北海道清水町議会

北海道清水町議会

平成17年第2回定例会会議録(3月11日_日程第8)

○議長(田中勝男) 日程第8、町政執行方針について、町長より平成17年度町政執行方針を述べていただきます。町長。

○町長(高薄 渡)

Ⅰはじめに

 平成17年第2回清水町議会定例会の開会にあたり、私の町政執行に対する所信を申し述べ、議員各位並びに町民の皆さんにご理解とご協力をお願いするものであります。
 私は、この度の任期満了に伴います町長選挙におきまして、町民の皆さんのご支援を賜り、無投票当選の栄に浴し、再び町政執行に当たらせていただくこととなりました。
 その責任の重さを痛感している次第でありますが、町民各位から寄せられた信頼と期待に応えるため、「安全で安心な生活を営むことができる町づくり」を基本とし、21世紀における確固たる礎を築くため、新たな決意と情熱をもって全力を傾注いたす所存であります。
 近年、本町を取り巻く社会・経済環境は、国の施策とともに大きな変革の時代を迎え、特に少子高齢化の到来により直面する課題も多種多様化してきております。また、国においては、財政硬直化等の状況の中で地方分権や市町村合併を推進し、特に地方交付税の大幅な削減等の改革が推し進められ、本町の財政もかつてない危機に直面しております。
 こうした状況を打開するため、昨年、策定いたしました「清水町行財政健全化実行プラン」に基づき徹底した行財政の改革を推進し、歳出全般の抑制に努め、限られた予算の効率的な運用を一層進めてまいります。           
 本年は、町政施行70年、御影村との合併50年という節目の年であり、今日の清水町は、先輩諸氏のたゆまぬ努力の積み重ねによって築き上げられたものであります。
 私は、今一度、この歴史の尊さを思い、私に与えられた使命と責任の重さをかみしめ、先達の方々が築いてくれた我が郷土を守り抜くため、知恵と汗を出し、全力で町民の期待に応えてまいりたいと考えておりますので、議員各位並びに町民の皆さんのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げる次第であります。
 なお、平成17年度の主要な施策につきまして、清水町総合計画のまちづくり目標に沿い述べさせていただきます。


Ⅱ地方財政と予算概要
 
 平成17年度政府予算の一般会計につきましては、前年度当初予算より0.1パーセント増の82兆1,829億円であります。
 その内容をみると政策的経費である一般歳出につきましては、47兆2,829億円、前年度比3,491億円0.7パーセント減と抑制された緊縮型予算となっております。
 歳入につきましては、税収が44兆70億円、前年度比2兆2,600億円5.4パーセントの増、国債発行額については、34兆3,900億円、前年度比2兆2,000億円6.0パーセントの減と4年振りの減額となっております。
 また、前年度に引き続き、三位一体改革による国庫補助負担金の改革が進められ、国民健康保険国庫負担金5,449億円や義務教育費国庫負担金4,250億円を中心に、約1兆1,239億円が削減されており、税源移譲につきましては、所得譲与税により前年度に措置された額4,249億円に6,910億円を追加し、1兆1,159億円が配分されることとなりました。
 一方、平成17年度の地方財政計画の全体規模につきましては、前年度比8,982億円減の83兆7,687億円1.1パーセント減と、4年連続の減少となり、公債費を除く地方一般歳出については、67兆3,216億円1.2パーセント減となり、投資的経費である地方単独事業についても、前年度比8.2パーセント減の12兆3,700億円とされました。また、地方交付税総額については、前年度比118億円0.1パーセント増の16兆8,979億円と、5年振りに微増となりました。
 さて、本町の平成17年度当初予算総額につきましては、前年度比6.6パーセント減の110億4,380万円、このうち、一般会計は10.5パーセント減の67億6,000万円であります。
 地方交付税のうち普通交付税につきましては、公債費償還費の減少等により基準財政需要額の減額が見込まれることから、6.0パーセント減の29億9,000万円を計上しております。


Ⅲ主要施策の推進

豊かな自然と共生した森と水の郷づくり
 (仮称)環境基本条例の制定に向けた検討は、住民との協働により作業を進めていかなければならないと考えております。
 前年度に引き続き、環境家計簿の実施により地球温暖化問題について、住民の環境に対する理解と認識を深めるとともに、前年度設置しました職員プロジェクトにより、住民とのパートナーシップの構築に向け取り組んでまいります。

