令和7年第4回定例会会議録(6月12日_日程第4)

〇議長(山下清美) 日程第4、町長より令和7年度町政執行方針を述べていただきます。町長。

〇町長(つじ 康裕) 令和7年第4回清水町議会定例会の開会にあたり、町政執行に対する所信を申し上げ、町議会議員の皆様並びに町民の皆様にご理解とご協力をお願い申し上げます。

私は2月に町長に就任して以来、「清水町を元気にする」との思いで、これまで数多くの町民の方々からいただいたご意見を参考に、町の現状や課題の把握に努め、切れ目のない住民サービスの提供に取り組んでおります。その中で、急ぐべき施策については、3月定例会または4月臨時会において補正予算を提案し議決をいただいたところであります。

そして、本定例会においても喫緊の課題解決と町民の皆様の安心安全な暮らしの実現を目指し補正予算を提案させていただいております。

今後も適正な時期に必要な予算を提案してまいります。

人口減少・少子化対策への対応や長引く物価高騰への対応など、町が抱える課題は多岐にわたります。「清水町を元気にする」との思いを強く抱き、まずは町民の皆様の生活の安定に向けた支援や経済対策に引き続き取り組んでまいります。そして、長期的な戦略を持って本町の持続的なさらなる発展に向けた調査・研究を行い、第6期清水町総合計画におけるまちの未来像、「まちに気づく まちを築く とかち清水~想いをミライに繋ぐまち」の実現に向け、緊張感を持って全力で町政に取り組む所存であります。

それでは、令和7年度において取り組む方針につきまして、第6期清水町総合計画に定める6つの体系に沿って申し上げます。

はじめに、「安全・安心に暮らしつづけるまち」について申し上げます。

異常気象の原因と言われる地球温暖化への対策については、2050年カーボンニュートラルを目指し、具体的な対策の検討を進めるとともに、省エネ・節電の啓蒙による脱酸素に対する意識醸成を図るなど、地域脱炭素社会に貢献する取り組みを進めてまいります。また、森林環境譲与税を有効に活用し、森林整備計画に基づく適正な森林施業の実施により、健全な森林資源を維持し、また森林系Jクレジットの売却益を、さらなる森林整備に活用することで、二酸化炭素の吸収減の拡大を図り、脱炭素社会の取り組みを進めてまいります。さらに、本町に適した地域再生エネルギーのあり方やバイオマスの利活用について調査研究を進めてまいります。

ごみの減量や再資源化につきましては、町民や事業者等の皆様と連携して、地域循環型社会の構築を進めてまいります。また、町内の空き家の現状把握を行い、その対策や環境対策を進めてまいります。

交通安全対策につきましては、警察署と連携し、高齢ドライバーの免許自主返納を啓発する活動を継続してまいります。また、町内事業者を含めた町民参加型の交通安全キャンペーンの実施、子供と高齢者の安全確保、乗車用ヘルメットの着用推奨などを通じ、自転車の安全利用を推進してまいります。

防犯対策につきましては、警察署・家庭・学校・地域が連携し、地域の見守り体制の充実を図ります。その一環として、子ども100当番の家や店の登録を推進し、生活安全推進委員会を中心に巡回パトロールを実施してまいります。また、複雑化する消費者トラブルに対しては、消費生活センターと連携し、相談業務の充実などを通じて、被害の早期発見や、救済対策を進め、消費者の安全を確保してまいります。

防災対策につきましては、能登半島地震など近年の災害リスクを踏まえ、災害情報を迅速かつ確実に伝達するための情報伝達手段の充実に努めるとともに、地域防災力を高めるために防災訓練や研修会など、防災意識を高める取り組みを継続的に進め、「誰も取り残さない防災」を目指してまいります。

次に「健やかで笑顔あふれるまち」について申し上げます。

心身の健康を保ち、健やかで心豊かに生活するためには、ライフコースを踏まえた健康づくりを推進することが重要であり、生活習慣の改善による生活習慣病の発症や重症化を予防する取り組みを進め、医療機関とも連携を図りながら、健康診断や各種検診の受診率向上を図ってまいります。また、国民健康保険事業において、国民健康保険税の適正な課税に努め、安定した事業運営を目指してまいります。

高齢者福祉につきましては、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるように、地域包括支援センターを中心に関係機関の連携を深め、高齢者の生きがいづくりなどの、介護予防や日常生活を支える補聴器助成を初めとした各種支援の充実に取り組むとともに、適正な介護保険サービスの提供に努めて参ります。

