平成29年第8回定例会会議録(9月22日_日程第1 一般質問 高橋政悦議員)

○議長(加来良明) 一般質問を続けます。

4番、高橋政悦議員。

 

○4番(高橋政悦) 通告に従いまして、獣害対策をとりまく実情と獣害対策のビジョンについて質問させていただきます。

 野生動物による農作物被害は全国で年間200億円を超え、申告されていないものを含めると1,000億円を超えるとされています。都道府県別被害額の上位にある北海道にあって、清水町も例外なく危機的状況であることは明らかでございます。ヒグマ・エゾシカ・キツネ・アライグマ等動物園で見ている分には何ら問題のない動物たちも野生にあっては時に人間を襲ったり、畑を荒らしたり、ふん尿による汚染を撒き散らしたりと人間の生活環境を脅かす存在であることは事実でございます。先日も羽帯地区で2メートルを超えるヒグマがわなにかかり捕獲されましたが、さらに大きなヒグマが確認されております。近年にあっては特に外来種であるアライグマの増殖が認められ、早急に対策を講じる必要が叫ばれています。アライグマについては大谷議員の質問と重複するので答弁の必要はありませんが、アライグマはテレビで見るラスカルとは違うということを肝に銘じてしっかりと対策を講じていただきたいと思います。それらの現状を踏まえ、鳥獣被害防止特措法に基づく清水町の被害防止計画及び鳥獣被害防止総合対策の実施状況について町長の考えを伺いたいと思います。

 また、鳥獣被害防止対策にあって、その担い手となるのは生活環境においてはもちろん住民自身でございます。また、営農被害対策にあっては農業者、個体数調整では個体管理者、これは猟友会にお願いしているところですけれども、あとは農林業被害対策として農協、森林組合がそれぞれの役割を果たすことになると思いますけれども、住民ニーズをまとめるリーダーの不在、猟友会メンバーの高齢化、効果的な財政支援などの課題が山積みしているのが現状でございます。自治体として、対策施策の仕組みづくりの中で獣害の知識のある担当者と共に実施者としての専門職員が必要とされること。さらに、担い手育成などの課題に対するビジョンについて町長の考えを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○議長(加来良明) 答弁を求めます。

 町長。

 

○町長(阿部一男) それではただいまの高橋議員の質問についてお答えをさせていただきます。

 最初に鳥獣被害防止特措法に基づく本町の被害防止計画及び鳥獣被害防止総合対策の実施状況についてでありますが、本庁におきましては鳥獣被害防止計画を策定し、委託契約を結んでいる猟友会十勝清水部会の協力をいただきながら有害鳥獣による被害を未然に防ぐための捕獲や電気牧柵の設置を進めております。特に春先の被害を最小限に食い止めるため猟友会による鹿等の団体駆除を冬期から実施していただいているところであり、そのような効果もありまして平成22年度のピーク時で農業全体の被害が69,059千円でありましたが、その後昨年度、平成28年度につきましては、19,927千円と減少をしている状況にあります。また、鳥獣被害防止総合対策事業の実施状況につきましては、本年度につきましては捕獲及び活動費として1頭当たり最大エゾシカでは1万5千円、熊は3万円、キツネ及びアライグマは7千円の助成を行っており、有害鳥獣捕獲に対して少しでもハンターの方々に意欲を持って取り組んでいただけるようにと考えているところでございます。

 次に専門職員の配置や担い手育成などの課題についてでありますけれども、新たな担い手確保につきましては平成28年度から狩猟免許を所持していただき駆除員として活動していただける方に対し、取得費用の一部として最大5万円の補助を行っており、農協も同額の補助を行っていることから合わせて10万円の助成を行っております。本年度においては20代の方を含む2名の方が本年度その制度を利用して新たに活動をしているところでございます。

 また、専門職につきましてはというご意見でございましたけれども、地域の周辺環境等も熟知しています猟友会であると考えておりますので、猟友会並びに地域と協議しながら駆除員の担い手育成と担い手確保対策に今後も取り組んでいく所存でありますのでよろしくお願いをしたいと思います。

 

○議長(加来良明) 質問を受けます。

 4番、高橋政悦議員。

 

○4番(高橋政悦) ただいまの答弁の中で専門的な作業を行っていただけるのが猟友会だと。委託されているということで。ですが、猟友会のメンバーはあくまでも専門的な団体ではなく、猟友会の方々が言われるのはそれぞれ別の仕事を持っていて、趣味的にやっていることであり、全てを委託されても困る。例えば、一般住民の方がアライグマの被害があった、キツネの被害があったといって、とりあえず役場のほうにはそういう被害がありましたと言うでしょうけれども、それに対してどのような動きをするべきかというのを全部猟友会に任されると猟友会的には負担になるということなので、その専門的な方を設置する。要するに住民ニーズを取りまとめる専門的知識を持った職員なり部門を設置していただきたいというのが希望なのですけれども、その辺のことはどのようにお考えでしょうか。

 

○議長(加来良明) 町長。

 

