令和4年第3回定例会会議録(3月11日_日程第6)

○議長(桜井崇裕) 日程第6、教育行政執行方針について。

 教育長より令和3年度教育行政執行方針を述べていただきます。教育長。

教育委員会教育長(山下 勇) 令和4年度教育執行方針について述べさせていただきます。

 Ⅰ、はじめに。

 令和4年第3回清水町議会定例会の開会に当たり、新年度の清水町教育委員会所管行政に関する主要な方針について、議員各位と町民の皆様にその概要を申し上げます。

 現在、新型コロナウイルス感染症の収束がまだ見えない中、人々の命や生活を守りながら経済を止めることなく、安全・安心な生活ができるような社会環境が求められているところでありますが、人口減少や少子高齢化、さらにはICTやAIなどSosiety5.0時代と言われる環境において、未来を担う人材の育成という喫緊の課題解決を図っていくため、教育行政の果たす役割は重要であります。

 清水町教育委員会では、教育理念を「心響」、その実践指標をしみず「教育の四季」とし、家庭・学校・地域が一体となって将来の地域を担う人材を育成するため、「心かよわせ、互いに響き合う感性豊かな教育」を推進してまいります。

 「文化のまち・スポーツのまち」を自負する清水町民の潜在的教育力を学校教育へ還元することによって、子どもは大人から生きる力を、大人は子どもから活力や生きがいを感得する「異世代交流による循環型教育」から、さらに学ぶことへの喜びや楽しさ、成就感を実感することで「笑顔を育む教育」へと向上させ、学校教育と社会教育の連携を強化し、それぞれの教育機能を発揮した取り組みを進めてまいります。

 また、「清水町教育大綱」に基づき、総合教育会議での町長との協議、調整により、教育の政治的中立性や継続性、安全性を確保しつつ、町長部局と緊密に連携を図りながら教育行政の充実に努めてまいります。

 なお、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル、「学校の新しい生活様式」』や「業種別新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」をはじめ文部科学省や北海道教育委員会からの通知等に基づいた感染対策を取りながら、学校での「学びを止めない」取り組みや社会教育施設の「安全・安心な管理運営」に努めてまいります。

 Ⅱ、学校教育の推進。

 小学校や中学校においては、新学習指導要領のもと、子どもたちに将来を見据えた「生きる力」を身につけさせることを目指し、「社会に開かれた教育課程」のもと、「カリキュラムマネジメント」による「主体的・対話的で深い学び」のできる授業を行い、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく育成する、「個別最適な学び」と多様な個性を最大限活かす「協働的な学び」の充実に取り組んでまいります。

 また、「地域とともにある学校づくり」を進めるためコミュニティ・スクールの充実を図るとともに、ふるさと清水町の歴史や文化、産業などを体験的に学び、「地域を知り・愛し・誇りを持つ」ことにより、生涯を通してふるさと清水町とつながる子どもの育成を目指す「十勝清水学」を進めてまいります。

 なお、義務教育費の保護者負担軽減として実施している修学旅行費全額補助に加え、新年度より高等学校新入生へのタブレット端末購入費への一部助成を実施し、教育に係る保護者負担軽減を図ってまいります。

 1、確かな学力の育成。

 「教育における最大の環境は教職員」であることから、学校内外の研修機会、体制の充実や指導方法の工夫、改善に努めるとともに、「全国学力・学習状況調査」の結果から明らかになった成果や課題を踏まえ、学力向上の具体的方策や方針を明確にし、学校と家庭が連携して学習習慣の定着や生活習慣の確立に取り組んでまいります。

 小中学校の英語教育充実のため、AET2名と英語活動講師を配置し、外国語や異文化への理解を深め、自分の考えを英語で表現することができる力を育む国際理解教育を推進してまいります。

 なお、今年度も台湾台中市の小学校との国際交流時業を継続してまいります。

 また、GIGAスクール構想に基づき、児童生徒1人1台配置したタブレット端末を積極的に活用した対面授業はもちろんのこと、コロナ禍における学級閉鎖時等でのリモート授業や家庭学習での活用など、子どもたちの学びを保障することができるよう、ICT教育の推進と環境整備の充実を図ってまいります。

2、豊かな心と健やかな体を育む教育の推進。

 しみず「教育の四季」の取り組みを通して、家庭、学校、地域が連携・協力し、子ども一人一人に基本的な生活習慣や規範意識を身に付けさせ、思いやりの心を持ち感性あふれる表情豊かな子どもを育んでまいります。

 いじめにつきましては、特別な教科、「道徳」の授業を要に全教育活動を通して、「いじめはしない」「いじめは絶対許さない」という道徳的な判断力や心情、実践意欲と態度を育むとともに、未然防止、早期発見、早期対応、早期解決に努めてまいります。

 不登校への対応につきましては、児童生徒の実情に応じて学校、家庭、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、保健師、心理士等関係者との連携と情報共有を密にして、発生防止や解消に努めてまいります。

 子どもたちの体力の二極化や肥満傾向など体力と健康に係る問題の解決のため、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から明らかになった成果と課題を踏まえ、体力の向上と健康増進を図るために保健体育の授業の工夫改善の取組と併せて、家庭や地域との連携協力した取り組みに努めてまいります。

 3、子どもの安全・安心の確保等。

 児童生徒の登下校時における通学路等の安全・安心な環境確保のため、ボランティア等による見守り活動に加え、公安委員会をはじめ各道路管理者や町民生活課等関係機関との連携・協力のもと、地域ぐるみの取り組みに努めてまいります。

