平成29年第8回定例会会議録(9月21日_日程第3 一般質問 木村好孝議員)

○議長(加来良明) 一般質問を続けます。

 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 私は通告をいたしました「新学習指導要領」の実施にあたって質問いたします。

 文部科学省は、文部大臣の諮問機関である中央教育審議会の学習指導要領改定に向けての答申を受けて、3月31日に新学習指導要領を告示いたしました。幼稚園は2018年度からの全面実施、小学校は2018・2019年度の2年間の移行期間ののちに2020年度からの全面実施により、中学校は2018年度から2020年度の3年間の移行期間ののち、2021年度からの全面実施となります。学習指導要領は小学校・中学校・高校・特別支援学校での学習内容について、大綱的基準を示し、およそ今まで10年ごとに改定されています。1958年以降、法的拘束力が強調され、教員の創意・工夫がさまたげられ、子どもみんながわかる授業実践が非常に困難となる一因にもなっています。学習指導要領の全面的な改定は9年ぶりですが、従来の改定とは異なりどういう知識を身につけるのか、どういう技能を獲得するのかの何を学ぶかだけではなく、何ができるようになるかを重視し、個人より国民の育成を目指した内容となっています。総論にあたる第1章の総則の前に前文が新設されまして、2006年に第1次安倍政権が改定した教育基本法第2条の国を愛する態度など20に及ぶ徳目が列挙され、その目標達成を国民全体に義務付けている教育の目標が例示されたことが大きな特徴の1つで、総則の構成と重要な概念が大きく変わり、分量も今までの2倍増となっています。現在の学校教育は、北海道子どもの生活実態調査では、年収が低い世帯の子どもの約4割に子どもの貧困が学力や進学にも影響を及ぼしているとの指摘のとおり、理解できない子がいても先に進まなければならない授業、また全国学力テストの関係で暗記と反復で何のために学ぶかが見えない、学年が上がるにつれて増える勉強嫌い、さらに競争原理の影響と指摘されているいじめや不登校の広がりなど子ども達の学びの上で多くの課題をかかえています。課題解決に関わり、新学習指導要領の主な特徴をどのように受け止められているか、また各学校の教育課程編成に向けての指導・助言が今後どのようになされるのかを次の点に関わってお伺いいたします。

 1点目に、子どもがどのような資質能力を形成するのかを定め、その育成の目標を示し、学びに向かう人間性まで求めていることについて教育委員会としてのお考えを伺います。

 2点目に、資質能力の目標の達成のため、主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善の方向を細かく規定した上で、各学校でカリキュラム・マネジメント(教育課程の編成・実施・改善)ですが、これの点検を行うことについて教育委員会としてのお考えと各学校への指導・助言の在り方について伺います。

 3点目、各論における小学校5年生から開始される英語教科の在り方について、また教科道徳としての教科書使用と、記述式とはいえ評価があることについて。中学校の体育で全く突然に銃剣道が例示されていることについての3点についてお考えを伺います。

 以上、「新学習指導要領」の実施にあたっての質問ですが、ご答弁をよろしくお願いいたします。

 

○議長(加来良明) 答弁を求めます。

 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) それでは、木村議員のご質問にお答えをさせていただきます。

まず最初に、子どもに形成する資質・能力を定め、その育成の目標を示し、学びに向かう人間性を求めていることに対する考えにつきましてご答弁させていただきます。

 次期学習指導要領においては2020年から、その10年後の2030年とその先の社会の在り方を見据えて、子ども達が社会的・職業的に自立した人間として、わが国や地域の伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、理想を描き、それを実現しようとする意欲を持って主体的に学び、必要な情報を取捨選択し、知識や技能を深めて自分の人生を切り開いていく大人になることが、学校教育を通じて育てたい子ども達の姿の一つであると考えております。

 今回の改訂は、この将来を見据えた姿を描きながら子ども達の生きる力を具体化するため、教育目標・学習内容と指導方法・学習評価を含めて一体的に規定したものと考えており、各学校において学習の質の向上に向けて、子どもや地域の状況に応じた教育課程を編成し、教育活動を実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルが確立され、授業改善に向けた取り組みがより一層活性化していくことを期待しているところであります。

