしを守るためには、国の役割が益々重要となっており、公務員の果たすべき役割は拡大している。
 しかし、日本の公務員数は、先進諸国と比較しても低い水準にある。国の行政機関ではたらく公務員は、確実に減少している。

昨年7月25日に閣議決定した「新たな定員削減計画」を実施すると、今後5年間で10%の定員削減が行われる。この結果、心身の健康破壊がより進むこと、行政サービスの低下、ひいては地方から、国の出先機関・独立行政法人の撤退が益々進み、地域経済に悪影響を及ぼし、更なる地域間格差を生み出すことになる。
 北海道には公共職業安定所、労働基準監督署、地方法務局、地方気象台、地方運輸局、航空管制部、経済産業局、総合通信局、北海道開発局、税務署、地方厚生局、海上保安部をはじめとする国の出先機関が各地に存在し、住民の安心と安全を支えている。また、国立大学、高専、国立病院、日本年金機構といった、公務関連の法人も多数存在し地域の福祉と教育を支えている。
 現在国が行っている行政サービスについて、定数削減の名のもとに、民営化、業務委託化、地方への業務移管を安易に進めると、責任の所在が曖昧になるとともに、利潤追求につながり、財源・人材が確保されない、採算が合わなければ行政サービスの縮小・廃止につながる。国の行政サービス維持の観点から下記の事項の実現を要望する。
 記
1 国家公務員の「新たな定員削減計画」を中止し、撤回し、必要な人員を確保すること。

2 国の出先機関改革にあたっては、廃止、地方移管を前提とせず、より住民の安全・安心、地域の福祉と教育を支えていくための拡充をめざすこと。
3 現在国で行われている業務について、十分な議論もないなかでの、民営化、独立行政法人化、業務委託化をすすめないこと。

4 国の出先機関の役割を放棄する道州制、地方分権改革を拙速に実施しないこと。

5 国の出先機関、独立行政法人の撤退、無人化を地元自治体、住民との合意なしに行わないこと。

 以上です。

 

議長(加来良明) 本案について、提案理由の説明を求めます。

 木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) 意見書の内容については、ただいま事務局からの朗読でおわかりのことと思いますが、国の公務員の新たな定員削減計画と国の各地の出先機関の民営化、業務委託化、地方への事務移管が住民の安心・安全の上からも更なる地域間格差を生み出すことから、国による行政サービスの維持の観点からも、また地方創生の取組みの上からもより公共性発揮の拡充が必要と考えまして、関係機関への5項目の要望の提出を求めるものであります。

 なにとぞ、議員各位のご審議をよろしくお願いいたします。

 

議長(加来良明) これより、質疑を行います。

 質疑ありませんか。

 1番、鈴木孝寿議員。

 

1番(鈴木孝寿) 2点ほど質問させていただきます。

 まず、1点目がこの意見書を最初にお願いをされた依頼先をもう一度教えていただきたいのと、更には、当初から若干の文言の変更等がありましたけれども、それによって本来のこの意見書の内容は、そちらの依頼先からの部分で合致しているのかどうかということを確認させていただきたいと思います。

 

議長(加来良明) 答弁を求めます。

 木村好孝議員。

 

6番(木村好孝) ちょっと明確にご質問の内容が聞き取れなかったんですが、国の方針が私自身の考えでは、ここにも記載されているように、道州制の問題とか今回の地方創生の中でも一極集中が問題化されている中で、そういう点での基本的な方向性が私自身はないのではないかなというふうに考えております。

 質問の内容からそれておりましたら、もう一度お願いいたします。

 

議長(加来良明) 木村好孝議員、1点目の意見書の要望先はどこですかという質疑ですので、依頼先がわかればお願いします。

 

6番(木村好孝) 依頼先は、政府と内閣と総務省...(中断)

 

議長(加来良明) 意見書案の提出を依頼してきたところです。

 

6番(木村好孝) 全道の公務員の労働組合の連絡会議の方から依頼されております。

 

