平成27年第7回定例会会議録(12月10日_日程第2_一般質問 口田邦男議員)
○議長(加来良明) 次に、8番、口田邦男議員。
○8番(口田邦男) 通告により2件について町長の考えをお願いしたいと思います。
1点目でございますが、魅力的な子育て環境とこども園の開設ということで質問させていただきます。
本件につきましては、本町の総合戦略人口減少問題にも示されているように、子育て支援で環境を整備し、これから子育てをする若い世代が定住をしたくなるような文言で推進しようと示されております。そうしたことから、まず現在の幼稚園、保育所の実態を分析していただきたいと考えております。
1つ目として、年齢別児童数と今後の推計。
2つ目が、施設の建設年度と改修計画。
3つ目として、耐震化の現状。
こうした現実の下、幼稚園と保育所のいいところを併せもつ、保育機能と教育機能を兼ね備えたこども園の開設が、インパクトのある魅力的な子育て環境というものになる可能性があると思います。「子育てするなら清水町で」といった道も開けるのではないかというふうに考えておりますが、町長の考えをお伺いいたします。
2点目、慰霊碑と平和の塔の維持管理は町でということでお伺いいたします。
この件につきましては、以前、町長や担当課にも話した経過がありますが、私の理解できる結果ではありませんでした。本日、ここに公式の場で対応を明らかにしていただきたいという前提で申し上げます。
毎年、町主催による戦没者追悼式が行われており、「尊い命が犠牲となる戦争を再び繰り返すことがないように」と願い、戦没者の冥福と将来の平和を願っております。
本町においても戦後70年を迎える今日、遺族会の会員も高齢化で亡くなる人も増し、会員の減少にも歯止めがかからず、戦争体験の継承も危ぶまれております。
そうした中、追悼式は町で行っているものの、現在は遺族会で慰霊碑、平和の塔の維持管理を行っているのが現実でございます。しかし、これも限界に近づいております。諸問題はあるようでございますけれども、町で管理するよう前向きに対応を願いたく町長のお考えを伺いたいと思います。
以上、2点についてよろしくお願いいたします。
○議長(加来良明) 答弁を求めます。
町長。
○町長(高薄 渡) 口田議員の質問にお答えさせていただきます。
1点目は、魅力的な子育て環境としてこども園の開設はどうかというご質問であります。実態としては、現在、幼稚園1か所、第一、第二、御影、今年度で終わりますけれども熊牛のへき地保育所でございます。児童数も0歳児から5歳児までということになっておりまして、保育所定員200に対して91%が現在の入所利用でございます。そういった面から考えて、将来的に人口減少に伴い、子どもの数も減ってくるということでございますが、現状としてはそういうような状況でいるわけであります。施設全般では319という状況になっているしだいであります。先ほどの200というのは、あくまでも第一、第二の2保育所の定員ということでございます。失礼いたしました。熊牛や御影保育所には94%という非常に高い利用であります。
そういう現状でございますが、今後の推計ということでございますけれども、保育所それぞれによって違うところが多々あるわけでございますが、いずれにしても90%台には続いていく状況であります。御影においては、若干落ちる状況になるしだいであります。今後の中で、施設の建設も含まさり、2つ目の質問に入りますけれども、改修計画はどうなのかということになるわけでありますが、認定こども園にするかどうかということで議論をしているところであります。まだ、認定こども園が総体で占める割合が少ないので、検証がなかなか出ていないということが実態であります。わが町では施設を合体する折に、再編する折にそういうことも考えていかなければならないのではないかという議論は今のところしておりますけれども、現状は第一、第二、御影と幼稚園ということで、それぞれ幼保連携というかたちで進めております。当町といたしましては、こども園と言わず、先生同士や保護者の皆さんもお互いに連携しているようなかたちをとっておりますので、その部分の良さと認定こども園にできる良さでどこが欠けるのかということも考えていこうということになっております。
御影については幼稚園がありませんので、機能をどうするかということになろうかと思います。清水地区においては、父兄が幼稚園にもっと預けたいということであれば延長保育もありますが、明確にしたうえで、保育所的な状況の中で考えていく必要もあるのではないかということで、当面の中では早急に、すぐにということではありませんけれども、計画は立てていかなければならないだろうと。どういうふうになるか議論をしていく必要があるということをお答えさせていただきたいと思います。
3つ目の耐震化の状況に入ってくるわけでありますが、この辺も踏まえて設置計画を考えていかなければならないと思っています。
当町には、ご案内のように全道的に医療費の問題が出ましたが、特質すべきなのは、医療費の第2子無料というのは他の自治体でもなかなかやっておりません。今年度は、小学3年生までに上がいても同じような取り扱いをしますというふうにしています。今度の地方総合戦略の中では上が義務教育(中学3年生)まで無料にするよというようなことを考えていきたいと思っています。子育てしやすい環境として、学童保育の無料化はずっと続けています。これも全道的に少ない。ほとんどないのでは。それから、農村地区から保育所タクシー(バス)で送り迎えをやっていることも総合戦略の中で訴えていかなければならないことだと思っております。
したがって、定住したくなるような環境づくりをこれからしていかなければならない。それには、認定こども園がいいのかということについては検証させていただきたいと思います。
