平成29年第4回定例会会議録(3月9日_日程第2_一般質問 佐藤幸一議員)

○議長(加来良明) 次に、5番、佐藤幸一議員。

 

○5番(佐藤幸一) 議長の許可を得ましたので、通告に従って質問をいたします。

 この度の町長選挙において、見事当選されました阿部町長に祝意を表する次第であります。健康に留意され、財政規律を重視しながら町政発展に取り組んでいただきたいと思います。

 さっそく、選挙公約の2点について伺います。

 1点目は、学校給食費無料化について伺います。私は、昨年12月の一般質問で学校給食の無料化を行うか、町費の増額について質問をいたしました。その時の答弁は、学校給食法において給食の実施に必要な施設、設備、運営に関する経費は学校設置者である教育委員会が負担し、これ以外の経費につきましては保護者が負担すると規定されていると、そういった答弁をいただきました。法律で規定されているのであればやむを得ないと納得したわけでございます。

 しかし、阿部町長は学校給食の無料化を行うということですが、学校給食法に抵触しないのか伺います。法治国家においては、法律を遵守しなければならないわけですから、あえて質問をさせていただきます。

 1番、学校給食無料化が行えるとしたら、昨年12月の答弁は虚偽の答弁だったのか質問をいたします。

 2番、無料化に伴う経費は34,000千円から35,000千円が見込まれますが、財源の手当てについて伺います。

 2点目は、義務教育費の保護者負担ゼロについて伺います。憲法第26条第2項によって「義務教育はこれを無償とする」と定められておりますが、この無償とは最高裁判決において、「授業料不徴収の意味と解しているのが相当であり、その他教育に必要な一切の費用の無償を定めたものではない」とされております。文部科学省では、保護者が負担する子どもの学校教育及び学校外活動のために支出した経費を隔年で調査し、その結果を公表しております。平成26年度の調査結果によると、保護者が負担する1年間の経費は、教育費で給食費を除いて全国の公立小学校で児童1人あたり約59千円。中学校生徒1人あたり約129千円といわれております。この数字を清水町の児童生徒数で積算すると約70,000千円が見込まれます。私は、父母負担軽減に反対するものではありませんが、支出が増えて厳しい財政をさらに圧迫し、将来の子どもたちに負担を増やすことになるとすれば本末転倒だと思っております。

 1番、義務教育費に対する町長の基本的な考えを伺います。

 2番、過去において、修学旅行費の公費負担について議論されておりましたが、今日まで実現しなかったことについて町長はどのような捉え方をされているのか伺います。

 3番、仮に、義務教育費を全額公費負担した場合の総額と財源手当てについて伺います。

 以上、よろしくお願いをいたします。

 

○議長(加来良明) 答弁を求めます。

 町長。

 

○町長(阿部一男) 佐藤議員の質問に対してお答えさせていただきます。

 学校給食費無料化の中で、1点目に学校給食法との関わりについてお答えをいたします。学校給食法において小中学校における給食の提供にかかる経費の負担については、給食の実施に必要な施設、設備、運営に要する費用は学校設置者である教育委員会が負担し、これ以外の経費については児童・生徒の保護者が負担すると規定されております。

 本町においては、受益者負担の観点から法律の規定に基づき、学校給食費として保護者の負担をいただいているところでございます。ですが、他の管内でも見られますけれども、自治体においては子育て支援、少子化対策及び過疎化対策の一助として給食費無償化や一部補助を実施している自治体があることも把握をしてございます。これらの自治体においては、給食費を保護者に負担していただき、給食費相当部分を補助金として町が支出することで実質的な無償化を行っていると聞いております。清水町で給食費無料化を実施する際には、他の自治体と同様に補助金として支出する形もあるのではないかと考えているところでございます。そのため、この政策を取ったとしても学校給食法の規定に抵触することはないと考えてございます。

 次に、無償化を実施した場合の財源の手当てについて伺うというご質問ですけれども、お答えをいたします。

 財源手当てでありますけれども、学校給食費の無償化のためにはざっと計算したところによりますと、今の清水町において28,000千円の財源が必要となります。この部分に限って言えば、一般財源としての財政調整基金の繰り入れ、もしくはいきいきふるさとづくり基金の繰り入れということになりますが、議員のご質問の中には選挙公約に掲げた各種事業を実施していく上で財政悪化を招かないかというところも含まれているのではないかと推察するところでございます。

 本町の財政状況につきましては、自主財源が3割で、地方交付税への依存度が高く、公共施設の老朽化に加え、災害対策などへの財政需要が多くなっており、いまだ厳しいとの認識であります。ですが、選挙公約事業の実施に際しては、既存事業の見直し、統合、改善や民間提案事業の取り入れなどを進めて行くところであり、こうした一つひとつの事業再構築の中で可能なものは事業費を圧縮し、補助金制度や過疎対策事業債といった地方財政措置の活用も積極的に行い、財源を見出していくところであり、いきいきふるさとづくりの寄附の推進も財源確保として有効な方法と考えてございます。

 また、ここ数年は地方交付税の予算上振れや不用額減額の補正予算において、将来の公共施設整備等のために基金積立を行ってきている経過があります。将来の大型事業等に備えることはもちろん重要ですが、災害復旧や人口減少、少子高齢化対策、雇用対策等、タイミングを逸しないよう、将来負担の軽減にまわっている財源の一部は喫緊の課題に充てたいと考えております。

