北海道清水町議会

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平成28年第7回定例会会議録(12月15日_日程第1_一般質問 木村好孝議員)

○議長(加来良明) 一般質問を続けます。

 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 私は介護保険関係について、議長の許可を受けた2つの柱にわたって質問いたしますので、よろしくお願いいたします。

 1点目は、介護保険の総合事業の実施にあたってです。厚生労働省が厚生労働白書を10月4日に公表しました。高齢社会に関する40歳から80歳以下の男女3,000名への意識調査によると、高齢期の一人暮らしの項目では、「大いに不安」「やや不安」の40歳から59歳の方の回答が81.7%となっており、複数回答のその理由は、「病気になった時のこと」が79.7%、「寝たきりや身体不自由で介護が必要になった時のこと」が79.1%となっております。また、高齢者が地域で安心して暮らすために行政に求める取り組みでは、「介護等の福祉サービスの充実」が72.4%、「医療体制の充実」が61.7%となっております。「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と憲法25条の2項で定められておりますが、意識調査の要求は端的にその気持ちを十分に表しているのではないでしょうか。

 国勢調査の結果によりますと、町の65歳以上の人口は3,330人となっており、前回調査に比べ253人、約8.2%の増加となっております。高齢化率は約34.7%となっており、高い比率を示しているのではないでしょうか。災害復旧に大変な町政の中ではありますが、高齢化社会に向け、社会保障、特に医療介護の充実は町民にとっても極めて大切な課題であり、介護予防・日常生活支援総合事業に寄せる期待と同時に不安も大きいものと捉えています。

 新たな総合事業の来年4月からの実施に関わって、主にその体制づくりについて次の4点の質問をいたします。

 1つ目、総合事業への移行が4月時点で全国的に32.7%で、それにとどまって報酬単価の切り下げや介護報酬の制限で、倒産は過去最高の76件、廃業は2万6,428件にも上る事業所の実態が明らかになっております。厚生労働省は4月時点で総合事業に移行したのは1,579自治体のうち516自治体にとどまり、来年度に移行予定が953自治体で、全体の6割に上るとしています。9月30日の社会保険審議会介護部会において、意見として、民間介護事業推進委員会からは、「総合事業では単価が30%もダウンしている自治体がある」「単価切り下げのため、移行が使われている」。全国町村会は、「介護予防にも事業者の参入が望めないのが実態であり、地方によって現状が違う」「画一的な指標で評価する前に実態を整理すべきだ」などの部会の批判意見を受けて、厚生労働省は総合事業の取り組みを調査し、財政支援に反映させると表明し、総合事業を適切な単価でと都道府県への通知を10月27日付けで行っています。

 質問ですが、来年4月からの実施に伴い、町内事業所の単価設定の状況についてお伺いします。町内事業所の現状を踏まえて厚生労働省の通知をどのように捉えているか、お考えをまず伺います。また、具体的な町としての対応事例があれば伺います。

 次に、地域包括ケアシステムの在宅医療・介護連携推進事業について、11月16日の社会保障審議会介護保険部会で、全8事業の項目すべてを実施している自治体は10%の174市町村にとどまっている。また、1項目も実施していない自治体は98市町村の5.6%と報告していますが、実施が進まない理由や課題として、「事業実施のためのノウハウの不足」が74.3%、「行政と関係機関、病院や医師会などとの協力関係の構築」が69.2%などと回答がなされています。これは、実施するための困難な状況を明らかにしているのではないでしょうか。部会では、人的問題とともに市町村への財政支援も意見として強く出されています。厚生労働省は、実施把握や課題の検討などを国が具体化し、市町村に方針を示すと提案し、委員からは「医療と介護の連携は重要」「国がサポートするのは当然」などの意見。また、「実施の手引きを改訂すべき」の意見も出されています。厚生労働省は、これらの意見を受け、医療と介護現場の地域包括ケアシステムを構築し、市町村総合事業に移行するための医療介護総合確保方針の改定案を11月28日に示し、検討会議で大筋了承されています。このような状況ですが、8事業の町としての取り組みの現状がどうなっているのかをお伺いいたします。

 また、今後の課題と具体的な検討のあり方についてお伺いいたします。

 3点目ですが、介護保険サービス計画(ケアプラン)の特定事業所集中減算についてですが、特定のサービス事業所への集中割合が80%を超える場合に報酬を減算する仕組みになっていますが、町の現状についてお伺いいたします。