 本町での災害の実体験を踏まえ、「一日防災学校」の実施などによる防災教育や子どもたちがタブレット等のICT機器や携帯電話など情報機器を日常的に利用する中で、トラブル等の被害に遭わないよう家庭と連携しルールを守り、安全・安心に活用するための情報モラル教育につきましても、学校と連携して進めてまいります。

 4、特別支援教育の推進。

 子育て支援課、きずな園など、未就学児童からの支援を行う関係機関との連携を密に行うとともに、インクルーシブ教育の理念のもと、特別支援を必要とする児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導と切れ目のない一貫した教育が行えるよう、特別支援教育支援員の配置などによる支援の充実を図ってまいります。

 5、幼保、小中の連携の推進と小中一貫教育の推進。

 幼稚園、保育所、こども園での幼児期の教育と小学校の教育とのなめらかな接続のため、幼児と児童の交流活動や教員と保育士など関係者との研修会や情報交流など、引き続き保育活動と教育活動の連続性を図るための取り組みを進めてまいります。

 また、小学校から中学校への学びの系統性、連続性や高い専門性とわかりやすい授業を展開するために、小中連携教育から義務教育9年間を系統的、継続的に行う「小中一貫教育」の実現に向け、これまでの取り組みを継続し、町民への理解も深めてまいります。

 6、清水高等学校の振興。

 総合学科ならではの特色ある教育活動を実践している清水高等学校と連携を深め「学校の魅力化」の実現をサポートするため、広報活動や生徒の学習・部活動への支援をはじめ、御影地区から通学する生徒の通学定期代の全額助成に加え、新入学生のタブレット端末購入費の一部助成による保護者負担のさらなる軽減など、引き続き関係団体を通じた支援を行ってまいります。

 Ⅲ、スクールバス運行及び学校給食の推進。

 1、スクールバスの運行。

 スクールバスの運行につきましては、全路線を運行委託しておりますので、委託業者と緊密に連携を図り、引き続き安全・安心を第一とした運行に努めてまいります。

 2、学校給食の推進。

 学校給食につきましては、十勝の地場産物や清水町の食材を多く取り入れることに努め、年4回の「十勝清水めぐみの給食」や小学校6年生と中学3年生を対象とした「バイキング給食」の実施を継続してまいります。

 また、栄養教諭による食に関する指導や給食だよりを通じて、子どもたちが食への興味、関心を高められるよう食育活動を推進してまいります。

 さらに徹底した衛生管理や品質管理、安全確保を図り、安全・安心でおいしい学校給食の提供に努めてまいります。

 Ⅳ、社会教育の充実。

 町民一人一人が豊かな人生を送ることができるまちづくりを目指し、自主的・自発的に学び合うことができる環境整備に努め、学びの成果を多くの人々が分かち合うことによって、人と人とがつながり合う地域づくりを推進してまいります。

 1、社会教育活動の推進。

 各種活動団体の情報を収集、発信し、団体活動の活性化を図るとともに、社会や町民の生活の変化に対応した学習の機会や学習の場を提供してまいります。

 公民館においては、町民の皆様に気軽に利用していただける社会教育活動の拠点としての運営に努めてまいります。

 また、コミュニティ・スクールにおいては、学校と地域との連携がスムーズに行われるよう、社会教育と学校教育の連携・協働を一層推進してまいります。

 2、文化芸術活動の推進。

 町民の皆様に、多彩な文化芸術に親しみ、触れる機会の提供と舞台発表の環境を整備し、文化を継承することによって、その楽しさや感動の共有と創造性を育みます。

 文化団体と連携し、第九合唱をはじめとした地域で培われてきた文化芸術活動や、ふるさとの歴史を郷土の文化とし、未来へ引き継いでまいります。

 3、スポーツ・レクリエーション活動の推進。

 幅広い世代の健康づくりや仲間づくりを進めるため、年齢や体力に適した「町民ひとり1スポーツ」を目指し、気軽に楽しみながらできる軽スポーツの普及や青少年のスポーツ活動を支援し、体力の向上や健康の保持・増進、生きがいづくりに努めてまいります。

 また、スポーツ推進員並びにアイスアリーナや体育施設等の指定管理者と連携し、健康と夢を育むスポーツの楽しさをつなげ、スポーツ振興を図ってまいります。

 新体育館建設事業においては、安全で安心な活動環境づくりを目指して、昨年度に継続して基本設計を実施してまいります。

 4、図書館・郷土史料館の運営。

 生涯学習活動の基盤施設として、町民の読書要求や学習意欲に応えられる環境を整備し、図書館サービスを充実させるとともに、しみず「教育の四季」で定めた「しみず読書の日」の普及・定着や幅広い世代の方々に本に興味を持ってもらえる事業を推進してまいります。

 子どもの読書活動においては、学校図書館と連携した移動図書館や親子で本に親しむ事業を推進してまいります。

 本町の開拓の礎である十勝開墾合資会社を設立した渋沢栄一をはじめ郷土史への関心が高まっています。郷土を学ぶ拠点として展示のリニューアルや収蔵品を整備し、施設の学習機能の充実を図ってまいります。

 Ⅴ、むすび。

 以上、令和4年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げました。

 本年度においても、「教育・文化・スポーツのまち清水」を継続・発展させ、生涯学習社会の構築に向けて全力で取り組んでまいりますので、議員並びに関係各位、町民の皆様の御理解と力強い御支援をいただきますようお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

 令和4年3月11

 清水町教育委員会教育長、山下勇

この情報に関するお問い合わせ先
議会事務局 電話番号:0156-62-3317