◎恵まれた自然の保全と育成
 町民参加による清水・御影市街地の整備計画及び諸施設の配置など総合的に点検し、より自然と調和した住みよい環境づくりに努め「自然と心が響き合うまち 清水」にふさわしい、自然環境と人々の暮らしに必要な都市環境が調和したまちづくりを進めてまいります。
 また、芽室川の改修につきましては、河川環境の整備と自然災害を未然に防止するため渓流保全工事が、道費事業により継続して実施されます。

◎自然と調和した住まい
 帯広市などへの通勤圏として、さくら野住宅団地の分譲を継続するとともに、小学校再編後の教員住宅の活用を図り、定住促進を進めてまいります。また、町内の空き家、空き地の利用を促すため情報の収集と提供を行ってまいります。更に老朽化が進んでおります既設町営住宅の改修につきましては、計画的に進めてまいります。

◎快適に暮らせる生活環境
 水道事業につきましては、住民の日常生活に欠かせない良質な水を安全かつ安定的に供給できるよう水道施設の適正な管理に努め、配水管の敷設、老朽管の更新等、管網の整備を進めるとともに、上水道及び簡易水道事業の区域外世帯に対し、家庭用浄水器設置費用の一部補助を継続してまいります。
 また、快適な生活環境をつくるための下水道事業につきましては、清水及び御影終末処理場の適正な施設管理に努め、汚水の安定処理のため、施設機器の更新をするとともに、両処理施設から発生する汚泥についても、既に稼動している処理施設を有効に活用し、効率的な汚泥堆肥作りに努めてまいります。 
 美しい環境と心の潤いを求める、協働の花のまちづくりを進める「花であふれる賑わいのみちづくり」は、3年目となりますが、本年度もプランターの設置個数と設置路線が増加される予定で、住民の主体的な取り組みによる花や緑に彩られた、潤いのある生活環境づくりを目指してまいります。
 現代社会において、環境問題は避けてとおることのできない行政の重要な課題であり、本町の恵み豊かな環境を守り育て、後世に引き継いでいくためには、地域で生活を営む者同士が、まず、ごみを出さないために自主的に考え、行動することが何よりも肝要であると考えております。
 本町では、平成15年度からごみの有料化を導入しましたが、ごみの総排出量は、有料化導入前に比較して、70パーセントと大幅な減量が図られてきており、このことは、ごみの分別などにより、ごみの減量化の必要性が広く町民の皆さんに理解され、浸透したことによるものと考えているところであります。
 今後も、更なる減量化を進めるために、清水町衛生組合と連携し「ダンボールによる生ごみ堆肥化」の講習会を開催するなど、リサイクル運動の輪を広げ、多くの情報を町民の皆さんに提供してまいりたいと考えております。また、効率的なごみ収集と処理施設の運営に努めるとともに、経費節減に努力してまいります。