 4点目に、2025年に約38万人の介護人材の追加的確保が必要として、厚生労働省は2013年度からホームヘルパー資格などを統一して、介護職員初任者研修を導入していますが、この研修について介護職員の質の向上を疑問視する意見が部会等からも出ております。人材の追加的確保という面から、現状の対応として可能なのかどうか、町としての実績経過について伺います。

 2つ目の柱の安心・信頼できる介護保険制度に移りたいと思います。

 政府は、2015年6月に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針に基づき、2016年度から3年間で社会保険の自然増を1兆5千億円程度に抑えるために、来年度の予算編制に向け、医療介護を中心に負担増案を次々に提案しております。高齢化・技術進歩などによる自然増は、年1兆円から8千億円程度と推計されていますが、それを機械的にして基本方針に基づき、閣議決定した社会保障改革の工程表どおり年5千億円に抑制するのですから、高齢者をはじめ国民生活や地方自治体の住民福祉の増進を図るという政治のあり方を無視した予算となってしまうのではないでしょうか。

 厚生労働省が概算要求段階で6,400億円に抑えた自然増が、更に1,400億円がカットされ、そのために計画した要介護1・2の生活援助の保険外し、車いすなど福祉レンタル料の原則自己負担は、国民の厳しい批判の高まりの中で今回は見送られ、代わりに生活援助の介護報酬引き下げを提案しましたが、これも批判が相次ぎ、来年度の報酬改定に合わせて再検討するとしています。

 厚生労働省は、2018年度の介護保険制度の改定に向けた取りまとめ案を11月25日に社会保障審議会に示し、12月9日に部会は了承しています。内容は、制度の持続可能性、世代間の公平を理由に「重点化」「効率化」の名目で給付費の削減や負担増を打ち出しています。

 また、厚生労働省は給付費削減の成果を図るため、要介護認定率を使った指標の導入を提案していましたが、取りまとめ案では要介護認定率の抑制した自治体を財政優遇するインセンティブ、企業や販売促進のために提供する報酬制度なんですが、それの費用を盛り込め、介護認定外しにつながる危険性がとても心配です。町の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の第7期策定に影響を及ぼす取りまとめ案の提示内容についてのお考えを伺います。

 1点目、介護保険発足以来、15年間1割の利用料負担でしたが、昨年の8月に一定以上の所得の人、単身者、年金収入のみで年280万円以上が2割に引き上げられたばかりです。

 厚労省は負担が増えるのは余裕がある世帯と説明するためのデータを都合よく書き換えていたことが発覚し、大問題になったことはご存じのとおりだと思います。取りまとめ案は現役並み所得、単身で年金収入のみで年383万円以上の利用料自己負担を3割にすることを盛り込んでいます。2割負担が始まって以降、利用者や家族から負担が増えて生活が成り立たないなどの痛切な声が上がり、中には負担に耐えかねてせっかく入所できた特別養護老人ホームの退所を検討した人も生まれているとの報告もあり、認知症の人と家族の会は2割負担の中止、撤回を強く求めていますが、この願いに完全に逆らうものとなります。

 質問ですが、3割の負担増で町の利用者への影響があればお伺いいたします。

 2点目、3割負担に続いて高額介護サービス費による自己負担上限も7,200円引き上げ、月額4万4,400円とすることが示されています。3割負担と同様ですが、厚生労働省は医療保険の自己負担割合と同じ水準にできるだけ揃え、制度の維持を図ることを理由にしております。

 質問ですが、自己負担の上限引き上げによる町の利用者への影響がありましたらお伺いいたします。

 3点目です。40歳から60歳が支払う介護保険料についても、収入に応じて保険料負担を決める総報酬割を導入し、けんぽ組合や共済加入者の保険料の引き上げが提案されています。比較的収入の多い大企業の会社員らのけんぽ組合の約7割、公務員らからの共済組合のほとんどすべてが対象になるようです。厚生労働省では、介護保険制度の創設実施に関わった元厚労省の老健局長の堤修三氏が「介護保険のサービスを受けられる要介護あるいは支援認定を受けるものは、75歳以上では31%、65歳から69歳では3%に過ぎない。それでも保険料を払い続けるのは、将来、要保護を受けられると思うからです。介護保険サービス給付の範囲がどんどん縮小されていけば、まじめに保険料を払った人がいざ介護保険サービスを受けようとしても受けられない場合が出てきて、だまされたと思うに違いないと指摘し、社会保険は制度自体、国と国民の約束なのです。国が約束を守らなければ国家的詐欺と言われても仕方がない」と強く言い切っています。事業主負担分も含めた個人の保険料を2014年度決算見込みからの試算では、けんぽ組合は平均年収456万円の場合、月5,852円で727円の増で、月1万円を超える人も出る見通しです。そのため、当面は上限を設けるといった激変緩和措置を検討しているとのことですが、内容はまだ明らかにされていません。