 次期学習指導要領においては、何を理解しているか、何ができるかという知識・技能の習得。2点目に理解していること・できることをどう使うかという思考力・判断力・表現力等の育成。3点目にどのように社会や世界と関わり、より良い人生を送るかという学びに向かう力・人間性等の涵養が、育成を目指す資質・能力の3つの柱として示されているところであります。

 教科を通じて学習する基本的な内容は知識・技能の習得であり、これらの習得が生きていく中で遭遇する様々な問題解決の基礎として役立つものになります。

 さらに、問題解決の際には、これまで習得した知識や技能を組み合わせたり、新たな情報と結びつけたりする思考力やいくつかの方策から解決のための方策を判断する能力、そして決定した問題を解決する方策を明示する表現力が必要となると考えているところであります。

 次に2点目の、カリキュラム・マネジメントの点検を行うことについての考えと各学校への指導・助言の在り方についてお答えをいたします。

 次期学習指導要領の総則において、子ども達や学校・地域の実態を把握し、必要な教育内容について教科等横断的な視点で組み立て、その実施状況を評価して改善を図ること。また、教育課程の実施に必要な人的・物的体制を確保し、組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくというカリキュラム・マネジメントに努めることが示されているところです。

 教育委員会といたしましては、学校教育法に定められている教育の目的・目標のもとに、各自治体の教育目的等が定められ、それらを踏まえて各学校においては児童や学校・地域の実態に基づいた学校教育目標を設定し、学校教育目標を達成基準として教育課程を編成するものと理解しているところであります。また今後も、教育指導幹が定期的に学校訪問し、指導・助言を行い、学校の教育活動の支援を行ってまいります。

 最後に英語科の在り方、教科道徳としての評価、中学校体育の中での銃剣道の例示について、お答えをいたします。

 英語教育につきましては、本町では独自に小学校1年生から4年生まで英語活動に取り組んで4年目となっております。低学年から英語に親しむ環境をつくり、私たちが日本語を話すように英語は言語のひとつであること、英語指導助手とコミュニケーションにより、外国人の存在と英語の発音に慣れること、遊びの要素を取り入れた活動を行うことで、英語嫌いにならないことを目指して実施しているところであります。また、活動の際には英語指導助手と共に臨時時間講師が教室に入り、担任含めた3人体制により実施することで、担任教員の負担を軽減しかつ活動の質の確保に努めているところでもあります。

 次期学習指導要領により5・6年生の英語の教科化と時数の増加、3・4年生の英語活動の導入が規定されました。本町においては、学習指導要領に基づきながら、これまで取り組んできた英語活動の考え方のもと、学習がより良いものとなるよう臨時時間講師を特別非常勤講師として届出を行うなど指導体制の充実や増加した時数の実施方法について、各学校と協議しながら決定していきたいと考えているところであります。

 2点目の教科道徳の評価についてであります。各学校においては1単位時間ではなく、学期や年間を通じ子どもの育成を見守り、努力や進歩を認め、励ましたりする中で、一人一人の子どもの良い点や努力した事などを把握し、評価に反映していくこととなると考えております。道徳の授業を通じて子どもにとって自らの成長を実感し、意欲の向上につなげるきっかけとなることが重要と考えているところであります。

 3点目の中学校体育における銃剣道の例示につきましては、現行の学習指導要領においても、柔道・剣道・相撲以外のその他の武道については、学習指導要領の解説の巻末参考資料に記載があり、弓道・空手道・合気道・少林寺拳法・なぎなたとともに銃剣道の記載がされています。

 次期学習指導要領においては、その他の武道について体育分野の内容の取り扱いの項目に記載が追加されたと理解しております。

 なお、その他の武道につきましては、地域や学校の実態に応じて履修させることができると規定されており、本町では現在、柔道の履修を行っており、時期学習指導要領の実施に際してその他の武道について履修を行う考えはありません。

 以上、木村議員の質問にお答えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○議長(加来良明) 再質問を受けます。