◎安心して暮らせるまち
 近年の犯罪発生状況につきましては、犯罪者の低年齢化に加え、幼い子どもや女性が被害に巻き込まれる凶悪で残忍な事件や事故が発生し、その件数も年々増加の傾向にあり、大変危惧される状況であります。
 特に本町は、交通の要衝にあることから、通過車両に起因する交通事故や犯罪発生が心配されているところであります。
 このため、町民の皆さんが不安のない生活を過ごしていただくために、安全で安心できる地域づくりを積極的に推進していかなければならないと考えており、これら犯罪や交通事故等の防止を図るために、生活環境整備をはじめ、生活安全推進協議会や関係機関・団体との十分な連携と、ボランティアで活動されている方々や、子ども110番の家、110番協力タクシーなどのご協力をいただき、更に町内会や各事業所のご理解とご協力をいただき、町民皆さんの自主的活動を促進してまいります。
 また、防犯や安全意識を高めるために、防犯講習会や交通安全教室を開催し、情報の提供や正しい知識の普及・啓蒙活動を積極的に取り組み、誰もが安全で安心して暮らせる地域社会を築き、高齢者や子どもを犯罪や交通事故から守ってまいりたいと考えております。さらに、多様化する事件や事故を防止するためには、町民一人ひとりの主体性が不可欠であり、地域に根ざした運動の輪を広げていくことが肝要と考えており、各種運動の牽引的な役割を担う交通安全協会、防犯協会並びに交通安全推進委員会を再編成し、より積極的かつ効率的な運動を推進してまいります。
 現代社会において消費者を取り巻く環境は、経済社会の国際化やサービス化、情報通信技術の発展に伴う新たな取引方法の出現などにより大きく変化しており、新たな商品の開発や販売方法の多様化を促し、消費者の選択の幅を広げることになりましたが、同時に、事業者による販売方法の巧妙化や悪質化の傾向が進み、消費者問題を一層複雑なものにしております。
 このように、複雑・多様化する消費社会の中で、商品やサービスなど、消費生活をめぐるトラブルは年々増加の傾向にあり、相談件数も増加しております。また、近年発生している振り込め詐欺事件は、極めて組織的で悪質な手口が明らかになっておりますが、これらの悪質詐欺の被害を未然に防止するため、啓発活動や情報提供などにより、町民への防止対策を徹底するとともに、相談業務をとおして消費者個々の悩みなどに応じてまいりたいと考えており、消費生活相談員の養成を図るとともに、清水消費者協会につきましても、設立から10年を経過し、この間、食の安全や環境問題、女性の社会参加など幅広い分野で活躍され、地域社会に大きな役割を果たしており、本年度も、同団体に対し、積極的な支援を行ってまいります。

◎暮らしと産業を広げる道路・交通・通信
 交通量の増加及び大型車輸送の増大への対応と歩行者の安全を図るため、国費・道費による道路整備につきまして、積極的に要望してまいります。
 国費事業の国道38号では、舗装・植樹維持、側溝・橋梁補修工事、国道274号では交通安全対策として、清水市街歩道拡幅、清和交差点改良工事を始め、道路補修等合わせて8事業の実施が予定されております。また、道費事業につきましては、道々忠別清水線の讃岐地区では道路拡幅工事、人舞地区では防雪柵設置工事、道々清水大樹線においては、線形変更に伴う用地補償など5事業が予定されております。
 さらに、町道の整備につきましては、中心市街地の歩道美化改修に努めるとともに、除雪対策につきましても、安全で安心して快適な生活ができるよう町民の協力を得ながら生活道路の確保のため除排雪を進めてまいります。
 また、北海道横断自動車道「夕張~清水」間につきましては、昨年10月全線着工に伴い、通年で工事が進められることとなり、完成後の長期的な経済効果を期待しているところであります。   
 今後、更に早期完成に向けて、引き続き、関係自治体とともに要請活動を続けてまいります。

誰もが健康で安心して暮らせる福祉のまちづくり
 子どもからお年寄りまで、誰もが安心して暮らせる福祉・保健・医療の充実と、共に支え合い喜びあえるまちづくりを目指します。

◎誰もが健康で暮らせる保健・医療
 町民一人ひとりが生涯をとおして健康で暮らせるために、主体的に健康づくりに取り組むことを支援する中で、地域との連携を深め、二次予防に加えて、健康を増進し、疾病を予防する一次予防を重視した保健指導に力を入れてまいります。
 また、母子保健についても、妊婦、出産、乳幼児期に合わせた健診、相談、健康教育をとおして育児支援を行うとともに、子どもを安心して生み育てるための環境を整えてまいります。

