令和3年第2回定例会会議録(3月12日_日程第6)

○議長(桜井崇裕) 日程第6、教育行政執行方針について。

 教育長より令和3年度教育行政執行方針を述べていただきます。教育長。

教育委員会教育長(三澤吏佐子) 教育行政執行方針を申し上げます。

 Ⅰ、はじめに。

 令和3年第2回清水町議会定例会の開会に当たり、新年度の清水町教育委員会所管行政に関する主要な方針について、議員各位と町民の皆様に概要を申し上げます。

 急速な人口減少や少子高齢化、さらにはグローバル化、高度情報化社会にあって、本町の未来を担う人材の育成における教育行政の果たす役割は重要であります。

 清水町教育委員会では、教育理念を「心響」、実践指標を「しみず教育の四季」とし、家庭・学校・地域が一体となって、将来の地域を担う人材を育成するため、心通わせ、互いに響き合う感性豊かな教育を推進してまいります。

 文化の町・スポーツの町を自負する清水町の町民の潜在的教育力を学校教育へ還元することによって、子供は大人から生きる力を感得し、大人は子供から活力や生きがいを得る、異世代交流による循環型教育を推進するため、学校教育、社会教育がそれぞれの教育機能を発揮し、調和と連携を図り、一体となって取り組んでまいります。

 さらに、清水町教育大綱に基づいた総合教育会議における町長との協議・調整により、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、町長部局と緊密な連携を図ってまいります。

 なお、新型コロナウイルス感染症への対応につきまして、学校においては、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル、学校の新しい生活様式に基づいた対策の徹底を引き続き図ってまいります。

 社会教育においては、業種別新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン等に基づき、感染対策を図りながら、各施設の管理運営を行ってまいります。

 Ⅱ、学校教育の推進。

 小学校では、令和2年度から、中学校では令和3年度から全面実施となる新学習指導要領においては、将来を見据えた子供たちの生きる力を具体化するため、知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成するとともに、未来社会を切り開くための資質、能力を一層確実に育成するため、社会に開かれた教育課程が重視されております。

 地域とともにある学校づくりを進めるため、コミュニティ・スクールの充実を図るとともに、清水町の現状を見詰め、歴史や文化、産業などを体験的に学ぶことにより、地域に誇りを持ち、生涯を通してふるさと清水町とつながる子供の育成を目指す十勝清水学を引き続き進めてまいります。

 また、義務教育費の保護者負担につきましては、これまで半額を補助していた修学旅行費については全額補助とし、保護者負担軽減の充実を図ってまいります。

 1、確かな学力の育成。

 小学校、中学校においては、英語教育を充実させるため、引き続きAET(英語指導助手)2名と英語活動講師を配置してまいります。また、GIGAスクール構想に基づき、児童生徒一人一台を配置したタブレット型コンピューターの活用により、主体的、対話的で深い学びの実践に努めてまいりますが、その機能を最大限に活用し、授業で使用するほかにも、持ち帰りによる家庭学習で利用し、今後、万が一の長期休業などの際の学びの保障へ対応することができるよう、ICT教育を推進してまいります。

 また、教職員の授業力の向上に向けて、校内外の研究体制の充実や指導方法の工夫改善に努めるとともに、学力向上につきましては、全国学力・学習状況調査で明らかになった成果や課題を踏まえ、学力向上のための取組方針を作成し、学校と家庭が連携して、学習習慣の定着や生活習慣の確立を目指してまいります。

 2、豊かな心と健やかな体を育む教育の推進。

 「しみず教育の四季」の取組を通して、家庭、学校、地域が連携し、子供たちに基本的な生活習慣や規範意識が身につき、思いやりのある豊かな心を育みます。また、発達の段階に応じた様々な教育活動により、社会を生き抜く力を育んでまいります。

 いじめについては、学校における道徳の授業をはじめとする全教育活動を通じて、規範意識や倫理観、自己肯定感を育むことによる未然防止に取り組むとともに、早期発見、早期対応に努めてまいります。

 不登校については、その要因が様々であることから、学校、家庭、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー等、関係者の連携や情報共有により、発生予防や解消に努めてまいります。

 また、子供たちの体力の向上、健康の増進につきましても、学校の教育活動全体での指導と併せて、家庭や地域との連携を図ってまいります。

 3、子供の安心・安全の確保等。

 児童生徒の登下校時における通学路等の安心・安全な環境を確保するため、見守りボランティア等の協力の下、保護者や地域ぐるみの取組を推進してまいります。

 また、災害の実体験を踏まえた防災教育や、低年齢化する情報機器の所持に対応した情報モラル教育につきましても、実態に即した指導を家庭、学校と連携して進めてまいります。

 4、特別支援教育の推進。

 未就学の子供への支援を行っている関係機関との連携を緊密に行うとともに、インクルーシブ教育の理念を取り入れ、特別な教育的支援を必要とする児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導に努め、特別支援教育支援員の配置などにより、支援の充実を図ってまいります。

