ひとだまとキツネ

すっかり疲れ果てた久人は、山奥に向かってこう言いました。

「おーい!魚が欲しいんならあげるよ。
 えさが欲しくて人をだますのかい?

そんなことしたらきらわれるのに。
魚はやるからもう家に帰してくれ」

とうとう久人はその場にすわりこみました。