平成29年第10回定例会会議録(12月14日_日程第1_一般質問 大谷昭宣議員)

○議長(加来良明) 次に、1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 通告に従いまして、議長の許可を得ましたので、質問させていただきます。

 町営育成牧場の現状と来年度の受け入れ態勢について。

 町営育成牧場は、昨年大雨災害による放牧地に大きな被害を受けた。円山地区の夏期放牧ができなかった牛は、北清水の舎飼施設で飼育されたが、その影響と来年度の受け入れ態勢について伺う。

 (1)町営育成牧場の災害復旧事業は、どの程度進んでいるのか。

 (2)夏期放牧を終えて、疾病、繁殖の状況はどうであったのか。

 (3)北清水での舎飼飼育が増えたが、十分な飼料確保はできたのか。

 (4)一部は町外へ委託飼育しているが、その後の成育状況を把握されているのか。

 (5)繁殖管理においては、発情発見が大変難しいと思うが、発情検知機の導入を検討してはどうか。

 (6)来年度の受け入れ態勢はどうなるのか。

 以上、6項目について伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○議長(加来良明) 答弁を求めます。

 町長。

 

○町長(阿部一男) それでは、大谷議員のご質問にお答えさせていただきます。6項目ありましたので、続けてお答えをさせていただきます。

 まず最初に、町営育成牧場の災害復旧事業はどの程度進んでいるかというご質問ですけれども、牧場全体では777.5ヘクタールの面積を管理運営しており、この内、昨年の台風による被災を受けた草地面積は19.57ヘクタールであります。そしてまた、復旧工事などにより150.9ヘクタールの草地が利用できない状況に結果的になってございます。草地以外にも雑用水施設、追込柵、電気柵が被災を受け、復旧工事を進めている現状であります。

 復旧状況でありますけれども、草地復旧工事は12月上旬にすべて完了し、その他の農業用施設も12月中に完了する予定であります。

 今後の草地の活用になりますが、復旧後の草地は植生回復に至っておらず、来年の春先に播種し、1年をとおして維持管理を続け、平成31年から放牧地として活用する予定であります。

 続いて(2)の今年の夏期放牧を終えて、疾病、繁殖の状況の点についてでございますけれども、疾病の発生頭数は平成29年度は477頭、平成28年度が474頭、平成27年度が513頭で、今年は例年と大きな差がない状況であります。

 疾病内容につきましては、昨年は台風が多く天候不調で蹄病、爪ですね、116頭、肺炎27頭で、発生比率が高い状況でありましたけれども、本年につきましては蹄病47頭、肺炎16頭でほぼ例年並みの状況でございます。また、繁殖治療件数でありますが、平成29年度は233頭、平成28年度が157頭、平成27年度が200頭で、昨年は災害の影響で繁殖治療ができない状況もあり減少しておりましたが、今年は例年と大差がない状況であります。今後も巡回により牛の状況を監視し、疾病牛の発見及び適期繁殖に努めてまいります。

 次に(3)北清水での舎飼飼育が増えたが、十分な粗飼料は確保できたのかのご質問の回答でございます。

 被災により利用できない草地はすべて放牧地で、630.7ヘクタールのうち先ほども申しましたように150.9ヘクタールになりますが、採草地146.8ヘクタールには被災がないことから、牧草の収穫量は例年並みで今年は確保できたところでございます。しかし、被災した放牧地の影響により、約500頭を北清水で夏期舎飼での育成をしておりますので、必要な粗飼料約1,290tは購入により対応をしてきたところでございます。来年も被災した放牧地の利用が望めないことから、今年と同様に夏期舎飼を予定しておりますので、採草地として可能な限り牧草の収穫を行い、少しでも多くの飼料確保に努めてまいります。

 次に(4)一部町外への委託飼育についてのご質問でございます。その後の育成状況を把握しているかというご質問に対する答弁でございます。

 例年は富良野広域連合会公共牧場に委託飼育しておりましたが、いわゆる当町で全部賄えられない部分については、そういうふうなところで委託しておりましたけれども、富良野の広域連合の牧場についても被災を受けているところであり、昨年の台風により被災を受け、町外預託に余裕がないという状況がありましたので、本年は訓子府町、芽室町、標茶町の町営牧場で3戸397頭の委託飼育をお願いをしたところでございます。委託飼育の契約、管理は預託者にお願いをしておりますが、町が事前に各町の牧場管理者と受入条件の打合せを行い、入牧後の管理状況も台帳等で確認をしながら現地視察も行い育成状況の把握を行っているところであります。

 次に(5)繁殖管理において、発情発見が大変難しいと思うが、発情探知機の導入を検討してはについての答弁でございます。

 現在の繁殖管理は巡回により繁殖行動が多い時間帯を重点的に監視しながら、その他の巡回でも繁殖行動の痕跡を1頭ごと目視により確認している状況であります。発情発見については熟練者の確保も必要であり、雇用者の高齢化などから現在の管理方法には将来的に限界があるかなと考えているところであります。