 質問ですが、これにより、協会けんぽに対する国庫補助金1,450億円を肩代わりするのが狙いと言われている総報酬割の導入をその影響を含めどのようにお考えになるかを伺いたいと思います。

 2点目、次に公正取引委員会の提言を受け、政府の規制改革推進会議が実施に向け検討を本格化させている混合介護、介護保険の公的サービスと保険外サービスを組み合わせるやり方なんですが、柔軟な組み合わせ等のいわゆる弾力化の検討が急がれています。利用者への大きなリスクが混合介護の導入によって考えられていますが、現時点で受け止められているお考えがあれば伺いたいと思います。

 1つ目、現在の介護保険は要介護認定を受けた利用者が医師から2割の利用料負担で保険によるサービスを受ける仕組みで、現行制度では保険サービスと全額自己負担による保険外サービスの両方を利用することも可能となっています。ただ、両者は明確に現在のところは区別されて、同時一体的に行えないサービスもあります。

 そこで質問ですが、それが保険と保険外の境目が不明確になると、利用者や家族が混乱したり、高額な利用料が要求されるのではないかという不安もあるのですが、どのようにお考えでしょうか。

 2つ目の質問ですが、保険外サービスの利用や負担をしないと保険サービスすら受けられなくなるのではという懸念も生じています。これの対応のお考えもあれば伺いたいと思います。

 3つ目、差額料金でサービスを自由に設定できる仕組みなどが検討されていますが、ひと度これが決まってつくられるとすれば、今でも介護保険の利用を巡っては利用できるサービスであっても費用負担の関係で使いたいサービスですら控えている人が多いのですが、費用負担の関係でサービス格差の拡大を懸念することについて、どうお考えでしょうか。

 最後の質問項目になりますが、「改正出入国管理及び難民認定法(入管法)」と「外国人技能実習適正化法」の関連2法が11月18日に参議院本会議で可決・成立し、1年以内に施行されることになりましたが、外国人が介護福祉士としての就労の全面的な解禁と、介護現場に外国人の技能実習生を受け入れることも可能となります。課題として、現在、経済連携協定(EPA)によるベトナム、フィリピン、インドネシアの東南アジア3か国の労働者対象の日本の介護現場で働く道が開かれています。EPAに基づく3か国出身で、2015年までに介護福祉士に合格したのは約4,000人にとどまっています。母国で資格を取得し、日本語がある程度できる人が対象となっています。しかしながら、日本の資格取得で壁に突き当たり、帰国を余儀なくされる事例も少なくないということです。日本語能力が課題となっていますが、介護福祉士という職業上、ある程度の日本語では通用しないのではないでしょうか。日本語教育の具体策が法の施行とともに必要になってくるのではないでしょうか。技能実習制度の目的は、人材活用ではないと政府は説明していますが、従来対象としてきた農業、製造業、建設業の実態から、安い労働力での人権侵害、生活習慣等の違いからのトラブルが指摘され、昨年は時間外労働、賃金の不払いなどの法律違反が3,695か所と過去最多の発生となっております。外国人技能実習制度そのものが抱えている基本的な問題からくるものです。基本的な問題の中心的なものは、実習生に職業選択の自由、実習先の選択の自由がないという、制度そのものが持つ基本的な問題が従来から課題となってきましたが、改正法でも仕組みは変えられておりません。これらの課題・問題を含め、現在、深刻化している介護職場の人材不足、介護職育成の対策として、今後どういうふうにしていくか、お考えを伺います。

 以上、長くなりましたが質問といたします。よろしくお願いいたします。

 

○議長(加来良明) 答弁を求めます。

 町長。

 

