平成29年第6回定例会会議録(6月29日_日程第5)

○議長(加来良明) 日程第5、意見案第2号、地方財政の充実・強化を求める意見書についてを議題とします。

 職員に意見書案を朗読させます。 

 事務局。

 

○係長(宇都宮学) 意見書本文を朗読いたします。

 地方財政の充実・強化を求める意見書

 地方自治体は、子育て支援策の充実と保育人材の確保、高齢化が進行する中での医療・介護などの社会保障への対応、地域交通の維持など、果たす役割が拡大する中で、人口減少対策を含む地方版総合戦略の実行やマイナンバー制度への対応、大規模災害を想定した防災・減災事業の実施など、新たな政策課題に直面しています。

 こうした状況にもかかわらず、社会保障費の圧縮や「公的サービスの産業化」など地方財政をターゲットとした歳出削減にむけた議論が加速しています。とくに、「トップランナ一方式」の導入は、民間委託を前提とした地方交付税算定を容認するものであり、地方財政全体の安易な縮小につながることが危倶されるものとなっています。「インセンティブ、改革」とあわせ、地方交付税制度を利用した国の政策誘導であり、客観・中立であるべき地方交付税制度の根幹を揺るがしかねないものです。また、「骨太方針2015」以降、窓口業務のアウトソーシングなどの民間委託を2020年度までに倍増させるという目標が掲げられていますが、地域による人口規模・事業規模の差異、公共サービスに対する住民ニーズ、各自治体における検討経過や民間産業の展開度合いの違いを無視するものであり、数値目標設定による民間委託の推進には賛同できません。

 本来、必要な公共サービスを提供するため、財源面を担保するのが地方財政計画の役割です。しかし、財政再建目標を達成するためだけに歳出削減が行われ、結果として不可欠なサービスが削減されれば、本末転倒であり、国民生活と地域経済に疲弊をもたらすことは明らかです。

 これらのことから、2018年度の政府予算と地方財政の検討にあたっては、国民生活を犠牲にする財政とするのではなく、歳入・歳出を的確に見積もり、人的サービスとしての社会保障予算の充実と地方財政の確立をめざすことが必要です。このため、政府に以下の事項の実現を求めます。

 記

 1.社会保障、災害対策、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保をはかること。

 2.子ども・子育て支援新制度、地域医療の確保、地域包括ケアシステムの構築、生活困窮者自立支援、介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズ、への対応と人材を確保するための社会保障予算の確保および地方財政措置を的確に行うこと。

 3.地方交付税における「トップランナー方式」の導入は、地域によって人口規模・事業規模の差異、各自治体における検討経過や民間産業の展開度合いの違いを無視して経費を算定するものであり、廃止・縮小を含めた検討を行うこと。

 4.災害時においても住民の命と財産を守る防災・減災事業は、これまで以上に重要であり、自治体庁舎をはじめとした公共施設の耐震化や緊急防災・減災事業の対象事業の拡充と十分な期間の確保を行うこと。また、2015年度の国勢調査を踏まえた人口急減・急増自治体の行財政運営に支障が生じることがないよう、地方交付税算定のあり方を引き続き検討すること。

 5.地域間の財源偏在性の是正のため、偏在性の小さい所得税・消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、抜本的な解決策の協議を進めること。同時に、各種税制の廃止、減税を検討する際には、自治体財政に与える影響を十分検証した上で、代替財源の確保をはじめ、財政運営に支障が生じることがないよう対応をはかること。

 6.地方財政計画に計上されている「歳出特別枠」「まち・ひと・しごと創生事業費」等については、自治体の財政運営に不可欠な財源となっていることから、現行水準を確保すること。また、これらの財源措置について、臨時・一時的な財源から恒久的財源へと転換をはかるため、社会保障、環境対策、地域交通対策など、経常的に必要な経費に振り替えること。

 7.地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化をはかり、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握、小規模自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。

 以上でございます。

 

○議長(加来良明) 本案について、提案理由の説明を求めます。

 桜井崇裕議員。

 

○2番(桜井崇裕) 提案理由の説明をいたします。地方財政の充実・強化を求める意見書については、地方自治体が円滑に職務を執行されるように、しっかりとした地方財政を国に求めるものでございます。

 以上、よろしくお願い申し上げます。

 

○議長(加来良明) これから、質疑を行います。

 質疑ありませんか。

 

(「なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(加来良明) 質疑なしと認めます。

 

○議長(加来良明) これより、討論を行います。

 討論はありませんか。

 

(「なし」と呼ぶ者あり)

 

○議長(加来良明) 討論なしと認めます。

 

○議長(加来良明) これより、意見案第2号、地方財政の充実・強化を求める意見書についてを採決します。

 この採決は、起立によって行います。

 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方は起立願います。

 

(賛成者起立)

 

○議長(加来良明) 起立多数です。

 よって、意見案第2号は原案のとおり可決されました。

 提出先は、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、内閣官房長官、経済財政政策担当大臣、地方創生・規制改革担当大臣といたします。

この情報に関するお問い合わせ先
議会事務局 電話番号:0156-62-3317