令和6年第2回定例会会議録(3月6日_日程第5)

○議長(山下清美) 日程第5、教育行政執行方針について。

 教育長より令和6年度教育行政執行方針を述べていただきます。教育長。

○教育委員会教育長(山下 勇) 私のほうから令和6年度教育行政執行方針について述べさせていただきます。

 令和6年第2回清水町議会定例会の開会に当たり、教育委員会所管の行政に関する主要な方針について申し上げ、町議会議員の皆様並びに町民の皆様にご理解とご協力をお願い申し上げます。

 初めに、社会的に大きな影響となった新型コロナウイルス感染症に係る教育課題への対応を踏まえた上で、本町の教育が目指す教育理念とその実現のために、教育施策を強く展開していく必要があります。これからも人々の命や生活を第一に守りながら、経済を止めることなく安全、安心な生活ができるような社会環境が求められている中において、社会問題となっている人口減少や少子高齢化、さらには情報テクノロジーが推進する高度情報化社会において、未来を担う人材育成という喫緊の課題解決を図るなど、教育行政の果たす役割は重要であると考えています。

 教育委員会では教育理念を「心響」、その実践指標を「しみず教育の四季」とし、家庭・学校・地域が一体となって、将来の社会を担う人材を育成するため、心かよわせ、互いに響き合う感性豊かな教育を推進、発展してまいります。

 また、教育委員会におけるキーワードを「一貫」と定め、教育委員会職員や学校職員、教育関係者全員の共通理解の下、一体となり同一方向で切れ目のない教育に取り組んでまいります。

 文化のまち、スポーツのまちを自負する私たち町民の潜在的な学ぶ力を学校教育へ還元することにより、生きる力や生きがいを感得する、異世代交流による循環型教育から、さらに学ぶことの喜びや楽しさを実感することで笑顔を育む教育へと発展、充実させるとともに、教育委員会内の情報共有や連携強化を図り、それぞれの教育機能が相乗的に作用する取り組みを進めてまいります。

 また、総合教育会議における町長との協議、調整により、教育の政治的中立性や継続性を確保しつつ、町長部局と緊密に連携を図りながら教育行政の一層の発展、充実に努めてまいります。

 初めに、学校教育に係る方針、学校教育の推進について申し上げます。

 小学校、中学校においては学習指導要領の下、主体的、対話的で深い学びを目指した授業改善を図るとともに、様々な考え方や夢を持つ子どもたちを主語とした、誰一人取り残すことなく育成する個別最適な学びと、多様な個性を最大限に生かす協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方について取り組んでまいります。

 また、地域とともにある学校づくりを進めるコミュニティ・スクールの充実を図るとともに、ふるさと清水町の歴史や文化、産業などを体験的に学ぶことにより、地域を知り、愛し、誇りを持ち、生涯を通してふるさと清水町とつながる子どもの育成を目指す十勝清水学を系統的、継続的に進めてまいります。更には、埼玉県深谷市の小学生とのオンライン交流や親善派遣事業を継続し、郷土への理解を深めてまいります。

 なお、義務教育費の保護者負担軽減として実施している修学旅行費全額補助に加え、今年度からは英語教育をより発展させるための英語検定料の助成や、今年度も引き続き高校生へのタブレット端末購入費の一部助成を実施しながら、教育に係る保護者負担軽減を図ってまいります。

 次に、確かな学力の育成について申し上げます。

 各種研修への参加による教員の質を高めるとともに、全国学力・学習状況調査の結果から明らかになった成果や課題を踏まえ、学力向上の具体方策や方針を明確にし、学校と家庭が連携して家庭学習の習慣と生活習慣の確立に取り組んでまいります。

 小中学校の英語教育充実のため、ALT2名と英語活動助手1名を配置し、外国語や異文化への理解を深めてまいります。国際化する社会において、自分の考えを英語で表現することができる力を育み、国際理解教育を推進するため、今年度も台湾台中市の小中学校との国際交流事業を継続、充実させてまいります。