○町長(高薄 渡) 木村議員の質問にお答えします。

 まず、介護保険の総合事業の実施にあたってのご質問であります。1点から4点まであります。

 1点目では、この1年にわたりまして本町の実情にあったサービスの内容と単価について協議をしてまいりました。この協議は、サービスを必要とする該当の方々やそのサービスが各事業所において実施可能なものかどうか、それから実施する場合の単価設定をどうするかということの検討をしてまいりました。保険者側の事情で設定した単価ではなくて、事業者側の意見も伺いながら双方が納得する単価設定をしたところであります。具体例としましては、訪問型サービスではヘルパーサービスの内容を拡大して、散歩やお買い物の同行、それからコミバスへの同乗支援、あるいは病院の受診支援等も可能として、時間設定も従来の1時間単位から利用者のニーズに応じて30分から2時間未満、必要に応じて時間の幅の延長も可能としているところであります。またデイサービスでは、従来より短時間での利用が可能な設定をいたしまして、来年4月から町内での実施に向けて施設と調整中であります。今後も町民ニーズに応えたサービスにしていくために検討を引き続き重ねていくということでございます。

 2点目でございますけれども、地域包括システムの8事業の取り組みの現状でございますが、本町の取り組みの現状は8事業のうち5事業は実施済みとなっているところであります。残り3事業は現在検討中の状況であります。3事業の中の2番目の医療介護の連携の課題については、対策を検討しておりまして、3番目では切れ目のない在宅医療として介護の提供の構築・増進、あるいは4つ目の医療介護関係者の情報の共有の支援であります。8事業を実施するということになりますと、当然、医療、介護、福祉関係者の協力が必要不可欠であることは言うまでもありません。現在、これを調整するのに清水町地域ケア会議を構築して調整しているところであります。この会議では、町内全ての医療、歯科、薬局、介護保険施設に参加していただき、個別事例について協議をする個別ケース会議と2つの会議をもって課題解決に向けてまいりたいと、このように思うところであります。

 3点目であります。特定事業所に報酬が集中するのではないかということですね。これは、現在、ケアマネージャーが事業の8割以上集中してはだめですよということになってくるわけです。ケアマネージャーが自分の事業所の中の80%以上を超えてはなりませんということになると思いますが、わが町では事業所が4つありますけれども、減算には該当しないと確認をしているところであります。

 4点目の介護職員の研修の問題であります。町としてはどのような実績があるかということでありますが、本町では平成25年、平成26年の講習を町外で4名が受けておりまして、その受講に対して助成を行いました。平成27年、平成28年に道が認めた社会福祉協議会に委託をして開催をしたところでありますが、申込者がいなかったという状況であります。受講料については助成をするわけでありますから、できるだけ多くの方に受講していただけるように、今後もそれらについての周知徹底を図ってまいりたいと思うところであります。

 2項目目の安心・信頼できる介護保険制度へということであります。11月末現在、介護保険の認定を受けている方は667名であります。そのうち40名が自己負担が2割になっておりますので、この方に影響が出るのではないかと思います。2割から3割に引き上がるということであります。

 ②の方でありますけれども、介護サービスの月額4万4,400円も高額介護サービスの自己負担限度額が7,200円引き上げになった場合の影響でありますが、現在、該当者がいないということになっております。

 次に③の総報酬制でございますけれども、給付費の28%を第2号被保険者が負担する保険制度になっておりますけれども、保険者としては影響はないということになろうかと思います。被保険者数に応じて負担はしているわけでありますけれども、総報酬制に変更した場合には保険者ごとの報酬に格差が生じることから、すべての保険者が保険料負担増になるものではなく、負担能力に応じた保険料負担となります。いわゆる、所得の高い人がそういう形になろうかと思います。そのような状況になろうかと思います。

 次に2点目、公正取引委員会の提言を受けたやつでありますけれども、リスクが危惧されているということでありますが、1から3までそれぞれありますけれども、どうなのかということであります。これは一括して答弁させていただきますけれども、混合介護の弾力化については、導入方法や弊害、条件等の制度について、利用者と事業者の双方の立場での意見交換がされているところであります。ご質問の今後の超高齢社会の中で、認知症の方など合理的な判断が難しい方が増える状況の中では、不利益を得たり、過剰サービスといったものが広がる可能性があるのではないかということで、町としましてはあくまでも利用者・家族に必要なサービスを適正に受けることができるように、制度の趣旨を逸脱しないように議論をしていかなければならないということで、注視をしながら意見を届けていくという形を取っていきたいと思っています。