◎誰もが安心して暮らせる福祉
 福祉をより身近なものとして、地域住民同士がつながりをもち、思いやりを持って共に支え合い助け合い、心の響きあう地域福祉を進めるため、必要な支援や環境を整えてまいります。
 また、障害者福祉につきましては、支援費制度の定着が図られてきておりますが、国におきましては、障害者の自立支援に向けた新たな制度の導入が検討されておりますので、推移を見極めながら対応してまいります。
 児童福祉につきましては、少子化対策の一環として、また、次代を担う児童の健全育成のためにも益々重要であると考えております。
 一昨年、国において「次世代育成支援対策推進法」が成立し、すべての市町村において「市町村行動計画」の策定が義務付けられたところであります。
 本町といたしましても「次世代育成支援行動計画」を策定したところであり、平成17年度よりこの計画を基本として、必要な子育ての支援を行ってまいりますとともに、本年度より保育所と小学校の滑らかな接続を目指し、双方の職員が授業参観や保育参観をとおして、それぞれが目指す子供像に対する研修交流を行い、幼稚園・保育所・小学校の連携に取り組んでまいります。
 また、へき地保育所につきましては、近年、入所児童数が年々減少し、将来的にも増加が期待できない状況にあり、集団生活で培われる本来の保育効果が懸念されてきておりますので、平成15年よりへき地保育所の再編成に向けて、父母の会や地域との協議を進めてきているところであります。
 その結果、松沢保育所、美蔓保育所並びに下佐幌保育所につきましては、本年3月末日をもって閉所するところとなり、熊牛保育所を除く他のへき地保育所の閉所につきましても、引き続き、父母の会や地域との協議を進めてまいります。
 労働行政につきましては、関係機関、各事業所との連携を一層深めるとともに、季節労働者対策につきましても、関係者、各団体と協議しながら就労対策事業の充実に努めてまいります。

◎健全な運営で共に支え合う社会保障
 国民健康保険事業につきましては、長引く経済の低迷による保険税徴収率の伸び悩みに加え、低所得者や年金生活者、高齢者の加入割合が年々高まるなど、課税客体が減少する傾向にあり、一方で、新たな国の三位一体改革による定率国庫負担率の低下の影響が心配されております。さらに、保険給付の支出や町の財政負担の増加など構造的に極めて脆弱な財政基盤の中で、非常に厳しい事業運営を行っているところであります。
 本年度の保険給付費につきましては、過去の医療費の推移及び平成15年度から進めております医療制度の改正等を勘案し、一般財源化された保険基盤安定繰入金及び財政安定化支援事業などのほか、一般会計と基金からの繰入金により、被保険者の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。また、保険運営上の課題や問題点となっております保険財政基盤の安定につきましては、医療費の適正化及び保険税収納率の向上対策を更に積極的に取り組み、事業運営の健全化に努力するとともに、北海道町村会をとおして、国庫負担による財政支援措置の一層の充実を国に要請してまいります。
 また、介護保険事業につきましては、「清水町介護保険事業計画第3期計画」の見直し年次を迎えますので、制度改革に適切に対応しながら、今後取り組むべき介護サービスと到達すべき目標を定めた、新たな計画の策定を進めてまいります。

一人ひとりがいきいきと輝く創造性豊かなまちづくり
 いつの時代にあっても国家百年の大計は教育にあります。
 21世紀に生きる子どもたちが夢や希望をもって学び、豊かな心と創造性に富むたくましい人間に育てていくことは、私たちの願いであり、使命でもあります。

◎豊かな心と個性を育む教育
 義務教育につきましては、長い歴史と伝統の中で優れた教育実践と大きな成果を挙げてまいりました複式校が姿を消し、小学校2校、中学校2校の4校で新しくスタートすることになりました。
 それぞれの学校では、地域に根ざした特色ある教育活動を展開し、開かれた学校づくりのための具体的な取り組みを進めておりますが、更に充実した教育活動が展開できるよう、より一層教育委員会との連携を密にしてまいります。
 また、複式校の実績を受け継ぎ、その良さを取り入れ「統合して良かった」と言われるような学校づくりのため、清水小学校で実施している少人数学級を継続するとともに、昨年から検討を進めておりました幼稚園や保育所と小学校との連携を具体化し、きめ細かな学びの環境づくりを推進してまいります。
 なお、松沢小学校、熊牛小学校並びに下佐幌小学校の3校の閉校後の活用につきましては、引き続き地域の皆さんのご意見を伺いながら、庁内に設置しました閉校施設等活用検討委員会で検討してまいります。
 幼稚園教育につきましては、本年度も経営方針を「愛のあふれる幼稚園」とし、幼児の特性と発達段階を踏まえ、保護者や地域の協力を得て特色ある教育課程を編成し、幼児一人ひとりの個性の伸長と豊かな心の育成を図る幼児教育に努めてまいります。  
 また、本年度より幼稚園と小学校の滑らかな接続を目指し、双方の職員が授業参観や保育参観を通して、それぞれが目指す子供像に対する研修交流を行い、幼稚園・保育所・小学校の連携に取り組んでまいります。
 給食業務につきましては、本年度より各学校の希望する食数に応じ提供するとともに、工夫を凝らした給食と安全・安心な食材の調達を図るため、地場産品の活用に努めてまいります。
 スクールバスの運行につきましては、複式校の統合により、2路線を増設して乗車時間の短縮に努めるとともに、老朽化したスクールバス1台を廃車し、町民バス2台のうち1台を充て運行してまいります。
 清水高等学校につきましては、総合学科として9年目を迎え、特色ある教育活動を展開しており、今や総合学科の先進校として多くの視察者を迎えております。また、第54回全国高校スケート・アイスホッケー競技選手権準優勝、第57回全道高校スケート・アイスホッケー競技選手権優勝のアイスホッケー部を始め、各部活動においてもすばらしい活躍をしており、管内、管外からの入学希望者も多くなり、高校振興会とより連携を図りながら高等学校の更なる充実発展に向け、積極的に支援をしてまいります。

