〇議長(山下清美) 日程第5、教育行政執行方針について、教育長より令和7年度教育行政執行方針を述べていただきます。教育長。
〇教育長(山下 勇) 令和7年第4回清水町議会定例会の開会にあたり、教育委員会所管の行政に関する主要な方針について申し上げ、町議会議員並びに町民の皆様にご理解とご協力をお願い申し上げます。
本町の教育が目指す教育理念「心響」、その実践指標「しみず教育の四季」と国の教育基本計画に謳われている「ウェルビーイング」の向上を推進するためには、より基礎的なことを重視した取り組みが肝要だと考えています。
少子高齢化など、社会のあり方が劇的に変わる時代を生きる子どもたちを育てていくためには、地域が一体となって「心をかよわせ、互いに響き合う感性豊かな教育」を更に推進する必要があります。教育委員会における今年のキーワードを「転換」と定め、教育委員会や学校など教育関係者全員の共通理解のもとに新しい段階へ発展するように取り組んでまいります。
総合教育会議においては、教育の政治的中立性や継続性を確保しながら町長部局と緊密な連携を図ってまいります。
学校内外における教職員の働き方改革に取り組み、教職員の専門性を高めることで子どもたちへの質の高い教育環境を整えてまいります。
これらの基本的な考えのもとに教育委員会では14項目の具体的な方針を進めてまいります。
学校教育に係る方針「学校教育の推進」について申し上げます。
学校での教育においては、学習指導要領のもと「主体的・対話的で深い学び」を目指した授業改善を図ってまいります。
予測不可能な時代における、様々な社会的な変化を乗り越えることができる資質・能力を育成するために多様性が求められる社会を生き抜く力の育成や、ICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びの一体的な教育活動に取り組んでまいります。
また、地域の方々と協働でコミュニティスクールの充実を図るとともに、ふるさと清水町の歴史や文化、郷土愛の醸成を深める「十勝清水学」を展開してまいります。
更に、国内外の多様性を学ぶ機会として埼玉県深谷市や台湾の小学生とのオンライン交流や受入事業を通してコミュニケーション力を高め、国際的感覚を育成するとともに郷土を理解する教育活動を行ってまいります。
なお、義務教育費の保護者負担軽減として今年度も引き続き小中学生への修学旅行費全額補助や英語検定料の助成、新高校1年生へのタブレット端末購入費の助成を実施してまいります。
次に、「確かな学力の育成」について申し上げます。
「全国学力・学習状況調査」及び「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から、本町の子どもたちの学力や運動能力の状況を適正に把握・分析した課題を踏まえ、根拠に基づいた学力と体力の向上に向けた取り組みを行ってまいります。更には、家庭学習の定着と生活習慣の確立にも取り組んでまいります。
英語教育の充実に向けては、英語指導助手や英語活動講師を積極的に活用し、英語力の育成や異文化への理解を深めてまいります。「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、校務用パソコンやタブレット端末、電子黒板などのデジタル機器の充実を図るなど、効果的に活用できるICT環境を整備します。
次に、「豊かな心と健やかな体を育む教育の推進」について申し上げます。
心響を理念とした「しみず教育の四季」の取り組みを家庭・学校・地域が連携協力し、子どもたち一人一人に基本的な生活習慣や規範意識を身に付けさせ、思いやりと感性溢れる子どもを育んでまいります。「道徳」の授業を中心としながら、「いじめは絶対許さない」という道徳的な教えとともに、生命や人権を大切にする心を育成し、友情の尊さや信頼の醸成、生きることの素晴らしさについても指導してまいります。また、年々増加傾向にある不登校への対応として、町教育支援センターを立ち上げ、正確な情報共有のもと、子どもたちや保護者へのきめ細やかで適切な対応により、学校や社会への復帰につながる最適な支援となるように努めてまいります。
次に、「子どもの安全・安心の確保等」について申し上げます。
児童生徒の登下校時の通学路等における安全・安心な環境確保のため、地域のボランティア等による見守り活動など、地域と協働した地域ぐるみの活動に取り組んでまいります。
学校においては、「一日防災学校」などの防災教育や、スマートフォン等を日常的に利用する中で、正しく情報リテラシーを理解するために学校と家庭が連携し「清水ソーシャルメディアガイドライン」、「タブレットPCの使い方のルール」等を活かした情報教育を進めてまいります。
