平成28年第2回定例会会議録(6月21日_日程第3)
○議長(加来良明) 日程第3、意見案第1号、義務教育費国庫負担制度堅持・負担率2分の1への復元、子どもたちの貧困と格差の解消など教育予算確保・拡充と就学保障の充実、「30人以下学級」の実現に向けた意見書についてを議題とします。
職員に意見書案を朗読させます。
事務局。
○主任(鴇田瑞恵) 意見書本文を朗読いたします。
義務教育費国庫負担制度堅持・負担率2分の1への復元、子どもたちの貧困と格差の解消など教育予算確保・拡充と就学保障の充実、「30人以下学級」の実現に向けた意見書
日本の教育にかかわる公財政教育支出は、対GDP比においてOECD加盟34カ国の平均が4.7%に対し3.5%と大きく下回り、加盟国中、最下位となっています。その一方で、子ども一人当たりの教育支出における私費負担率は依然として高い水準にあります。このことは、日本の教育にかかわる公的支出の貧困さを証明するものです。また、厚労省から発表された2012年度の国民生活基礎調査によると、子どもの貧困率は16.3%と約6人に1人、ひとり親家庭にいたっては54.6%と2人に1人以上となっています。このような状況の中、子どもたちの「貧困と格差」は一層拡大し、経済的な理由によって進学・就学を断念するなど、「教育の機会均等」は崩され、学習権を含む子どもの人権も保障されない状況となっています。
教育現場では、未だに地方財政法で「住民に負担を転嫁してはならない」としている人件費、旅費をはじめ、校舎等の修繕費がPTA会計より支出されている実態が多くあり、給食費、修学旅行費、テストやドリルなどをはじめとする教材費などの保護者負担も依然として減少せず、地方交付税措置されている教材費や図書費についても都道府県や市町村において、その措置に格差が生じています。また、「高校授業料無償制度」所得制限や、生活扶助費の切り下げによる就学援助制度の改悪など、子どもたちの「貧困と格差」は一層拡大し、経済的な理由によって進学・就学を断念することに繋がるなど、「教育の機会均等」に影響を及ぼしています。
また、義務教育費国庫負担率が2分の1から3分の1になったことで、定数内期限付採用や非常勤教職員が増加し、教職員定数の未充足などの状況も顕著になっています。
2016年度文科省予算では、財源不足などを理由に、義務標準法改正を伴う教職員定数改善は見送られました。子どもたちに行き届いた教育を保障するためには、義務標準法の改正を伴う「学級基準編制の制度改正」及び「30人以下学級」の早期実現が不可欠です。
子どもたちは、住む地域や環境に関係なく平等に教育を受ける権利を有しています。その保障のためには、国による教育予算の確保と拡充が必要です。
これらのことから、国においては義務教育費無償、義務教育費国庫負担制度の堅持、当面負担率2分の1への復元など、以下の項目について地方自治法第99条に基づき、教育予算の確保・拡充、就学保障の充実をはかるよう意見します。
記
1.義務教育費国庫負担制度の堅持、当面、義務教育国庫負担金の負担率を2分の1に復元されるよう要請する。
2.「30人以下学級」の早期実現にむけて、小学校1年生~中学校3年生の学級編成標準を順次改定すること。また、住む地域に関係なく子どもたちの教育を保障するため、必要な予算の確保・拡充を図るよう要請する。
3.子どもたちや学校、地域の特性にあった教育環境を整備し、充実した教育活動を推進するために、必要な予算を確保するよう要請する。
4.保護者負担の軽減、就学保障の充実など教育予算の十分な確保、拡充を行うよう要請する。
5.経済的な理由により子どもたちが進学・就学を断念するなどの「子どもたちの貧困と格差」を解消するため、就学援助制度の堅持、教育予算の十分な確保・拡充を行うよう要請する。
○議長(加来良明) 本案について、提案理由の説明を求めます。
髙橋政悦議員。
○委員長(髙橋政悦) 日本労働組合総連合会北海道連合会清水地区連合会からの請願第7号が採択されたことを受けて、教育に関する予算確保・拡充及び教育環境の整備を求める意見書の提案をさせていただきます。
意見書本文につきましては、先ほど事務局が朗読したとおりです。議員各位のご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
○議長(加来良明) これから質疑を行います。
質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(加来良明) 質疑なしと認めます。
○議長(加来良明) これより討論を行います。
討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(加来良明) これより意見案第1号、義務教育費国庫負担制度堅持・負担率2分の1への復元、子どもたちの貧困と格差の解消など教育予算確保・拡充と就学保障の充実、「30人以下学級」の実現に向けた意見書についてを採決します。
この採決は、起立によって行います。
本案は、原案のとおり決定することに賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
○議長(加来良明) 起立多数です。
よって、意見案第1号は原案のとおり可決されました。
提出先は、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、地方創生担当大臣といたします。