障がい者・障がい児福祉につきましては、障がいのある方やそのご家族か安心して暮らしていけるように、相談支援体制の充実や適正な障がい福祉サービスの提供に努めてまいります。

子育て支援につきましては、これまでも子育てにかかる経済的負担の軽減と子供たちを安心・安全な環境でお預かりできるよう、保育施設の充実と地域ぐるみで子育て世代を支える環境づくりをしてまいりました。 引き続き、保護者の就労の多様化に対応し、より働きやすい環境を整えるため、こども園における給食の充実や施設の適正管理、子育てサポート事業の体制を強化してまいります。さらに今後もICTなどを活用し家庭との情報共有を密に行いながら、よりよい教育・保育の提供に努めてまいります。

次に、「学びから生きる力を育むまち」について申し上げます。

学校教育においては、教育理念である「心響」とその実践指標となる「しみず教育の四季」のもと、こども園、小・中・高校間の交流を継続するとともに、本年度からは義務教育9年間を通じた、学びの連続性・充実を図る小中一貫教育を実施することにより、個に応じた質の高い教育を進めてまいります。さらにGIGAスクール構想により、ICTを活用したデジタル教育を推進し、次世代の町のミライを担う子供たちに、たくましさや主体性、コミュニケーション力、英語力等を身につけてもらえるよう努めてまいります。また、食の宝庫である清水町の環境を活かした食に関わる関心を高め、学校給食の充実を図ってまいります。

町唯一の高校である清水高等学校との連携協力を深め、関係団体と一体となりながら、「学校の魅力向上」に向けた支援を一層行ってまいります。

文化芸術活動につきましては、町民の主体的な活動の促進や、多彩な文化芸術に触れる機会の提供や文化継承、第10回目となる第九演奏会の開催、さらには文化史跡の保存を図るとともに、ふるさとの歴史を学ぶ機会を提供してまいります。

スポーツ活動につきましては、体育関係団体と連携協力し体力の向上や健康の保持、増進を図る軽スポーツやウォーキングの普及・啓発、生きがいづくりやコミュニケーションの場の提供に努めて参ります。また、小中学生を初めとする青少年のスポーツ活動支援やスポーツ施設の整備等を進めてまいります。

新体育館の建設については、将来に負担を強いることのないよう、長期的な視点に立ち、必要な機能や適切な規模などを改めて検討してまいります。

生涯学習につきましては、誰もが学び合い、人々がつながり合えるよう第10次清水町社会教育計画を策定するとともに、社会教育施設に集い個に応じた学びが継続できるよう居心地のよい環境づくりを推進してまいります。

次に、「地域資源と産業を活かし、挑戦するまち」について申し上げます。

基幹産業である農業を取り巻く環境は、国際紛争や円安の影響により飼料、肥料をはじめとした生産資材の高止まりが農業経営に甚大な影響を与えており、今後の貿易関税の動向も加えて農業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。酪農については国内、インバウンド需要の回復はあるものの、物価高騰などの影響により生乳の飲用向けは前年を下回っており、引き続き消費拡大運動を展開してまいります。昨年の農産物については、各作物とも平年を上回る良好な作柄となりましたが、肥料などの高騰により経営を圧迫しております。特に輪作体系に欠かすことができないてん菜をめぐる状況は厳しく、北海道てん菜振興自治体連絡協議会を通じて、引き続き国内対策の充実等について要請活動を行ってまいります。併せて、町内においてもてん菜作付推進協議会を設立し、関係機関の情報共有を図ってまいります。また、経営の大規模化に伴う、労働力不足を解消するため担い手の確保や酪農ヘルパー組合への支援を継続しながら、新たな人材確保対策を検討するとともに、スマート農業の推進と生産者に対する研修機会を設け、関係機関と連携をはかり、取り組んでまいります。

商工業につきましては、円安や物価高騰が続く中、収益改善を伴わない中で、人手不足解消のための防衛的賃上げを迫られた中小企業が多いことから、清水町中小企業・小規模企業振興基本条例に基づき、中小企業の振興を総合的に推進し、地域経済の持続的な発展と町民生活の向上を目指してまいります。

本町の最大の強みである農畜産物のブランド化を推進するため、食育等を通した地産地消を進めるとともに、観光協会と連携し、地理的優位性と豊かな自然や食、産業等を町の強みとしたイベントの開催と渋沢栄一翁をご縁とする関係自治体企業と連携し、観光物産のPRに取り組んでまいります。