 また、GIGAスクール構想に基づいた、児童生徒に1人1台配置したタブレット端末を効果的に活用した授業の充実、デジタル教科書の活用も含みますが、実践事例の普及、感染症などにより授業に参加できない児童へのリモート授業や家庭学習での活用など、子供たちの学びの保障と教育の質的向上を図るよう、ICT教育の推進及び技能の向上、環境整備の充実を図ってまいります。

 次に、豊かな心と健やかな体を育む教育の推進について申し上げます。

 「しみず教育の四季」の取り組みを通して、家庭・学校・地域が連携協力し、子ども一人一人に基本的な生活習慣や規範意識を身につけさせ、思いやりや感性あふれる子どもを育んでまいります。

 いじめにつきましては、道徳での授業を中心として、いじめは絶対許さないという道徳的な判断力や心情、そして実践意欲と態度を育むとともに、関係機関とも連携した適切かつ迅速な対応を行い、未然防止や早期発見、早期対応、早期解決に努めてまいります。

 社会的な問題になっている不登校への対応につきましては、子供の実情に合わせて学校、家庭、指導専門員、子ども相談支援センターなどの関係機関との連携を密に行い、正確な情報共有の下に、子どもたちの登校意欲につながる活動に取り組んでまいります。

 子どもたちの課題の一つとなっている、体力と健康に係る問題解決のため全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果から明らかになった成果と課題を踏まえ、体力の向上と健康増進を図るために、今年度も体育エキスパート教員による保健体育の授業の工夫改善と、家庭や地域との連携、協力した取り組みに努めてまいります。

 次に、子供の安全・安心の確保等について申し上げます。

 児童生徒の登下校時の通学路等における安全、安心な環境確保のため、地域のボランティア等による見守り活動に加え、公安委員会をはじめとする関係機関との連携と協力の下、地域ぐるみの取り組みに努めてまいります。

 学校においては、1日防災学校の実施による防災教育や、子どもたちがスマートフォンなどのモバイルツールを日常的に利用する中でトラブル被害に遭わないよう学校と家庭とが連携し、しみずソーシャルメディアガイドライン、タブレットPCの使い方のルール小学校版・中学校版等を確認しながら情報リテラシーを正しく理解する取り組みを進めてまいります。

 次に、特別支援教育の推進について申し上げます。

 町発達支援センターきずな園などの、未就学児童からの支援を行う関係行政機関との連携を密に行い、インクルーシブ教育の理念の下、支援を必要とする児童生徒や家庭からの教育的ニーズに応じた適切な指導と切れ目のない一貫した教育が行えるよう、指導専門員や教育支援員などの配置による指導、支援の充実を図ってまいります。

 次に、こども園・小・中の連携の推進と小中一貫教育の推進について申し上げます。

 清水・御影こども園との幼児教育と小学校教育との段差のない滑らかな接続のため、幼児と児童の交流活動や教員と保育士などによる関係者との合同研修会や情報交流会などを計画的に行い、園・小の連携による架け橋期の教育の充実に取り組んでまいります。

 また、小学校から中学校への学びの系統性、連続性や、高い専門性と分かりやすい授業を展開するために、十勝清水学を中心とした小中一貫教育への本格実施に向け、これまでの取り組みを見直し充実発展させるとともに、教育協議会や広報を通して保護者や町民への情報発信、提供を行い、理解を深めていただく活動を行ってまいります。

 次に、清水高等学校の振興について申し上げます。

 総合学科ならではの特色ある教育活動を実践している清水高等学校との連携をさらに深めていき、たくさんの生徒やその保護者に対して清水高等学校で学ぶことのできるカリキュラムや部活動への支援のほかに、御影地区から通学する生徒への通学定期代の全額助成に加え、新入学生に対するタブレット端末購入費の一部助成による保護者負担のさらなる軽減や、生徒たちが在学中に叶えたい活動への支援を行うなど、引き続き関係団体と一体となって支援、協力してまいります。

 次に、スクールバスの運行について申し上げます。

 スクールバスの運行につきましては、運行委託事業者と緊密に連携し、運行の在り方の確認や運行路線の工夫改善を図るなど、スクールバスを利用する子どもたちの安全で安心になる運行に努めます。また、小学校低学年用の下校バス運行や部活バスの4月からの送迎など、運行体系の拡充を行うことで利便性の向上と保護者の負担軽減を図ってまいります。