○町長(阿部一男) なかなか専門的といいましても非常に厳しい面がございまして、いろいろ他町村の状況等を見ましてもなかなかそういった部分で設置しているところもありませんし、またうちは確かに被害が大きい状況でありますけれども、今現在先ほど申しましたように被害としては少しずつ減ってきている状況がある。ただ、アライグマについては厳しい状況がこれからも続く。そういったところに重点的に取り組むというようなことは考え方として持っております。そしてまたいろいろありますように、専門ではないといいながらも、清水の猟友会は確かに高齢化しておりますけれども、若い人も先ほど2名が新しく狩猟免許を取得してもらって入っているということですけれども、新年度においてはまた2人くらい農協職員も含めて活動してもらうような状況をつかんでおります。全道的あるいは全国的な状況から見ますと、まだまだしっかりとしていろいろな委託契約結んでそういった捕獲活動をしておりますけれども、いろいろと協議の中でそういう部分についてはお任せしていきながら、一緒になってやっていけるような状況はまだまだあるかなというふうに捉えておりますので、その辺についてはご理解をいただきたいとなというふうに思います。

 

○議長(加来良明) 4番、高橋政悦議員。

 

○4番(高橋政悦) 今問題となっている部分の解決策というのは、それなりに動いているというのはよくわかりました。ただ実際の話、先ほどのわなの話、大谷議員の内容でちょっと申し訳ないのですけれども、わなを設置しました。その時に例えばアライグマではないものがかかった。その時の処理の仕方。例えば一般の人が仕掛けてアライグマが入ったけれども、かかったものをどうしたらいいかなど、その辺が全然わからない。そういうことも周知する必要があるでしょうし、例えば今こういう状況なんだという情報収集、要するに技術なり捕獲のノウハウなり、そういう情報収集というのはどのようにされているかをお知らせ願います。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 周知につきましては、広報などには一応載せていただいておりますけれども、最終的に一般町民の方などもわなを設置、アライグマに限ってですけれども、そういうものは設置できます。最終的にはそれは猟友会の方に来ていただいて処分をしていただくというようなかたちになっておりますので、町長が申し上げたとおりうちとしては、猟友会に全部任せるということではなくて、あくまでも猟友会を中心とした中で協力していただいて、いろいろな鳥獣被害についてのことは処理していきたいというふうに考えております。

 

○議長(加来良明) 4番、高橋政悦議員。

 

○4番(高橋政悦) 要するにこういう事業というのは、担い手育成はもちろんですけれども、持続してやっていかないと。特にアライグマなどは根絶しない限りずっと増えたり追いかけっこになるということで、継続的に対策を講じるためには費用対効果というのが必要だと思いますけれども、その費用対効果の測定というのは何かなさっているかどうかお伺いいたします。

 

○議長(加来良明) 農林課長。

 

○農林課長(小林 進) 費用対効果などそういうかたちに対しての測定はちょっとしておりません。ただ、いろいろな国の事業などそういうものに対しての補助事業などがございますので、先ほど町長からも言いましたように少しでも猟友会の方の意欲が湧くようなかたちの中でできる限りの支援はさせていただいている現状でございます。

 

○議長(加来良明) 4番、高橋政悦議員。

 

○4番(高橋政悦) 最後にしますけれども、私がこの一般質問をしたのは猟友会の方の思いを伝えるためにしていることなのですけれども、とにかく猟友会に今現状としておんぶにだっこのように感じられているみたいです。それで、何かしらこのかたちを作って、要するに窓口は例えば農林課のここですというのをはっきり示してほしいし、1番心配されているのは行政と猟友会が意思疎通ができた途端に人事異動でその申し送りがなされていなくて、新しい人が来たらまた一から構築し直しだというような感覚を持たれているようです。だから、こういう対策を講じるにあたりその辺の専門的というのは、要するに申し送りさえちゃんとできていて一から始めなくてもいいような体制を構築していただきたいと。猟友会が動きやすいようにできればそれでいいし、例えば知識の豊富な専門官を配置するというのは難しいと思うので、その辺の状況をよくわかっていて猟友会・森林組合・農協その関係機関と連携できるような体制を構築していただきたいということで言われています。その辺についてご返答をお願いします。

 

○議長(加来良明) 町長。

 

○町長(阿部一男) 猟友会の皆様がそうやって負担に思っているということを今お聞きをいたしましたけれども、私自身も猟友会の皆様とは少し、ここ8年以上離れておりましたけれども、振り返れば20年30年の付き合いがございまして、今後また十分にそういったものの話し合いをしながら、負担を少しでも軽減するような状況の中で、そしてまたいろいろと今後においては長期な事業になると思いますので、事業といいますか駆除についてはすぐに根絶というのはなかなか難しいと思いますので、それからまた、自然動物保護という観点からある程度いったらまたストップがかかるだとかそういう部分もありますので、そんなことも含めながら十分話し合いをしながら担当者の配置も含めて今後被害防止に向けて取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 

○議長(加来良明) これで、一般質問を終わります。

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