 3点目の方でありますけれども、最後になりますが、2025年には介護職員は現在の1.5倍必要だと厚労省は発表しています。しかし、町村では日常的に不足をしているという状況でありまして、募集しても少数であったり、集まらなかったりという事業所があるというふうに聞いております。そういった中で介護職員の人材確保は大変苦労しているということでありますが、町が介護職員の初任者研修計画をしても、先ほど申し上げましたが、応募者が少なくて中止することが多いわけであります。ただ、これを中止するからいいんだということではないのでありますけれども、出られる体制づくり、環境をもう少し考えなければならないのではないかと思うところでありますが、町だけでは到底できるものではなく、やはり都道府県がしっかりと人材養成をしていくことが必要であるし、町によっては、うちを見てもそうでありますけれども、償還金の免除規定などをしながら、これらの研修制度を充実していくようにしなければ、今後の介護を支える方々が不足していくという形になるのではないかと思います。

 また、外国人労働者は、今は実習生見習いの扱いでいる状況でありまして、これは介護だけではなく、農業の方もそうでありますし、非常に不足している中で、もっと外国人労働者に対する制度をしっかりとしていくように要望を強めていかなければならない1つであるというふうに認識しているところであります。

 以上、ご質問にお答えさせていただきました。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 質問をいたしますけれども、総合事業への移行の問題で、厚生労働省の都道府県への通知の内容が3点にわたって示されています。町内の事業所への単価設定の状況なんですけれども、1点目は従前相当のサービスについて地域の実情に応じてふさわしい単価を定める必要があるということで求められています。

 2点目は、基準緩和サービスについてなんですが、サービス内容や時間基準等を踏まえ、ふさわしい単価を定めることが必要であると求めています。

 3点目の単価設定なんですけれども、町長のご回答の中でも触れられておりましたが、サービス事業者をはじめとした関係機関と十分な協議を重ねるということを強調しているんですよね。更に、資格を持つ職員が引き下げられた単価によるサービスを行う場合、サービス事業所の収入源となって、最終的には介護専門職の処遇悪化につながるので十分注意をするということの3点目の単価設定についての注意がなされていますが、3点目についての確認というか、経過の中で協議があったかどうかをまずお伺いいたします。

 

○議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

○保健福祉課長(細野博昭) 3点ほど厚労省からの通知うんぬんということでございますけれども、従来のサービスにつきましては単価をそのまま引き続き、来年4月以降も上げることも下げることもなく、従来の単価でそのままサービスを継続していくということで、各事業所とも打ち合わせをしているところでございますし、新たなサービスにつきましては、先ほど町長の答弁にもありましたように、従来にない、どのようなサービスがあったら清水町民はいいんだろうというようなことで、1年間にわたりましてすべての事業所と検討を重ねてまいりました。その結果、先ほどの町長の方から何点か例えばということでお話いたしましたけれども、そういったことを4月から実施していこうということで、それらの単価につきましても保険者側から一方的に「これでやってください」ということではなくて、それぞれの事業者の経営等も踏まえた中で、お互いが協議した中、または事業所の横の経営のバランスもありますけれども、そういったことも勘案しながらすべての事業所に納得をしていただいた中で単価設定をしていこうということで、今準備をしているところでございます。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) ありがとうございます。

 今の問題で1点だけもう1回質問をしたいんですが、厚生労働省は総合事業の取り組みを調査して、財政支援に反映するという発表をしたんですけれども、残念ながら取り組み案の中にはその表明が一切ないんですよね。通知の内容として、事業者の問題を考えた場合に理解はできるんですけれども、財政を含めて地域の実情に応じてふさわしい単価にしていくことが前提になっているんですよね。そうすると、同じ市町村、管内でも地域格差が生じないかどうかをお聞きしたいと思います。

 

○議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

○保健福祉課長(細野博昭) 総合事業につきましては、従来、日本全国どのような地域であっても同じサービスを受ければ同じ単価でということで実施されておりました。それをもっと地域の実情に合わせたサービスが行われるべきだということで、それぞれの保険者、自治体がそれぞれの地域のニーズに応じたサービスを考えて実施していきましょうということで設けようとしているのがこの総合事業でございます。当然、ニーズも違うでしょうし、サービス内容も違ってきますので、保険者間、自治体間によっては単価も多少のプラス、マイナスはあるでしょうし、サービス内容も差が出てくることはやむを得ない事情だと思っております。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) そうしますと、地域によってサービスの質的内容も似たような、例えば先ほどの通知の中で従前のサービスじゃなくて地域独自で勘案しながら考えていくという中で、似たようなサービスの内容でも単価にはやっぱり相違が出ますよね。