議長(加来良明) 他に質疑ありませんか。

 

(「なし」と呼ぶ者あり)

 

議長(加来良明) 質疑なしと認めます。

 

◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇

 

議長(加来良明) ここで、皆様にご協力を求めます。

 お昼休みになりましたけれども本日の日程が残り少ないので、若干お昼休みにかかりますけれども、ご協力をお願いしたいと思います。

 

◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇

 

議長(加来良明) これより、討論を行います。

 討論はありませんか。

 

(挙手者あり)

 

議長(加来良明) 討論がありますので、まず原案に反対者の発言を許します。

 1番、鈴木孝寿議員。

 

1番(鈴木孝寿) それでは、現在の意見書につきまして反対の立場からお話をさせていただきます。

 まず、文書中にあります「日本を除く先進諸国と比べた中において、独立行政法人等も含めた公務関連のカウント」というのが日本と海外とではまるっきり別の数字になっております。実際に、先進国と比べて、本当に日本の公務員数が少ないかどうかというところも実際の数字として表れているところは、現在のところありません。

 また、本来、地方議会の清水町として考える部分において、国の権限の移譲、更には財源の移譲を受けながら災害等にも強い地域づくり、要は雇用を生むためにはぜひとも権限の移譲と財源の移譲が伴ったなかで、地方公務員、前段にあります災害等の初動においては、まさに地方公務員の役割が一番強いのかなと考えております。

 3点目、この議論につきましては、国家公務員の数と同時によく話のなかで野村総研が出している数字のなかで語られている部分については、議会議員数の数というのも1,000人当たりの人口において考えていくならば、国家公務員とともに地方議会議員数及び議会議員数の数も先進国のなかでは少ないと言われております。

 その一方だけの国家公務員及び公務員の数だけを議論するのではなく、今回、これを賛同してしまうということは、先に行われた我々の選挙においても、定数をこれからどういうふうにしていくんだと、増加ではなく削減の方向のなかでいうのであれば、これは非常に難しい問題というか、一方だけ増やす、一方だけを減らしていくというようなかたちになっていっては整合性がとれない。そういう部分において反対するものでございます。

 皆様方の真摯な議論をよろしくお願いしたいと思います。

 

議長(加来良明) 次に、原案について賛成者の発言を許します。

 3番、北村光明議員。

 

3番(北村光明) 意見書の採択に賛成の立場で意見を述べさせていただきます。

この意見書に関しましては、過去にも国家公務員の地方における出先機関としてのサービスの低下をきたさないために、無規則な人員削減については反対するという意見書を採択していたというふうに記憶しております。

 昨年、御嶽山の噴火などがありましたけれども、気象庁や国民の命とくらしを守る安全サービスを担っているのが国家公務員でありますし、そういう方の数はこれまでも減らされてきた経緯があります。今回、反対意見の議員のなかに地方の公務員は減らす、あるいは議員削減をしていることに対して、逆に人員の増を求めるようなことは合わないというような意見を述べられていましたけれども、改めて公務員を増やせという意見書ではありませんし、削減によって地方の住民サービス・国民サービスが低下することに対する危惧を抱いたうえでの無提言な削減に対しては反対するという意見書であります。

 これは地方自治における行政あるいは住民サービスに対して、密接につながるような趣旨の意見も反対意見の中に出されていたと思いますが、国家公務員も減らすんだから地方公務員も減らせ。このことによって財源も移せ。人員も削減しろと、これはちょっと矛盾じゃないかなと私は思います。そういった意味合いで、今日的には住民のサービスが低下する中で、国立大学が独立法人化をされまして、それまで公務員として医療と教育を担っていた方が民間人になりました。そのことによって、サービスが向上したかというと、必ずしもなっていません。それから、国立病院においてもそうです。清水町におきましては、法務局や営林署などが削減されてきた経緯のなかで、今日の清水町の経済があるし、行政があるし、住民サービスが担われているという状況です。

