平成30年第2回定例会会議録(3月6日_日程第7)

○議長(加来良明) 日程第7、町政執行方針について、町長より平成30年度町政執行方針を述べていただきます。

 町長。

 

○町長(阿部一男) 平成30年度町政執行方針について申し上げます。

 

Ⅰ はじめに

 

 平成30年第2回清水町議会定例会の開会にあたり、新年度の町政執行方針と施策について、議員各位と町民の皆様に概要を申し上げます。

 

 私が町長に就任してから、1年2ヶ月が経過しました。この間、関係団体との懇談、各種行事への参加など貴重な機会を通して、関係各位の思いやご意見を伺うとともに、私の考えをお伝えし、公約に掲げた5つの約束と43 の宣言の実現に向け邁進してまいりました。

 

 一方、国内に目を向けると、我が国の経済情勢は雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな景気回復基調が続くことを期待されていますが、その先行きについては予断を許さない状況にあります。

 

 また、本町の財政状況については、これまで公債費の抑制等により健全化を図って参りましたが、今後においても施設整備にかかる財政需要が大きく見込まれ、文化センタ一大規模改修や保育所の建設に加えて、少子高齢化による医療・介護等の扶助的経費が増加傾向にあり、財政の見通しは依然厳しい状況であります。

 

 こうした中、平成30年度は私が予算編成から携わり、町政執行全般において、実質スタートの年となります。

 

 災害復興や人口減少対策、高齢化社会への対応、産業の振興、地域コミュニティの充実など、これまで地域を形成してきたものを維持、向上させていくには、町民の皆様、議会、そして行政が一体となり対話を重ねながら「まちづくり」を進めることが大変重要であり、ここに、新年度の主要な施策につきまして基本的な考え方を「まちづくり計画」に沿って、分野別にご説明させていただきます。

 

Ⅱ 地方財政と予算概要

 

 平成30年度の地方財政計画では、「経済財政運営と改草の基本方針2017」を踏まえ、働き方改革や人材投資、子ども・子育て支援等に適切に対応するとともに、地域の実情に応じ自主性・主体性を最大限発揮して地方創生等を推進することができるよう安定的な税財政基盤を確保することを重点とし、その財政規模は86兆9,000億円、前年度比O.3パーセントの増となり、地方交付税の出口ベースにあっては、歳出特別枠の廃止等により16兆85億円、前年度比2.0パーセントの減となりました。

 

 本町の本年度当初予算につきましては一般会計が94億1,000万円、前年度当初予算比4. 1パーセント増、また一般会計と3特別会計、2公営企業会計を合わせた予算総額は131億1,689万5千円、前年比O.1パーセントの増であります。

 

 主要財源の地方交付税につきましては、歳出特別枠の廃止や公債費参入額の減、基準財政収入額の増等により、28億円、前年度比6.0パーセントの減とし予算計上したところであります。

 

Ⅲ 主要政策の推進

 

1 自然と共生する安全で快適なまちづくり

 ◆自然環境の保全と環境との共生として

 森林は、人々が安全で安心して生活するために不可欠な多面的機能を有しており、大切な森林を守り育てていくため森林整備計画及び森林経営計画に基づく適正管理のもと継続的整備により自然環境の保全に努めてまいります。また、被災を受けた森林復旧については、関係機関と連携し1日でも早い復旧と災害に強い山づくりを進めてまいります。

 限りある資源を有効活用しながら、ごみ減量化と再資源化を図り、ごみの分別や排出方法、リサイクル等の推進に努めるとともに、平成31年度からのごみ処理の広域化に向けて、スムーズに移行できるよう準備を進めてまいります。

 町道の整備につきましては、道路整備計画に基づき道路改良及び舗装工事並びに橋梁修繕工事を実施してまいりますとともに、国道、道道の整備につきましては、国や道へ積極的な要請をしてまいります。

 また、道路橋梁災害復旧工事につきましては、町民の皆様が安心して生活できる環境を整えるために、1 日でも早い工事の完成を目指してまいります。

 ◆すべての世代が交流し住みやすいまちづくりとして

 町民の日常生活の交通手段確保は、高齢化の進展とともに更に大きな課題となっており、コミュニティバスの運行に加えて農村部の乗合タクシーと清水帯広間バスの運行に取り組み、車を持たない方や運転に不安を感じて免許を返納する方の日常を支えるよう、更なる利便性向上に努めてまいります。

 老朽化が進んでいる町営住宅の建替や改修を計画的に進め、今後の住環境の整備に努めてまいりますとともに、転入や転居のための「空き家、空き地、賃貸住宅などの情報」を提供し、民間との連携を深めてまいります。

 また、子育て世代、賃貸住宅居住世代の新築や中古住宅の取得に対し支援するとともに、住宅リフォーム制度を拡充した中で定住促進を図り、多様な世代が住みやすい住環境の整備に取り組んでまいります。