 

○議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

○保健福祉課長(細野博昭) そのとおりでございます。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 次に行きたいと思いますが、2点目の地域包括ケアシステムの問題なんですが、問題は部会等の論議の中で仕事の内容、質、協議会その他のケアの中心になるところの質で、もうすでに今までの介護保険に関わる論議の中では、町としては外部に地域ケアの予防を含めながら積極的に外部に出向いて行くということが中にはあったのではないかと思うんですが、そういう面に対する任務の過剰による人的な問題、その問題が部会の中では随分論議になって、市町村会等からも要望が出ているんですけれども、そういうふうに人的な問題で現在の町の状況からどうなのか。財政は先ほど言いましたので、言わないんですけれども、人的構成の問題で仕事が過重にならないかどうかという問題が一つあるんですが、その辺はどうでしょうか。

 

○議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

○保健福祉課長(細野博昭) 担当職員が多ければ多いほどいいかとは思いますけれども、町全体の財政事情等々もありますし、職員配置の問題もありますので、今年度から在宅支援係には1名専門職を増員した中で対応しておりますので、この地域包括ケアシステムというのは、包括ケア支援センターが中心となって、もちろん自治体の責務として動かしていかなければならないわけでございますけれども、決して自治体だけが、包括支援センターだけが動くということではなくて、町内の医療、介護、福祉、それらそれぞれの機関がそれぞれの役割を果たしていただく中で、この包括ケアシステムというのが成り立っていくというふうに考えておりますので、それらのそれぞれの機関の協力を得ながら調整を在宅支援係、包括支援センターが担っていくということで今までもやっておりますし、これからもやっていかなければならないと思っています。

 人員については、今の職員で何とか頑張っていきたいと考えております。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 勤務過剰にならないかどうかという問題が一番心配なんです。厚生労働省から要求は次々に出てきているんです。例えば、地域包括支援センターで住民支援のために、あるいは介護予防のために土日、祝日の開所や電話相談体制の拡充、地域に出向いての相談会の開催を今までも町として行われていると思いますが、そういうようにどんどん拡大していくことによって、本来の任務というか、サービス任務みたいな部分については拡大していくんだけれども、本来の任務にまで影響しないかどうか、任務過剰にならないかどうかというのが部会等の意見ですごく心配されているんです。そういう点では十分配慮されていらっしゃると思いますけれども、今後はぜひ検討をしていただければ、あるいは人員拡大の要請を町長等を通じながらしていただければいいかなと思います。

 次の問題に移りたいと思いますが、ケアプランの問題については先ほど町長がお答えになったような方向でもって、4事業所が町内にある部分についてはいいんじゃないかと思うんですが、こういう意見についてちょっと質問をしたいんですが、私自身が理解できないものですから、介護保険部会の中では包括支援センターの業務拡大の面から、要支援者のケアプラン、介護支援計画作成を切り離すという意見が出ているわけです。そこのところはどう解釈したらいいのかなということで、教えていただきたいなと思うんですが。

 

○議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

○保健福祉課長(細野博昭) そういったようなことも検討されているかと思いますけれども、現状の私どもの入手している情報の中では、現行のままというふうに理解をしております。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) はい、わかりました。

 続いて、次に介護人材の追加的確保の問題についてお伺いをしたいと思うんですが、現在行われている方法というか、内容の後に10月5日の社会保険審議会の福祉部会と福祉人材確保専門委員会との合同会議の中から出てきた入門的研修の導入というのがあります。この内容について町の方で押さえられているかどうかをまず伺いたいと思います。

 

○議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

○保健福祉課長(細野博昭) ご質問の内容につきましては、存じておりません。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 一番最後の方で外国人の雇用についてもちらっと触れていたんですが、今までの研修内容よりもより一層緩和されるという内容になっています。まず、介護福祉士の中でも一定のキャリアを積んだ人をチームリーダーにするとか、今まで行われてきた介護職員初任者研修よりも簡素な入門的研修の導入ということが提案されております。そして、介護職が専門的にケアに集中できるようにという理由で、それらの研修を受けた人を事業所内における清掃や洗濯等の業務を任せるというか、そういう人材として裾を広げていくという説明だったんです。ですから、介護士というよりも先ほどから話されている人材確保みたいな軽度の安上りの労働力みたいな、そういう形を入門的研修という名前において導入するのではないかと思って、今後、注目をしていかなければならないなと思っているんですが、ぜひ、この辺も今後ご検討願いたいなと思います。