次に、「特別支援教育の推進」について申し上げます。
教育現場及び関係機関との連携を密に行い、支援を必要とする児童生徒や家庭に関する情報の共有、教育的ニーズに応じた指導と切れ目のない一貫した教育を目指し、教育支援員などを配置して指導・支援の充実を図ってまいります。
次に、「こども園と学校との連携強化と小中一貫教育の推進」について申し上げます。
しみず・御影こども園での幼児教育と小学校教育との段差のない滑らかな接続のため、交流活動や合同研修会などを計画的に行い、幼保・小連携による教育の充実に取り組んでまいります。また、小学校から中学校への学びの連続性、専門的にわかりやすい授業を展開する「小中一貫教育」の取り組みについて保護者や町民への情報発信・提供を行いながら学びの向上に努めてまいります。
次に、「清水高等学校の振興」について申し上げます。
総合学科としての特色ある教育活動に取り組む清水高等学校においては、学校での授業内容や進路、生徒の活躍等、多くの魅力を発信してまいります。
また、新入学生に対するタブレット端末費用の一部助成や各種検定料、通学費などを助成し、保護者負担の軽減を図ってまいります。
次に、「スクールバスの運行」について申し上げます。
スクールバスの運行につきましては、引き続き全路線を運行委託し、緊密に連携しながら安全運行に努めます。
今後も、中学生部活バスの運行等も含め、遠距離通学する児童生徒を安全に送迎するとともに、更なる利便性の向上に努めます。
次に、「学校給食の推進」について申し上げます。
学校給食につきましては、今後も地元食材を積極的に使用し、生産者への感謝の気持ちや地産地消の意義を教える食育を推進します。
食材費高騰による昨今ではありますが、成長期にある児童生徒の心身の健全な発達のため、栄養バランスの取れた豊かな給食を提供することにより、健康の増進に努めます。
安全安心な学校給食を提供するために徹底した衛生管理と品質管理を行うとともに、計画的に給食センター施設の整備を行ってまいります。
次に、社会教育に係る方針「社会教育の充実」について申し上げます。
町民一人一人が豊かな人生を送るため「学びから生きる力を育むまちづくり」を目指し、第10次清水町社会教育計画を策定し、学びの成果を多くの人々が分かち合い、人と人とがつながり合う地域づくりを推進してまいります。
次に、「社会教育活動の推進」について申し上げます。
社会教育関係団体の情報を収集・発信し、団体活動の活性化を図るとともに、社会や町民の生活の変化に対応し、多様な人々がつながり合う学習の機会を提供してまいります。また、生涯学習ボランティアにおいては、地域住民の学びが学校教育と連携・協働できるように引き続き推進してまいります。
次に、「文化芸術活動の推進」について申し上げます。
多彩な文化芸術に親しみ、触れる機会を提供し、文化活動への興味関心や意欲を培い、楽しさや感動を共有し創造性を育んでまいります。第九文化においては、第10回目となる第九演奏会を開催し、合唱による交流や音楽文化さらには地域で育まれてきた文化芸術活動を支援・啓発し未来へ引き継いでまいります。また、郷土の文化や歴史への関心を高め、郷土や開拓の歴史を学ぶ機会を提供してまいります。
次に、「スポーツ活動の推進」について申し上げます。
スポーツによる健康づくりや仲間づくりを進めるため、年齢や体力に適した「町民ひとり1スポーツ」を目指し、スポーツ推進委員並びに体育団体等と連携し、軽スポーツの普及・啓発に努めてまいります。
青少年のスポーツにおいては、少年団等の子どもの送迎事業を拡充するとともに、学校部活動の地域移行・展開に向けた事業に取り組んでまいります。また、安全なスポーツ施設の環境整備等にも努めてまいります。
次に、「図書館・郷土史料館の運営」について申し上げます。
図書館は、町民の生涯学習活動の基盤施設として、人々が集う居心地の良い環境を整備し、図書館サービスを充実させてまいります。また、子どもの読書活動推進においては、学校図書館等と連携し、「しみず読書の日」の普及・定着に努めてまいります。
郷土史料館においては、施設の学習機能を充実させ、町や郷土を学び紹介する拠点として整備・運営してまいります。
以上、令和7年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げました。本年度においても、「地域とともに進める魅力ある教育の推進」に向けて、誠心誠意取り組んでまいりますので、議員並びに関係各位、町民の皆様のご理解と力強いご支援をいただきますようお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。
令和7年6月12日 清水町教育委員会教育長 山下勇。