 今後におきましては提案がありました発情探知機の情報を収集し、将来の牧場運営方法、雇用も含めて費用対効果などを考慮しながら考えていきたいと思っているところでございます。

 続きまして(6)来年の受け入れ態勢についてでございます。これの答弁でございますけれども、被災を受けた放牧地は来年度においても、先ほども申しましたように利用が望めないことから、今年同様、夏期舎飼による受け入れを考えてございます。今後は1日も早く通常の牧場運営に戻れるよう維持管理に努めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。

 以上、答弁でございます。

 

○議長(加来良明) 質問を受けます。

 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 1番目の答弁についてですけれども、実際の牧草地の草地面積というのは、19.57ヘクタールということですか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 19.57ヘクタールというのはあくまでも直接被害を受けた面積でございます。災害査定を受けた面積になっております。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 実際に播種を行う面積というのは、150ヘクタールということですか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 播種を行うところは359ヘクタールというかたちになります。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 2番目の答弁についてになりますけれども、疾病、繁殖状況については例年どおりのような感じですけれども、施設などによる事故みたいな疾病というか、事故の状況はどれくらいあるのでしょうか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 事故というものはさほどないのですが、500頭を舎飼したことによって、いちご状皮膚炎というようなものが今年については特別多いような状況、病気が出ているというような感じになっております。ただし、500頭を舎飼しておりますので、趾間ふらんというものについては逆に減っている状況でございます。

 

○議長(加来良明) 大谷昭宣議員。挙手の上、許可を受けてから発言をお願いいたします。

 

○1番(大谷昭宣) すみません。500頭というのは、いつもの冬はそこで舎飼されていると思うのですけれども、500頭というのは過密状態なのでしょうか。いつもそのぐらい入る施設なのでしょうか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 冬期舎飼につきましては、約1,100頭くらい入れております。今回の夏期舎飼につきましては500頭ですので、過密というような状態ではございません。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 3番目の答弁について質問させていただきます。十分な粗飼料が確保できたという答弁でしたけれども、これは今年に限らないのですけれども、最近預託者の方に聞きますと、下牧した牛の状態を聞きますと、見た目に牛の状態があまり良くない、痩せている、サイズ的に一回り小さいと言われております。このようなことは把握されておりますか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) そのような話を過去にはちょっと聞いたことはありますけれども、それがないようなかたちの中で改善をしながら飼育をして今の現状になっていると私は考えております。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) この痩せているとかサイズ的に小さいというのは、根本的に粗飼料の絶対量が不足しているのではないかと酪農家の方々とお話をするわけですけれども、今までの、今年の舎飼した時ばかりではなくて、放牧地の草地の状況はどうなのか。また、草地更新の予定はどうなのかということを伺いたいと思います。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 確かに平成6年、過去の道営事業につきましては、平成6年くらいからしか、かなり昔にやったような現状でございますので、確かに草地につきましては、若干弱っているのかなというのはあります。ただ、それは通常の維持管理の中で簡易更新をしながら、草地については更新をしていっている状況でございます。今後になりますけれども、道営事業で新たに来年、再来年、平成32年着手になりますけれども、当然草地更新は道営事業でやっていく計画になっております。そのほかにも牛舎の建設も行っていくようなかたちで今考えております。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 本当に草地は古くなってきて、良い状況にはないと私たちも思っております。提案ですけれども、これを逆に、今災害により被害が出ている中で難しいと思いますけれども、放牧地への入牧の頭数を制限して、逆に舎飼を増やし、エネルギー化の高いデントコーン飼料を購入してやるようなやり方にしてはどうかと思います。餌を購入するということは経費もかかるということでありますが、その辺のご検討をしていただきたいと思いますけれども、どうでしょう。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 今議員のほうから提案があった案件ですけれども、確かに今回の災害によって500頭の夏期舎飼を行っておりますので、それについては配合飼料だとかそういう購入飼料で対応しておりますけれども、確かにそういう飼い方、飼育の仕方もあるのかなということは多少考えております。特に舎飼で受ける牛については、7か月から14か月の牛を主に舎飼するというような今までの方針もありますので、それから考えると舎飼をしてやっていくというのは可能なのかなということはあると思います。ただし、言われたように今回の500頭もそうなのですけれども、全部購入により対応しています。今の使用料につきましては、1頭について260円いただいておりますけれども、そういうことも含めてその値段では、冬期舎飼は610円になりますので、かなりの差があります。夏期舎飼についてそういうようなかたちで対応していくというのであれば、そういう見直しだとかそういうものについても検討していかなければならないかと思いますけれども、夏期舎飼については今後考えていかなければいけないのかなという気持ちは持っております。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 今年も1,290トン購入しているということでしたけれども、この中身は牧草なのでしょうか。デントコーンなのでしょうか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) これは全部牧草です。ラップロールサイレージと乾燥牧草とグラスサイレージを1,290トン買わせていただいております。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) デントコーン飼料は購入されていないということですけれども、清水町においてデントコーンの収量というのは、大変気候的にも恵まれていて牧草より高いと思います。エネルギー化も高いと思いますので、ぜひデントコーンの購入を考えてはどうかと思います。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 今回、飼料の関係で1,290トン買っておりますが、そのほかにも配合飼料というようなかたちで227トンを一応購入しております。その中でデントコーンの使用はどうかということなのですけれども、そういうものについては当然いろいろ検討して使わないというようなかたちではなくて、今後考えられるものは考えて、採用できるものは採用、牛の育成について一番良いものを考えていければというふうに考えております。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 4番目の答弁について質問させていただきます。