 次に、介護保険発足以来の利用料の負担増の問題なんですが、先ほどやはり出されたのは、一番心配なのは高収入という理由で2割負担が8月に決まって、8月に決まった段階ですでに3割に上げられると。一番心配なのが2割負担を全体に広げないかどうか、そういう危険性が指摘をされているんです。こういう点が非常に今後心配になってきますので、ぜひ2割負担を広げるということになれば、先ほど言った介護制度そのもの自体が崩壊をしていくという形になりますので、ぜひとも重要視をして対応していただきたいなと思うのですが、どうでしょうか。

 

○議長(加来良明) 町長。

 

○町長(高薄 渡) 片方では負担する側が少なくなり、受ける側が多くなり、そして介護報酬の負担が増えていくというようなことで、あるいは人材を確保するためにはどうしても財源が必要になってくるということでありますから、このままの制度で持つのかどうか、実際に危惧しているところでございまして、人材についても、まずサービスばかりのことを中心にしているんですけれども、サービスに対する、例えば医療機関であれば医師1人に患者が何人の看護師なんぼとなるわけですよね。ですから、うちは670名でそれに対して、どれだけの介護職員、いわゆる規定というか、学校でいえば先生方が学級数によって何名と規定されますよね。そういうのが介護にはないんです。施設にはあるんですけれども、さっき言ったケアとかこうやっていく中にはない。だから、多い方がいいとか人数が定まらないんです。どの程度のあれなのかきちんとこの中で枠組みがあって、それに対して市町村によってサービスの移譲によってプラス0.5にするなど、そうなっていけばいいんですけれども、それがない中で人は増やせ、介護負担は上げるな、介護報酬は上げろとなってくるとバランスがこんなになって重複になると、どこを基準に持っていっていいのかわからないというような状況がこれから出てくるのではないかなと。それを危惧しているものですから、私どもはそういった中での福祉の会合がありますので、その時にそういうことは常に訴えております。それがどこまで通用するかとなると、まずは介護保険を納める人がだんだん少なくなって、受ける人が多いから、それに対する対応しか、目先のことしか考えられていないのではないかということで、強くこういったことも含めて求めていきたいと思っておりますので、ご理解いただきたいと思います。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) よろしくお願いをしたいと思います。

 続いて、混合介護の問題なんですが、先ほどもご回答いただいたんですが、これも私は介護制度そのものの根幹にかかわる問題にはなってくるんではないかというような感じがするんです。それは、公正取引委員会の提言で、訪問介護で同居家族への食事の提供や訪問介護員に指名料を払うということを提供可能にする解禁を公正取引委員会では求めています。そして、混合介護の弾力化で多様な事業者の新規の参入と事業者による創意工夫の発揮を図るということで提言の内容を宣伝しているんですが、それに基づいた政府の規制改革推進会議では、保険外サービスの柔軟な組み合わせ等の検討を進めています。介護の総合事業のモデルケースが全国各地にあるんですが、国はそれと同じような方法になるのではないかと思うんですけれども、東京都がすでに国家戦略の特区での解禁の構えを見せています。ですから、これらも大変な状況というか、モデルケース並みに進んでいく、先行していく要素を含んでいますので、今後、十分検討していただければなというふうに思います。

 保険制度の部分について、特に現行の保険でも要支援の医師の方は上限利用額が全国的には39.4%しか利用されていないということが現状で、保険外サービスの利用者が1.9%で、利用者からの要求として出ているわけではないんです。国会論議の中では、厚労省の塩崎大臣の答弁では否定的な見解を述べているんです。このままの形で議論が進めば不明瞭な形で保険対象サービスの差額が徴収される可能性がある。また、保険外負担をしないとサービスが受けられない懸念もあると。そういう点で利用者にプラスがあるかどうかという観点で考えなければならないということで、答弁をなされているので、やはり気を付けなければならないなと。混合介護自体がこのまま進めば大変なことになるなと思うんですが、その辺でもう一度ご見解があればお聞かせ願いたいと思います。

 

○議長(加来良明) 保健福祉課長。

 