 次に、学校給食の推進について申し上げます。

 学校給食につきましては、物価高騰の影響を受けておりますが、値上げを行わず町費で負担し保護者負担の軽減を行います。また、引き続き清水町の食材の使用を最優先し、地産地消の意義と生産者への感謝の心を育む教育に努めるとともに、今年度も、子どもたちから好評である十勝清水めぐみの給食やバイキング給食、行事用のデザートの提供も継続実施いたします。併せて栄養教諭による食に関する指導や給食だより等を通じて、食への興味関心がより一層高められるよう食育活動を推進してまいります。

 今年度も、安全、安心で喜ばれる学校給食の提供に努めるため、徹底した衛生管理や品質管理を行うとともに、計画的に給食センター施設の整備を行ってまいります。

 次に、社会教育に係る方針、社会教育の充実について申し上げます。

 町民一人一人が豊かな人生を送るため、学びから生きる力を育むまちづくりを目指し、主体的、協働的に学び合うことができる環境整備に努め、学びの成果を多くの人々が分かち合うことによって、人と人とがつながり合う地域づくりを推進してまいります。

 次に、社会教育活動の推進について申し上げます。

 社会教育関係団体の情報を収集、発信し、団体活動の活性化を図るとともに、社会や町民の生活の変化に対応した学習の機会を提供してまいります。

 公民館においては、町民の社会教育活動や集会の拠点として幅広い世代が安心して利用できるよう施設整備に努めてまいります。

 また、生涯学習ボランティアにおいては、地域住民の学びが学校とつながり合うよう、学校教育と連携、協働し推進してまいります。

 次に、文化芸術活動の推進について申し上げます。

 町民に、多彩な文化芸術に親しみ触れる機会を提供し、文化活動への興味関心や意欲を培うことによって、その楽しさや感動を共有し創造性を育んでまいります。

 文化団体等と連携し、新たな文化活動を創出するとともに、地域で培われてきた文化芸術活動を育成支援し、未来へ引き継いでまいります。

 また、郷土の文化、歴史への関心を高め、郷土理解、郷土愛を深めるため文化史跡を保存、活用し、郷土や開拓の歴史を学ぶ機会を提供してまいります。

 次に、スポーツ・レクリエーション活動の推進について申し上げます。

 スポーツによる健康づくりや仲間づくりを進めるため、年齢や体力に適した町民1人1スポーツを目指し、スポーツ推進委員並びに体育団体等と連携し、誰もが気軽にできる軽スポーツの普及啓発に努めてまいります。

 青少年のスポーツにおいては、少年団等や指導者の支援を進めるとともに、学校部活動の地域移行へ取り組み、スポーツ活動の環境整備と子供たちの夢を育むスポーツ活動を推進してまいります。

 また、安全なスポーツ施設の環境整備に努めるとともに、新体育館の建設準備に向けて各種情報を収集してまいります。

 次に、図書館・郷土史料館の運営について申し上げます。

 生涯学習活動の基盤施設として、町民の多様な読書要求や学習意欲に応え、居心地のよい環境を整備し、図書館サービスを提供してまいります。

 子どもの読書活動推進においては、学校図書館等と連携した移動図書館や移動文庫、親子で本に親しむ事業を推進し「しみず読書の日」の普及、定着に努めてまいります。

 また、郷土史料館においては、施設の学習機能を充実させるとともに、十勝開墾合資会社をはじめ、町や郷土を学び紹介する拠点として充実を図ってまいります。

 結びに。

 以上、令和6年度の教育行政に関する主要な方針について申し上げました。

 本年度においても、教育・文化・スポーツのまち清水を継続、発展させ、生涯学習社会の構築に向けて誠心誠意取り組んでまいりますので、議員並びに関係各位、町民の皆様のご理解と力強いご支援をいただきますようお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

 令和6年3月6日。

 清水町教育委員会教育長、山下勇。

この情報に関するお問い合わせ先
議会事務局 電話番号:0156-62-3317