 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 今、ご説明いただいたわけですけれども、70年間にわたる教育課程政策の流れの中、先ほども述べましたように指導要領の骨組みそのものが大転換された改訂と考えているのですが、その辺はどうお考えか伺います。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) 実際には、歴史の流れの中で変えてきているというのが実態であると思いまして、全てがそれを踏襲しているということにはなっていないと思っておりますが、また新しい時代に向けて新しい教育に向けて学習指導要領が編成されたとこのように考えているところであります。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 先ほどのご説明にもあったように、社会の変化を意識したという、まとめて言うとご説明だと思うのですが、中教審答申案の冒頭の答申にもなっているのですけれども、冒頭にこの3分析の点が出ています。1点目には、明治以来の教育史の成果のみを強調していると、特徴的に言いますと。2点目は、子どもの現状分析をもっぱら国内外の学力テストのように、テスト結果で数値を求めながら判断していると。それから、2030年以降の、先ほどもおっしゃいましたが、日本は変化の激しい予測困難な社会という規定を行って、この3つに基づいて新学習指導要領の総論は、変化の激しい予測困難な社会に。つまり、グローバル社会と規定して、それに適応を求めた内容になっているのではないかと。そういうふうに思うのです。それの適応というのは、今後財界至上のように激しい社会が国際的に予想されると。その社会に適用していく子ども像が理想として挙げられ、それが前面に出されているのではないかと判断しているわけですが、その辺の押さえはどうお考えでしょうか。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) お答えをさせていただきます。まず、変わっていく中身につきましては、今おっしゃったことも含めているのかなと思っていますけれども、今回につきましては、粘り強く取り組む意欲など汎用性のある資質能力を育てていくということが1つ考えられると思います。もちろん世界に向けて羽ばたく子ども達の力というのも将来的には必要になってくるということでありますので、その辺も含めて学習指導要領の改訂がなされて来ているのかなとこのように思っているところであります。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 従来の学習指導要領でいうと、主体的に学習に取り組む態度というのが強調されていたのではないか。それがもっと広く学びに向かう人間性まで広げていると。そういうふうに言い換えて、どのように社会や世界と関わり、より良い人生を送るのかという提起まできています。学校での教育全体を通してどう生きるかまでに迫ったり、事実上の法規とみなして、この生き方まで押し付けるようになるということは、憲法の個人の尊重の精神に反するのではないかと思うのですが、その辺はどうお考えでしょう。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) まず、子ども達が学習内容を自分の人生や生きていく社会と結びつけながら、他人の考えを理解し、また参考としながら最適を求めていくため、学習の内容と方法の両方を重視しながら学びの過程の資質を高めるということであると考えておりますので、さまざまな方法がいろいろと考えられるという状況であります。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 何をどのように学ぶかという、これが従来行われていた大綱基準ですね。その基準に基づいて各学校が、先ほど教育長がご答弁されたように、地域や子どもの実態を基に学校としての教育目標に近づいていくための教育課程を実現していくわけですが、そうではなくて、どう生きるかという子ども像を提示してしまう。型にはめてしまう。そのことが私は1番問題なのではないか。子どもの内心の自由というものまでいってしまうのではないか。そこのところがまず1点目として、教育の役割として問題なのではないかなというふうに思うわけですが、その辺再度どうお考えか伺いたいと思います。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) 教育課程の問題に限れば、地域性ということで、一定の型にはめるということではなくて、地域性も入ってくるとその地域によっては違うということが現実としてあるわけですから、その中で広くいえば住民を巻き込んで、また地域を巻き込んだ教育というのが求められているとこのように考えているところでありまして、もちろん教育課程の編成に向けてもそれらを取り入れながら各学校で定めていくものと、このように思っているところであります。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) ご答弁の中で教育委員会としての指導・助言も含めて学校としての教育課程の編成そのものを大事にされているというご答弁は、まさに適切なご答弁ではないかなと。現状の中での子ども達の実態を見ていくと、そのことが1番大事なんですね。それと今まで述べられてきた知識それから技能、この学術的に教科として積み上げられてきたものの保障、これを学校としてどうやって教えていくかということが基本になると思うのです。ところが今回の教育課程の部分で大きく違うのは、さっき言った対極的な人間としての押さえ方、人間性の押さえ方、これまでがグローバル社会という名前の中で規定をされてしまう。それから、もう1つ問題になってくるのは、それだけではなくて、主体的・対話的な深い学びという、このこと自体は否定しないと思います。今までの学習指導要領の基本に学校として、教師としては自分達の自主性に基づいた実践、こういう意味からこのことは主張してきた部分ですし、私たちも実践過程の中でそれを何回も取り入れながら授業をしていくというのが建前だと自分自身も思っています。ところが、今のように45分という中身の中でそのことが保障される授業体制にはなれないという、そういう指導要領の中身が今までだったと思うのですね。このことを主張することによって、今までの基礎・基本を学んでもらうという、そこのところが軽視を逆にされていくのではないかという危惧があるのですけれども、この辺は1時間の授業の積み上げとしてどうお考えになるのか伺います。

