○議長(加来良明) 日程第6、教育行政執行方針について。
教育長より令和2年度教育執行方針を述べていただきます。
教育長。
○教育長(三澤吏佐子)
I はじめに
令和2年第1回清水町議会定例会の開会にあたり、新年度の清水町教育委員会所管行政に関する主要な方針について、議員各位と町民の皆様に概要を申し上げます。
今日の人口減少や少子高齢化をはじめ、グローパル化、高度情報化が進展する社会において、本町の未来を託す人材育成が必要であり、教育行政の果たす役割は一層重要になっております。
清水町教育委員会といたしましては、教育理念を「心響」、実践指標を"しみず「教育の四季」"とし、家庭・学校・地域が一体となって、将来の地域を担う人材を育成するため「心かよわせ、互いに響き合う感性豊かな教育」を推進してまいります。
また、文化の町・スポーツの町を自負する清水町の町民の潜在的教育力を学校教育へ還元することによって、子どもは大人から生きる力を感得し、大人は子どもから活力や生き甲斐を得る「異世代交流による循環型教育」を推進するため、学校教育、社会教育がそれぞれの教育機能を発揮し、調和と連携を図りながら、一体となって
取り組んでまいります。
さらに、「清水町教育大綱」に基づいた総合教育会議における町長との協議・調整により、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、町長部局と緊密な連携を図ってまいります。
Ⅱ 学校教育の推進
新学習指導要領においては、将来を見据えた子どもたちの「生きる力」を具体化するため、各教科等の教育内容について横断的な視点から学習内容を充実することが求められており、教育課程の実施に必要な体制を確保し、組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を目指すとともに、「地域とともにある学校づくり」を進めるため、「しみず教育の四季」の実践を基軸としたコミュニティ・スクールの充実を図るとともに、清水町の現状を自分ごととして見つめ、歴史や文化、産業などを体験的に学ぶことにより、地域に誇りを持ち生涯を通して故郷清水町とつながる子どもの育成を目指した「十勝清水学」を推進してまいります。
また、引き続き修学旅行費等の保護者負担の軽減を図るとともに、小学校における少人数学級指導教諭の配置により、きめ細やかな教育の充実に取り組んでまいります。
1 確かな学力の育成
小学校においては、令和2年度から新学習指導要領が全面実施されることに伴い、5年生以上が「外国語活動」から「外国語科」として教科となることから、引き続きA E T (英語指導助手) 2名と英語活動講師を配置し、外国語指導の充実に努めるとともに、Society5.0 時代を生きる子どもたちに必要な先進的教育を行うため、文部科学省が推進するGIGAスクール構想についても検討してまいります。
中学校においては、一人1台のタブレット型コンピュータを配置したIC T環境を最大限に活用して、主体的で対話的な深い学びを実践し、AI時代に対応したIC T教育を推進してまいります。
また、分かりやすい授業を展開するために、教職員の授業力の向上に向けて校内外の研修体制の充実や指導方法の工夫改善に努めてまいります。
学力向上につきましては、全国学力・学習状況調査で明らかになった成果や課題を踏まえ、学力向上のための取組方針を作成し、各学校における指導充実の視点と、家庭での実践例を示し、学校と家庭が連携して学習習慣の定着や生活習慣の確立を目指してまいります。
2 豊かな心と健やかな体を育む教育の推進
子どもたちが基本的な生活習慣を身に付け、規範意識を高めるとともに、思いやりのある豊かな心を育むため、発達の段階に応じた様々な体験活動を通して、社会性を育んでまいります。
また、いじめについては、未然防止、早期発見、早期対応に努め、道徳教育をはじめとして全ての教育活動において子どもたちの発達段階に応じた規範意識や倫理感を育む活動を、家庭・学校・地域とともに推進してまいります。
児童生徒の不登校については、その要因が様々であることから、学校・家庭・スクールソーシヤルワーカー等の関係機関が連携して情報を共有することにより、不登校の発生予防やその解消に努めてまいります。
子どもたちが楽しく健康的に日々の活動を行うため、その源となる体力の向上、健康の増進については、学校の教育活動全体での指導と合わせて家庭や地域との連携を図ってまいります。
3 子どもの安心・安全教育の推進
児童生徒の安心・安全な学習・生活環境を確保するため、登下校時における通学路等のパトロールボランティアの協力を得て、保護者や地域ぐるみの取組を推進してまいります。
また、災害の実体験を踏まえた防災教育や、低年齢化する情報機器の所持に対応した情報モラル教育につきましでも、実態に即した指導を家庭、学校と連携して進めてまいります。
4 特別支援教育の推進
