令和5年第2回定例会会議録(3月10日_日程第6)

○議長(山下清美) 日程第6、教育行政執行方針について。

 教育長より令和5年度教育執行方針を述べていただきます。教育長。

○教育委員会教育長(山下 勇) 私のほうからは令和5年度教育執行方針について説明させていただきます。

Ⅰ はじめに

 令和5年第2回清水町議会定例会の開会に当たり、新年度の清水町教育委員会所管行政に関する主要な方針につきまして、議員各位と町民の皆様にその概要を申し上げます。

 清水町教育委員会では教育理念を「心響」、その実践指標を"しみず「教育の四季」"とし、家庭・学校・地域が一体となって、将来の社会を担う人材を育成するため「心かよわせ、互いに響き合う感性豊かな教育」を推進してまいります。

 町民の潜在的教育力を学校教育へ還元する「異世代交流による循環型教育」から、学ぶことの喜びや楽しさ、成就感を実感する「笑顔をはぐくむ教育」へと発展させるとともに、学校教育と社会教育の情報共有や連携強化を図り、それぞれの教育機能が相乗作用するよう取り組みを進めてまいります。

 また、清水町教育大綱に基づき、総合教育会議での町長との協議、調整により、教育の政治的中立性や継続性、安全性を確保しつつ、町長部局と緊密に連携を図りながら教育行政の充実に努めてまいります。

 ここに、令和5年度の主要な施策につきまして、基本的な考え方を説明させていただきます。

Ⅱ 学校教育の推進

 今年度も新型コロナウイルス感染症につきましては、引き続き文部科学省や北海道教育委員会の方針に基づき必要な対策を実施し、児童生徒や教職員の健康を守り、学びを止めないことを第一に考えて対応してまいります。

 小中学校においては、子どもたちに変化の激しい時代、「生きる力」を身につけさせることを目指す学習指導要領のもと、「社会に開かれた教育課程」や「カリキュラム・マネジメント」による「主体的・対話的で深い学び」のできる授業改善を図るとともに、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく育成する「個別最適な学び」と、多様な個性を最大限生かす「協働的な学び」の充実に取り組んでまいります。

 「地域とともにある学校づくり」を進めるコミュニティ・スクールの充実を図るとともに、ふるさと清水町の歴史や文化、産業などを体験的に学び、「地域を知り・愛し・誇りを持つ」ことにより、生涯を通してふるさと清水町とつながる子どもの育成を目指す「十勝清水学」を進めてまいります。また、現在オンライン等で行っている渋沢栄一の出身地である埼玉県深谷市八基小学校と清水小学校の交流をさらに進め、町内小学生を深谷市へ親善派遣する事業を実施し、「十勝清水学」の充実へとつなげてまいります。

 中学校の部活動の地域移行に関しましては、教職員の働き方改革や地域における文化・スポーツの振興など、学校教育・社会教育両分野の課題解決が必要となりますので、引き続き連携を図り検討してまいります。

 なお、義務教育費の保護者負担軽減として実施している修学旅行費全額補助、高等学校新入生へのタブレット端末購入費の一部助成を引き続き実施し、教育に係る保護者負担軽減を図ってまいります。

 1 確かな学力の育成

 教育における最大の環境は「教職員」であることから、学校内外での研修の機会や体制の充実、指導方法の工夫改善に努めるとともに、「全国学力・学習状況調査」の結果から明らかになった成果や課題を踏まえ、学力向上の具体的方策や方針を明確にし、学校が家庭と連携して学習習慣の定着や生活習慣の確立に取り組んでまいります。

 小中学校の英語教育充実のため、ALT2名と英語活動講師を配置し、外国語や異文化への理解を深め、自分の考えを英語で表現することなどを育む国際理解教育を推進してまいります。3年目の実施となる台湾台中市の小学校との国際交流授業を継続・充実させるとともに、今年度は中学校間の交流授業へと広げてまいります。また、GIGAスクール構想により一人1台配置したタブレット端末を積極的に活用し、今後導入されるデジタル教科書の実証事業などによる授業の充実、教育の質的向上、実践事例の普及を図ってまいります。さらに、リモート授業や家庭学習での活用により子どもたちの学びを保障することができるよう、ICT環境整備の充実も併せて図ってまいります。