 

○議長(加来良明) 学校教育課長。

 

○学校教育課長(斉木良博) 2点ほど大きく違う点として、人間性まで定めているということについてどう考えているか。それから、主体的・対話的な深い学びについて授業の中で今言われている、いわゆるアクティブラーニングが実際どう展開していくのか、その時間についてどう保障されていくのかということを質問されたというふうに思います。

 1点目については、人間性まで定めていることが大きな違いではないかということですが、教育基本法等で定めている教育の目標については、人格の完成ですとか地域ですとか社会の中で自立した大人にどう育てていくかということが教育の目標になっているというふうに思っています。今回の学習指導要領は、その教育基本法の目標を改めて学習指導要領の中で一体的に規定したものと考えております。今までも生きる力の育成ということで、全人的な力、生きていく中での知恵という部分を学習教育の中で育てていくという中で学習指導要領を定められておりますので、より具体的・詳細に定められたのかなというふうに考えているところです。

 2点目のアクティブ・ラーニングの学習内容の保障ですけれども、こちらについてはいわゆる話し合い重視ですとかグループ討議を重視するというような手法で研修等が行われているという部分も聞いておりますが、それだけではなくて、実際に学びの主体は子ども達ですから、子ども達がどう自分事として今学んでいることを自分の人生の中でどう生かしていくかとか、そういうことを将来見据えて考える、主体的に考えるような授業内容を考えていこうということで、話し合いだけではなくていろいろな方法が考えられるのかなというふうに思っていますし、そのことは教師が自分が授業を進めていく中で裁量権をもって判断していけるものと思っております。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 教育委員会としての在り方としての捉え方が、今のようなご答弁だと非常に現場としても、教育課程編成の上でも、授業実践の上でも助かるのではないかなというふうに思うのですが、指導要領自体が強制力を強調していますので、その辺を指導要領の中でも認めざるを得ない部分というのかな。長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、児童や地域の現状や課題を捉えというのは、本当にわずかな文言ですけども出ているわけですね。そういう文言とか中教審の答申案の中でも、子ども達に育てたい資質能力を論じる際に教育基本法、改訂教育基本法の中でも規定できなかった人格の完成とか平和で民主的な国家及び社会の形成者という、そういう目標が入っているわけですね。理想というか。これらの基本を大事にして、今後各学校の教育課程編成の指導助言にぜひあたっていただきたいなと希望するのですが、その辺はどうでしょうか。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) 当然変わったところ等も含めて徹底していかなければいけないということで思っておりますけれども、全てを強制するわけではなくて、先ほども言ったように地域の実情もありますし、そういう部分も含めた中での教育課程の編成ということに関しては、教育委員会といたしましても関わっていきたいなとこのように思うところであります。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 今の項目の中でもう1点だけちょっと気になるのですが、先ほどのご答弁の中にあったので安心してよろしいのではないかなと思うのですが、アクティブ・ラーニングという学習指導の方法、これが全てだと言い切っているということ。全ての教科にも通じるということ、そういう捉え方はぜひ現場の先生方と協議をされて、十分その教科・実態にあった指導方法、教師の創造性、そういうものにあった指導方法の中で目標を追求するようにお願いをしたいなと考えるのですがどうでしょうか。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) そのように考えているところでありますので、現場とよく協議しながらそれに向けていきたいとこのように思うところです。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 総論における質問は1・2に関わって終わりたいと思います。 