◎いきいきと学びあえる社会の実現
 町民一人ひとりが生きがいを見つけ、充実した生活を過ごせるよう支援するため、生涯をとおして学習できる環境を模索してまいります。
 町民が、芸術や文化をとおして豊かな人生を送ることができるよう、さまざまな学習機会の提供に努めるとともに、心身の健康増進につながるスポーツ・レクリェーション活動への参加を促し、諸活動の充実に努めてまいります。

◎共に理解し、ふれあう活動
 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のさまざまな分野における活動に参画する機会が確保され、その個性が十分に発揮できるよう、環境や制度の整備に努めてまいります。

新たな時代に対応した産業のまちづくり
 恵まれた大地と、新たな知恵・技術・情報を生かした安全で良質な農畜産物を生み出す農業と農産工業の振興を進めるとともに、地域に根ざした商工業の振興と美しい自然環境を生かした観光・レクリェーションの推進を図ります。
 また、産業の連携を深めながら活力のあるまちづくりを進めてまいりますとともに、本年度は、地域資源を活かした経済活性化戦略を樹立するため、プロジェクトにより調査・研究を進めてまいります。

◎魅力的で活力ある農業
 清水町の農業は、平成時代に入り、農産物自由化に伴う価格の低迷による経営不振や後継者不足、高齢化による労働力不足等から多数の離農が出るなど、農家戸数の減少も進んできた経過がありますが、近年は、後継者や農業生産も安定的に確保されている状況にあります。
 特に、農業生産におきましては、平成14年・15年と2年連続して、180億円台が確保されたのに続き、昨年は、史上最高の190億円以上が確保されるなど、順調に経過しております。
 また、国の農業政策は、平成11年度に制定された食料・農業・農村基本計画が6年ぶりに改正され、農業構造改革や食の安全、環境との調和、品目横断的経営安定化政策、施策の担い手集中化など、農業改革の方針が強く打ち出されてきております。
 このような状況の中、本町農業は、今後も食料の安定供給と関連産業が地域経済や社会を支えていく重要な産業として位置付けられるとともに、これまで以上に安全で良質な農畜産物の生産確保や農村のもつ、環境保全をはじめとする多面的機能も評価された中で発展していかなければならない大切な役割を担っております。
 本年度の重要政策といたしましては、食の安全・安心推進事業の継続実施により、地元商工業者や消費者及び農業者との連携を深め、地産地消を一層推進するとともに、清水町クリーン農畜産物認証制度を設け、クリーン農畜産物の地域ブランド化を推進してまいります。
 さらに、農業用廃プラスチックの回収処理や地下水の硝酸性窒素汚染防止対策など、農業環境保全対策にも力を入れてまいりたいと考えております。
 また、本年度から、平成20年度までの4年間にわたり、畜産担い手育成総合整備事業を実施し、約500ヘクタールの草地整備改良を中心に畜舎整備なども行い、本町酪農生産基盤の再整備を行う予定であります。更に家畜糞尿処理の簡易シート対応農家を対象とした、堆肥舎整備等の支援を、引き続き実施してまいります。
 一昨年発生が確認されたジャガイモシストセンチュウの蔓延防止など、植物防疫や各種の家畜伝染性病の発生防止に、引き続き万全な防疫体制で取り組みたいと考えております。
 町営育成牧場運営につきましては、乳牛育成期におけるコスト低減や労働力の軽減など、酪農経営の補完施設として大きな役割を果たしてきておりますが、今後も経営の大型化に伴いその重要性がますます増大される状況にあります。
 本年度は、夏期放牧利用が2,160頭、冬期舎飼利用が790頭といずれも過去最高の受け入れを予定しており、今後とも防疫体制を更に強化し、預託者が安心して利用できるよう、より一層充実した体制で管理運営を行なってまいります。
 次に、農業農村整備事業につきましては、農業の生産性向上を図るため、国営事業美蔓(一期)地区畑地かんがい事業において、熊牛地区の排水路工事を進めてまいりますとともに道営事業につきましても、熊牛中地区の1路線の道路整備を進めるとともに、営農用水工事では、配水池、混和池を建設し、上流部より順次、配水管の布設と併せて畑地かんがい用水の管路も布設していく予定であります。
 なお、給水開始につきましては、現在の予算及び工事の進捗状況から見て平成18年度後半に一部地区での給水が可能となり、平成20年度には、全区域に供給できる予定であります。さらに、下美蔓地区の営農用水事業につきましては、実施設計に向けての測量調査を実施する予定であります。
 また、平成16年度から御影地区畑総事業により整備した施設の維持管理につきましても、引き続き、万全の体制で推進してまいりますとともに、農業基盤整備事業(農道整備)につきましても、継続1路線(羽帯地区)について実施してまいります。