 いずれにせよ、健全な財政運営に十分留意しながら選挙公約を実現していきたいと考えているところでございます。

 続きまして、大きな2点目、義務教育の保護者負担ゼロの1番目、義務教育に対する考え方でありますが、人材育成の分野では教育の充実が必要なところもあります。どのような家庭環境にあっても、基本的生活習慣を身に付け、義務教育で十分な教育を受けて自分の可能性を伸ばし、成長し、未来の清水町を支える人材になってほしいと考えております。このため、子育て世代の経済的な重圧感を軽減するための施策として、義務教育負担ゼロの町を目指していきたいと考えております。その他、保育や少人数学級、世界の人とコミュニケーションをとれるような英語教育など、子育てに関わる様々な環境整備も含めて充実させ、地元に愛着を持ち、清水町を支える社会人として自立した人を育てる観点から、キャリア教育の実現により、将来は清水町に住み、働き、地域を支える町民を育てる総合的な施策として、この義務教育負担ゼロも含めて実施してきたいと考えてございます。

 これら、産業創出、雇用促進、確保までを含めた総合的な政策を進めることで、地域を支える町民を増やし、人口を減少させない道筋をこの4年間の中でつくっていきたいと考えております。

 先ほども申しましたように、その一つの分野が義務教育費負担ゼロの町を目指すという考え方でございます。

 続いて、2点目の修学旅行費の公費負担に対する過去の論議をどのように捉えているかということについて、お答えを申し上げたいと思います。

 過去において、修学旅行費を公費負担で実施すべきとの議論があり、その根拠として憲法26条第2項の「義務教育はこれを無償とする」との規定から、教育活動である修学旅行についても無償にすべきとの論議があったと記憶しております。一方で、先ほど議員からご案内がありましたように、昭和39年の最高裁においては「義務教育の無償とは、授業料を徴収しないと解することが妥当である」との判決があり、その他の経費等については、保護者が子女に教育を受けさせる義務として負担するという考え方であります。

 現在、清水町では修学旅行費の一部助成については、見学料、旅行の取扱い経費に関する経費として、小学校で2,570円、中学校では6,250円を助成しているところであり、保護者の負担軽減等の趣旨により平成21年から実施しているところでございます。

 義務教育費の保護者負担ゼロとは、先ほど述べた考え方であり、義務教育だから無償とすべきという主張ではなく、雇用対策までを含めた総合的な政策の中での子育て世代の重圧感を軽減するため、義務教育に関わる費用の助成の拡大を目指すところでありまして、具体的な政策については4月以降、プロジェクトチームなどを立ち上げ、検討し、つくり上げていきたいと思っております。

 続いて3点目、義務教育費を全額公費負担した場合の総額と財源の手当てについて伺うというところでございますけれども、これらについては給食費の無料化と同じような状況でありますので、それに代えさせていただきます。

 3番目、義務教育を負担した場合の総額と財源手当てですけれども、その中で今、財源手当てについては同じだというお話をしましたけれども、義務教育費の部分でお答えをさせていただきます。

 義務教育費の総額をどこまで言えるかという部分については、正確な金額ははっきりとわからない部分があります。例えば、修学旅行費、宿泊学習に関わる経費、教材費、卒業アルバム、PTA会費、生徒会費、クラブ活動費などであり、その他制服代、指定ジャージ、指定上靴、部活動に関わる経費などを皆さん家庭では負担されているのではないかと思います。これらを大ざっぱに計算し、およそ10,000千円程度の部分が本町でもし実施した場合にはかかるのではないかと考えているところでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。

 

○議長(加来良明) 5番、佐藤幸一議員。

 

○5番(佐藤幸一) 学校給食費無料化については、他の事業も見直しながらできるということでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 義務教育費保護者負担ゼロについてお聞きをいたします。各年代に満遍なく恩恵が受けられる施策を行うことが必要と考えた時、義務教育費の全額の公費負担には違和感を感じます。また、財政の硬直化も懸念されます。少し時間をかけて議論をする必要があると考えますが、お考えを伺います。

 

○議長(加来良明) 町長。

 

○町長(阿部一男) もちろん、そういったことも含めて私の公約は先ほどの給食費も含めて、4年間でできる限り近づけていきたいなと思いますので、もう少し精査した中でどれとどれを含むのか、そういうことも含めて検討して、前には必ず進めていきたいと考えております。

 

○議長(加来良明) 5番、佐藤幸一議員。

 

○5番(佐藤幸一) よろしくお願いをいたします。

 修学旅行費公費負担に対する過去の議論をどのように捉えておりますか、お聞きをいたします。古くなれば矢地町長時代も若原町長時代も公費負担はできないと答弁されておりますが、これについて過去の議論をどのように捉えているかお聞きをいたします。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) 過去の議論については、その時代の規定に基づいてやられたと思っておりますので、今はできるような状況もあるということで、現在は小学校に1,570円、中学校では6,250円を助成していると。この金額の拡大について、保護者負担軽減ということでありますので、その部分についての拡大ということでは研究してまいりたいと、このように思うところであります。

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