ひとだまとキツネ

するとどうでしょう。

キツネが根ぐされした木の株をくわえて遊んでいるのが見えました。

「ほら、見てみろ。
 ひとだまなわけねえべ。わかったか?」

久人は、ひとだまじゃなくて残念だと思いながらも、少しホッとしました。

「ゆうれいもひとだまも全部、人の思い過ごしだったなぁ。
 そんなもん、あるわけないべさぁ!」