次に慰霊碑と平和の塔の関係でございます。非常に遺族の方々には祖国の発展を願い、家族の身を案じながら戦場で亡くなられていったわけであります。本当に悲惨な思いをしたと思いますし、私どももその教訓を親族にもおりますし、世に風化させないということで慰霊碑や平和の塔がつくられました。感謝の黙とうを捧げるということでは、どなたも同じような思いでいるのではないかと思います。私も含めて町全体でそのことは十分理解をしたうえで、平和の塔を設置しました。今、慰霊碑が古くなってきているということで、危険を伴ってくる可能性が強く、これをどうするかということで、今までは遺族会の皆さまにお願いし、遺族が管理していたわけですけれども、政教分離前はいろいろな面で携われましたが、なかなかそこに携わることができないことから、遺族会の方々も苦慮してきたことが実態でございます。
また、高齢化していくと同時に亡くなられる方も多く、守るということについては非常に困難性を帯びてきているなと思います。そういう面で、以前は政教分離の部分がありましたけれども、いろいろな判例が他町村で出ていることもありますので、他自治体の状況を把握しながらできる限りのことをしていかなければならないだろうと、平和ということを伝えていくべきだろう、平和社会をつくるということを伝えていかなければならないと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。
○議長(加来良明) 質問を受けます。
8番、口田邦男議員。
○8番(口田邦男) まず、こども園のことについてご質問をさせていただきたいと思います。
ただいま、町長の方から現状の点についていろいろな説明がございました。それについては、私も把握をしておりますし、それはさておきまして、私はなぜ今こども園をここに提起したかと言いますと、別に幼稚園や保育園をどうのという問題ではなく、現実的にとらえている人口減少問題をお互いの町でいろいろと戦略を考えております。何とかわが町にと、いわば取り合いみたいなかっこうで他町村もうちの町もやっております。そういうことを考えると、やはり今のままの姿では問題解決にはならないというふうな思いでおります。何かインパクトのあることがなければ、ぜひ清水町へというような考えにはならないだろうというふうに思いまして、いわば総合戦略の素案を見る限りにおいては、いろいろな具体的な施策が提起されておりますが、これを見る限り清水町に来て住んでみたいと思いますか。私は疑問を感じます。
本論に入りますけれども、魅力的なインパクトのある事業を展開するとしたら、どこの町村でもやっているのですから、「さすがは清水町だな。」「清水町に行ってみたい。」ということになるには、よほどのことをやらなければそういうことにはならないということになった場合に、やれることは子育てに関することしかないのではないかと、私は思いましたので今回提案をしたわけでございます。
ただし、こども園はそこら辺でもやっているようなことでは何もインパクトはありません。何とかそこにインパクトが当たるような、こども園ではなくてもいいんですけれども、そういったかたちのものができないかなと。こういう案があるわけではないけれども、これが一番インパクトを与える、町の方でできることではないかなと思って私は提案をしたんですけれども、ちょっと考えてみれば可能性がないわけではないのではないかと思いますが、町長の考えを伺います。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) ただいまの質問、力強いお言葉でございますので、それに向けていかなければならないだろうと思っています。こども園や保育園、幼稚園という問題ではないと思っています。今の社会情勢からいきますと、働くお母さん方がこれからどんどん増えていくだろうから、それに対応し、お母さん方が住んでみたいなというような、そういう期待感や希望を持てるような子育て環境をしていく事が大切だろうなと思います。
これは、具体的に言いますと、さまざまな要件は出てくるわけでありますけれども、財政負担も当然していかなければならないわけであります。やはり町民の皆さんが「ここは、我々が少し我慢をしても子どもたちにかけれよ」というようにしていただけるような体制づくりをどうつくるかと思うわけであります。そういうことから考えていかなければならないし、ただつくっただけで、はいどうぞではだめだろうと。やはり、その後のフォローをどうしていくか。今大切なのは、子どもたちをお母さん方が育てるのが困難であるから、その困難性をどう取り除いていくかということをしていけば、魅力ある子育て環境が生まれるのではないかと思いますので、お子さんを持つあるいは育てた人も含めて議論をしていきながら、期待の持てるような状況をつくりたいなと思っています。
たくさんの事業メニューがありますけれども、そういう状況の中でつくらなければいけないなと。お母さんが居住圏の決定権を持っていることが非常に多いものですから、旦那さんはここから通っても、条件がよければお母さんはいるよというようなことを考える体制づくりをしていきたいとこのように思います。創生戦略をひとつの契機にしていきたいなと思っております。
○議長(加来良明) 8番、口田邦男議員。
○8番(口田邦男) 確かに、移住にはいろいろな方法があると思いますけれども、仮に若い人が移住するということになれば、1人ではないんです。夫婦だから必ず2人、子どもは3人以上、あるいは4人、5人という家族の方が移住されるということで、これは移住はいろいろあるけれども、その中でも一番メリットがある方法ではないかと考えて、もしこれが軌道に乗ればなという思いでおります。