 各論なのですが、各論に移ってびっくりしたのが、総論で表向きには出てこないグローバル化における財界が理想とする人間像。それから、戦争をする国というか、憲法を変えることによって作られる人間像。これが各論の中には見事に具体性を持って出てきていると私自身。それでこの3つをまだまだ教科によってあるのですが、3つだけを選ばせていただいたのですが、その1つ目の小学校5年生からの英語教科の開始、低学年化なのですが、この英語活動というのではないのですね。問題となるのは教科なのです。教科には評価と具体的教科としての目標達成が必ず含まれます。ここのところが小学校5年生という年齢の中で、いいのかどうなのかと論議が今英語関係の学術的にも巻き起こっています。先ほど教育長が言われたように、町における小学校低学年からの英語活動の中で、目的が大人になったときに外国語を英語で日常のコミュニケーション、話せる・読める・書けるができるようにするためにということが目的に掲げられています。そして対象として小学校1年生から4年生まで。具体的な担任だけに任せないで指導・援助まで含めながら、配慮しながら、年間指導計画の構成要素として低学年は英語に触れる歌とかゲーム、中学年は英語に慣れる挨拶や単語、そして授業時数として1年生10時間、2年生12時間、3年生15時間、4年生20時間となっています。この授業時数なのですが、これはどのように生み出されているのかを伺います。

 

○議長(加来良明) 学校教育課長。

 

○学校教育課長(斉木良博) 町が独自に実施している英語活動、1年生から4年生の部分の時数についてでございますが、こちらについては平成25年度に前町長の公約として、教育委員会として検討したものです。その際に、各学校の校長先生ですとか小学校の教員に集まっていただきまして、検討会議を何度か開催をさせていただきました。小学校の中ではそれぞれ1年生から4年生までいろいろな教科に取り組んでおりますし、それぞれに決められた標準時数というものもございます。その中で何時間取り組めるかということ、それから5年生6年生については35時間という時間が定められておりましたので、その中で段階的にどれだけ取り組めるかということを議論をした中で10時間から20時間に定めたという結果でございます。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) さっき目的が1番目に大人になったときということで挙げたのですが。その下のほうに外国語や外国人の存在を柔軟に受け入れることのできる小学校低学年からの外国語活動を推進するとあります。このことは私も否定しないです。外国の人がいる、自分と違った文化を持って、言語を持って生活している人達がいるということを知っていくという面では、この活動自体は否定をしておりません。ただ、教科として今後どうなのかということが大きな問題になると思うのです。1つは評価がある。この評価と教科目標との関連で言えば、日本学術会議の英語教育の提言というのが早くから出ていて、英語教育の低年齢化というのは英語嫌いを逆に増やすことだけをということで反対が言われている。もう1つは、英語自体を大人になって具体的に活用していくのは、わずか1%の人々しかいない。それらの方々が、高校までの英語を基に英語の技能・会話そのものが通用していけるかというとそうではなくて、その基本的なものを基に自分が英会話に基づく職業を選択していくときに、それが基本となって新たに勉強し直すことによって身につくことが可能だという提起もあります。そういうことから考えると、具体的に日本語の文法、それから日本語の多くの単語、これらを日本人として習得することが1番今必要なのではないか。特に低学年はこのことが必要だと思います。授業時数が莫大に増えている。6日制時代の授業時数に匹敵する授業時数を、5日制の中でしなきゃならないというのが今の実態です。その中で国語の文法や言葉、母国語を大事にしない限り、外国の言葉というのは身につくことがなかなか困難だと。ですから、今高校の学習指導要領も慌てて単語の数を増やし、会話重視だけではなくて、単語の数を増やし文法を重視する方向に切り替えてきています。ですけれども、この単語数、3年ぐらいでは到底間に合わない。間に合わないというのは、使用可能にはならないというのが既に指摘されているような実態だと思うのです。ですから、今後英語教育のためにもう少し考え方を専門家の意見も聞きながら、そして今まで町として培ってきた触れ合うという活動を大事にしながら検討と改善を加えていただければなと思うのですがどうでしょう。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) 新学習指導要領の実施が2020年ということになりますので、その間、執行機関も含めていろいろな考え方も含めて検討する時間があろうかと思いますけれども、基本的には日本語の文法も必要ですし、時間の問題もあります。当然今の時間の中ではできないという状況もありますので、どういう方法がいいのかというのも今から検討している状況でありますけれども、そういうことも含めながら英語教育、いわゆる外国語教育、それから将来の職業についてのどういう考えを持っていくかとかいうことが求められると思いますので、その辺も含めてきっちりと協議しながら進めてまいりたいと思っているところであります。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) もう1点、英語に関してあるのですが、小学校3・4年生に聞く・話すを中心に年間35時間、週1時間相当で授業時間帯としての組入れはないのですが、やることということは決まっているのですね。だとすると、どっかで時間を生み出さなきゃならない。そのために、総合的学習の時間をある程度使うことを認めたのですね。ところが、それ自体がやはり問題ではないかと。現行の中で総合的学習の時間を位置づけて進めてきている学校の教育課程がまだあるわけですよね。その中で移行措置の中で既にやれということを言っているわけですから、そのこと自体が学校の教育課程を尊重していない方向性だと思うのです。町としても100万円の教育振興費、総合的学習の中でその重要性を考えながら補助をし、教育内容を援助しているわけですね。そういう町村も数多くあるわけです。そういう中で移行措置、移行する過程の中でそれで既に現行の教育課程を無視して総合的学習の中で無理やりやれということは問題だと思うのですが、補助との関係もありますのでどうお考えでしょうか。