 また、空き家の放置は大きく社会問題化しており、課題の解決に努めてまいります。

 ◆緑豊かな森と水に親しむまちづくり

 花や樹木にあふれ心和む環境を目指して、春と秋の町内一斉清掃やクリーン・ディ、花いっぱい運動等、各団体と連携して、爽やかで美しいまちづくりに取り組んでまいります。

 地域の大切な資源である自然環境を守り育てるために、河川、公園、緑地の維持管理に努めてまいります。

 ◆町民相互の支え合いと暮らしの安全安心

 町民が犯罪被害に遭わないよう関係機関と連携し、犯罪の抑止、事件事故の未然防止など、安全安心な暮らしの確保に努めてまいります。

 また、消費者トラブルは年々、形態の多様化と巧妙化によって一層悪質化しており、国の基金等を活用しながら持続的に体制の維持・強化を図り、今後も消費生活相談等による問題解決への支援拡充を行い、関係団体等との情報共有を進め、未然防止を図ってまいります。

 

2 誰もが健康で思いやりのあふれるまちづくり

 ◆町民の健康と健康づくり意識

 健康寿命の高いまちづくりを目指し住民自ら健康づくりに取り組むことができるよう、保健・医療・福祉の関係機関と連携し、町民の健康づくり活動を支援する各種事業を実施してまいります。

 また、各種検診の受診率の向上を図るとともに、きめ細かな健康指導に努めてまいります。

 国民健康保険事業につきましては、本年度から制度改正により都道府県と市町村がともに運営主体となります。円滑な広域化を進めるとともに、安定運営を図るため引き続き保険税徴収率の向上と特定健診事業等の推進による給付費の抑制に努め、被保険者の負担軽減を図ってまいります。

 ◆高齢者の暮らしと社会参画や障がい者の社会参加

 高齢者の方が、可能な限り住み慣れた地域で日常生活が営めるように、地域包括支援センターを中心に医療・介護・福祉の連携を強化し、各種事業を実施してまいります。

 また、介護保険事業につきましては、第7期清水町高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づき、円滑な運営を図ってまいります。

 第5期清水町障がい福祉計画に基づき、障がいのある方が自立した生活を送ることができるよう、相談支援の充実に努めるとともに、関係団体と連携を強化し安心して生活できる環境の整備に努めてまいります。

 ◆すべての世代が交流し支え合うまち

 世代間の交流は互いに有意義であることから、共生型事業の推進を図るとともに、地域カフェや地域サロン事業を推進してまいります。

 ◆まちぐるみで子育て世帯を支え応援するまち

 安心して子育てができるよう、お子さんの発達や子育てに関する相談体制を引き続き充実させるとともに、保育料の軽減、出産祝金支給等により子育て世帯の支援を継続してまいります。

 また、より良い子どもの育成環境を整備するため、保育所建設に向けた実施設計及び運営方法等に関する検討を進めてまいります。

 ◆安心して暮らせるまち

 国が進める働き方改革の取組みをより身近なものとするために、町内事業者に啓蒙を図り、生産性向上とともに就業機会の拡大や意欲・能力を十分発揮できる職場環境づくりを目指してまいります。

 また、労働災害や職業病の防止などの労働安全を目指し、事業者及び従業員の意識を高めてまいります。

 

3 新しい時代を担う人材を育むまちづくり

 ◆家庭・学校・地域がともに推進する教育のまちづくり

 未来を担う子どもたちが心豊かにたくましく成長し、健やかに充実した生活を送ることは、私たちの願いであり、使命でもあります。

 教育の振興としましては、「清水町教育大綱」 に基づき、教育委員会との連携を強化してまいります。

 学校教育につきましては、教育理念である「心響」と実践指標"しみず「教育の四季」 "の普及と実践のため、幼保・小連携、少人数教育や特別支援教育の充実、修学旅行費の保護者負担軽減、ICTの活用などの方策により次世代を担う子どもたちの生きるカを育んでまいります。

 また、町を担う人材として成長できるよう、家庭・学校・地域が一体となり地域全体で子どもたちの学びを支援する「コミュニティ・スクール」の導入について、引き続き検討を進めるとともに、総合学科先進校として特色ある教育活動を展開しております清水高等学校との連携と関係団体への支援を強化してまいります。

 ◆文化とスポーツ・レクリエーションに親しむまちづくりとして

 感動や生きる喜びをもたらし、創造性を育むため、文化芸術に触れる機会を提供するとともに、文化の継承活動を支援してまいります。

 また、心身ともに健康であるために、ニュースポーツの普及や体を動かす習慣を身に付ける機会を提供してまいります。

 ◆学びの成果を活かすまち

 まちづくりは「人づくり」であり、生涯を通して主体的に学ぶ学習機会の提供や、しみず読書の日の浸透を図り、学びの成果がまちづくりに活かされるよう魅力ある人材の育成を推進してまいります。

 

