平成31年第2回定例会会議録(3月5日_日程第6)

○議長(加来良明) 日程第6、教育行政執行方針について、教育長より平成31年度教育行政執行方針を述べていただきます。

 教育長。

○教育長(三澤吏佐子) 

I はじめに

 平成31年第2回清水町議会定例会の開会にあたり、新年度の清水町教育委員会所管行政に関する主要な方針について申し上げます。

 今日の少子高齢化の進行や人口減少などの地域課題を抱える中、本町の未来を託す人材育成が必要であり、教育行政の果たすべき役割はますます大きなものがあると考えております。

 このような中、新学習指導要領では、子どもたちが、未来の社会を切り拓いていくための資質・能力を一層確実に育成するとともに、社会に聞かれた教育課程を実現していくことが示されています。

 清水町教育委員会といたしましては、教育理念を「心響」、実践指標を"しみず「教育の四季」"とし、学校・家庭・地域が一体となって、将来の地域を担う人材を育成するため「心かよわせ、互いに響き合う感性豊かな教育」を推進してまいります。

 また、文化の町・スポーツの町を自負する清水町の町民の潜在的教育力を学校教育へ還元することによって、子どもは大人から生きる力を感得し、大人は子どもから活力や生き甲斐を得る「異世代交流による循環型教育」を推進するため、学校教育、社会教育がそれぞれの教育機能を発揮し、調和と連携を図りながら、一体となって取り組んでまいります。

 さらに、「清水町教育大綱」に基づいた総合教育会議における町長との協議・調整により、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、町長部局と緊密な連携を図ってまいります。

Ⅱ学校教育の推進

 学習指導要領の改訂においては、将来を見据えた子どもたちの「生きる力」を具体化するため、各教科等の教育内容について横断的な視点から学習内容を充実することが求められており、教育課程の実施に必要な体制を確保し、組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を目指すとともに、「地域とともにある学校づくり」を進めるため、学校運営協議会を、清水地区(清水幼稚園・清水小学校・清水中学校)、御影地区(御影小学校・御影中学校)にそれぞれ設置し、「しみず教育の四季j の実践を基軸としたコミュ二ティ・スクールへの移行を図ってまいります。

 また、部活動及び少年団活動に参加する児童生徒の利便性を考慮し、清水・御影間の送迎パスを運行するとともに、引き続き修学旅行費等の保護者負担の軽減を図ってまいります。

1 確かな学力の育成

 小学校においては、平成32年度から学習指導要領が全面実施されることに伴い、5年生以上が「外国語活動」から「外国語科」として教科となることから、新年度から授業時数を増やすとともに、引き続きAET (英語指導助手)2名と英語活動講師を配置し、幼児期から楽しみながら本物の英語に触れるなど、外国語指導の充実に努めてまいります。

 中学校においては、一人1台のタブレット型コンピュータを配置したICT環境を最大限に活用して、主体的で対話的な深い学びを実践し、AI時代に対応したICT教育を推進してまいります。

 また、分かりやすい授業を展開するために、教職員の授業力の向上に向けて校内外の研修体制の充実や指導方法の工夫改善に努めてまいります。

 4月に実施する全国学力・学習状況調査においては、調査結果で明らかになった成果や課題を踏まえ、学力向上のための取組方針を作成し、各学校における指導充実の視点と、家庭での実践例を示し、学習習慣の定着や生活習慣の確立など学校と家庭と連携して学力の向上に努めます。

2 豊かな心と健やかな体を育む教育の推進

 子どもたちが基本的な生活習慣を身に付け、規範意識を高めるとともに、思いやりのある豊かな心を育むため、発達の段階に応じた様々な体験活動を通して、社会性を育んでまいります。

 また、いじめについては、未然防止、早期発見、早期対応に努め、道徳教育をはじめとして全ての教育活動において、生命を大切にする心、思いやりの心、感謝の心、互いに支え合う心など、子どもたちの発達段階に応じた規範意識や倫理感を育む活動を、家庭・学校・地域とともに推進してまいります。

 子どもたちが楽しく健康的に日々の活動を行うため、その源となる体力の向上、健康の増進については、学校の教育活動全体での指導と合わせて家庭や地域との連携を図ります。

3 子どもの安心・安全教育の推進

 安全で安心した子どもたちの生活環境を確保するため、登下校時における通学路等のパトロールボランティアの協力を得て、保護者や地域ぐるみの取組を推進してまいります。

 また、災害の実体験を踏まえた防災教育や、低年齢化する情報機器の所持に対応した情報モラル教育につきましでも、実態に即した指導を家庭、学校と連携して進めてまいります。