 2 豊かな心と健やかな体を育む教育の推進

 しみず「教育の四季」の取り組みを通して、家庭・学校・地域が連携協力し、子ども一人一人に基本的な生活習慣や規範意識を身につけさせ、思いやりの心をもち、感性あふれ表情豊かな子どもを育んでまいります。

 いじめにつきましては、道徳の授業を要に全教育活動を通して、「しない・絶対に許さない」という道徳的な判断力や心情、実践意欲と態度を育み、関係機関とも適切かつ迅速な対応をとり、未然防止、早期発見・早期対応・早期解決に努めてまいります。

 不登校への対応につきましては、学校、家庭、指導専門員、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、保健師等関係者との連携と情報共有を密にして、児童生徒の実情に応じた対応による発生予防や解消に努めるとともに、近隣町で運営している不登校児童生徒の学びの場である「教育支援センター」を広域利用できる環境を整えてまいります。

 また、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から明らかとなった成果と課題を踏まえ、体力の向上と健康増進を図るため清水小学校に配置されている体育エキスパート教員を活用しながら、保健体育の授業の工夫改善の取組に努めてまいります。

 3 子どもの安全・安心の確保等

 児童生徒の登下校時の通学路等における安全・安心な環境確保のため、ボランティアによる見守り活動に加え、公安委員会を始め各道路管理者や町民生活課等関係機関との連携協力のもと、地域ぐるみの取り組みに努めてまいります。 本町での災害の実体験を踏まえ、「1日防災学校」の実施などによる防災教育や、子供たちがタブレット等のICT機器や携帯電話などの情報機器の利用においてトラブル等の被害に遭わないよう「しみずソーシャルメディアガイドライン」や「タブレットPCの使い方のルール」等を守り、安全・安心に活用するための情報モラル教育につきましても、学校と連携して進めてまいります。

 4特別支援教育の推進

 子育て支援課きずな園や発達支援センター、保健福祉課など、未就学児童からの支援を行う関係機関との連携を密に行うとともに、インクルーシブ教育の理念の下、特別支援を必要とする児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導と切れ目のない一貫した教育を行えるよう、指導専門員や特別支援教育支援員の配置による支援の充実を図ってまいります。

5 園・小・中の連携の推進と小中一貫教育の推進

 清水・御影こども園での幼児期の教育と小学校の教育とのなめらかな接続のため、幼児と児童の交流活動や教員と保育士など関係者との研修会や情報交流など、引き続き保育活動と教育活動の連続性を図るための取組を進めてまいります。

 小学校から中学校への学びの連続性を図り、高い専門性のある分かりやすい授業を展開するなど、義務教育9年間の連続した教育課程による系統的・継続的な学びを行う「小中一貫教育」の実現に向けた取り組みを継続、充実してまいります。

 また、教育講演会や広報などを通じて積極的に情報を発信し、町民への周知と理解を図ってまいります。

 6清水高等学校の振興。

 総合学科ならではの特色ある教育活動を実践している清水高等学校との連携をより一層深め、「学校の魅力化」の向上を実現するための広報活動や生徒の学習・部活動、進路への意欲を高めるための活動を充実させるための支援を行ってまいります。

 また、御影地区から通学する生徒の通学定期代の全額助成、新入学生のタブレット端末購入費の一部助成による保護者負担軽減など、引き続き関係団体を通じて支援を継続してまいります。

 Ⅲ スクールバス運行及び学校給食の推進

 1 スクールバスの運行

 スクールバスの運行につきましては、全路線を運行委託している事業者と緊密な連携を図り、子どもたち一人一人の安全・安心を第一とした運行に努めるとともに、子供たちが車内に取り残されるなどの事故がないよう乗降車時の確認を徹底してまいります。