4 町の資源を活かした活力あるまちづくり

 ◆クリーンな農業と資源循環型のまちづくりとして

 農業は食料の安定供給は勿論のこと、関連する多くの企業が地域経済や社会を支える重要な役割を担っており、安全で良質な農畜産物の生産確保に向けて、各種施策とクリーンな農業を推進してまいります。

 また、食育を通して、心身の健康を守り、豊かな食文化を継承していくことが重要であり、関係団体の協力を得ながら食育計画を推進してまいります。

 ◆経営基盤の確立と後継者が働きやすいまちづくりとして

 基幹産業である農業を持続するため、畑作農業の推進に向けた合理的な輪作体系の確立と畑作振興事業の充実を図ってまいります。

 また、酪農経営の大型化に伴い、バイオマスを活用した家畜糞尿の有効利用を推進し、乳牛の育成期におけるコスト低減や労働力の軽減を図るための自動機械化を推進してまいります。

 担い手対策につきましては、農業従事者の住居整備を行い、関係機関と連携しながら研修の機会を設け、担い手の技能向上を図り後継者対策や花嫁対策事業を推進してまいります。

 農業基盤整備につきましては、道営事業で現在3地区の基盤整備を進めており、本年度は新たに1地区の事業着手を進めてまいります。

 また、団体営事業の継続により暗渠整備を補完的に進め、被災農地の基盤整備による負担を支援し、異常気象に負けない強い農業づくりに向けた基盤整備事業を推進し、農畜産物の生産性を高めてまいります。

 ◆まちの資源を活かした産業の振興と連携の促進や地域の資源を活かした観光産業の創出

 情報発信拠点整備事業により設置し、3年目を迎える十勝清水観光情報ステーションの取組みにつきましては、観光情報等の発信を促進し地域資源を活かした事業創出と付加価値の高い特産品の開発など、地域産業の振興につなげてまいります。

 また、現在は休止しております清水公圏内事業所の再開を支援し、交流人口の増加に向けて「食」による観光振興に取り組んでまいります。

 ◆商業の活性化と異世代が集う多機能型まち

 本町の消費経済状況は、今もなお厳しい状況が続いております。

 人口減少や高齢化等により消費購買力は減退しており、経済行動の先行きは不透明でありますので、広域的な経済圏域の確保を進めてまいります。

 また、町内事業所の継続的な事業展開を支援するため、引き続き中小企業近代化資金の貸付制度の拡充を行い、新規参入時の事業資金の確保について支援してまいります。

 

5 みんなで創る協働のまちづくり

 ◆町民誰もが参加する協働のまち

 広報紙や町ホームページは、まちの今を知る情報発信源としてよりわかりやすく町民視点に立った情報の提供に努め、まちづくりへの参加の契機となるよう内容の充実に取り組んでまいります。

また、いきいきふるさとづくり基金には、本町のまちづくりを応援したいと思う方々から寄附をいただいており、寄附者の思いを効果的な施策に繋げ、寄附者への町内特産品贈呈により、町の産業活性化と魅力の発信にも取り組んでまいります。

 移住定住促進事業については、ワンストップ窓口において本町の医療、福祉、教育、雇用、住宅及び移住体験住宅等の多様な情報を確実に提供してまいります。

 また、関東圏を中心に行ってきた移住相談会については、移住体験の実績が増加傾向である関西圏まで範囲を広げ、本町の魅力を積極的に発信し移住促進に努めてまいります。

 ◆効率的でわかりやすい行政運営として

 町民自らが地域のことを考え、多くの意見を反映したまちづくり計画を基に、町民、地域、企業等関係機関とともに課題の解決に取り組み、人口減少に立ち向かう活力あるまちづくりの推進に取り組んでまいります。

 ◆広域行政の推進として

 人・モノ・金の都市部への集中が止まない中で、地方の自治体を取り巻く環境はなお一層厳しくなっております。

 住民に身近な行政サービスや地域活性化の効果的で効率的な実施に向けて、第2期十勝定住自立圏共生ビジョンを推進し、十勝圏全体の連携事業に取り組んでまいります。

 

Ⅳ むすび

 

 以上、平成30年度の町政運営にあたり、方針と施策の一端を述べさせていただきましたが、将来を見据え、時代の流れに沿った取り組みを着実に進めることにより、町民の皆様に「住んでよかった」、「今後も住み続けたい」と幸福感を実感頂けるよう、第5期清水町まちづくり計画の将来像にあります「みんなで活き生き豊さ育むまちとかちしみず」の実現を図ってまいります。

 

 そのためには、職員と一丸となって各種施策に取り組んでいくことは勿論のこと、住民各位それぞれの立場、環境で積極的に町政に参画していただくことをお願いするとともに、議員各位をはじめ町民の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げ、町政執行方針といたします。

 

 平成30年3月6日

 清水町長 阿 部 一 男

この情報に関するお問い合わせ先
議会事務局 電話番号:0156-62-3317