 

○議長(加来良明) 学校教育課長。

 

○学校教育課長(斉木良博) 総合的学習の時間の活用等についてでございますが、清水町今独自に1年生から4年生行っている英語活動においても、3・4年生については総合的学習の時間を活用して行っている状況です。それはいわゆる総合的学習の時間というのは、教科横断的にテーマを設定して、物事を探求したり、突き詰めていったり、活用したり、議論しながら一定程度の適正回答を求めるというような活動を行うということで行っているものですが、そのテーマに絡めまして英語活動についても行っているということで、各学校の了解等もいただきながら実施をしているというところでございます。次期学習指導要領の実施にあたっての35時間の確保につきましては、現在各学校と協議をしているところでございます。移行期間については既に清水町は先行している状況でありますが、本実施にあたっての時間確保については今後各学校と協議してまいりたいと思っております。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 現行の教育課程の中でそれぞれの学校が位置づけてあるのでは先ほど言ったとおり問題はないのではないのかと思います。ただし今後、そのことが通用してくるということになれば、やっぱり学校の教育課程が無視されるということにつながるのではないかと思うのですが、次の問題なのですが、授業時間が実際的に増えるのですよね。現行の日課表をずっと見ていくと1年生ですらもう5時間ですよね。小学校1年生ですらそうで、食育に関わっては給食の時間が小学校では35分~40分、中学校ではわずか30分、これに準備と後片づけが加わるわけですよ。働いている大人の人達がだいたい昼食時間が1時間くらいありますよね。食事を食べるのに1時間かけるのではなくても、食べた後に消化をしたり、体のためにそういう時間帯が設けられているんだと思うのですが。育ち盛りの子どもにこういう状態だということは、せっかく総合的に栄養バランスを検討しながら、しかも食事を通じながらの交流を大事にするという食育の設定が、日課表自体でうまくいかないのではないかと私は心配しているのです。その上に時間増になるということは、これ以上大変になるのではないかなというふうに思いますし、教職員の勤務時間の終了がだいたい、給食時間は授業に入っていますから、休息・休憩が後回しにされています。その分だけそれも含めてだいたい4時半ごろですね。本来的に日課表でいうと勤務が開放されるというか、そういうことが現実に見ましたところないですよね。学校帰りの子ども達を見ると3年生以上は3時半以上ですよ。行き帰りしているのが。そういうような状況の中で本当に子どもの実態を考えたときに時間増が可能なのかどうなのかというのは、どういう見通しを持っていられるかお伺いしたいと思います。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) 見通しというよりはやらなければいけないという状況にありますので、その辺も含めながらやはりどうやったら負担が減るのかという方法を考えたほうが早いのかなと思っていますので、その辺も学校と協議しながらいろいろと方策を練りたいとこのように思うところであります。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 学習指導要領の枠として考えたときには、今教育長がお答えしたようになると思います。それを踏み破るということは不可能なのですね。新たな知恵がどのように働かされるか期待したいと思いますので、大変だと思いますがよろしくお願いしたいと思います。