◎恵まれた自然を生かした林業
 林業につきましては、森林のもつ多様な機能がこれまでにも増して重要視されてきており、地球温暖化や環境破壊に対処するため、より適正な森林管理が求められてきております。このため、町有林関係では、本町の森林施業計画に沿って適正な管理のもと継続的な整備保全を進めてまいります。また、本年度から廃止となります日勝スキー場の跡地利用につきましては、「町民レクリェーションの森」と位置付け、誰もが手軽に楽しめる健康づくりや体験学習の場として整備を進めてまいります。
 また、民有林事業につきましても、造林・間伐事業等の支援を続けてまいりますとともに、森林整備地域活動支援事業につきましても、継続して実施し、町全体が緑豊かな町となるよう努力してまいります。

◎消費者ニーズに即した商工業
 私たちを取り巻く経済環境は、個人消費の低迷、過疎化、価格競争の激化など、課題が山積しております。
 特に、本町におきましては、大型店の出店、生活者の消費購買行動の変化により購買力が町外に流出しており、また、公共工事の縮減等の問題は、先行き不透明な状況にあり、依然として、商工業者にとって極めて厳しい現状が続いております。
 このような時代こそ、消費者ニーズを的確に把握し、消費者に信頼され、親しまれる店舗にするために商業者の皆さんが知恵を出し合い、顧客のニーズに合わせた、きめ細かいサービスを展開することが大切と考えております。
 町といたしましても、こうした状況を打開するためにも商工会とより一層連携を図り、地域内の消費購買を喚起し、販売促進事業として実施されているプレミア商品券販売事業に対し、引き続き支援を行うとともに、新たに実施される共同クーポン発行事業に対しても支援をしてまいります。

◎自然を満喫する観光・レクリェーション
 本町の観光につきましては、日勝峠を核とした自然環境・農業・第九の町としての地域文化を基調として、各観光施設との有機的な連携を図りながら各イベントを開催し、地域の活性化に努めてまいりました。
 近年、本町でも、豊かな自然や農業、文化や地域特性を生かした農村体験観光が注目されてきており、昨年度から連携事業を進めている札幌国際大学と十勝支庁の協力を得て本年度においても、農村体験を軸とした本町のグリーンツーリズムによる地域活性化に努めてまいります。
 また、地域のイメージアップ、町内外から参加者の誘客を見込み、毎年観光イベントを開催しておりますが、本年も引き続き、各イベントの充実に向け、観光協会並びに商工会等と連携・協力して町民の皆さんが積極的に参加し、楽しんでいただけるようなイベントを企画してまいりたいと考えております。

