飲用井戸水の水質検査の結果概要と今後の対策について

令和2年10月より実施しました町内の飲用井戸水の水質検査の結果概要と今後の対策についてお知らせします。

水質検査実施結果の概要
(1)水質検査実施数
  • 令和2年10月14日、15日:49検体
  • 令和2年10月28日~令和3年3月31日:220検体
(2)水質基準を超過した件数
  • 亜硝酸態窒素と硝酸態窒素の合計値:17件(11~19mg/L)※うち2件は同一水源
  • 亜硝酸態窒素:2件(0.11~0.15mg/L)
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
検査数 超過件数 超過率(%) 検査数値(mg/L) 基準値(mg/L) 備考
清水町 269 17 6.3 11~19 10
北海道 9528 546 5.7 10 (参考)北海道HPより
十勝 1452 48 3.3 10 (参考)北海道HPより
全国 2954 85 2.9 10 (参考)環境省HPより
亜硝酸態窒素
検査数 超過件数 超過率(%) 検査数値(mg/L) 基準値(mg/L) 備考
清水町 269 2 0.7 0.11~0.15 0.04

検査数全体から出される超過率は7.1%であり、平成19年度に本町が実施した158検体の超過率13.3%と比較すると半減しているが、北海道及び全国と比較すると、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の超過率は高い状況です。

超過地点の分布

水質検査については、町内全域を対象とし、給水区域においても、井戸水を飲用に利用している世帯や事業所ついても水質検査を行った。

水質検査の実施地点については、未給水区域である字旭山、字御影、字羽帯、字清水(一部)が多く、水質検査件数に比例して水道水の水質基準が超過する地点も多くなる傾向はありますが、連担し検出している地域的な偏りは顕著には見られませんでした。

亜硝酸態窒素が検出された水源の現地調査について

亜硝酸態窒素が水質基準を超過した2ヵ所について、十勝総合振興局(保健環境部環境生活課)、清水町(町民生活課、水道課)で、所有者から聞き取りと水源周辺の現地確認など、十勝総合振興局を通じ「地方独立行政法人 北海道立総合研究機構」のアドバイスを受け、現地調査を実施しました。

現地調査に先立ち、それぞれの水道施設敷設事業者から、井戸の構造や掘削時の状況などについて聞き取りをしたうえで、井戸の周辺に汚染原因となる家畜ふん尿や生活排水などの状況について調査を実施しました。

現地調査の結果、井戸周辺には家畜ふん尿の堆積や、生活排水などの影響はなく、過去の土地利用状況についても、汚染原因となるものはないと確認しました。

これらのことから、亜硝酸態窒素が水道水の水質基準を超過した原因は、井戸内部の酸素が少ないなどの条件下で微生物の活動の影響により、硝酸態窒素の一部が亜硝酸態窒素に変化したものと推測されます。

また、地下水脈の亜硝酸態窒素の汚染の可能性については、亜硝酸態窒素は不安定な物質のため水脈として存在することはなく、面的な汚染が広がっていることはないと考えられます。

今後の対策について
(1)農業についての対策

町内の酪農を含めた農業の生産高は300億円を超え、本町における経済の基盤は農業であり、今後も町の域内総生
産の柱として酪農を含めた農業全体の振興について充実していく必要があります。
地下水の汚染対策は平成10年ことから課題となり、平成12年度に「清水町農村環境整備推進協議会」が設立され、
家畜堆肥を有効に活用した畑地還元と化学肥料の減肥による環境に配慮したクリーン農業を目指して取り組んできました。

今後においても、「北海道施肥ガイド」に基づいた適正な土壌管理について、清水町地域農業再生協議会が引き続

き、JA十勝清水町など関係団体とともに推進していきます。

令和3年度以降は、町とJA十勝清水町が連携して土壌分析を農業者の負担なく実施し、土壌分析の結果に基づい

た施肥設計により作物に必要な養分の適正量を補正する施肥を行い、自然の摂理の範囲内での営農を目指した質の高

い資源循環型農業を推進していきます。

(2)生活排水についての対策
下水道区域外の生活排水の処理については、合併浄化槽の設置についての補助制度を活用し、浄化槽の設置を促進

していくことで汚染源とならないよう対策を講じている。今後においても補助制度を継続して住民生活の衛生環境の

確保と土壌汚染対策を進めていきます。

(3)未給水区域の解消について

本町における給水施設の整備については、未給水区域の解消に向け、北海道と協議を始めており、安全な飲用水の

提供環境の構築を目指して取り組みを進めています。

給水施設の整備がされるまでの期間については、未給水区域を対象とした浄水器の助成制度を活用し、浄水器の設

置経費について上限を50万円とする5割補助を継続し、設置にかかる負担を軽減していきます。

飲用井戸の管理について

飲用井戸等衛生対策要領(厚生省)及び北海道飲用井戸等衛生対策要領に、飲用井戸の設置者は、飲用井戸の清潔保持や定期点検と、定期及び臨時の水質検査を実施することとされている。

個人の飲用井戸の「一般水質検査項目」については、1年以内ごとに1回、次の項目の水質検査を実施することが望ましいとされています。

<検査項目>

一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物(全有機炭素(TOC)の量)

pH値、味、臭気、色度、濁度

検査により水道水の基準に適合せず、浄水器の設置までの機関において飲用水の確保が難しい場合は、町が飲用水の確保について支援を行います。

清水町の水について

清水町の給水設備の水源は、清水市街地については十勝川水系佐幌川支流小林川の伏流水、その他の水道施設(御影、熊牛、美蔓、下美蔓)については深井戸を原水として供給しています。

清水町の水の特徴として、清水第1及び第2浄水場については、小林川の上流から取水しているので、不純物が少なく清らかな水であり、大雨が降っても濁りにくい。また、他の水源を含め浄水のpH値は6.8~7.4の中性付近で理想的な数値の範囲内です。硬度は11~30程度の軟水であり、特に清水浄水場の硬度は11は北海道が全国9位の中で道内3位の超軟水(出展:浄水場別硬度ランキング)です。

ペケレベツ川の支流や御影川などでは、澄んだ川にしか生息しないというニホンザリガニが生息していることが清水高校と酪農学園大学の連携調査事業により確認され、硝酸態窒素、電気伝導度、溶存酸素量などの調査値は、環境基準値を下回り「きれいな水」であることが確認されています。

旧厚生省では昭和60年に、おいしい水研究会を設置し、7項目の基準を設定しており、平成25年2月(一般社団法人)北海道薬剤師会公衆衛生検査センターによる分析結果において、清水浄水場、御影簡易水道の原水、浄水はともに「おいしい水の要件」を満たした「おいしい水」です。

この情報に関するお問い合わせ先
町民生活課 電話番号:0156-62-1151