 一部町外へ委託されているのですけれども、私が聞いたところによりますと、委託された方が繁殖管理においてうまくされていなかったという話を聞きました。授精されなければならない牛がされていないとか、そういった引継ぎの問題ではなかったのではないかなと思いますけれども、そういうような話は聞いたことはございますか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 今年は先ほど町長から答弁があったように、南富良野広域連合公共牧場で受け入れができないということで、新たに3町のほうにお願いをしているところでございます。多分昨年の話かなと思うのですけれども、確かに昨年は災害もあったという中で、ほかの公共牧場、昨年も富良野には入っていないのですけれども、富良野で受け入れられないというかたちの中で、新しいところの町村の中と協議をしながら受け入れたという状況がございます。その中で、なかなかうまく管理だとかお互いに連絡を取り合っていなくて預託者の方にうまく伝わらなかっただとか、そういうことが昨年はあったのかなという反省は多少しております。それを踏まえて今年については、その3町とは事前に、事前には前からどこにでも行っているのですけれども、打ち合わせを行いながら、今年については特に視察もして見た中で、うちのほうも十分にそういうふうに管理をしていただいている牧場さんのほうに行って、十分なコミュニケーションを取って預託された方についてもお伝えをするというような考えで今年はやるというかたちで今は進んでいる状況でございますので、よろしくお願いいたします。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 来年度も町外への委託はされると思いますけれども、来年度の委託牧場先というのは決まっていますか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) まだちょっと決まってはいないのですけれども、基本的には先ほどから言った富良野のほうの公共牧場のほうで、災害を受ける前まではそちらのほうにずっとお願いをしていたような状況でございましたので、そこを中心にまた考えていきたいというふうに考えております。ほかに今回も訓子府町さん、芽室町さん、標茶町さんのほうにお世話になっているというかたちの中で、受け入れ条件がいろいろ違いますので、預託者の条件にあったようなものを含めて今後の牧場さんを紹介できればというふうに考えております。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 5番目の発情検知機の導入を検討してはどうかということの答弁について再質問させていただきます。

 発情発見は大変難しく、経験もいるところでありますけれども、ここ数年酪農家の間でも導入が進んでいる発情検知機というものがあります。それは牛に首輪みたいなものをつけまして、個体識別できて活動量を計測するというもので、人の目で発見するより確実に発情発見率が上がると思います。また、職員の方の発情発見の労働軽減にもなると思います。また、最近は預託者も雌雄判別精液を使うなど一般の精液よりは受胎が落ちると言われておりますけれども、そのような効果の精液を使うこともありますので、より発情発見が大事になると思います。それで、ぜひこれを検討していただきたいと思います。提案でありますけれども、費用的にはアンテナとモニターが150万円程度で、一番問題なのが牛個体につける首輪が1頭3万円程度すると言われています。これを全頭につけるとなると多額の費用がかかるということで難しいと思います。預託者に希望を取って、個人負担でタグを購入されて、そういうかたちで検討したらどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 確かに今発情時期を見分けるのは難しい。当然、深夜から早朝にかけてそういう行動が起きるというふうに一般的に言われておりますので、巡回により監視しているのですけれども、1時間くらい早く出て毎日巡回をしている現状ではございますけれども、確かにそういう機械があったほうがいいというのは認知しています。いろいろ調べさせてはもらいましたけれども、議員が言われたように、確かに高い機械になりますので、そこら辺についてもうちの町長のほうから答弁したように今後そういうアンケートも含めて、関係団体とか預託者からいろいろな意見を聞いて、今提案がございました負担をしてもらったらどうかというような話になりますけれども、そういうことも含めて全部を聞いて、可能性があるのであれば前に進めていきたいというふうにも考えておりますし、今後は皆さんのいろいろな意見を聞いて考えていきたいというふうに思っております。

 

○議長(加来良明) 1番、大谷昭宣議員。

 

○1番(大谷昭宣) 酪農家にとって繁殖管理は最も生乳生産にも影響する部分でございますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

 6番の来年度の受け入れ態勢についてですけれども、また今年と同じようなかたちになるということですけれども、今年も500頭ほど舎飼されて、購入飼料も増えていると思いますけれども、2年、3年と、来年もなると思いますけれども、預託料への影響はないのでしょうか。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 今、夏期舎飼についても、先ほど言ったように260円の夏期放牧と同じ値段で受け入れをしている現状でございます。それが適正な料金かと言われると、そこは別な話として、とりあえず今は夏期放牧使用料の中で預託者の方には利用していただいている現状でございます。

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