みんなで創る協働のまちづくり

◎町民主役のまちづくり
 まちづくりの主役は、そこに住む住民であり、住んでいることに愛着や誇りを持つことによって個性豊かなまちづくりが実現するものと考えております。
 今日の地域を取り巻く状況は、少子高齢化の進行とともに、核家族化が進み、介護問題をはじめ、児童虐待や青少年犯罪の多発、地球規模に及ぶ環境汚染や破壊など、多岐・多様にわたって、問題が指摘されているところであります。
 特に、町民の皆さんの身近な問題を解決する方法として、町内の地域毎に取り組んでいただく仕組みづくりや、町民の皆さんが主体的に参画する、町民主役のまちづくりが求められている中で、町民の皆さんと行政が、共にまちづくりのことを考え、行動に結びつけていかなければならないと考えており、引き続き、町づくり推進協議会や地域住民団体等に対して、積極的に支援するとともに、個性豊かで魅力ある地域社会の創出に向け、誰もが住みやすく、住んでよかったと実感していただけるようなまちづくりに努力してまいります。
 特に、本年度は、まちづくり組織の改革につきまして、調査・検討を進めてまいります。

◎効率的な行政運営と健全財政のまちづくり
行財政改革につきましては、清水町行財政改革推進計画と行財
政健全化実行プランを更に強力に進めてまいります。
各種公共料金につきましては、本年度、一部手数料並びに各種
検診料につきまして、町民の皆さんのご理解をいただき、新設、改正させていただいたところでありますが、今後も社会情勢と財政運営を見極めながら適切な時期に改定を行なってまいりたいと考えております。
 町税のうち町民税につきましては、史上最高の豊作に恵まれ、昨年の農業所得を上回る見込みであり、また、税制改正による増税もあり、3.5パーセントの増を見込んでいるところであります。
 また、固定資産税につきましても、土地・家屋において住宅用地の負担調整による増、家屋の新築等の件数増もあり、昨年より1.6パーセントの増額を見込んでいるところであります。
 更に、収納事務につきましては、自主財源の安定的な確保のため、収納率向上により一層の努力をしてまいりますとともに本年度は、町税等の滞納に対する特別措置に関する条例について検討し制定に向け取り組んでまいりたいと考えています。

◎広域と連携したまちづくり
 地方分権時代のまちづくりには、これまで以上に行政が積極的に情報を公開し、町民参加による協働のまちづくりを進めていくことが一層重要となっております。
 このため「清水町まちづくり基本条例」に沿った、透明でわかりやすい町政運営を一歩一歩、着実に進めてまいります。
 市町村合併につきましては、本年4月より「市町村の合併特例等に関する法律」(合併新法)が施行され、総務大臣が、市町村の合併を推進するための基本指針を策定し、これに基づき、道が構想を策定することになっております。
 また、道は道州制特区を推進する過程で、大幅な権限移譲に向けて市町村との協議を本年度から本格的に進めることとしています。
 これらの動きの中で、今後は基礎自治体のあるべき姿や、広域行政の可能性について議論が活発化してきますので、近隣町村や十勝町村会との連携を密にし、将来の清水町をどのように描いていくことが町民の皆さんの幸せにつながるのか、町民の皆さんや議員の皆さんとともに、今後の方策を探ってまいりたいと考えております。

Ⅳむすび

以上、平成17年度の町政執行に臨む所信を申し述べさせてい
ただきました。
申すまでもなく、地方は、大きな変革の時代に突入し、これか
ら進めるべき道のりには、幾多の課題が待ち受けているものと思います。しかし、このような時にこそ、地方自治・住民自治の本旨に沿って、ふるさと再生に努力をしなければならないと考えます。そのために、職員とともに、町民から託されました本年度の町政執行に全力を傾注してまいる所存であります。
 議員各位並びに町民皆さんの更なるご支援とご協力をお願い
申し上げ、私の町政執行方針といたします。


  平成17年3月11日


             清水町長 高 薄   渡


◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇

○議長(田中勝男) 暫時休憩します。       (午前11時08分)

○議長(田中勝男) 休憩前に引続き会議を開きます。(午前11時20分)

◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