 2 学校給食の推進

 学校給食につきましては、物価上昇に伴う材料費高騰分を保護者負担に転嫁することなく、引き続き十勝の地場産物や清水町の食材をより多く取り入れることに努めるとともに、年4回の十勝清水恵みの給食や小学校6年生、中学3年生を対象とした「バイキング給食」の実施を継続してまいります。

 また、栄養教諭による食に関する指導や給食だよりを通じて、子どもたちが食への興味、関心を高められるよう食育活動を推進、充実してまいります。

 さらに、徹底した衛生管理や品質管理、施設整備による安心確保を図り、安心・安全でおいしい学校給食の提供に努めてまいります。

 Ⅳ 社会教育の充実

 町民一人一人が豊かな人生を送るため「学びから生きる力を育むまちづくり」を目指し、自主的・自発的に学び合うことができる環境整備に努め、学びの成果を多くの人々が分かち合うことによって、人と人とがつながり合う地域づくりを推進してまいります。

 1 社会教育活動の推進

 社会教育関係団体の情報を収集・発信し、団体活動の活性化を図るとともに、社会や町民の生活の変化に対応した学習の機会を各種団体と協働して幅広い世代に提供してまいります。

 公民館においては、町民の社会教育活動や集会の拠点として安心して利用できるように運営や施設整備に努めてまいります。

 また、コミュニティ・スクールにおいては、学校と地域住民との連携がスムーズに行われるよう、社会教育と学校教育で連携・協働して引き続き推進してまいります。

 2 文化芸術活動の推進

 町民に、多彩な文化芸術に親しみ、触れる機会を提供し、文化活動への興味関心や意欲を培うことによって、その楽しさや感動の共有と創造性を育んでまいります。

 文化団体と連携し、新たな文化活動を創出するとともに、地域で培われてきた文化芸術活動を支援し、未来へ引き継いでまいります。

 また、郷土の文化・歴史への関心を高め郷土理解・郷土愛を深めるため、文化史跡を保存するとともに、開拓の歴史を広く周知し、学ぶ機会を提供してまいります。

3 スポーツ・レクリエーション活動の推進

 スポーツによる健康づくりや仲間づくりを進めるため、年齢や体力に適した「町民ひとり1スポーツ」を目指し、スポーツ推進委員並びにスポーツ施設の指定管理者等と連携し、気軽に楽しみながらできる軽スポーツの普及に努めてまいります。

 青少年のスポーツについては、少年団や学校部活動を支援するとともに、指導者の支援を進め、スポーツ活動ができる環境を整備し、子どもたちの夢を育むスポーツ活動を推進してまいります。

 また、新体育館の建設においては、安全で安心な活動環境づくりを目指して、基本設計を踏まえて各種情報を収集してまいります。

 4 図書館・郷土史料館の運営

 生涯学習活動の基盤施設として、町民の多様な読書要求や学習意欲に応えられる環境を整備し、図書館サービスや各種事業を推進してまいります。

 子どもの読書活動については、学校図書館と連携した移動図書館や親子で本に親しむ事業を推進するとともに、しみず「教育の四季」で定めた「しみず読書の日」の普及に努めてまいります。

 また、郷土史料館においては、収蔵品を整理・活用し、施設の学習機能を高めるとともに、十勝開墾合資会社を設立した渋沢栄一をはじめ、郷土を学び紹介する拠点として充実を図ってまいります。

Ⅴ むすび

 以上、令和5年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げました。

 本年度においても、「教育・文化・スポーツの町 清水」を継続・発展させて、生涯学習社会の構築に向けて全力で取り組んでまいりますので、議員並びに関係各位、町民の皆様のご理解と力強いご支援をいただきますようお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

 令和5年3月10

 清水町教育委員会教育長、山下勇

この情報に関するお問い合わせ先
議会事務局 電話番号:0156-62-3317