 次に移ります。各論におけるもう1つの問題なのですが、道徳の部分ですね。教科道徳の部分なのですけれども、教科として今度は位置づけられたのですね。教育課程の改定の第一次安倍内閣からの目標だったのですね、これが本来的に。教科書も付くと。項目は教育目標の目標を中心としながら、小中合わせた80項目の内容になります。そういうような教科道徳の問題なのですが、教科というのは本来学術的な蓄積を中心としたバックボーンがあるはずなのですが、道徳にはそれがないのですね。ですから、どこを目標にするかと言うと、さっき言った挙げられた徳目を目標にせざるを得ない。それが学習指導要領そのものに徳目として挙げられている。そういう状況の中で1番先に言った人間性の部分まで立ち入ってしまうのが、この教科道徳が中心とならざるを得なくなってくるのではないかということを考えているわけですが、その辺教科として道徳の押さえをどのようにお考えかを伺います。

 

○議長(加来良明) 学校教育課長。

 

○学校教育課長(斉木良博) 次期学習指導要領においては、特別な教科として道徳が設定されています。今木村議員がおっしゃったように道徳については学術的な積み上げというよりは、あるテーマについてどう考えるのかということを、それぞれ子ども達が主体的に自分のこととして考える時間、考える道徳というような設定の中で学習指導要領については規定されていると。考え方としては、それは道徳の時間だけではなくて、各教科を含めて横断的に考えなければならないテーマだということで、特別な教科として定められているというふうに思っております。そのような中で今後の教育基本法に定める人格・感性・生きる力を育成するという目標に沿って、各教科それから道徳についても進められていくものと考えています。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 本来、今課長がご答弁された内容、それがそのとおりにいけば道徳ほど自由で面白い、いろいろな価値観が存在した意見が飛び交うそういう特別教科がなかったわけですね。ところが、指導要領は道徳を教科にするにあたって、教科書どおり年間指導計画どおりに実施をするという決めた枠から出ないような方法を組んでいます。このこと自体がやっぱり徳目の中に現れて、現在のように子どもの貧困やひとり親家庭なんかを例に取ると、それらの子ども達の生活の価値観と全く程遠い家族愛が描かれると。そういうことになると、子ども自身はどういうふうに受け止められていくのかと、これを議論をしろということにはならないと私は思うのですね。その辺の問題を大きく決められた徳目は含んでいるということが、この教科道徳の特徴ではないかと思います。それともう1つなのですが、お尋ねしたいのは教科道徳の基本にある教材資料として教育勅語を教材として使用するのも構わないという閣議決定があります。それから合わせてヒトラーの自伝著書「我が闘争」を教材使用しても構わないというのがあります。ここにさっき私もおっしゃいました各論で今回の指導要領の背景というか、狙いの一つグローバル化と、もう一つ憲法を変えるという目的なのかどうか、その具体化があるのではないかと思うのですが、この辺についてどうお考えか伺います。

 

○議長(加来良明) 学校教育課長。

 

○学校教育課長(斉木良博) 道徳の教材等のご質問でございます。道徳についてはこれまで様々な歴史的経過の中で、いわゆる戦前の修身だとかそれを戦後の学習指導要領試案の中で社会科というふうなかたちに編成を変えたりというような歴史経過がございます。その中で先入観といいましょうか、いろいろなかたちで道徳に対するイメージが作られて、現在の中では先ほどおっしゃっていた中教審の答申の中では、なかなか道徳の活動が思ったように進んでいなかったというところから、今回教科化をしたというような機会がございました。学校教育活動については、いわゆる知・徳・体の調和、バランスが取れた人間性の豊かな子どもを育てるという目的の下、各教科の学習が行われております。その中で道徳ですとか体育だとかそういったようなものも重視されてきたと思っています。

 教育勅語については、いろいろな経過がございますが、いわゆる廃止ですとか失効されてから現在の道徳教育の考え方に至る経過の中では、学ぶ主体は子ども達ですから、教育課程の編成それから学習の指導方法の中では、今の教育課程の中で内容としての位置付けは継続していないのではないかなと思って、戦前の考え方とは全く違うものでいるものと思っておりますので、教材の使用について、戦前と同じよう考え方で使うという部分については持っていないと思っております。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 戦前の考え方と違うというか、教材として扱うにこういう勅語そのものがいけないことであるという戦後の反省というかな、このことの教材として明確にされてから扱うのは構わないと思うのですね。ただ、明確になっているのが戦後、憲法や教育基本法の制定によって1948年に衆議院で教育勅語等の排除というのが決議されています、既に。国会決議されていますし、指導原理としての正確を認めないということも合わせて、教材化を含めてしてはならないことになっております。これは否定されていません、現在まで。ですから、これを教材として使うということ自体にも国会決議を無視した方向性があるのではないかなと思います。