4 特別支援教育の推進

 生涯にわたって切れ目のない支援を目指した清水町障がい福祉計画に基づき関係機関との連携を推進するとともに、特別な支援を必要とする児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導や支援に努め、特別支援教育支援員の配置などにより支援体制の充実を図ります。

5 幼保小中の連携の推進

 保育所・幼稚園から小学校へ進む子どもたちが活き活きと成長できるよう「保育」と「教育」の違いを踏まえたなめらかな接続を進めるため、幼児と児童の交流活動や保育士など関係者と連携した取組を実施するとともに保育活動と教育活動の連続性を踏まえた教育の工夫、改善を推進してまいります。

 また、学習内容の連続性を踏まえ、小学校と中学校の連携についても進めてまいります。

6 清水高等学校の振興

 総合学科先進校として特色ある教育活動を展開しております清水高等学校との連携を深めるとともに、「魅力ある清水高校」に向けて関係団体への支援の充実を図ってまいります。

Ⅲ パスの運行及び学校給食の運営方針

1 スクールパス等の運行

 スクールパスにつきましては、全路線を運行委託しますが、事故の教訓を活かし、委託業者とも連携を図りながら、引き続き遠距離児童・生徒の通学手段として安全・安心な運行に努めてまいります。

2 学校給食の推進

 学校給食につきましては、地元産の食材を多く利用したメニューを取り入れ、子どもたちが食に興味や関心を高められる食育活動を進めてまいります。

 また、徹底した衛生管理や品質管理、安全確保を図り、何よりも安全で信頼される、学校給食の提供に努めてまいります。

Ⅳ 社会教育の充実

 町民が生きがいを持ち、潤いのある心豊かな生活を送るため、学びの環境整備に努め、それぞれのライフステージに応じた多様な学びの場を提供し、主体的に地域をつくる人材を育ててまいります。

1 社会教育活動の推進

 各種活動団体の情報を発信し、団体活動の活性化を図るとともに、公民館講座の充実に努め、学ぶ意欲を引出し、いきいきとした地域づくりを推進してまいります。

 公民館につきましては、町民の皆さんが気軽に利用していただける社会教育活動の拠点として、その運営に努めます。

 また、4月から導入します「コミュニティ・スクール」においても、社会教育の位置付けは大変重要なものであり、より一層学校と地域の連携・協働を図ってまいります。

2 文化芸術活動の推進

 いつの時代にあっても、文化芸術は人の心を動かし、その感動は心を支える礎になります。

 子どもから大人まで、文化芸術を身近に感じ、触れる機会並びに芸術鑑賞の場を提供するとともに、地域に誇りの持てる文化を、次世代につなげてまいります。

 施設改修としましては、引き続き文化センターの耐久性向上並びに老朽化した施設設備の更新等による大規模改修を行ってまいります。

3 スポーツ・レクリエーション活動の推進

 心身ともに健康で、充実した生活を送るためにも、各年代やそれぞれの体力に適した「町民一人1スポーツ」を目指し、スポーツ推進委員並びに関係機関の協力をいただきながら、ニュースポーツの普及など、町民の皆さんの体力向上と健康づくりを推進してまいります。

 また、アイスアリーナや体育施設等につきましては、引き続き指定管理者と連携を密にスポーツの振興を図ってまいります。

4 図書館の運営

 地域の情報の拠点として、町民の読書要求と学習意欲に応えられる資料の充実を図り、提供するとともに、生涯学習を支える施設として新たな活用を模索してまいります。

 また、郷土史料館につきましては、町の貴重な財産であり、次世代に伝えて行くために、館内の整備を進めてまいります。

 子どもたちの読書活動につきましては、学校図書館との連携を深め、移動図書館など本に親しんでもらう環境づくりのため、図書館サービスの充実に努めてまいります。また、「子どもの読書活動推進計画」を関係者と連携を図りながら策定してまいります。

 しみず「教育の四季」推進協議会で定めました、毎月19日の「読書の日」の普及により、幅広い世代に本に興味を持ってもらえる事業を展開し、「町民のふれあいの場」としての図書館を目指してまいります。

 施設整備につきましては、老朽化に伴う暖房設備の改修工事を行ってまいります。

Ⅴ むすび

 以上、平成31年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げました。

 本年度も本町の教育・文化・スポーツの振興と生涯学習社会の構築に最善の努力を傾けてまいりますので、議員並びに関係各位の温かいご支援と積極的なご協力をお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

 平成31年3月5日 清水町教育委員会教育長 三澤吏佐子

この情報に関するお問い合わせ先
議会事務局 電話番号:0156-62-3317