○保健福祉課長(細野博昭) 混合介護の制度が今後どのように制度設計がされるか、また実施ということになるかどうかはこれからの問題ですけれども、今の議員の例のようなこともありまして、すべてが利用者にとって不都合だということでもない部分もあるかと思います。例えば、食事を作りに来ていただいてもサービスを受ける本人には作れるけれども同居している家族の分は作ることはできないというようなことが先ほどのお話かと思います。そういったこともありますし、一概に混合がマイナス的な要素だということも言えない部分もあるかと思いますので、保険者といたしましては今後の国会なり関係機関の議論の推移を見守りながら町長等に必要に応じて発言をしていっていただきたいと思いますし、仮に混合介護サービスが実施されたとしても、担当のケアマネが定期的に訪問をして本人といろいろと面談をし、今後のサービスをどうしましょうかという相談の機会が随時ありますので、そういった時にどのようなサービスをうけているのかという実態を把握できますので、そういった部分で不都合があれば、本人あるいはサービス提供事業者に対して相談をするといったことも可能になってきます。いずれといたしましても利用者にとって一番いい、利用者あるいは利用者の家族にとって一番いいサービスの提供がこの介護保険の目的ですので、その目的を逸脱しないように保険者としても見守っていきたいというふうに考えております。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 今お答えになっていただいたように、利用者家族にとってプラスなのかどうなのかという観点、それが判断の基準になると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 最後になりますけれども、先ほど外国人の問題に触れましたが、一番は介護職員の日本国内での介護職員の処遇改善ということが従来言われてきたように急務だと思うんです。それが改善されていくことによって、すでに経験のある方で介護職から離れた方々の復帰も含めて可能になってくるのではないかなというふうに考えているんですけれども、その辺でまずは国内での人材確保を最優先の課題解決ということが安心・信頼できる介護制度を維持することにつながると思うんです。そういう面で、非常にこの問題も今後大事な問題になってくるのではないかと思うんです。

 将来的には人材を出す側、例えば、今まで一番多く派遣してきた中国なんかは、今人材派遣で問題になっているのは高齢化の問題で、痴呆症の頻度がものすごく増えてきて、それに少子化がプラスアルファされ、他に人材を派遣するということが限界というよりもできなくなってきているということも報道機関のニュースで見たわけですけれども、今、一番人材派遣ということで、ベトナムが新たにアジアの国々でもすでに日本語の講座、その他会合を受ける体制というのが準備をされてきていると、そういう状況も生まれてきていますが、まずはやはり国内優先の介護職の条件整備というか、職場の条件の整備ということが一番の問題だと私は考えているんです。そういう面で子どもたちが育っていく上で、教育をはじめとした社会環境、人間環境が子どもを支えると同様に国の共助と公助の政策というか、これが安倍首相が盛んに自助・自立が第一だと言っていますけれども、共助と公助の政策の環境整備が自助・自立を育てていくということを介護にとっては特に必要ではないかなと思うわけです。

 最後に町長一言ご意見がありましたらお聞かせ願って、質問を終わりたいと思います。

 

○議長(加来良明) 町長。

 

○町長(高薄 渡) 先ほどもちょっと述べましたけれども、人材がこういった中でなかなか介護職場で働く人が少ないということは、幼少時からの教育体制というか、それを含めてそういうところからまずは出発するとか、あるいは高齢者がいる家庭からでもそういうものを知って、それをお友達やなんかに広めていく、あるいは学習する場を設けてやるとか、ふれあいの場をつくってやるとかというふうに、どんどんそういうものに慣れ親しむ子どもたちを幼少時からつくり上げていくということが、最後の介護職なり医療看護なりにつながっていくのではないかと。特に、看護師については、これは早くからそういうことをやってきましたよね。日本で。ところが介護職だけは急激に日本は高齢者になったものですから、そういうものに将来の目先を考えられなかったのかどうか。そういう面で立ち遅れたという面があったのではないかなと、我に返って見ればそういう感じがするわけです。ですから、そこもまた大事なところで、それと同時に医療看護の給与体系と介護職への給与体系ははるかに差があります。これをやはり縮めていかなければならないなというふうに思うところはあります。そうするとどういうふうになるかというと、医療保険と同じように医療費が高くなって、ということは介護保険料も高くなっていくということになるんですけれども、そこを国がどういうふうに求めていかなければならないかということになるかと思いますので、トータル的に我々は研究して、市町村長もこういった問題について真剣に取り組んでいるのが今の実態でございますので、今後ともそういったことを引き続き学習して意見を述べる機会を強めていきたいなと、このように思っております。