また、どうしてこういうことを考えたかというと、実は清水高校のことが少し頭の中にちらついたんです。普通科高校から総合学科に変わりましたが、あれがもし、普通科のままだったら今はどうなっていたか。たぶん、間口は減少されているし、もしや他町村に抜かれて廃校になっていたかもしれない。少し機転を変えて総合学科にしたがために、いまだに4間口で多くの町村からも生徒が来ているという実態を考えるときに、ちょっとアイディアを考えたら、どこからでも人は集まるのではないかなという可能性がありますので、攻めの行政ということでぜひ進めていただきたいなと思いますが、町長の考えを伺います。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) まさにそのとおりで、実例としては高等学校の問題だと思います。やはり、いろいろな活動ができることも確かですし、高等学校の場合は全道、全国から来るわけでありますけれども、教育も含めて、文化・スポーツもそうでありますけれども、そこをどういうふうにやっていくかによって、これも非常に大切なことだろうと。健康ももちろんそうでありますけれども、そういうところも加えていく環境をぜひとも目標を持っていくような状況をつくりたいと思っております。
○議長(加来良明) 8番、口田邦男議員。
○8番(口田邦男) ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
次に移ります。
慰霊碑、平和の塔の関係でございます。これについては、いろいろと町長の方からご説明がございました。個人的にもお話を聞いておりますけれども、どうしても合点がいかない。慰霊碑、平和の塔がなぜ宗教的施設にあたるのか。どうして結びつくのかなということなんですけれども、説明をお願いいたします。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 説明というふうになると、非常に主観が入ってしまいます。いずれにしても、以前は町が関わっていたわけです。それができなくなった事は事実でございますから、そこで、ここ数年ということにはならないとは思いますけれども、自治体によっては「何の異論もなくやっている」というところもあると聞いたことがありましたけれども、当時としては、先輩諸氏含めて難しいということでありましたので、深く掘り下げるということはしなかったんですが、このたび、そういうことを非常に懸念されるので、ご質問もいただいているところでありますので、調査をしてできる限り町全体としてどうすべきかと感じるところが大でありまして、最大限の努力をしていきたいと思います。
○議長(加来良明) 8番、口田邦男議員。
○8番(口田邦男) 今日、町長から「ぜひやりますよ」という答えが出ると私は期待をしておりました。なぜ今回、これを取り上げたかと言いますと、たまたま目にしたのが長崎地方裁判所の判例なんです。これによりますと、あれは市ですから、市が維持管理に対しての補助金を出していると、これが合憲か違憲かということで戦った裁判の結果でございます。それによりますと、戦没者の慰霊のために建てられた碑の維持管理団体に対して補助金を交付しております。理由は、「忠魂碑等の戦没者慰霊碑は、戦没者を追悼するための記念碑であると。」ここが重要で、記念碑であるという位置付けであります。よって、宗教施設には当たらないという判例なんです。「ただし、靖国神社の前身となるものについては宗教施設にあたる」という判例で、結果、今判例のとおり、維持管理に補助金等を出すのには問題ないという判例が出ております。そういうところからいけば、清水町にある慰霊碑あるいは平和の塔について、町が維持管理にあたるということは当然のことだと私は解釈して今回臨んだんですけれども、町長どうでしょうか。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 今のご意見、私もそう思っておりましたので、何も否定をしてきたわけではありません。要するに、以前の先輩の時代に政教分離の中で議会でもご質問があったと聞いております。その折にそういうことがあったものですから、それは政教分離の精神の上からというふうに思っておりました。戦没者の慰霊だけではなく、この方たちを顕彰して、敬ってこの国があるんだということを、敬っていくという記念ということは、そういうふうにすべきだろうと私は思っていましたけれども、ただ、そこに問題点があったものですから、先ほど、最大限の努力をするというのはそういう判例もあるけれども、他町村の状況を見なければならないということもあります。すぐにやるという結論をここで出したい気持ちは多々ありますけれども、ちょっと時間を貸していただきます。新たな年度のときにはご期待に沿えるように努力をしていきたいと思います。
この際、これだけではなく、町有地の中にさまざまな碑があります。これは誰も保存することはできません。こういう問題も解決するためには、ひとつに解決できるように我々としても考えていかなければならないなと思っています。
そういう面で、最大限の努力をさせていただきたいと思います。時間をお願いいたします。
○議長(加来良明) 8番、口田邦男議員。
○8番(口田邦男) 町長の説明のとおりで、判例は今申し上げたとおりなんですけれども、どこの市町村もやはり宗教との絡みを考えて、実際にはやっておられないようです。ぜひ、清水町が先陣を切って、「これは違うよ」と「こういうことであるべき」というものをぜひ出してほしいなというふうに思います。
今一度、決意を聞かせてもらって終わりにします。
○議長(加来良明) 町長。
○町長(高薄 渡) 決意を述べたつもりでありますけれども、さらに決意ということでありますので、そのような方向性をもって進んでいきたいと考えております。
○8番(口田邦男) 終わります。