既存の観光資源に加え、日高山脈襟裳十勝国立公園の誕生を活かし、自然美を最大限活かした観光や、渋沢栄一翁関連施設などに加え、「道の駅」の創設を目指し、地域の魅力を最大限に引き出すとともに、町内経済の拡大につなげてまいります。

次に「快適で安らぎを感じられる住みよいまち」について申し上げます。

道路につきましては、引き続き舗装整備やわだち堀等補修修繕を計画的に進めるとともに、国道や道道整備についても積極的に、事業要請をしてまいります。また、都市計画の方針となる都市計画マスタープランのもと、都市計画区域内の用途地域の見直しを行ってまいります。公園につきましては、子供から高齢者までの異世代が集まり交流できる環境整備を計画的に進め、施設の改修等を実施し、安全に利用できるよう適切な管理をしてまいります。

水道及び下水道につきましては、健全な企業経営のもと、安全な水の安定供給と生活環境衛生を維持するため、施設の更新計画に基づき施設の適正な管理に努めてまいります。

高齢者による交通事故の増加などが社会問題となる中、自動車運転免許返納された高齢者など交通弱者といわれる方々の移動手段の確保につきましては、タクシー利用券の拡充や清水帯広間バスの運行継続を行うとともに、買い物銀行バスの利用時間を拡大するなど、運用の充実を図り、効率的で利便性の高い移動手段の提供を目指してまいります。

移住定住施策につきましては、十勝しみず移住促進協議会と連携し、よりきめ細やかな対応を進めてまいります。また、住宅取得支援について、中古住宅の活用など新たな発想を加えながら、引き続き取り組むとともに、保育園留学をはじめとするワーケーション事業に力を入れ、本町の魅力ある豊かな暮らしを広く都市部に情報発信することにより、関係人口が商工振興や観光振興にも繋がる環境を整え、将来的な移住定住へと繋がるよう努めてまいります。

都市と地域をつなぎ、地域の課題や地域資源を活かしたビジネスを生み出し、地域の担い手となる地域プレーヤーの発掘と育成に引き続き取り組むとともに、民間活力の活用と地域おこし協力隊による地域課題の解決に取り組んで参ります。また、地域の貴重な担い手となる地域プレーヤーや地域おこし協力隊員の定住・定着率の向上を目指してまいります。併せて、町内外において地域の資源を活用したまちの活性化を目指す、「やりたい」と思う気持ちを大切にして、その実現に向けた支援を検討してまいります。

町内の住宅に関しては、御影西都団地の建て替えが本年度で完了しますが、老朽化が進んでいる町営住宅について、入居希望者のニーズを見極めながら改修を計画的に進め、既存の空き家、空き地、賃貸住宅など民間との連携により、住環境の整備をしてまいります。

次に、「多様なつながりで協働するまち」について申し上げます。

人と人をつなぐ地域コミュニティ活動は、まちづくりに大きな役割を果たしております。町内会などによる住民活動への支援を行い、若者から高齢者までが互いに支え合う地域コミュニティの形成を進めていきます。また、町民の皆様が自分ごととしてまちづくりに参加する契機となるよう、読みやすくわかりやすい広報誌の発行と町ホームページや公式LINEをはじめとするソーシャルメディアなど、あらゆるツールを用いて町民視点に立ち、必要な人に必要な情報が迅速に伝わる情報発信に努めてまいります。

さらに、本町の豊かな自然や安心安全で魅力ある「食」を通じたPRの充実に加え、「十勝」という地域ブランドを町名に活用することの可能性を調査するなど、誰もが訪れてみたいと思うまちを目指し、本町の良さを全国へ発信してまいります。

そして、本町の未来をつくる貴重な財源としてふるさと納税制度を可能な限り活用いたします。特に企業版ふるさと納税を活用し、本町を応援していただける企業を増やしていきたいと考えます。

以上、令和7年度の町政運営に当たり、方針の一端を述べさせていただきました。公約実現に向けて取り組むべき課題は複雑で時間を必要とするものもあり、本年度は解決に向けて一つ一つ丁寧に調査研究を行い、清水町を元気にするための生活の安全・安心を最優先しつつ町民目線で各種施策に取り組んでまいります。

議員の皆様をはじめ町民の皆様の深いご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、町政執行方針といたします。

令和7年6月12日 清水町長 つじ康裕。

この情報に関するお問い合わせ先
議会事務局 電話番号:0156-62-3317