 それからヒトラーの問題については、ドイツの例を挙げればわかるように世界中で認められていますので、認められているというのは「我が闘争」という扱いについてがね。それからヒトラーの考え自体このことについても否定されていますので触れないのですが、国家安全保障戦略というのが、2013年度に安倍総理が策定したのですけれども、日米軍事同盟強化のためにわが国と郷土を愛する心を養うと、首相は国会で規範意識を教え日本人のアイデンティティーを確立するという説明をしています。その答弁の結果としての教材としての扱いというふうなかたちとして受け止めているのです。その辺についてはどうお考えか伺います。

 

○議長(加来良明) 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) 国会でのやり取りというのですか、部分については承知していないものですから、その辺についてはどうだこうだと言う立場にございません。今私たちは、私たちのまちの教育をどうするかということで、その中で道徳という教科はどうなのかということで論じていきたいと思うのですけれども、道徳とそのものについては決して悪いものではないという認識であります。それを教育することによって常識的な人間というのですか、世界に通じる人間というものにもつながっていくのかなと。やはり礼儀作法も含めて道徳というのは重要な部分だなということを感じて、これからどういう教育課程を組みながらやっていくかということに重点を置いているということでありますので、ご理解のほどよろしくお願いしたいと思います。

 

○議長(加来良明) 6番、木村好孝議員。

 

○6番(木村好孝) 最後の3つ目に移りたいと思います。銃剣道については先ほど例示はされているけれども、扱うつもりは町として柔道を現在行われているので、そのまま行われるということで一つ安心したのですが、なぜこれを問題視するかという理由の一つには、明確に軍事教練として発達してきたものですよね。それが一つです。この軍事教練に通じる武術という側面を色濃く残しています。2つ目は突きが主体になっている。銃剣道の有段者のほとんどが自衛隊の方なのですけれども、元経験者は「突きが主体になっているということは、心臓を突くということは殺しの技ですね。それが中心になっているということで、中学生にこれを導入すべきではない。」という主張を何人かの有段者の方が主張しています。私自身、高校時代に父が倒れたんですね。結核だというあれで倒れて、ちょうど進路に迷っているときで困ったのですけれども、原因を初めて聞いたのですけれども、兵隊時代に銃剣道で肋膜をやられたと。肋膜を患って、それが今となって、その時も入院して、危うく沖縄や南方に行かされるのが無くなって助かったんだと笑いながら言ってましたけれども、そういうような経験を持っているので、この銃剣道について特に挙げさせてもらいました。今後ともその辺を十分吟味をされてから、例示を扱うというふうにしていただきたいなと思いまして質問を終わりにしたいと思います。

 

○議長(加来良明) 答弁を求めます。

 教育長。

 

○教育長(伊藤 登) 銃剣道の例示というかたちの中でご質問を受けましたけれども、先ほど最後に申し上げたとおり本町では柔道ということで。ただ、気になるのは銃剣道も殺傷する道具だということでありますけれども、武道そのものは敵から身を守るとかいろいろなかたちの中で使われると思うのですけれども、言ってみれば柔道も殺傷能力はあるということで考えています。いろいろな技がありますから。その全てがそれにつながるということになると、教科としてどうかということは私も思いますけれども、そういう部分については学校の指導ですから、そういうことには及ばないと思っていますけれども。柔道を入れたという中では日本古来の武道ということで、伝統的な武道ということで中学生にもわかっていただきたいということで入れたという経過がありますけれども、今後は危険な部分を回避しながら、銃剣道はもちろんですけれども、そういうもの、例えば弓道も含めていろいろなところで危険性を回避しながら、日本の伝統文化というのを知ってもらうと共に体力の向上に役立てていきたいな、このように思っているところですので、その辺を含めて回答させていただきます。

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