 5、幼保、小中の連携の推進と小中一貫教育。

 保育所、こども園、幼稚園から小学校へ進む子供たちの滑らかな接続を進めるため、幼児と児童の交流活動や保育士など、関係者の連携や保育活動と教育活動の連続性を踏まえた教育の工夫、改善を推進してまいります。

 また、小学校から中学校への学びの接続や専門性の高い、分かりやすい授業を展開するため、これまでの小中連携の取組をさらに進め、9年間の義務教育を一貫して、系統的・継続的に行う小中一貫教育の実現に向けた取組を進めてまいります。

 6、清水高等学校の振興。

 総合学科先進校として、特色ある教育活動を展開しております清水高等学校との連携を深めるとともに、関係団体への支援を通じて、昨年度より実施している御影地区から通学する生徒の公共交通機関定期代の全額負担を継続するとともに、魅力ある清水高校の実現を手助けするための広報活動、生徒の学習、部活動への支援、保護者負担等の軽減等を引き続き支援いたします。

 3、バスの運行及び学校給食の運営方針。

 1、スクールバス等の運行。

 スクールバスにつきましては、全路線を運行委託しておりますので、委託業者と緊密に連携を図り、引き続き、安全・安心な運行に努めてまいります。

 2、学校給食の推進。

 学校給食につきましては、清水町の食材を多く取り入れることに努めており、昨年から実施回数を増やした十勝清水めぐみの給食やバイキング給食に継続して取り組んでまいります。

 また、栄養教諭による指導や給食だよりを通じて、子供たちが食に興味や関心を高められるよう、食育活動を進めてまいります。

 また、徹底した衛生管理や品質管理、安全確保を図り、何よりも安心・安全で、おいしい学校給食の提供に努めてまいります。

 4、社会教育の充実。

 町民一人一人が豊かな人生を送ることができるまちづくりを目指し、自発的に学び、交流する環境の整備に努め、学びの成果を多くの人が分かち合うことによって、人と人とがつながる地域づくりを推進してまいります。

 1、社会教育活動の推進。

 各種活動団体の情報を発信し、団体活動の活性化を図るとともに、社会や町民の生活の変化に対応した学習の機会を提供してまいります。

 公民館につきましては、利便性を高めるとともに、町民の皆様が気軽に利用していただける社会教育活動の拠点として、その運営に努めます。

 また、コミュニティ・スクールにおいては、学校と地域住民との連携がスムーズに行われるよう、社会教育と学校教育の連携・協働をより一層図ってまいります。

 2、文化芸術活動の推進。

 文化芸術活動は、感動や楽しさをもたらし、創造性を育むものとして、豊かな生活を送るために、極めて重要なものであります。町民の皆様が優れた文化・芸術に親しみ、触れる機会を提供するとともに、文化団体との連携の下、活動の輪を広げ、地域で培われてきた文化・芸術活動や町の文化史跡や開拓の歴史を、郷土の文化として未来へ引き継いでまいります。

 3、スポーツ・レクリエーション活動の推進。

 幅広い世代の健康づくりや仲間づくりを進めるとともに、年齢や体力に適した町民一人一スポーツを目指し、誰もができる軽スポーツ活動の普及や青少年のスポーツ活動を支援するとともに、スポーツ推進委員並びにアイスアリーナや体育施設等の指定管理者と連携し、健康と夢を育むスポーツの楽しさをつなげ、スポーツの振興を図ってまいります。

 また、安全で安心な活動環境をつくるため、新体育館の建設に向け、基本設計を実施してまいります。

 4、図書館、郷土資料館の運営。

 生涯学習活動を支える施設として、町民の皆様の読書要求や学習意欲に応えられるよう、図書検索などのサービスを充実するとともに、しみず教育の四季推進協議会の定めました、毎月19日の読書の日の普及や読書普及イベントの実施により、幅広い世代に本に興味を持ってもらえる事業を展開してまいります。

 子供たちの読書活動につきましては、学校図書館との連携を深め、移動図書館や本に親しんでもらう環境づくりを推進してまいります。

 また、本町の開拓の礎である十勝開墾合資会社を設立した渋沢栄一翁が町内外で注目される中、郷土史への関心が高まっています。郷土の歴史の情報拠点として、郷土関連資料を充実するとともに、収蔵品を整理し、展示の充実を図る取組を進めてまいります。

 5、結び。

 以上、令和3年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げました。

 本年度も、本町の教育・文化・スポーツの振興と生涯学習社会の構築に最善の努力を傾けてまいりますので、議員並びに関係各位の温かい御支援と積極的な御協力をお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

 令和3年3月12日。

 清水町教育委員会教育長 三澤吏佐子

この情報に関するお問い合わせ先
議会事務局 電話番号:0156-62-3317