 今後、そういった権限を財源も含めて地方に移せということになれば、清水町がそのことを担わなければならないということになるんでしょうか。

 気象庁や航空管制、北海道開発に関してもそういうことをやれというふうに反対される方はおっしゃりたいのでしょうか。どうも、わたしはそのようには思いません。

年金機構の問題におきましても、社会保険庁において公務員としてやっていたんですが、年金の行方がわからなくなったということを、あたかも公務員であるがゆえにそういうことが起きたかのような言い方がされ、年金機構という方向に変化されました。結果として、年金の行方というものがわからない。国は責任をもたない。民間になったあとはどうなっているかもよくわからない。その上で、今日的には年金の給付が下げられ、逆に保険料は上げられている実態ではありませんか。そういった事実をしっかりと見つめて、地域の住民の声を聞きながら、この問題をとらえていかなければならないと思います。

安易に主義主張といいますか、政府に物申すのはいかがなものかというようなスタンスでの意見書に対する反対意見については、私は反対するものでありますし、この意見書に関しては賛成するということで、意見を述べさせていただきます。

 

議長(加来良明) 次に、原案に反対者の発言を許します。

 9番、中島里司議員。

 

9番(中島里司) ただいま、討論されています意見書提出について、反対の立場で意見を述べさせていただきます。

 今、賛成討論のなかでいろいろとお話がありました。一つずつ拾っていけばどうなのかなというふうに感じるところもありますが、特に私がそのなかで記憶に残ったのが、気象庁うんぬんという話がありました。気象庁については、今、制度的に、私は報道関係を見ている限りでは、気象予報士という制度をつくって、民間でかなり広範囲に気象予報がたてられるようになってきています。それが、気象庁の職員が減ったというか、そういう部分で私は理解をしています。民間人でも気象予報士という制度のなかで、報道関係を見てもいろいろな見解で、それぞれの地方で発信できるようになっていますから、国民側から見て特に不便を感じているようなことはございません。

 それと、災害が相次ぐなかで国家公務員がうんぬんという話がありました。本当に災害が起きたら、まず地元の消防からスタートするんです。職員が動いて消防が動いたり、地域でなければこれはどうにもならないんです。国家公務員が来るまで待っているということにはなりませんから。そういう状況を鑑みた場合に、今、ここに現状維持ではなく拡充を目指すという部分も文言に入っております。それと、私どもの町に置き換えて考えますと、平成14年に財政が厳しいということで、人員削減から入りました。これは執行側の考え方で、それによって使用料については値上げをしました。これは町民こぞって大変だろうということをやむなしで、かなりの協力をいただいた結果、一定の成果が現在出ているというふうに思っています。そのとき212人の職員がいましたが、現在は2割近く削減されたなかで執行されています。それを考えれば、先ほどもお話がありましたが、国家公務員を減らしてはだめです。地方議員は率先して減らしなさいと、当議会でもそういう議論の場もありました。私はそういう部分からいきますと、今の国が全てとは言いませんが、考えているなかで、地方に権限移譲等をしているなかで、先ほど賛成者からも出ていましたが、財源的な裏付けがあれば、直接住民との関わりは地方であろうと思っていますから、それからいくと、私どもの町の事情からいくと、国家公務員のうんぬんということで意見書を出す状況にはないという判断を私なりにいたしました。

その結果、反対ということで討論に参加させていただきましたので、議員諸侯のご理解をよろしく賜りたいと思います。

 

議長(加来良明) 次に、原案に賛成者の発言を許します。

 

(挙手者なし)

 

議長(加来良明) 次に、原案に反対者の発言を許します。

 

(挙手者なし)

 

議長(加来良明) これで、討論を終わります。

 

議長(加来良明) これより、意見案第1号、住民の安全・安心を支える「国の出先機関」の拡充を求め、国の公務・公共サービス体制の充実を求める意見書についてを採決します。

 この採決は、起立によって行います。

 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方は起立願います。

 

(賛成者起立)

 

議長(加来良明) 起立少数です。

 よって、意見案第1号は否決されました。