生涯にわたって切れ目のない支援を目指した清水町障がい福祉計画に基づき関係機関との連携を推進するとともに、特別な教育的支援を必要とする児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導に努め、特別支援教育支援員の配置などにより支援の充実を図ってまいります。
5 幼保小中の連携の推進
保育所・幼稚園から小学校へ進む子ど也たちがいきいきと成長できるよう「保育」と「教育」の違いを踏まえた滑らかな接続を進めるため、幼児と児童の交流活動や保育士など関係者の連携した取組を実施するとともに、保育活動と教育活動の連続性を踏まえた教育の工夫、改善を推進してまいります。
また、小学校から中学校への学びの接続や専門性の高いわかりやすい授業を展開するため、これまでの小中連携の取組を更に進めて、義務教育の9年間を見通した小中一貫教育の具体的な調査研究を進めるとともに、実現に向けて学校と協議してまいります。
6 清水高等学校の振興
総合学科先進校として特色ある教育活動を展開しております清水高等学校との連携を深めるとともに、「魅力ある清水高校」に向けて関係団体への支援を拡充し、清水高校の魅力を発信するとともに、御影地区から通う生徒の交通費の負担を軽減するため、無料バスを運行してまいります。
Ⅲ バスの運行及び学校給食の運営方針
1 スクールバス等の運行
スクールバスにつきましては、全路線を運行委託しますが、委託業者とも連携を図りながら、引き続き遠距離児童・生徒の通学手段として安全・安心な運行に努めてまいります。
2 学校給食の推進
学校給食につきましては、清水町の食材を多く取り入れた「十勝清水恵みの給食週間」を、これまでの年1回5日聞から、年4回20日間に増やし、子どもたちが食に興味や関心を高められる食育活動を進めてまいります。
また、徹底した衛生管理や品質管理、安全確保を図り、何よりも安心・安全で美味しい学校給食の提供に努めてまいります。
Ⅳ 社会教育の充実
町民1人ひとりが生きがいを持ち、潤いのある心豊かな生活を送るため、自主的・主体的に学び続けられる環境の整備に努め、学びの成果が地域づくりに活かされるよう、人間性豊かな人材の育成を推進してまいります。
また、第9次となる社会教育計画を策定してまいります。
1 社会教育活動の推進
各種活動団体の情報を発信し、団体活動の活性化を図るとともに、郷土の歴史を学ぶ公民館講座の実施など、多様なニーズを捉えた学習の機会を提供してまいります。
公民館につきましては、町民の皆様が気軽に利用していただける社会教育活動の拠点として、その運営に努めます。
また、昨年度から導入しましたコミュニティ・スクールにおいても、社会教育と学校教育の連携・協働をより一層図ってまいります。
2 文化芸術活動の推進
文化芸術活動は、人々が心豊かで質の高い生活を送り、活力ある地域づくりを実現するために極めて重要なものであります。
子どもから大人までより多くの町民の皆様が、文化芸術に親しみ、活発な活動ができる環境づくりを進めるとともに、優れた文化芸術に触れる機会を提供し、地域に誇りを持てる文化を、次世代につなげてまいります。
3 スポーツ・レクリエーション活動の推進
心身ともに健康で充実した生活を送るためにも、各年代やそれぞれの体力に適した「町民一人1スポーツ」を目指し、スポーツ推進委員並びに関係機関の協力を得て、ニュースポーツなどの普及に取り組むとともに、アイスアリーナや体育施設等の指定管理者と緊密に連携し、スポーツの振興と町民の皆様の健康づくりを推進してまいります。
また、小中学生スポーツ活動送迎事業を継続し、少年団活動や部活動を支援してまいります。
4 図書館の運営
地域の情報の拠点並びに生涯学習を支える施設として、町民の皆様の読書要求や学習意欲に応えられるよう図書資料の充実を図り、提供するとともに、郷土史料館につきましては、郷土の歴史を次世代に伝えていくために、引き続き館内の整備を進めてまいります。
子どもたちの読書活動につきましては、昨年度策定した「子どもの読書活動推進計画」に基づき、学校図書館との連携を深め、移動図書館や本に親しんでもらう環境づくりを推進してまいります。
また、しみず「教育の四季J推進協議会で定めました、毎月19日の「読書の日」の普及や開館30周年を記念した読書普及イベントの実施などにより、「町民のふれあいの場Jとしての図書館を目指してまいります。
V むすび
以上、令和2年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げました。
本年度も本町の教育・文化・スポーツの振興と生涯学習社会の構築に最善の努力を傾けてまいりますので、議員並びに関係各位の温かいご支援と積極的なご協力をお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。
令和2年3月10日
清水町教育委員会教育長 三澤 吏佐子